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大分「国東半島」を巡ろう!歴史感じる観光名所やお寺などの巡り方をご紹介!

真ん中の両子(ふたご)山の周囲に絶景と六郷満山の寺院が集う名所、国東(くにさき)半島巡りをしたことありますか?古来より山岳信仰の拠点だった国東の六郷満山は、今では絶好の登山スポットになりました。不思議で満たされた半島の巡り方や、見逃せない名所をご紹介します。
2020年8月27日
はぐれ猫
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国東半島とは

大分県北部の半島

太古に両子山の火山活動が生み出したこの土地は、九州に残る秘境としても知られます。国東半島周囲は瀬戸内海などの海に囲まれ、中央の両子山山頂から八方に尾根と谷が伸びる独特な地形です。半島内には中国の山水画に登場するような山々の奇勝と絶景もあって、観光客を惹きつけています。

お寺や石仏など歴史的名所が多い

険しさのある地形のためか、古来より仏教の聖地的な役割も果たしてきたのが国東半島でした。厚い信仰心は、長い年月をかけて多数のお寺と、数えきれないほどの石仏を生み出しました。そのため大分では仏教信仰に関係なく、歴史巡りの観光が極めて高い人気を維持しています。

国東半島のアクセス

アクセスの概要

何しろ秘境的な雰囲気を売りにする土地ですが、半島の東部の海沿いに大分空港があるため、空路での旅行が身近です。国東半島では、大分駅や空港を結んでいる史跡巡りのガイド付き観光バスが走っていて、各地のお寺や石仏の旅行を簡単に楽しむこともできます。

アクセスルート

【鉄道・バス】JR日豊本線→宇佐駅→大交北部バス→国東半島
【高速】東九州道路→宇佐別府道路→宇佐インター→国東半島
【ガイド付定期観光バス・国東半島史跡巡り】大分空港→大分駅→宇佐神宮→各観光地

国東半島の六郷満山峯入行

六郷満山とは

不思議なほどに両子山にお寺が集積している根源の出来事は、奈良時代に遡ります。当時国東半島にやってきた僧侶の仁聞(にんもん)が、28ヶ所のお寺を創建したことに由来します。平安の頃には千を超す伽藍が集結し、6つの郷、3つのエリア(満山)にあることで、歴史的に六郷満山と呼ばれるに至ります。

六郷満山の石仏群

幾多のお寺と併せ、この土地で忘れてならぬ特徴の一つが、山林の中で異彩を放っている石仏の数々。六郷満山を創建した仁聞が中心となって生み出した国東半島の石仏の数は、実に6万9千体にものぼっています。年月を経て劣化して苔むした石仏の様子が、ずっしりとした歴史と風情を感じさせます。

六郷満山峯入行

峻険な山岳の中にたたずむ無数の寺院の間には、尾根の上や谷あいを通る細い道筋が作られました。この道は国東半島を取り巻いて巡らされ、修験道の行者が修行をする、六郷満山峯入行(みねいりぎょう)の舞台になりました。今も白装束をまとった行者や、頭巾を付けた山伏の姿が珍しくありません。

六郷満山の情報

【開基】養老2年(718年)
【開基28寺院】本山本寺:全8寺、中山本寺:全10寺、末山本寺:全10寺
【国東六郷満山霊場】33ヶ所

国東半島峯道ロングトレイル

六郷満山峯入行をベースにしたトレイル

あちこちのお寺の巡り方として近年に主流となっているのが、峯入行をベースとして作られているロングトレイル。国東半島の六郷満山の歴史的スポットを凝縮するコースが続きます。西側の豊後高田市から東側の国東市の方面にかけてウネウネと伸び、全長は135kmに達するほどです。

全10コース

作:はぐれ猫

そんな石仏を見るためにも歩いてみたい135kmの絶景のコースは、全部で10コース。半島の西側の豊後高田市がわのコースは、T1~T-4の4本です。そして半島の東の国東市がわには、K-1~k-6までの6本のコースがあります。尾根と谷を上下して、時計回りに中央の両子山を目指すことができます。

少しづつの巡り方も

修験道的に全区間を一気に縦走するなら、宿泊を重ねて10日以上を要すことになります。しかし短い休日に1つの区間だけを巡り歩いたり、お寺1ヶ所だけ見に行く巡り方もできます。国東半島には峯道トレイルクラブの縦走イベントもあるので、初心者ならばイベントからの参加もおすすめです。


コースの概要

【所在地】大分県の国東半島(西側:豊後高田市・東側:国東市)
【豊後高田市のコース】4コース(T-1~T-4)
【国東市のコース】6コース(K-1~K-6)
【総距離】135km
【イベント開催】国東半島峯道トレイルクラブ

国東半島峯道トレイルクラブ

国東半島のトレイルの見どころ①

熊野磨崖仏

誰もが最初に目にしてみたい名所といえば、全区間の起点となるT-1コースの熊野磨崖仏。国の重要文化財にも選ばれるほどの史跡で、国東半島を代表する2体の巨大な仏さまです。天台宗の胎蔵寺の境内から入ると、鬼が1日で作った伝説のある石段の先に、その威容を現します。

熊野磨崖仏の見どころ

特に象徴的なのは、ずんぐりむっくりな体格で巨大な剣を構えた不動明王の磨崖仏。鎌倉時代の後期、安山岩に掘られた高さ8mもある傑作です。その右側に鎮座するのは、平安時代後期の作という高さ8mの大日如来像。2体はまるで、国東半島のロングトレイルに挑む人々を見守っているかのようです。

観光情報

【所在地】大分県豊後高田市田染平野2546-3(胎蔵寺)
【電話】胎蔵寺:0978-26-2901
【国東半島峯道ロングトレイル】T-1コース

国東半島のトレイルの見どころ②

富貴寺

西の高山寺よりT-2コースを蕗(ふき)川沿いに歩いてみれば、やがてたどり着くのが富貴寺(ふきじ)です。このお寺は奈良時代の養老2年、仁聞によって創建された六郷満山の初期の寺院です。国宝建築があることから、国東半島の峯道の中でも最も知名度が高い寺院と評されています。

富貴寺の見どころ

睨みつけてくる仁王が立ちふさがる門をくぐると、そこは歴史を重ねた史跡空間。国宝の大堂は九州では数少ない平安時代の建築物で、内部には木造阿弥陀如来座像や大堂壁画が収められています。国東半島のトレイル区間では、一番に秋の紅葉の見事さが称えられる場所でもあります。

観光情報

【所在地】大分県豊後高田市田染蕗2395
【電話】0978-26-3189
【国東半島峯道ロングトレイル】T-2コース

国東半島のトレイルの見どころ③

天念寺無明橋

長岩屋川のほとりに向かえば、地元で川中不動の異名を取るのがこのお寺。天念寺は仁聞の創建以来の歴史があり、その別名の由来となっている川の中の磨崖仏で知られます。さらに国東半島でも絶景のひとつに数えられる無明橋が、険しい道のりのトレイルを志す人々の心を掴んで放しません。

天念寺無明橋の見どころ

お寺の背後にそびえる岩峰は別名を天念寺耶馬渓とも呼ばれる急峻な山で、古来より修験道の修行場としての歴史がありました。断崖の峰の頂上には、無明橋と名のある石造のアーチ橋が架けられています。今にも崩れそうで崩れない、足のすくむ恐怖の橋は、国東半島を眺める絶景ポイントのひとつです。

観光情報

【所在地】大分県豊後高田市長岩屋1152
【電話】0978-22-3100
【国東半島峯道ロングトレイル】T-3コース

国東半島のトレイルの見どころ④

中山仙境

尖った奇岩が連なる中山仙境は、峯道のT-4コースを代表するほどの絶景です。別名を夷谷(えびすだに)や夷耶馬とも呼び、その迫力の地形から大分百景や国の名勝にも選ばれています。国東半島の景色の良さを感じる縦走路を希望するなら、見逃せないポイントになっています。

中山仙境の見どころ

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奇岩を眺める山頂地点には、天念寺とは異なるもう一つの無明橋に注目が集まります。標高300mほどの中山仙境の断崖に、細い石橋が架けられているのです。無明橋は乗っかればポッキリと折れてしまいそうなほどか細い姿で、国東半島のコースを進む時には格好の度胸試しにもなります。


観光情報

【所在地】大分県豊後高田市夷
【電話】豊後高田市役所商工観光課:0978-25-6219
【国東半島峯道ロングトレイル】T-4コース

国東半島のトレイルの見どころ⑤

大不動岩屋

伊美川に沿った両子山の北の尾根上には、まさに山水画のような風景を眺められる洞窟の名所があります。霊仙寺より始まっているk-1コースの中程にある奇勝、大不動岩屋です。国東半島の断崖の洞窟は、かつて仁聞が掘り進めて石仏を安置したという、歴史を留めている場所です。

大不動岩屋の見どころ

尻付岩屋より若干の登山をした先に、大不動岩屋がぽっかり口を開いています。岩屋内部に入り込めば、目の前には不思議と尖った岩山が並んでいて、国東半島でも他にはどこにも無い風景が広がっています。一度見たら忘れられない風景となりそうです。

観光情報

【所在地】大分県国東市国見町千燈
【電話】国東市観光課:0978-72-5168
【国東半島峯道ロングトレイル】k-1コース

国東半島のトレイルの見どころ⑥

旧千燈寺

見応えある石の遺跡といったら、k-1コースの旧千燈寺も忘れてはならない名所です。その山中の独特な石塔の並ぶ風景から、西の高野山とも呼ばれていました。ここは国東半島の中で仁聞が最初に開いたお寺であり、入滅をした場所とも伝わっている六郷満山の聖地です。

旧千燈寺の見どころ

境内でシンボルとなっているのが、護摩堂跡に残っている二体の珍しい仁王像。その先には断崖にはまり込んだ建物が独特な奥の院があり、内部の千手観音菩薩を拝むこともできます。奥の院の先には千燈墓地があり、仁聞の墓所や一千基もの五輪塔が並んで、まさに国東半島の霊場といった雰囲気です。

観光情報

【所在地】大分県国東市国見町千燈1346
【電話】千燈寺:0978-82-1012
【国東半島峯道ロングトレイル】k-1コース

国東半島のトレイルの見どころ⑦

五辻不動尊

時々理解不能なモニュメントに遭遇できる九州ですが、ここ六郷満山にもそれがありました。国東半島のk-1コースを歩いた先の五辻不動尊が、目指したいポイントです。その昔に仁聞がこの不動尊の場所で修行をし、不動明王を祀っていたという伝説の歴史的なお寺です。

五辻不動尊の見どころ

岩をくりぬいてスッポリはまっている不動尊前には大きな一対の石灯籠があり、その先には国東半島と瀬戸内海の絶景を眺めることもできます。気になる謎のモニュメントは、地元の芸術祭で設置されたゴームリー像。素っ裸で素っ頓狂にたたずむ様子が、地元で撤去論争も巻き起こして注目されています。

観光情報

【所在地】大分県国東市国見町千燈
【電話】国東市観光課:0978-72-5168
【国東半島峯道ロングトレイル】k-1コース

国東半島のトレイルの見どころ⑧

文殊仙寺

有名なことわざを思わず口ずさんでしまうのが、文殊山の斜面にあるこのお寺。峨眉(がび)山文殊寺は、国東半島の峯道トレイルのk-2とk-3コースの起点に位置しています。仁聞よりもさらに古い飛鳥時代の呪術者、役小角(えんのおづぬ)によって創建された、「三人寄れば文殊の知恵」の発祥地です。

文殊仙寺の見どころ

苔むした一対の仁王像の先には、古びた石階段が長く伸びて、歩く者を悠久の昔にいざないます。山門の近くには、日本一巨大な高さ9mの宝篋印(ほうきょういん)塔が目を引きます。境内は国東半島を眺める眺望のよい高原で、樹齢1,000年のケヤキなど巨樹が並ぶ森林も見どころです。

観光情報


【所在地】大分県国東市国東町大恩寺2432
【電話】0978-74-0820
【国東半島峯道ロングトレイル】k-2コース、k-3コース

国東半島のトレイルの見どころ⑨

両子寺

長きに渡る行脚で最後の目的地となっているのが、国東半島のど真ん中にある足曳山両子寺です。梅園の里より伸びる、k-6コースの斜面を縦走してたどり着きます。このお寺は仁聞の創建した寺院のひとつで、昔から六郷満山の修行場の中核を成し、最高祈願所として栄えてきました。

両子寺の見どころ

北のk-2コースの文殊仙寺にも似た一対の巨大な金剛力士像が、しかめっ面をして両子寺の入口で出迎えてくれます。境内には鬼の背割りや走水観音といった七不思議があり、磨崖仏や百体観音などの石仏も多彩。子授け観音としても有名で、国東半島で子宝のご利益を得たい女性もこぞって参拝しています。

観光情報

【所在地】大分県国東市安岐町両子1548
【電話】0978-65-0253
【国東半島峯道ロングトレイル】k-6コース

国東半島で寄りたい名所

真玉温泉山翆荘 スパランド真玉

西側の縦走路を歩く時、誰もが立ち寄って体を癒やす温泉があります。真玉温泉山翠荘(さんすいそう)です。ここは国東半島の峯道の、T-3とT-4コースの起点になる場所でもあります。温泉のスパランドの他にホテルも備わっているため、始発地としても経由地としてもお寺巡りに最適となる施設です。

スパランド真玉の見どころ

毎分400リットルのお湯が、地下から自噴することを自慢とした温泉場です。大浴場夕日にはジェットやジャグジー、岩の露天風呂やサウナも備わっています。国東半島を泊りがけで縦走する人には嬉しい、宿泊者専用温泉も備わり、会席料理を味わい各種スポーツもできるなど、複合的な楽しみがあります。

観光情報

【所在地】大分県豊後高田市城前156-1
【電話】0978-53-4390
【営業時間】温泉施設:10:00~22:00、レストラン:11:00~14:00・18:00~21:00
【設備】温泉、リラクゼーションルーム、ホテル、レストラン、売店、テニスコート、自転車、卓球、グラウンドゴルフ
【国東半島峯道ロングトレイル】T-3コース、T-4コース

真玉温泉山翆荘 スパランド真玉

国東半島を巡ってみよう

歴史的な名所を自分のペースで

風雨にさらされながら時を越えて鎮座しつづける石仏、そして目を奪う無数の名勝が、旅行するものを圧倒する存在感です。国東半島の六郷満山の歴史的なお寺巡りをしてみれば、そんな古い風景がとても新鮮な気持ちを沸き起こします。歩いてみれば心機一転にもなりそうです。

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