緋牡丹(ヒボタン)
緋牡丹とはどんな植物?
可愛いサボテンを育てたいと考えている方におすすめなのが「緋牡丹」です。緋牡丹は一般的な緑色のサボテンではなく、赤や黄色、ピンクなどの可愛い色をしたサボテン。見た目は可愛いのですが、実は育てるのにはいくつもポイントがありますので、ポイントを知っておく必要があります。
今回はそんな緋牡丹の特徴や、開花、増やし方、接ぎ木などについて詳しく解説していきます!
緋牡丹とは?
サボテン科ギムノカリキウム属に分類される多肉植物の一種です。球のような形になるタイプのサボテンで、画像のように鮮やかな色をしています。パラグアイで育つ原種を日本で改良して生まれた、改良品種となります。日本で発表されたのは1958年ですので、それなりに長く愛されてきました。
緋牡丹は単体では育てられない?
育て方でまず覚えておかなければいけないのが、単体では育たない植物であることです。この鮮やかな色は、実は「斑」が全体に広がっている状態で、葉緑素がないのです。葉緑素がないということは、自身で栄養を作ることができません。
そのため、画像のように、下に別の柱状のサボテンを接ぎ木することで栄養を摂取します。他のサボテンに支えられないと生きられない、弱いサボテンなのです。
緋牡丹は初心者でも育てやすい?
鉢植えで販売されているものをそのまま育てるだけなら難しくありません。水やりをして、普通に育てられます。ただし、後述しますが、いつかは台木が腐る時が来ます。
その時に上手く他の台木に接ぎ木できればよいのですが、最初は難しいので、そういった面も含めると「中級者向け」のサボテンと言えるでしょう。一定の期間、鮮やかな見た目を楽しむだけであれば問題なく育てられます。
緋牡丹は花が咲く?
花が咲くのかも気になるところです。サボテンは花が咲く植物であり、緋牡丹も花を付けます。ただし、いつ咲くかは分かりませんので、咲くまで気長に育てましょう。花は薄ピンク色が基本で、観賞価値の高い、美しい花が咲きます。
日中に開いて、夕方になると閉じてしまいますので、咲きそうになってきたら注目しておきましょう。
緋牡丹錦と緋牡丹の違い
よく混同されるのが「緋牡丹錦」です。緋牡丹錦は台木を使わなくても育てることができるサボテンで、緋牡丹も元は緋牡丹錦でした。緋牡丹錦の斑の部分が全体的に広がって赤くなったのがなのです。
緋牡丹錦は、通常のサボテンと比べると、育てるのが少し難しいのですが、ちゃんと気を付けていれば問題ありません。興味がある方はチェックしてみて下さい。
緋牡丹の花言葉と名前の由来
緋牡丹の花言葉
気になる花言葉は「燃える心・偉大・情熱・枯れない愛・あたたかい心」があります。どれも情熱的で、見た目にピッタリな花言葉となっています。台木が腐ることによって数年で枯れてしまうことも多い植物ですが、贈り物に適したサイズですので、花言葉を添えてどなたかに贈ると喜ばれるかもしれません。
緋牡丹の名前の由来
名前は見た目通り、赤く、また牡丹のような花を咲かせることが由来となっています。また、他にもいろいろな呼ばれ方をしており、キャンドルサボテンという呼び方が有名です。
まさに、キャンドルのような見た目から来ています。他にも、カラーヘッドサボテンと呼ばれることもあります。どの呼び方でも問題ありませんが、緋牡丹という呼び方が一般的です。
緋牡丹の風水
お家に飾る際に気になる風水ですが、サボテンのようにトゲを持つ植物は、風水において「悪い気を寄せ付けない」効果があるとされています。
家族が団らんする場所に飾るのではなく、気が入ってくる場所に飾るとよいでしょう。例えば、ベランダ、窓辺、玄関などです。トイレも悪い気の溜まりやすい場所とされていますので、飾ってもよいでしょう。
緋牡丹の価格や選び方
緋牡丹の販売価格
緋牡丹(ヒボタン)
綺麗な見た目をしているので、販売価格も高そうに見えるかもしれませんが、一般的には500~1000円と安く販売されています。ただし、価格は接ぎ木に使われている台木の種類によっても変わります。
よく使われているのが三角柱という種類で、途中で腐るために長くは育てられませんが、安価に購入できます。その他、袖ヶ浦・竜神木といった台木が使われている場合があり、値段が上がります。
緋牡丹の選び方
特に大きな選び方のポイントはありません。見た目に元気そうな株を選んで下さい。特に、色がよいものを選んだ方がよいでしょう。形はお好みで構いません。
また、接ぎ木の部分がしっかりしていると安心です。鉢ごと購入することが多いので、お気に入りの鉢に入っているかも大切なポイントとなります。
緋牡丹の育て方
①環境
緋牡丹は鉢植え?
緋牡丹は地植えされている場合もありますが、日本で育てる場合は鉢植えが基本です。元々鉢に入った状態で販売されていることが多いので、そのまま育てていくとよいでしょう。ある程度の暑さ・寒さに耐えられますが、夏・冬は鉢を移動するなどして、少し環境を整えた方が安心です。
緋牡丹に適した生育環境
生育適温は20~30度で、耐寒温度はマイナス5度までとなっています。暑さにも強いので、安心して日なたにおける植物です。日当たりと風通しのよい場所を好みますが、雨に当たるのを好みませんので、できれば雨が当たらない場所に鉢を置いてあげて下さい。
室内でも育てられますが、エアコンの風が当たらない場所に置きましょう。
夏冬時期の管理
夏の暑さには耐えられますが、高温多湿環境になると腐る危険性がありますので、風通しのよい日陰に移すとよいでしょう。また、緋牡丹自体は寒さにある程度耐えられますが、台木が寒さに弱いことも多く、冬には室内に取り込むのがおすすめです。
冬はあまり水を必要としませんが、断水はせず、一ヶ月に一度のペースで水やりをします。
②用土・植え付け
用土
購入した際の鉢のまま育てるのであれば、初期は用土を用意しなくても大丈夫です。最初から好みの鉢に植え替えをする、もしくは2~3年経って植え替えをするタイミングが来たら購入しましょう。
水はけのよい土を使うことが大切ですが、ホームセンターに販売されている「サボテンの土」をそのまま使えますので、サボテンの土を使うことをおすすめします。
植え付け
違う鉢に植え付けをする際は、鉢から緋牡丹を取り出して、そのまま植え替えるとよいでしょう。この時、もし腐った根があれば清潔なハサミで切ります。根を切った場合は、数日天日で乾かしてから新しい鉢に植え付けましょう。腐っていなければ、そのまま植え替え、隙間に新しい用土を入れてあげれば植え付け完了です。
③水やり・肥料
水やり
緋牡丹は乾燥気味の環境を好みますので、水やりしすぎないように注意しましょう。春から秋の間は、土が完全に乾いてから、たっぷり水を与えて下さい。下からしみだして受け皿に溜まった水は捨てましょう。
冬場は月に一回程度、土を湿らせる程度で大丈夫です。水やりしすぎると、蒸れて根腐れを起こしてしまいます。
肥料
緋牡丹は特に肥料を必要としない植物です。サボテンの土などを使用した場合、用土に元肥となるような肥料分が少し含まれていることが多く、その肥料分だけで十分育ちます。
花が咲くことも少ないので、基本的には水やり管理のみです。用土が古く、肥料分がない場合は、緩効性肥料を置くか、薄めの液体肥料は2ヶ月に1回与えるとよいでしょう。
④植え替え・増やし方
緋牡丹の植え替え
かわいい緋牡丹ちゃんをいただいたので朝から植え替え:cactus:︎︎:two_hearts:︎ pic.twitter.com/IScny3KnUu
— nao* (@puberty_trouble) February 9, 2019
根詰まりする可能性がありますので、2~3年に1回、植え替えをしましょう。植え替えの適期は3~5月、もしくは9~10月がおすすめです。鉢から取り出しやすいように、水やりから数日経った状態で行います。
鉢から取り出したら、古い根・腐った根を切り、太陽光で数日乾かします。その後、新しい鉢に植え替えましょう。植え替え後、1週間したら水を与えて下さい。
台木の接ぎ替えについて
緋牡丹は、台木が腐ることで寿命となってしまうことがほとんどです。台木によく使われている三角柱は、数年すると弱って腐ってきます。その場合、台木を接ぎ替えることで長く育てていけるのですが、本体と台木を切り離し、違う台木に移すのは失敗することも多いので、試す程度でまずはやってみるとよいでしょう。
緋牡丹の接ぎ木
— Hirakun (@Hirakun2) September 15, 2017
3ヶ月あまりでこんなに
大きくなりました
多肉植物は葉挿しやカキ仔で簡単に増えるものが多いですが
サボテンも接ぎ木をすればよく成長します
緋牡丹は葉緑素がないので三角柱(ドラゴンフルーツ)に接ぎ木します
意外に簡単に活着して
すぐ大きくなります。 pic.twitter.com/886WAaf48q
接ぎ木をする数日前には水やりをやめて、乾燥させておきましょう。緋牡丹と、用意した台木をナイフなどで平面に切ります。平面と平面を合わせたら、糸で縛る、もしくは包帯を被せてクリップで固定するなどして密着させます。
しっかり密着させないと失敗しますのでご注意下さい。上手くいけば、10日ほどでくっつきます。くっついてから枯れてしまうこともありますので、しばらくは様子を見ましょう。
緋牡丹の増やし方
緋牡丹も
— チャボ (@vintage_tone) March 9, 2018
台木の三角柱が弱ってきて
枯れ果てるのも時間の問題かな
子株を新しい台木に接ぎ木すれば再生できるらしが
かなりの難易度
さらに
生きてそうな子株だけでも14個ほど
大量生産できそうなくらい
どこまでやるか pic.twitter.com/oZ6xgJiO68
本体から子株が出てきますので、その子株をまた接ぎ木することで増やしていけます。ただし、接ぎ木は株同士の相性も関係してきますので、必ず成功するとは限りません。失敗も想定しつつ、試してみましょう。一般的には三角柱が使われていますが、慣れてきたら竜神木などを使ってもよいでしょう。
⑤お手入れ方法・腐ってしまう場合
日頃のお手入れ
緋牡丹は特に手入れすることなく、そのまま育てていけるサボテンです。水やりを控え目にして、日を当て、風通しのよい場所で育てていきましょう。また、害虫が付くことがありますので、逐一チェックしてあげて下さい。
緋牡丹が腐る場合
接ぎ木サボテンとして有名な緋牡丹(赤いサボテン)は市販のものはたいてい数年で腐る三角柱という台木に接がれていて、長く生かす為には永久台木になる龍神木などに接ぎ直ししなければならない、というのが接ぎ木について調べるきっかけだった。 pic.twitter.com/okfkakLNmT
— ヒロタ (@hirota249) May 19, 2018
緋牡丹が腐る場合は、台木が寿命かもしれません。一旦腐り始めると復活させるのが難しいのですが、代わりの台木があれば接ぎ木してみましょう。できれば、腐る前に接ぎ木をしておきたいところです。三角柱は寿命が来てしまいますが、竜神木なら長く楽しめます。
⑥病害虫
病気
一般的なサボテンと同様に、「赤くされ病・黒くされ病」や「黒班病・すす病」などにかかる可能性があります。これらは菌によって起きる病気ですので、適切な環境で育ててあげることが大切です。高温多湿を避けて、風通しのよい場所で、乾燥気味に育てていきましょう。
緋牡丹に付く害虫
カイガラムシが付くことがあります。カイガラムシの成虫は、画像のように貝殻のようなものを持ってしまい、薬剤が効きにくくなります。特に手入れが必要ない植物ですが、手入れがわりにチェックし、見つけたらこすり落として下さい。
幼虫は薬剤が効きますので、予防として薬剤を使っておくとよいでしょう。詳しい対策方法は下記記事で解説しています。
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まとめ
今回の「緋牡丹とは?花を咲かせるサボテンの特徴や育て方、増やし方までご紹介!」はいかがでしたでしょうか?
特徴から増やし方、手入れなどを解説させて頂きましたが、特に手入れせずに育てていけますので、興味がある方はぜひ育ててみて下さい。接ぎ木は難しいのですが、そのまま育てる分には簡単です。花が咲くこともありますので、気長に楽しみましょう。
緋牡丹が気になる方はこちらもチェック!
今回は緋牡丹について解説させて頂きましたが、他にも観葉植物・ガーデニングに関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。
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