はじめに:落語とは
落語とは噺家(落語家)による話だけで構成された芸能です。これが歌舞伎や能楽などは一線を画する特徴ですね。とりわけ面白い(滑稽な)テーマのものが多く、話の最後にオチがつくことが特徴です。また落語には演劇に出てくるような小道具はないので、噺家が身振りや声色で話に出てくる登場人物を演じ分けるのも落語にしかない特徴です。
落語を見るなら浅草で
今回は、浅草観光をしながら落語を楽しむためには具体的には何をしたらいいのか、何に気をつければいいのか、実際にどう観光していくかの三つの観点を中心にまとめていきます。
落語を見られる場所は?
いざ落語を見ようと思っても、どこで落語をやっているかは落語初心者であればなかなか馴染みがないと思います。落語は基本的に、寄席(よせ)と呼ばれる演舞場(劇場)で行われます。浅草ならば浅草の演芸ホールが有名です。他にも都内では新宿末廣亭や池袋演芸場なども有名です。
浅草演芸ホールで落語をみるメリット
他にも演芸ホールがありますが、浅草の演舞場(劇場)を取り上げます。その理由は演舞場が各観光スポットや各路線の駅と近い浅草演芸ホールだからです。浅草観光をしながらでも自由気ままに立ち寄ることもでき、その上立ち寄り安い立地なことがこの演舞場を選ぶメリットです。
落語を観られる時間帯
落語は基本的に一日二つのスケジュールで行われています。正午ごろから開かれる昼の部(浅草の演芸ホールでは11:40~)と、午後5時ごろ(浅草の演芸ホールでは16:40~)から開かれる夜の部に分かれています。また、昼の部と夜の部の間で入れ替えが行われることはないので、満足するまで部をまたいで劇場にとどまれます。
落語の番組表(公演のスケジュール)
落語の番組表(公演のスケジュール)は昼の部と夜の部で分かれていますが、それらは大体5~7個程度の演目で構成されています。よって、一つの部の中でもいくつかの種類の落語を楽しめます。
途中退場はできるの?
落語を行う客席は基本的に出入り自由となっています。ただし、寄席(劇場)の再入場を行なっていない場合がほとんどなので注意が必要です。それなので、例えば、昼の部に入ったとしても、演目をひとつやふたつ程度見て満足したら帰る、ということも可能です。しかし、他の観客の邪魔にならないように番組表(公演のスケジュール)に沿って演目の間に退場するようにしましょう。
番組(公演のスケジュール)はいつも一緒?
落語の番組表(公演のスケジュール)はその月の上旬、中旬、下旬それぞれで異なっています。寄席(劇場)では、月の上旬(1~10日)月の中旬(11日~20日)月の下旬(21~30日)をそれぞれ「上席(かみせき)」「中席(なかせき)」「下席(しもせき)」と呼びます。これらの3つの区分によって番組表の順番は変化します。演舞場(劇場)のホームページで番組表を確認しておきましょう。
どの話をするかを事前に知りたい
残念ながら、番組表(公演のスケジュール)に載っているのはどの噺家がどの時間に公演をするかということだけです。話の内容は、噺家が当日に決定することになっているので事前に知ることはできません。ただ、自分がテレビで見た噺家を見たい場合などは、どの噺家が出演するかがわかるのでそれをチェックしておいて損はないでしょう。
誰の演目を見ればいいの?
「噺家を全く知らない」そういう方も多いと思います。そういった場合、噺家を選ぶ基準になるのが「香盤(こうばん)」と呼ばれる噺家のランク付けがあります。「前座」、「二ツ目」、「真打」の3種類で、それぞれのランクは「真打」が最も高いです。つまり、「真打」の噺家は相当なベテランが行うので、ひとつの演目だけ観るとしたら「真打」は外せないでしょう。
お笑い芸人のライブ
寄席では演目と演目の幕間では寄席芸人の芸をみることができます。寄席芸人といえばナイツでしょう。実はナイツは落語芸術協会員で、メジャーな寄席に出演している芸人といえばナイツと言っても過言はありません。浅草の演芸ホールではナイツがみられるということもあってナイツ目当てでナイツの漫才を観に行くナイツファンもいるほどです。ナイツ目当てでなくても芸術協会お墨付きの芸人の漫才を楽しむことができます。
チケットの購入方法
寄席に入場するためのチケットは予約や前売りは行なっていないので、実際に寄席(劇場)を訪れて当日購入することになります。チケットの購入口である「木戸(きど)」と呼ばれる販売所で買いましょう。また、場内の混雑状況などもここで聞くことができます。公演の40分前、つまり午前11時から当日のチケットの販売が行われています(浅草の演芸ホールの場合)。
チケットの料金
落語の場合は、座席による料金の違いはありません。しかし、大人、学生、子供によってチケットの料金がそれぞれ異なっている場合があります。浅草の演芸ホールの場合は、料金が大人が2800円(特別興行時の料金は3000円)、学生は2300円(特別興行時の料金は2500円)、子供(4歳以上から)は1500円(こちらは特別興行時の料金も1500円)となっています。
落語を見る際の注意点
落語をみるにあたって配慮しなければいけないことを紹介します。演舞場(劇場)の中では飲食物を食べたり飲んだりしても構いません。ただし、周りの人の迷惑になる食べ物はやめましょう。演舞場からの出入りは辺りの方々への配慮を忘れずに。また、特別興行時はチケットの料金が違う場合があるので注意しましょう。加えて当日は自分の見たい演目があるか、番組表(公演のスケジュール)を確認しておきましょう。
浅草で落語を見るプラン:昼の部1
今回は、浅草駅を起点として、浅草観光をしつつ浅草の演芸ホールで落語を観るプランを紹介したいと思います。まずは昼の部から浅草観光を楽しむプランを紹介したいと思います。
朝から昼の部
浅草駅(東京メトロ銀座線)で降りたら、まずは浅草寺に行きましょう。浅草寺は、浅草に来るなら一度は立ち寄っておきたいスポットです。浅草寺の雷門で写真を撮る人は多いです。それなので浅草観光の思い出にここで写真を撮るのもお忘れなく。
浅草寺
浅草寺の正面に堂々と座するのは雷門です。ぜひ観光の思い出として写真を撮っておきましょう。また、仲見世通りには様々な飲食店やお土産屋が立ち並んでいます。昼の部の公演に向けて腹ごしらえをしておくのも良いかもしれません。
仲見世通り人気の土産屋 1
仲見世通りの人気の土産屋として「元祖木村家人形焼本舗」があります。その名の通り、人形焼を専門とする和菓子屋です。浅草の名物といえば人形焼ですよね。ひとつひとつ丁寧に焼き上げた手作りの人形焼は絶品です。浅草に来てここに立ち寄らない人はほとんどいません。
【営業時間】9:30~18:30(土日祝日は19:00まで) 年中無休
仲見世通り人気の土産屋 2
人形焼に並ぶ有名和菓子として、「船和」の芋ようかんとあんこ玉があります。「船和」は110年以上続く有名老舗店です。名物である芋ようかんは素材のさつまいもを一本一本丁寧に調理して作った素朴な甘みが特徴のようかんです。また、あんこを寒天で包んだあんこ玉も名物で、小豆、白いんげん、抹茶、苺、みかん、珈琲の6つの味があり、カラフルな見た目から土産物として人気があります。
【営業時間】10:00~19:00
さて、浅草寺での観光を終えたら演舞場へ向かいましょう。できれば開演する11:40前に寄席に着いておきたいところ。早めに行けば、自分の好きな位置で落語を楽しめるかもしれません。寄席が始まったら、あとはお好みで演目や漫才を鑑賞しましょう。
浅草で落語を見るプラン:昼の部2
観光の最初に寄席の演舞場に向うプランも紹介します。昼間の浅草寺は、特に休日だと観光客で賑わっているで人混みが苦手な方ならそのまま演芸ホールで落語を見に行くほうが楽かもしれません。
もちろん、寄席は演舞場内(劇場内)であれば途中退場OKなので、落語を見ていくうちに観光したい気分になってくれば、そのまま退場して浅草観光に切り替えることもできます。ここが落語のメリットの一つです。
浅草観光で、浅草寺以外に訪れておきたいのは東京スカイツリーです。実は浅草からあまり時間がかかりません。浅草から東武伊勢崎線で2分で行くことが出来ます。東京スカイツリーでは、展望台だけでなくすみだ水族館や、東京ソラマチでのショッピングが楽しめます。
浅草で落語を見るプラン:夜の部
落語は昼だけでなく、夜の部も行なっています。午後からゆっくりと浅草観光を満喫したいのであれば、夜の部を利用してみるのも良いでしょう。
浅草駅周辺をぶらぶらしながらシメは落語
先ほども紹介した浅草寺の仲見世通りには様々な浅草グルメがあります。お昼過ぎからゆったりと仲見世通りで浅草グルメを楽しみましょう。
浅草グルメ 浅草メンチ
浅草グルメとして一度は食べておきたいのが、浅草メンチのメンチカツです。ジューシーな揚げたてメンチカツを200円で食べられます。からしをつけて食べるのがオススメだそうです。
【営業時間】10:00~19:00
浅草グルメ 浅草ちょうちんもなか
熱くてしょっぱいメンチカツを食べたら、今度は甘くて冷たいものが食べたくなるものです。そんな時にオススメなのが、浅草ちょうちんもなかのアイスもなかです。アイスの味はバニラ、抹茶、あずき、きな粉、紅いも、いちご、黒ごま、クッキーアンドクリームの8種類で、好きなアイスをもなかに挟んでもらえます。価格はひとつ330円です。
【営業時間】10:00~17:30
浅草グルメに舌鼓を打ったら、お待ちかねの寄席へ。演目が始まってから入場するのはマナーを考えてあまりよくはありません。余裕を持って入場できるよう、早めに寄席に着いてチケットを購入できるようにしておくと良いでしょう。
まとめ
浅草は初心者が気軽に落語を見るのにぴったりな場所です。ぜひこの記事を読んで落語の楽しさに触れていただけたらと思います。浅草観光について詳しく知りたいという方がいれば下記のリンクからアクセスしてみてください。
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