ミッキーマウスプラティについて
ミッキーマウスプラティがどんな熱帯魚なのか説明します。
プラティグループの人気品種
最初にプラティについて説明します。プラティは大きさが5cmほど。寿命は1年から2年くらいの、メキシコ原産の熱帯魚です。繁殖が容易で、病気にも強い。水温や水質にもそれほどうるさくもなく、今では品種改良が進み、数百種も生み出されています。ミッキーマウスプラティはそのうちのひとつに過ぎないのです。
実は卵胎生メダカだった!
ミッキーマウスプラティをはじめとするプラティ種は卵胎生のメダカで、寿命や飼育方法もメダカと同じです。プラティの原種は尾びれの模様が三日月のようだというので、ムーンフィッシュと呼ばれていました。それをヴァリアタスやソードテールといった別種の熱帯魚と交配させ、売られているのが現在のプラティなのです。
どうしてミッキーマウス?
では、なぜミッキーマウスプラティと呼ばれるのか?それは尾部にある模様のせいです。尾びれのつけ根の部分に大きな黒丸1つと小さな黒丸2つ。そう、これはディズニーランドのエンブレムにもなっている、ミッキーマウスの顔とそっくり。ここからミッキーマウスプラティと呼ばれるようになったんですね。
ミッキーマウスプラティは愛称だった
ミッキーマウスプラティは名前も憶えやすい。でも、なんと正式名ではないのです。
ミッキーマウスは特徴の呼び名にすぎない
ミッキーマウスの模様があるプラティが「ミッキーマウスプラティ」なわけですが、これは愛称です。プラティには体の柄や、ヒレの形によって、ツインバー(尾びれの上下に黒線)とか、タイガー(縞模様)とか、ライヤーテール(各ヒレが長い)といった特徴で呼ばれる傾向があって、例えばタイガーミッキーマウスプラティというように、複数の特徴を備えていることも多いのです。
著作権には触れないのか?
ところで、ディズニー社といえば著作権に厳しいことで有名です。ミッキーマウスプラティも訴えられてもおかしくありません。しかし、ミッキーマウスプラティは誰が呼ぶともなく普及した愛称。今では一般的になってしまいましたし、さすがにそこに著作権を持ち出すのは野暮というもの。ミッキーマウスプラティの名前が変えられることはないでしょう。
ミッキーマウスプラティの飼育は簡単?
飼育というと苦労しそう。いいえ、ミッキーマウスプラティは飼育しやすい理由がいくつもあるのです。
熱帯魚飼育の理想の入門魚
熱帯魚を飼うことは面倒な印象があるかもしれません。高い水温を維持しなければならないし、手入れも大変そう。いろいろと器具も必要だろうし、病気するかもしれない。さらに繁殖させるとなると、初心者には敷居が高く感じます。でもミッキーマウスプラティはあまり面倒がなく、入門編の熱帯魚としてはうってつけといえるでしょう。
飼い方に苦労しなくてもいい
ミッキーマウスプラティは飼育が簡単な熱帯魚です。丈夫で病気もほとんど心配なく、水温や水質、飼い方や餌にもあまりこだわりがなく、繁殖も勝手に増えてくれる手間いらずの魚なんです。初心者でもまず困りません。寿命は1年から2年ですが、特に気を遣わなくても飼育では寿命が3年くらいになることもあります。
ミッキーマウスプラティ飼育:水槽の準備
飼育のスタート・水槽作り。ミッキーマウスプラティを迎える最初のお仕事です。
水槽は大きめのものを選ぼう!
ミッキーマウスプラティの飼い方には特別なことはありません。水槽は20cm程度の小型水槽でも、大きな水槽でも問題ありません。ただし、繁殖させることを考えるなら、大きめのほうがいいと思います。混泳で他の熱帯魚も入れられますし、水質も安定しやすいです。余裕を計算して60cm以上の水槽があれば安心かもしれませんね。
ミッキーマウスプラティが住みやすくする
底砂や水草もミッキーマウスプラティに関しては絶対必要でもありません。他の熱帯魚を飼うのに必要な砂や水草でも、ミッキーマウスプラティは適応します。次項で説明しますが、水質の好みは中性から弱アルカリ性なので、貝殻やサンゴ片の混じった砂がその水質になって、プラティにはよい環境となります。水草もいい隠れ家となってくれます。
ミッキーマウスプラティ飼育:水質と水温
ミッキーマウスプラティの上手な飼い方は、水質と水温をしっかりと管理することです。そのためにもヒーターとろ過機は必ず設置してください。
水質管理は難しくない
ミッキーマウスプラティは中性~弱アルカリ性を好みます。ph7.0~8.0というところです。調べる道具もあります。水道水はだいたいこの範囲になるので、カルキ抜きした水道水でじゅうぶん。あとはろ過機があれば、水質はほぼ保てるはずです。水換えは月に1~2回。3分の1くらい取り替えてやるだけで病気なども問題はないでしょう。
激しい水流は苦手
ミッキーマウスプラティは強い水流を嫌う性質があります。水流が強いとストレスとなり、病気にかかりやすくなったり、寿命が短くなったり、繁殖をしなくなったりする可能性もあります。ろ過機は強い水流を起こさないタイプのものを使用するか、またはスポンジなどで排水部を押さえ、水流を抑える工夫が必要になります。
水温調節も気をつけたい
水温は26℃前後にします。熱帯魚用のヒーターは安いものでも26℃くらいに設定できるようになっていますから、高価なものでなくても結構です。高温でも30℃くらいまでならミッキーマウスプラティは耐えられます。真夏には水温がそれ以上になってしまうことがあるので、クーラーなどで調節してください。
ミッキーマウスプラティ飼育:購入編
水槽が立ちあがったら、ミッキーマウスプラティを購入します。一匹100円~くらいでお手頃。選び方も覚えておきましょう。
個体選びはとても重要
ミッキーマウスプラティは人気種でもあり、大量に養殖されているのですが、よくない業者は飼い方も悪く、売られているものには病気の個体が混じっていることがあります。購入する場合は、痩せすぎていないか、体のまっすぐでないものはいないかよく確認しましょう。元気に泳いでいるものなら問題はありません。
雌雄の見分け方
繁殖を考えているのなら、オスとメスを揃えなくてはなりませんね。オスは尻びれの近くに交接器(ゴノポジウムといいます)があります。メスはオスに比べて体全体が丸々としています。これはグッピーなども同じ見分け方なので、覚えておいてください。繁殖させたくないときは、逆にオスだけメスだけと選んで買えばいいのです。
ミッキーマウスプラティ飼育:寿命と病気
丈夫とはいえ、ミッキーマウスプラティは小さな熱帯魚。寿命や病気についても知っておきたいものです。
上手な飼い方で寿命3年を目指そう!
自然下ではプラティの寿命は1年ほどです。観賞魚として流通しているミッキーマウスプラティは、ほとんどが飼育される種のため、寿命は1年半から2年。飼い方がよければ3年生きる場合もあります。メダカ種で3年も生きてくれれば上出来でしょう。そのためにも上手な飼い方を知っておくことが大切ですね。
よく見ることで病気を防ぐ
ミッキーマウスプラティは低温に弱い熱帯魚です。水温は22℃を下回らないようにしましょう。また、急激な水温変化にも弱いので、水換えなどは慎重に行ってください。白点病、尾ぐされ病はミッキーマウスプラティがなりやすい病気です。不調になると餌の食いも悪くなりますから、日頃からよく観察しておくといいでしょう。
ミッキーマウスプラティ飼育:餌は?
ミッキーマウスプラティの餌について説明します。
ミッキーマウスプラティは好き嫌いなし
食欲旺盛で、なんでもよく食べてくれるのがミッキーマウスプラティのいいところ。餌を食べてくれなくて困るということはまずありません。初心者向きなのはこれも理由です。一般的な熱帯魚の餌、メダカの餌など、人工飼料で大丈夫です。餌を食べないようなら病気、水質変化などを疑ったほうがいいかもしれません。
たまの生餌で寿命も延びる
ちょっと面倒ですが、時々はアカムシなどの生餌をあげると、ミッキーマウスプラティは喜びます。熱帯魚全体に言えることですが、いろいろな餌を与えながらの飼い方をするほうが、元気で寿命も長いことが多いのです。もちろん元気であることは、産卵や繁殖にも大きく影響することです。
ミッキーマウスプラティ飼育:混泳
混泳が楽なミッキーマウスプラティですが、注意点もあるようです。
混泳可能な相手はとても多い
混泳のさせやすさもミッキーマウスプラティの魅力。かなり多くの熱帯魚と混泳が可能です。小型のテトラ、アカヒレなどとは相性がよいでしょう。コリドラス、プレコ、エビ類などとも混泳OK。アロワナやスネークヘッドなどの大きな肉食魚は無理ですが、攻撃性の高いエンゼルフィッシュやベタなどとも、様子を見て大丈夫であれば混泳させることができます。
卵胎生メダカ同士は避けたほうがいい
注意したいのはグッピー、モーリーとの混泳です。これらはミッキーマウスプラティと同じ卵胎生メダカで、混泳自体は可能な熱帯魚なのですが、産卵・繁殖の生態が同じで、一緒にしておくと異種で繁殖することが起きる怖れがあるのです。これはあまりいい飼い方とは言えません。混泳できるとしても、あまりおすすめできない飼い方ですね。
さまざまなプラティで統一感を演出
プラティ種同士の混泳は問題ありません。プラティは種類が多く、元々が交配して種が増えた熱帯魚なので、混泳で繁殖させても平気なのです。ミッキーマウスプラティ以外にも、サンセットプラティ、タイガープラティ、ライヤーテールプラティなどいろいろいますから、水槽をプラティ混泳で統一するのも面白いかもしれませんよ。
ミッキーマウスプラティ飼育:繁殖準備
ミッキーマウスプラティの繁殖は簡単です。というより、ほったらかしでも勝手に増えます。でも、繁殖させやすい飼い方というのもあるのです。
プラティの繁殖は手間いらず
卵胎生メダカのミッキーマウスプラティ。卵胎生とは卵ではなく、稚魚を産卵する生態です。卵が他の熱帯魚に食べられないので、生存率はグッと上がります。さらに稚魚の隠れ場所になる水草、流木、石なんかもあるといいですね。オスとメスが混泳していれば、いつの間にか稚魚が泳いでいることは珍しくありません。
成魚と稚魚を分ける飼い方
隔離ケースがあると繁殖は効率的になります。親ミッキーマウスプラティが稚魚を餌にすることはありませんが、間違って口に入ることはあります。親と稚魚が混泳するのは、あまりいい飼い方ではないようですね。稚魚の隔離で親ミッキーマウスプラティや他の熱帯魚に食べられてしまうのを防ぐのです。
ミッキーマウスプラティ飼育:産卵の兆候
産卵の近いミッキーマウスプラティを見分けられれば、繁殖で失敗はしなくなります。
ミッキーマウスプラティの繁殖期
ミッキーマウスプラティは年中産卵します。メダカなどは暖かく、日が長くなる頃に繁殖しやすくなりますが、プラティは冬でも産卵頻度は変わりません。月に一度くらいでしょうか。時には一度に数十匹も産むことがあります。
メスのお腹をチェックしよう
繁殖率を増やしたいなら、産卵しそうなミッキーマウスプラティのメスを隔離ケースに移し、産卵後に取り出して稚魚だけの場所を作る飼い方がいいでしょう。産卵の前のメスはお腹が膨れ、一部が黒く見えるようになります。うっすらと体内の稚魚が認められることもあります。動きも緩慢になるなど、産卵の兆候を見逃さないことです。
ミッキーマウスプラティ飼育:繁殖にコツはある?
飼い方次第で、ミッキーマウスプラティの繁殖は盛んになり、楽しみも増えます。コツはなんでしょうか?
環境がよければ繁殖も活発になる
産卵・繁殖は水温と水質をしっかり管理することが大事。ミッキーマウスプラティが元気に活動し、寿命も伸ばしてやることで、たくさん産卵させられるのです。繁殖しやすい環境作りをすることは、あらゆる面でも素晴らしい飼い方といえるでしょう。
繁殖の醍醐味は交配
ミッキーマウスプラティの繁殖では、交配の組み合わせを考えるのも面白いです。掛け合わせ方によって、自分好みのプラティを誕生させることもできるのです。これはと思ったオスとメスに産卵させるブリーディングをするわけです。これはかなり繁殖の上級者になってからではありますが、初心者でも偶然珍しいプラティが産まれることもあるんです。
ミッキーマウスプラティ飼育:稚魚編
ミッキーマウスプラティの稚魚の育て方を解説します。
稚魚の隔離と餌について
ミッキーマウスプラティの稚魚はしばらく親と混泳させずに育てます。隔離ケースなら同じ水槽内の壁面に貼りつければいいし、別の容器で育てるなら水温・水質は親プラティと同じくらいに設定してください。卵胎生の稚魚は産後すぐでも食欲旺盛です。細かくした人工飼料、ブラインシュリンプなどを与えて成長させます。
数ヶ月で成魚と一緒にできる
稚魚の大きさを見ながら餌を増やすなどします。ある程度の大きさになったら、親ミッキーマウスプラティと同じ餌にも挑戦させましょう。だいたい2~3ヶ月もすれば、親の水槽で混泳させられると思います。別の容器で稚魚を育てている場合は、移動させる際の水合わせも行ってください。
ミッキーマウスプラティ飼育:増えすぎたときは?
楽しいミッキーマウスプラティの繁殖。でも、増えすぎて困ることも。どうするのがいいのでしょうか?
ショップに引き取ってもらう
増えすぎたミッキーマウスプラティを引き取ってくれるショップもあります。店の人に引き取ってもらえるかどうか確認しておくと安心です。いくらかの金額で買ってくれる店もあれば、ただで引き取る店もあります。後でトラブルにならないように、その辺のこともしっかりと確認しましょう。
友達への贈り物にする
増えたミッキーマウスプラティを、友人や知人にプレゼントするという方法もあります。なかなかお洒落な贈り物ですね。でも、押しつけてしまうのでは人間関係も台無しです。飼育が簡単とはいえ、もらって困る人もいるでしょう。贈る場合は、相手の了承を取ってからにしてくださいね。
ミッキーマウスプラティのまとめ
ミッキーマウスプラティは楽しみがいっぱい
飼い方は楽で、繁殖も容易なミッキーマウスプラティは、病気もあまりしない初心者向きの熱帯魚です。その独特の模様も相まって人気が高く、さまざまな色のものが出回っています。いろいろなタイプのミッキーマウスプラティをコレクションしたり、交配で作り出してみるのも楽しいことは間違いありません。