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出西窯とは?出雲にある話題の陶器の魅力や観光での見学方法までご紹介!

近ごろも出雲で評判高い陶器を生み出して人々を魅了し続ける、出西窯(しゅっさいがま)をご存知ですか?昭和に始まった人気の窯元では、作り手のコダワリの器を入手できる他、見学やグルメなどの醍醐味まで存在します。出西窯の陶器の魅力や見学の方法まで、詳しくご紹介します。
2020年8月27日
はぐれ猫
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出西窯とは

神話の土地出雲にある

今や確固とした人気の陶器が生み出されている出西窯は、オオクニヌシや因幡の白うさぎなどの神話の舞台として知られる島根にあります。宍道湖へ注いでいる斐伊(ひい)川に寄り添って、いまだ農村風景が色濃い出雲市。そんなのどかな土地に、オレンジ色の屋根が並んでいる一角が目的地です。

出雲の出西くらしのvillageにある

この窯元は単独であるのかと思いきや、幾つかのおしゃれで話題の店舗が集まっている「出西くらしのvillage」の中に含まれる形となっています。出西窯を観光で訪ねると、陶工の魅力だけではなく、ビレッジの敷地内で様々な楽しみが出てくるのです。

出西とは地名だった

ふり仮名がないとなかなか読みづらい、しゅっさいという名前の由来は、実は単純に、出雲市の大字出西という地名から取って、出西窯と名乗っているのだそうです。出西地区は眺めのよい三本松公園や、伊保神社が名所として知られています。

工房の見学も醍醐味

抜群の使い勝手とデザインが支持されている器の数々を手にすることは、出西窯を訪れた時の目的の1つです。そして優れた器を生み出す工房の内部を見学できることは、この出西窯で話題の見せ場にもなっています。今や出雲の観光でも出西窯の見学は見逃せませんが、その内容は後ほど明らかとなります。

出西窯の基本情報

【所在地】出雲市斐川町出西3368 出西くらしのvillage
【電話】0853-72-0239
【営業時間】9:30~18:00(火曜定休・火曜が祝日なら営業・元日休業)

出西くらしのvillage

出西窯のアクセス

アクセスの概要

基本的に新幹線が通っていない島根は、空路でのアクセスが良い土地柄です。出西窯は駅からは意外と遠く、近隣にバス停がないので徒歩での移動はあまり向いていません。出雲縁結び空港やJR山陰本線の出雲市駅、あるいは直江駅などから、タクシーで出西窯へ向かうのが最良です。

アクセスルート

【電車とタクシー】JR山陰本線→出雲市駅や直江駅→タクシー→出西窯(10分)
【飛行機とタクシー】出雲縁結び空港→タクシー→出西窯(13分)
【車】山陰自動車道→斐川インター出雲ロマン街道(県道183号・197号)→出西窯(10分)
【電車と徒歩】一畑電車北松江線→大津駅→徒歩→出西窯(45分)
※近隣にバス停なし

出西窯の歴史

昭和22年の始まり

初めて出西窯が登場したのは、戦乱の跡も生々しかった昭和22年のことでした。出雲市斐川町出西を出身とする多々納弘光ら19~20歳の若者5人が、貧しい中で出来ることを模索した結果、陶芸へとたどり着きました。若者らは地元の陶芸技師に学びながら窯を自作、見よう見まねの陶器作りを始めたのです。


民藝運動の転機

そんな中で始めたばかりの出西窯に一大転機が訪れます。松江の工芸家から、器に美しさも志も感じられないと酷評され、柳宗悦による民藝運動の本を手渡された出来事です。その言葉と本に衝撃を受けた5人は改めて安来の陶芸家から指導を受け直し、今出西窯に受け継がれる独自の器作りが本格化しました。

出西窯の器作りの特徴

窯主がいない共同体スタイル

他の窯元との明確な違いは、その経営理念からも伺えます。出西窯には窯主が存在せず、陶芸職人の共同の工房として位置づけられていることが、まず1つの違いです。作り手が5人だけだった初めての頃も、18人の大所帯になり人気を確立した今も、変わらない陶芸に対する姿勢です。

作り手は芸術家ではない

他の工房では必ずと言っていい程に、陶芸家は芸術家に等しい存在です。しかし出西窯にいる数十人の職人たちは、決して芸術家を名乗りません。彼らにはあくまでも家庭で使う陶器や道具を生み出す職人としての志があるためです。それが出西窯の良質な器が、安く提供される理由にもなっています。

出西窯の陶器の特徴

島根県産の材料にこだわり

美しい色合いで曲線を描く出西窯の陶器には、様々なコダワリがあります。その1つが材料に対するコダワリ。出西窯では原材料となる粘土、釉薬(うわぐすり)、薪など、全ての材料に島根産だけを使っているのです。これは世の中の全ては土地のおかげさまという意味の「無自性」を追求しているためです。

用の美を追求した陶器

さらに出西窯のもう一つのコダワリが、全ての器で「用の美」を追求していること。これは当初から影響されていた民藝運動動や有名陶芸家からの教えを背景とした、出西窯の陶器の特徴です。器を手に持って使いやすいこと、器で美味しく食べられること、そんな用の美をいつも作り手が意識しています。

出西ブルー

無数の陶器が誕生している出西窯に到着すると、独特なブルーに魅了されてしまう人も続出するといいます。この魅力が高い青の色合いは、ファンの間では出西ブルーの名で呼ばれます。初めて出西窯のカップや器を手にする人も、鮮やかなブルーの陶器の数々からお気に入りを見つけてみてください。

出西窯の見学とその方法

自由に見学し放題な工房

初めて出西窯を訪れた時にも、観光で取り入れてみたいのが工房の見学です。話題の出西窯で、どんな作り手の仕事によって陶器が生み出されているのか、その様子を隅々まで拝見できるのが醍醐味です。見学の方法は予約なども要らず、営業時間内なら何時でも見学が可能になっています。

屋内の見学

工房の見学で注目なのは、作り手が集中して器を作り出している現場です。陶器を作るための道具の数々を駆使して、1つの出西窯の陶器が完成に近づく様子が手に取るようにわかります。多数の未完成の陶器が並ぶ棚の様子、焼き上げるための石窯などは、出西窯を初めて訪れた人々に感銘を与えます。

原料場の見学


屋外に多数の土や材料が置かれた原料場の見学の方法も、内部と変わらず予約要らずです。陶器になる以前にはどんな状態なのか、作り手はどうやって混ぜ合わせるのかなど、全てが開けっ広げにされています。人気の出西窯には、人気の陶器を作る上での秘伝的な機密事項も存在していないようです。

見学方法

【予約】必要なし
【見学時間】営業時間内
【見学の範囲】許可されている施設内

出西窯の窯焚きの見学方法

年に3~4回の窯焚き

建物の内部を見れば巨大な石造りの窯の存在感があり、これを見学するのも話題の出西窯の醍醐味です。地面に斜めに作られている窯には幾つかの入口がぽっかり口を開けていて、内部をまじまじ見ればまさに初めて目にする異世界空間。しかし出西窯で窯焚きをする様子は、お目にかかれない確率が高めです。

窯焚き見学は運次第

ここで窯焚きが行われるのは、1年間にわずか3~4回だけ。つまり365分の3~4回という確率の低さであり、もし出西窯の観光で窯焚きが見られたら、運がとても良かったと喜ぶほかありません。窯の高温と作り手の熱気がムンムンに感じられる瞬間は、まさに人気の出西窯の醍醐味と言えます。

出西窯の無自性館

展示販売をする無自性館

現地に行くと工房に隣接して、懐かしさを感じさせる和風建築が見られます。ここが出西窯で無自性館との名が付いた、人気の展示販売館です。明治時代の年季の入った家屋を移築し、店舗として活用しています。内部は階段がめぐらされ、不思議な立体構造をしている空間です。

お土産にもってこい

初めてこの地を訪れた人も、器の見事さにうっとりする瞬間がやって来るのが無自性館です。出西窯の作り手が丹精込めて生み出した、用の美を感じる器が所狭しと並べられています。観光のお土産として出西ブルーを始め、お気に入りの幾つかを購入してみたくなるのも必然です。

出西くらしのvillageのお店①

ル コションドール出西

こちらは食べて幸せになって欲しいとの願いを込め、出西くらしのvillageに2018年に開店した、話題のベーカリー&カフェです。ルコションドールとはフランス語で「金の豚」を意味し、幸せのシンボルと呼ばれている縁起物の名前です。初めて観光で出西窯を訪れたら、必ず立ち寄ってみてください。

自家製パンと旬の料理

真っ白な壁と大きな窓のある明るいルコションドールでは、天然酵母を使用した手作りパンが醍醐味です。その種類はじゃがゴロカマンベールやパンオショコラなど、人気のパンばかりです。カフェのほうでは出西窯のお皿やカップを使用して、ランチやデザートなど各種メニューが登場します。

お店のおすすめ料理

人気の高めなお昼の定番メニューといえば、出西窯のお皿に盛り付けられている、話題のカレープレート。鏡餅のように積み上げられた独特なカレー料理は、あいがけやスパイシー鶏キーマなど3種が選べます。さらにはBLTなどのサンドプレートも、モーニングの時間帯から見逃せません。

お店のおすすめデザート


出西の名前を冠しているプリンは、ルコションドールの食後やおやつタイムにはもってこい。地元名産の木次有精卵を使用し、出西窯の魅力的なお皿に乗っかった様子は、食べるのがもったいないほど。濃厚テリーヌショコラなどの醍醐味は、出西ブレンドコーヒーと一緒に味わうのがおすすめです。

ル コションドール出西の基本情報

【所在地】出西くらしのvillage
【電話】0853-27-9123
【営業時間】9:30~18:00 (ランチ10:30〜14:00、火曜・第2.4水曜定休)

出西くらしのvillageのお店②

B shop

風流な柳の並木に重なって、ビショップの伝統家屋を意識したモダンさを放つお店があります。この店舗は、出西窯の向かい側に誕生したばかりです。歴史と出西窯の町・島根にあやかって、Everyday Classicをテーマとし、長く使える良いものばかりを揃えています。

B shopのおすすめ

店内で欲しくなるビショップならではのクラシックアイテムと言えば、丈夫で用の美を兼ね備えたバッグ。さらに夏に島根観光で着こなしたいシャツやパンツ、履きこなしてみたいシューズなど様々に並んでいます。出西窯やカフェと一緒に尋ねてみれば、観光もお土産も一層と充実しそうです。

B shopの基本情報

【所在地】出西くらしのvillage
【電話】 0853-25-7332
【営業時間】10:00〜18:00(火曜定休) 

出西窯の見学に行こう

最新の陶器と料理を求めて

古来よりの神話がいっぱいの出雲で、用の美を追求した器に魅せられてしまう人が続出中な出西窯。そこは自由に見学ができたり、出西ブルーの器を手に入れたり、美味しい醍醐味もいただけたりと、話題になる理由も理解できました。初めての出雲旅行でも、出西窯をプランに含めてみませんか。

島根が気になる方はこちらもチェック!

当サイトでは話題の出西窯の他にも、島根県の観光地情報をまとめています。神話の地出雲をとことん楽しみたい方はチェックしてみてください。