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日本のパスポートは何色ある?種類ごとの色の違いや意味をご紹介!

海外へ渡航する際には必ず必要になるパスポート。現在日本にあるパスポートは色ごとにその種類分けがされており、外交官などの特別な職業の人が持つパスポートなども存在します。今回はそんな奥深いパスポートの色についてご紹介いたします。
更新: 2023年11月24日
辻萌乃
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パスポートとは

パスポートは世界共通の身分証

Photo byjackmac34

パスポートとは、国が発行する持ち主の国籍や身分を証明してくれる世界共通の身分証明書です。世界中のほとんどの国では入国や滞在を許可するための条件の1つにパスポートの提示と携帯することが求められます。そのため、外国へと渡航するときには0歳の赤ちゃんでも必ずパスポートが必要です。

世界最強と言われる日本のパスポート

日本のパスポートが「世界最強」と言われる理由は、所持しているだけで世界190ヵ国へ渡航できるからです。イギリスのコンサルタント会社「ヘンリー&パートナーズ」がビザ無しで渡航できる国の調査を世界199ヵ国で実施したところ、日本は合計190ヵ国で第1位に輝きました。世界から見ると日本のパスポートは特別で、「世界最強」と評価されています。

日本のパスポートの色は全部で5種類

日本に何色のパスポートがあるか知っていますか

現在、日本で発行されているパスポートの表紙の色は全部で5種類。自分の知っているパスポートの色を思い浮かべてみて、スタンダートな2色しか知らない方も多いのではないでしょうか。実は日本には、外交官などの特別な職業の方が持つめったに見ることができない限定的なパスポートが存在しています。

色の違いが意味するパスポートの種類

Photo byJESHOOTS-com

5種類それぞれ表紙の色が異なっているのにはきちんとした理由があり、色を分けることによってパスポートの種類分けを簡単にしているのです。これから、表紙に何色が使われているのか、パスポートの種類や違い、その意味について解説していきます。

【紺色】一般旅券

誰でも取得可能なパスポート

紺色のパスポートは「一般旅券」といわれ、誰でも申請可能です。有効期間は5年で、表紙に国名と一緒に「PASSPORT」と書かれています。大きな特徴は、20歳未満の未成年は紺色のパスポートしか持つことができない点です。未成年は年齢によって成長し、大きく顔つきが変わるので、パスポートに載っている写真と本人の顔が大きく違うことによって起こるトラブルを未然に防ぐ意味があります。

申請費用には子供料金もあります

有効期間5年の紺色のパスポートを申請する場合、費用は通常11,000円です。12歳未満は6,000円となり、料金が安く設定されています。ただし、12歳の誕生日の前々日までに申請をするという条件がありますので、12歳の誕生日間際で申請する場合は注意が必要です。(この記事の情報は、2019年10月1日現在のものです。)

【赤色】一般旅券

20歳以上しか持てないパスポート

赤色のパスポートも「一般旅券」といわれています。紺色のパスポートとの大きな違いは有効期間が10年という長さ。もともと赤色のものはなく、1995(平成7)年に新設されたパスポートです。こちらも紺色の表紙と同じく日本の国名と「PASSPORT」と書かれています。有効期限が長いので、成人している人は一般的に赤色のパスポートを選ぶ方が多いです。


お得な申請費用

赤色の申請費用は16,000円。紺色のものと比べると申請費用が11,000円なので、プラス5,000円で5年間有効期間が延びると考えるとお得だと言えるでしょう。ただし、仕事などで頻繁に海外へ渡航する方は出入国スタンプを押す査証欄が44ページと限られており、5年用を更新する方がよい場合もあります。査証欄は増やせますが、費用は2,500円で1度きり40ページの追加なので注意が必要です。(この情報は2019年10月1日現在のものです。)

【濃茶色】外交旅券

外交で使用されるパスポート

「外交旅券」は文字通り、外交で渡航する人に発行される特別なパスポート。名前から外交官専用のパスポートだと思いますが、持っているのは外交官だけではありません。皇族や内閣総理大臣をはじめとする三権の長、国務大臣、特命全権大使など外交のために渡航する人とその同伴者のために発行されます。有効期間は1年と短く、表紙には国名と一緒に「DIPLIOMATIC PASSPORT」と記載されているのが特徴です。

外交官も持っている特権

外交旅券の特権には「外交ビザ免除」、「荷物検査免除特権」、「不逮捕特権」があり、いわゆる外交官が持つ外交特権と呼ばれるものです。皇族以外は個人的な渡航で使用することはできません。ちなみに、天皇皇后両陛下もパスポートを使用しているという話がまことしやかにささやかれていますが、天皇皇后両陛下は日本の元首なので、王、女王、ローマ法王と同じく慣習によりパスポート無しで渡航できます。

【緑色】公用旅券

公務で使用されるパスポート

緑色のパスポートは「公用旅券」といい、国の公務で外国へ渡航する本人とその同伴者だけに発行される特別なものです。主に国会議員や特別職国家公務員、青年海外協力隊などの公的機関の職員や文化庁所属の研究員などが海外へ渡航する際に使用しています。有効期間は一般旅券と違い、主に出国から帰国まで。個人的な海外への渡航には使用できません。表紙には国名の下に「OFFICAL PASSPORT」と記載されています。

公用旅券にある特権

公用旅券には、公用ビザが免除されている国があり、ノービザで渡航できます。ただし、一般旅券であれば本来ノービザで入国できる国でも公用旅券を使用する場合にはビザが必要になるというデメリットも出てくる特殊なパスポートです。ちなみに、前述した外交旅券との違いは職務の違いで区別されています。例えば外交官の仕事はその名のごとく「外交」に関する職務で、青年海外協力隊は政府開発援助を行う「公務」という違いです。

【茶色】緊急旅券

緊急時に発券されるパスポート

先ほど解説した外交旅券と色が似ていますが、その効力は全く異なります。渡航先でパスポートの紛失や盗難にあった場合に緊急的な措置として発行されるのが茶色の「緊急旅券」です。そのため、渡航先の大使館や領事館で発行してもらう人がほとんです。有効期間は1年で、国名の下に「EMERGENCY PASSPOERT」と記載されています。

日本国内で発行される場合もある

Photo byPublicDomainPictures

緊急旅券は日本国内で発行される特別な場合もあります。それは、パスポートを保有していない人の家族や親族が海外に居て、その人たちの緊急的な救援のために渡航しなければならない場合です。しかし、これには海外への渡航が人道的理由であるという政府の判断が必要になります。政府によってこの判断が下された場合にのみ日本国内にて緊急旅券が発行されるのです。

【番外編】ちょっと変わったパスポート


番外編①執行猶予者限定のパスポート

外交官などが持つ外交旅券と並んで、めったにお目にかかれないのが執行猶予者に発行される限定パスポート。外見は紺色の一般旅券と同じですが、その中身は大きく異なります。その人が犯した罪状の文書が記載されており、有効期間は半年と短いので海外に居る場合は更新し続けなければなりません。また、発行元が外務省ではなく、申請した地域の裁判所だというのも大きな違いです。執行猶予者パスポートは手続きに時間と手間がかかり、申請しても発行が却下される場合もあります。

番外編②緊急措置で発行される渡航書

パスポートを渡航先の海外で紛失・盗難・失効した場合に緊急的に発行されるのが渡航書です。日本に帰国するためだけのものですが、例外として日本に戻るときに第3国が経由地となっている場合は例外的に出入国が認められます。渡航書は白いパスポートの様な見た目ですが、パスポートの表紙には国章の菊紋が描かれているのに対して、渡航書の表紙には日本政府をあらわす桐紋が描かれているのが特徴です。

知っておくべき緊急旅券と渡航書の違い

似ているようで違う2つ

ここまで読んできて、前述した緊急旅券と渡航書って同じものではないかと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。緊急旅券と渡航書は発行されるときの条件は同じです。ただし、有効期間が渡航書は帰国まで、緊急旅券は1年と異なります。そのため、長期的に海外に滞在している留学生や海外出張者などは再びその国に戻る可能性もあるので、外国に長期的に滞在している方には緊急旅券が発行される場合が多いです。

発行日数にも明確な違いがある

発行までにかかる期間も異なります。渡航書は2営業日、条件が揃えば大使館や領事館で即日発行してもらえますが、緊急旅券は発行まで約2週間ほどの時間が必要です。発行にかかる日数が短い方が一般的な旅行者向きだとは思いますが、いずれも発行の手続きには本籍地記載の戸籍謄本または戸籍抄本などの申請書類一式が揃わないと発行手続きに進みませんので、注意が必要です。

世界には何色のパスポートがあるのか?

国の特色が出る色

日本のパスポートは先ほど紹介したように数種類ありますが、一般の人が手にできるのは紺色と赤色の一般旅券であり、色が決まっています。世界的に見ても一般旅券の色は国ごとに決まっており、その種類は「赤・青・黒・緑」の4色。そのため、パスポートが何色かでその人のおおまかな国籍が判断できます。外国人の友人や知人が居る人はパスポートの色が何色か話のネタとして聞いてみるのもよいでしょう。

パスポートが赤色の国

赤色は日本をはじめとするマレーシアなどのアジア、チリやボリビアなどの南アメリカ、そしてヨーロッパ各国で使われています。なかでもヨーロッパではハンガリー、ノルウェーなどのEU加盟国で使用されているのが特徴です。理由としてEUに加盟している国々の結びつきとブランド力をあらわすために赤色を選ぶ傾向があります。ほかにも中央アメリカでも赤色を使用している国があります。

パスポートが青色の国

青色は新世界を象徴する意味がある色で、大航海時代に新世界と呼ばれたカリブ海にある15か国が青色を採用しています。また、別の理由として南アメリカ諸国の関税同盟「メルコスール」の参加国はそのブランド力を示すために青色です。アメリカも青色を採用していますが、アメリカのパスポートは結構な頻度でデザインが一新されるので、特別関係ないと言えるでしょう。ちなみに、日本の紺色の一般旅券も青色に分類されます。

パスポートが緑色の国


パスポートに緑色を採用している国は「西アフリカ諸国経済共同体」の参加国ですが、ブランド力アピールの意味合いは低いです。ほかにも、サウジアラビアなどのイスラム圏で多く緑色が採用されています。その理由はイスラム教の教祖であるムハンマドが緑色を好んだからです。ほかにも砂漠の多い地域で緑色は「自然と生命の色」を意味しており、縁起のよい色として好んで採用されています。

パスポートが黒色の国

ほかの3色に比べると黒色を採用している国は少ないです。しかし、アフリカやニュージーランドなどで採用されています。ちなみに、ニュージーランドのナショナルカラーは黒色と銀色の2色。そのため、ニュージーランドのパスポートは表紙は黒、文字は銀色という2色で構成されており、とてもデザイン性の高い見た目もかっこいいパスポートになっています。

2020年はパスポートが大きく変わる年

前回の大きな変更は2006年

パスポートの変更は日本ではめったにありません。前回の変更は2006(平成18)年。これはアメリカ政府の要請で、全ての旅券に対してICチップ化の要請があったため、全てのパスポートにICチップを搭載する変更が行われたからです。アメリカでは2001(平成13)年に起こった同時多発テロ以降、入出国のセキュリティーが強化され、アメリカへ入出国するときはICチップ搭載のパスポートでしか手続きできません。この時の変更はデザイン変更ではなく、ICチップ搭載のために必要な変更でした。

偽造防止対策のために大幅変更

パスポートに何色があるのかご紹介してきましたが、実は2020年に偽造防止対策などの理由からデザインが一新されます。表紙の見た目はこれまでと違いはありません。大きく違いがあるのはその中身。2020年から査証欄に葛飾北斎が浮世絵で描いた『富岳三十六景』がすべてのページに印刷されます。しかも、1ページごとにデザインが異なる特別仕様。2020年にパスポートを取得し、実際に確認してみるのもよいでしょう。

簡単に言い尽くせないパスポートの色

一口にパスポートと言っても一般旅券から外交官などが持てる特別なものまで存在します。日本や世界で何色のパスポートがあるのかを知り、興味を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。色分けがしてある理由を知ることで、パスポートの重要性も理解することができます。国ごとに特別な意味のある色を採用しているので、日本はもちろん、自分の興味のある国のパスポートについて調べてみるのも面白いですよ。

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