パイロットフィッシュとは?
これから熱帯魚・海水魚飼育をされる方なら、パイロットフィッシュについて知っておきたいですよね。パイロットフィッシュを先に飼育してからお目当ての魚を飼育することで、安心して育てていくことが出来ます。
今回はそんなパイロットフィッシュの役割や、淡水・海水別におすすめの種類を紹介します!また、水槽を立ち上げたその後のことや、死んだ場合についても解説していきます。
パイロットフィッシュの役割
パイロットフィッシュで水槽を良い状態に
水槽のバクテリアを増やすことが主な役割になります。立ち上げたばかりの水槽には、アンモニア等の有害物質を処理してくれるバクテリアが少なく、生命力があまり強くない魚を入れると危険です。
そこで、先に生命力が強い魚を入れて、その魚が水を少し汚し、その汚れを使ってバクテリアを増やしていきます。ある程度、アンモニア等の有害物質にも耐えられる生命力が必要ということですね。
バクテリアが早く増える理由
なぜ入れるとバクテリアが早く増えるのかと言いますと、バクテリアにとっての餌は、アンモニア等の物質だからです。これらの物質を使って繫殖していきますので、アンモニア等が無いと増えるのが遅くなってしまいます。
いきなりお目当ての魚を入れてもバクテリアは増えていきますが、増える前に死んだというケースが多々ありますので、先に丈夫な魚で増やしておくのが一般的です。
パイロットフィッシュのもう一つの役割
バクテリアを増やす役割に加えて、水槽内に異常が無いかを確かめる役割もあります。一見問題無いように見えても、水槽内には見えない危険があることもあり、病気の菌がいる可能性もあります。
ちょっと残酷ではありますが、安価で丈夫な魚を試しに入れて、死んだりしないか、病気になったりしないかを確認してから、お目当ての魚を入れるということです。
パイロットフィッシュは必ず必要な訳ではない
今回はパイロットフィッシュについて解説していきますが、実は必ず入れなければいけない訳ではありません。入れなくても、一ヶ月~二ヶ月放置しておけば、自然と増えていくからです。
また、魚じゃなくても、魚の餌や魚の切り身などを入れることでバクテリアを増やすことも出来ます。ただし、その場合は水質が魚にとって問題ないかのチェックが出来ませんので、出来ることならパイロットフィッシュを使いたいですね。
淡水のおすすめパイロットフィッシュ①
淡水パイロットフィッシュ①アカヒレ
パイロットフィッシュとして最も優れているとされているのがアカヒレです。こちらはコイ科の小さな魚で、ヒレが赤いのが特徴。コップの中で育てられるほどの丈夫な魚で、コッピーとも呼ばれています。
とにかく生命力が高く、かなり過酷な環境でも生きていられますので、最初に入れる魚として最適ですね。淡水水槽であれば、まずはアカヒレを検討しましょう。その後の混泳も問題ありません。
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淡水パイロットフィッシュ②ネオンテトラ
次におすすめなのがネオンテトラです。ネオンテトラは淡水水槽の定番の魚で、青色と赤色がとても綺麗ですよね。ネオンテトラは生命力が強く、値段も安く、どこでも販売されていますので、気軽に購入することが出来ます。
まとめ買いで安くネオンテトラが販売されていることもよくありますね。ネオンテトラも性格も穏やかですので、その後の混泳も問題なく行えます。ネオンテトラは水草に映えますので、水草水槽を作りたい方におすすめです。
淡水パイロットフィッシュ③メダカ
メダカも安価で丈夫なので、向いている魚です。もちろんその後の混泳も問題無いので、普通に飼育していくのにも適していますね。最近ではオシャレな柄のメダカも増えていますので、興味がある方は検討してみましょう。
その後、大型魚を育てる予定の方であれば、メダカをパイロットフィッシュにして、後で生き餌にすることも可能です。
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淡水のおすすめパイロットフィッシュ②
淡水パイロットフィッシュ④プラティ
プラティはメダカの仲間であり、メダカと同様にプラティもパイロットフィッシュにすることが出来ます。プラティは普通のメダカよりもカラフルで華やかですので、その後の混泳相手としても適しています。
ただし、プラティは繫殖力旺盛なので、プラティをペアで入れておくとどんどん増えてしまうかもしれません。あまり増やしたくない場合は、プラティのペアを入れない方が良いでしょう。
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淡水パイロットフィッシュ⑤ブラックモーリー
モーリーもプラティやメダカの仲間です。中でもブラックモーリーがよくパイロットフィッシュに選ばれるのですが、その理由は「白点病」の調査。体が真っ黒ですので、白点病にかかると白い点が目立つのですぐに分かります。
白点病は熱帯魚がよくかかる病気で、一度発生すると蔓延する可能性がある為、ブラックモーリーを入れて調べておくのはオススメの方法ですね。
淡水パイロットフィッシュ⑥ラスボラ・エスペイ
こちらも生命力が強く、オススメの魚です。シンプルな雰囲気ではありつつも、オレンジ色と柄に特徴があって、映える存在ですね。他の魚の引き立て役にも良いのではないでしょうか。性格は穏やかで、混泳も問題ありません。非常に元気で、安価に販売されています。ネオンテトラはちょっと違うと感じる方にオススメです。
金魚はパイロットフィッシュに出来る?
金魚も生命力が強く、金魚でも水槽立ち上げが出来そうと思う方も多いかもしれません。しかし、金魚は強い魚ではありますが、立ち上げ向きではありません。金魚飼育の前にアカヒレ等を入れることもあるくらいなので、金魚はやめておいた方が良いでしょう。
また、金魚はよく白点病を持ってきてしまいます。他の淡水魚と比べて大きくなることも多いので、金魚以外を検討することをオススメします。
海水のおすすめパイロットフィッシュ①
海水パイロットフィッシュ①デバスズメダイ
海水水槽ならデバスズメダイがおすすめです。デバスズメダイは非常に頑丈な魚ですので、立ち上げの水槽でも死んだりしにくいですね。
また、スズメダイの仲間は性格が荒いことで有名ですが、デバは性格が穏やかな個体が多く、他の魚を後から入れても問題なく混泳させることが出来ます。海水水槽の立ち上げなら、まずはデバスズメダイを検討しましょう。
海水パイロットフィッシュ②テンジクダイの仲間
次におすすめなのが、テンジクダイの仲間です。画像のマンジュウイシモチや、イトヒキテンジクダイなどがそれにあたります。こちらは生命力も中々強く、また他の魚とは泳ぐスタイルが違うので、水槽の空きスペースを埋めてくてる存在でもあります。綺麗な柄のものは水槽の主役になることも出来ますので、こちらも検討しましょう。
海水のおすすめパイロットフィッシュ②
海水パイロットフィッシュ③ハタタテハゼ
ハゼの仲間も立ち上げに向いており、ハタタテハゼは白と赤がとても美しい魚ですのでおすすめです。値段も安価で、性格も穏やかですので、その後の混泳も問題ありません。
ただし、ここまで紹介した魚と比べると少し丈夫さが劣りますので、出来るだけ元気そうな個体を購入して下さい。また、性格の荒い魚を入れると負けてしまうことがありますので気を付けましょう。
海水水槽でパイロット役が出来るマガキガイ
魚ではありませんが、海水水槽の立ち上げで活躍するのがマガキガイです。こちらはコケ・藻を食べてくれる貝で、海水水槽を綺麗に保ちたい方にとてもおすすめな種類です。魚よりも頑丈ですので、こちらも非常におすすめですね。
見た目もユニークで人気があり、ペアで入れておくと仲良くしているシーンが見られます。
パイロットフィッシュを入れる期間
パイロットフィッシュを入れるタイミング
パイロットフィッシュを入れるタイミングに注意して下さい。水槽の立ち上げに使う魚ですので、立ち上げてすぐに入れる方も多いのですが、出来れば3日ほど水を回してから入れた方が良いでしょう。
僅かではありますが、水の状態が良くなりますので、パイロットフィッシュが死んだり調子が悪くなるケースが減ります。なるべくなら問題なく飼育したいところですので、僅かの期間だけ待ちましょう。
パイロットフィッシュを入れておく期間
どのくらいの期間入れておけば良いのかも気になるところですよね。大体2週間ほどの期間入れておけば、バクテリアの状態はかなり良くなっているはずです。1ヶ月ほど十分な期間を取れたら更に良いですね。
もちろん、この期間はあくまで目安ですので、様子を見て判断しましょう。死んだ個体がいる場合は、もう少し期間を設けて様子を見てみて下さい。
パイロットフィッシュの管理
パイロットフィッシュは何匹入れる?
何匹くらい入れれば良いかも気になるところですよね。目安として、大体10リットルに1匹入れましょう。30㎝水槽なら2匹、45㎝水槽なら3~4匹、60㎝水槽なら5~6匹が目安とされています。
数が多いほどバクテリアが増えやすくなりますが、水質が悪化しやすい為、魚の調子が悪くなる可能性も上がります。早めに増やしたい方は少し多めに入れましょう。
餌の量は?
パイロットフィッシュへの餌の量はとても大切なポイントです。普通に餌を与えたいところですが、餌を与えるほど水質が悪化しやすくなります。最初はバクテリアが少ないので、餌を少なめにしましょう。目安として、2分くらいで食べきれる量にして下さい。また、一度で与えずに、少しずつ与えることで餌の食べ残しが減ります。
水換えは?
最初は頻繁に水換えしてあげましょう。1週間目は毎日、その後は週に二回、1ヶ月が過ぎたら一週間に一回で構いません。水換え水量は3分の1を目安にして下さい。魚が少ない場合は少し水換え頻度を減らしても構いません。
新しく入れる水の温度が違いすぎると魚にストレスがかかりますので、ゆっくり入れるか、温度を合わせてから入れましょう。
パイロットフィッシュのその後
小型魚の場合、その後は混泳に
パイロットフィッシュを入れ、その後は目当ての魚を入れるのが通常です。頑丈な魚で環境を整えてから、少しデリケートな魚を入れるという流れですね。先に入れた魚もそのまま混泳させておいて問題ありません。もし景観的に邪魔であれば、違う水槽に移してあげましょう。
大型魚であれば、その後餌になる
その後、大型魚を入れる予定であれば、パイロットフィッシュを違う水槽に移さなくても構いません。大型魚はメダカや金魚などの小さな魚を餌にすることが多いので、餌にしても良い方はそのままにしておきましょう。
パイロットフィッシュが死んだ場合
死んだ場合は基本的な環境の見直しをする
もしパイロットフィッシュが死んでしまったら、目当ての魚を入れるのは待ちましょう。基本的な環境が整っていないかもしれません。水温やPHなどを一度計ってみたり、蔓延する病気になっている個体がいないかチェックしながら、様子を見て下さい。
個体の状態が悪くて死んだケースも
環境には問題が無く、個体が弱っていて死んでしまうケースも考えられます。基本的にアカヒレ等は非常に強いので中々死にませんが、絶対に死なない訳ではありません。そのあたりも考えつつ、様子をしっかり見て、目当ての魚を入れるタイミングを計って下さい。
まとめ:パイロットフィッシュとは?
今回の「パイロットフィッシュとは?役割や淡水・海水のおすすめの種類を紹介!」はいかがでしたでしょうか?役割、種類、注意点などを詳しく解説させて頂きましたが、意外にも覚えておきたいことは沢山ありましたよね!
気軽に入れても問題ない場合が多いのですが、死なずに育てられた方がもちろん良いので、気をつけるべき点は気をつけておきましょう!
パイロットフィッシュが気になる方はこちらもチェック!
今回はパイロットフィッシュについて解説させて頂きましたが、他にも熱帯魚や海水魚に関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。
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