グロリオサという花
美しい響きの名前の花「グロリオサ」をご存じですか?グロリオサは英語でグローリー・リリーまたはグロリオサ・リリーともいいます。そのくるりと巻いた花びらの形が百合によく似ているからでしょう。生け花の世界でも人気のある、華麗な容姿の花です。
グロリオサの和名
百合車または狐百合
ゴージャスで華やかな印象の英語名「グロリオサ」ですが、和名ではなんと呼ばれているかご存じですか?和名では、百合車(ユリグルマ)、または狐百合(キツネユリ)と呼ばれています。花弁の形が百合(リリー)に似ていることから、そのような和名がついたのでしょう。
グロリオサの英語
Gloriosa
“Do livro A Alma Gloriosa de Maria”、この言葉は日本語に訳すと「『マリアの栄光の魂』という本から」という意味になります。和名とはずいぶん印象が違いますね?Gloriosa(グロリオサ)の部分が「栄光」と和訳されています。花の名前そのものが持つ輝かしい意味が、花言葉になっているのですね。
グロリオサの別名
グロリオサ・リリー
日本では和名のほか、「グロリオサ・リリー」という別名で呼ばれることもありますが、英語ではGlory lily(グローリー・リリー)といいます。「栄光の百合」といった意味で、花姿にふさわしいきらびやかな名前です。Glory lilyで英語検索すると、やはりグロリオサの画像が現れます。
グロリオサの基本データ
ゴージャスな花グロリオサについて、その性質や花の時期、花言葉や種類について順にご説明しております。意外と知られていない豊富な花色や種類の多さ、さらには球根に含まれる食中毒を引き起こす成分についても、知識として学んでまいりましょう。
球根植物
球根の大きさは種類によって異なりますが、なるべく大きな球根を選ぶようにします。花の時期には、球根の大きさに比例して見事な花が咲くからです。グロリオサの球根には、痛風やリウマチの治療薬になるコルヒチンという成分が含まれます。
耐寒性が弱い
原産が熱帯地方の植物なので、どの品種も耐寒性が弱いのが特徴です。球根はよく日の当たる暖かい場所で管理し、発芽したら春に植えつけます。秋になり葉が黄色く枯れてきたら、球根を掘り起こして次の春まで保管します。保管場所は10℃以上の場所が望ましいです。
食中毒を起こす球根の成分
グロリオサの球根を食べた人が、食中毒により死亡するという事例が発生しています。球根には人体に食中毒を起こす成分が含まれているのですが、ヤマイモやショウガなどと形状が似ているため、誤食によりこのような食中毒事故を招くようです。球根の取り扱いには、じゅうぶんに気をつけて下さい。
グロリオサの花の特徴
色の種類が多いグロリオサは、あらゆるシーン、あらゆる季節に合わせたフラワーアレンジメントが可能です。和名の通り百合のようなそのほっそりした茎と。あでやかに開く大きな花弁が魅力のグロリオサ、その花の特徴についてご説明します。
花色
グロリオサの花色は、白、ピンク、赤、黄色、オレンジなどの鮮やかな暖色系です。そのためお祝い事のブーケやフラワーアレンジメントの中心的存在になります。あらゆる年代層に好まれるグロリオサを使った季節の花アレンジはとても華やかです。
花の咲く時期
暑い夏の季節、7月から9月にかけてグロリオサは花開きます。もともと原産地が熱帯アジアやアフリカであり、耐暑性はとても強いのです。その代わり耐寒性は弱いので管理には気をつけましょう。大きな球根であるほど見事な花が咲きます。
グロリオサの葉の特徴
ちぢれた花先
花びらの先がちぢれたようにくるりと弧を描き、花芯があらわになっているところが、百合によく似ています。このちぢれた花先が、観る者によってエキゾチックな南国ムードを感じさせたり、華やかな花火を想わせたりするのです。
つるを伸ばす性質
すっと伸びた細い茎が印象的なグロリオサ。これは、つるを伸ばす性質によるものです。春の芽だし後、6月から8月にかけてつるが伸びてきますので、強風にも耐えるようトレリスや支柱に誘引しておきましょう。
グロリオサの季節の顔
春のグロリオサ
開花期は6~7月ですが、フラワーショップでは一年を通してグロリオサを購入できます。切り花は約一週間日持ちしますが、切り花延命剤を使うとより元気を保ちやすくなりますので活用しましょう。春のアレンジメントや生け花に最適です。
夏のグロリオサ
夏はグロリオサの開花の季節です。熱帯産の植物ですが乾燥には弱いので、土の様子をよく観察し、真夏は朝晩の二回水やりをするようにします。つるが伸びてきますので、朝顔のように支柱を立てて誘引しながら育てましょう。
秋のグロリオサ
秋の仕事は花がら摘みです。グロリオサの花は、花がらになった後中に種ができますので、そのま放置しておくと球根にいくはずの栄養分が種の方にいってしまいます。葉や茎は残し、花がらだけをこまめに摘み取るようにしましょう。また、晩秋には球根の堀り上げをおこないます。
冬のグロリオサ
グロリオサの赤色やオレンジ色は情熱的で温かみがあり、クリスマスの時期のフラワーアレンジメントによく使われます。「栄光」という花言葉があり、キリストの復活を讃えて歌われる“Gloria”という賛美歌があるように、グロリオサはまさにクリスマスを象徴する花なのです。
グロリオサの花言葉
花言葉
グロリオサの花言葉は「栄光」「情熱」「勇敢」です。その燃え上がる炎のような容姿からも、納得の花言葉ですね。華麗なグロリオサはフラワーアレンジメントの花としても人気が高く、さまざまな種類がブーケやアレンジに利用されています。
花言葉の由来
グロリオサは英語で“Gloriosa”と書きます。これはラテン語“Gloriosus(見事な)”が語源です。英語の“Glory(栄光)”とも似ていますが、“Glory”はラテン語“Gloria(名誉)”が語源で、この言葉は「栄光あれ」という賛美歌としてカトリック教会でキリストの復活を祝い歌われています。
花言葉を利用したプレゼント
花言葉を活かしてグロリオサのブーケをプレゼントしませんか?「栄光」の意味で合格祝いや就職祝い、「情熱」の意味でご結婚祝いや結婚記念日のブーケ、といったように、華やかな外観からさまざまなお祝いごとに用いられています。
グロリオサの価格
グロリオサは、フラワーショップでは和名の百合車(ユリグルマ)や狐百合(キツネユリ)よりも、英語の「グロリオサ」または「グローリー・リリー」として取り扱われていることが多いです。おそらくその方がおしゃれで華麗な印象をもたらすからでしょう。
球根の価格
グロリオサの球根は園芸店やネットショップで買うことができます。価格帯は大体、一球500円~700円ほどです。5月末になると、一部ネットショップでは販売終了していることもあるので注意しましょう。植え付け時期が4月下旬から5月下旬なので、それに合わせて早い時期に購入しておいた方がよいです。
切り花の価格
グロリオサの生花・切り花の価格は、1本おおよそ400円~600円ほどです。色によっても価格が変わります。やはり花言葉にもある「情熱」を表す、燃えるような赤やオレンジがフラワーショップでは人気です。
ブーケの価格
ブーケの場合は、価格帯はだいたい4000円から10000円します。グロリオサオンリーではなくグロリオサを取り入れた季節の花のブーケアレンジが多いですが、グロリオサだけのブーケもあり、個性的でお誕生日や記念日のお祝いに贈ると素敵です。
グロリオサの品種
レッド~オレンジ系
フラワーショップでは色により細かく品種分けされ、その種類の多さには目を見張るものがあります。まずレッド系をご紹介してまいりましょう。上の写真のサザンウィンドを始め、アカネ、ニューレット、ニューミサトレッド、ミサトレッド、ロイヤル、ロスチャイルディアナなどがレッド系です。オレンジハートというオレンジの強い品種もあります。
イエロー系
上の写真はグロリオサ・セントレアマスコットイエローという品種です。これと同じぐらい濃い黄色の品種としては、オレンジが少し入ったプレシャスムーンが挙げられます。このほかに、淡いイエローのサンシャイン、シンプレックス、ルテア、オレンジ入りのジパングササヨなどもきれいです。
ホワイト系
上の写真はグロリオサ・パールホワイトです。ホワイト系では抜きんでた白さを誇ります。上品でほっそりした姿が和のしつらえにも合う、生け花向きの花です。また、白さを活かしてウェディングブーケなどのホワイトブーケに使われることもあります。真っ白ではなくややクリームよりの、ライムという品種も上品です。
ピンク系
とても優しい印象の上の写真は、グロリオサ・ピンクです。このほかにピンクレディというよく似た品種があります。細く伸びる茎を活かして、大きなフラワーアレンジメントを製作するときに、変化や動きを加えるのによく使われる花です。
グロリオサの育て方
球根の選ぶときのポイント
グロリオサは、販売されている球根をよく観察し、芽が傷ついていないものを選びます。球根が大きいほど花も立派になりますので、よく太った球根がおすすめです。手でさわってみてしっかりした手ごたえがあるか、カビがついていないかもチェックします。また、球根は食中毒になる成分を含みますので、くれぐれも食用に使用しないでください。
植え付けの時期
植え付け時期は4月下旬から5月下旬になります。発芽するのは、暖かくなり気温が上昇してからです。種類によっては8月に植え付けるものもあり、その場合は秋に花が咲きます。
植え付けの仕方
確実に育てるためには、植え付け前に芽だし作業をしておいた方がよいでしょう。芽だし作業とは、土に植える前に芽を出しておくことです。パーライトを入れた鉢に球根を植え、明るい日なたで管理します。鉢にビニールをかぶせて土中の温度を上げ、芽の出やすい環境を作りましょう。
グラリオサの特徴:まとめ
燃えるような情熱的な姿で女王のような威厳のある、華やかなグロリオサ・リリー。生け花やフラワーアレンジメントで主役級の存在感を誇り、お祝い事にも好まれる花です。その種類の多さには驚かれることでしょう。花の時期や花言葉、食中毒の可能性などの知識をもったうえで、季節の花として取り入れてみませんか?
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