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カブトガニとは?
カブトガニという名称を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?カブトガニと言えば古代生物で、殻に覆われている、見た目がユニークな生き物ですよね。実は凄い特徴を持っており、私たち人間の安全な生活の役に立っています。今回はそんなカブトガニの、カブトエビとの違い、飼育方法、血液について等を解説します!
カブトガニの特徴①
カブトガニとは?
カブトガニは、カブトガニ目に属した節足動物です。お椀が被さったような背甲を持ち、長い尾があるのが特徴。また、その裏側には足が沢山生えていて、裏側がちょっと苦手な方もいますよね。尾まで含めると、大きさは50~90㎝程度まで成長します。オスの方が10~15㎝ほど小さいのも特徴で、飼育下では小さくおさまることが多いです。
カブトガニは生きた化石
やはり古代生物のイメージがありますよね。約2億年前からすがたをほとんどかえていないとされており、何回も訪れた生物の危機を乗り越えてきた生き物です。冬眠することが出来る為、1~2年は餌を食べずに生きられたり、呼吸器も優れたりしているのがポイント。ほとんどの生物が絶滅していく中で、力強く耐え抜いてきたのですね。
カブトガニの化石の謎
実は謎とされていることがあります。化石が数多く見つかっているのですが、現在生息している場所ではない、ヨーロッパなどで化石が沢山見つかっており、現在生息している場所には化石が無いのです。移動してきたということになりますが、ヨーロッパからどうやって移動してきたのかが謎とされています。
カブトガニの特徴②
カブトガニはどこにいる?
野生の個体を見てみたいですよね!日本では瀬戸内海のあたりと、北九州で見つけることが出来ます。その近辺に住まれている方であれば、ある程度親しみがあるのではないでしょうか。海外にも生息しており、インドネシアやフィリピン、中国、アメリカにいます。海外のものと日本のものは別の種類ではありますが、同じような見た目をしており、どれも魅力的です。
カブトガニが絶滅の危機に
生息場所に行けば会えるのですが、残念ながら日本の個体は絶滅の危機にあります。現在は約4000尾しかいないとされており、生息地に少数だけいる状態です。これは生息地である干潟の面積が大きく減っていることにあり、保護活動が行われていますが、今世紀中に絶滅してしまうと予測されています。
カブトガニの過ごし方
気になる生態ですが、暖かい環境を好み、海水が18度を超えると動き出します。6~9月の間に活動して、10~6月の寒い間は、砂に潜って冬眠してしまいます。野生個体を見たい方は夏に探しにいくと良いでしょう。干潟にいるゴカイなどを食べて生きていますが、一日の大半はお休みしているのも特徴です。
カブトガニの繫殖
夏に産卵し、その卵は約50日で孵化します。卵の大きさは約3㎜ほどで、卵の中にいる間に十数回も脱皮を行って孵化します。一度に産卵する数は200~600個ほどですが、産卵を何度も繰り返しますので、沢山の卵を産みます。産まれた幼生は三葉虫に似ているので、三葉虫型幼生と呼ばれています。幼生は裏側を上に向けて泳ぐのが特徴です。
カブトガニは僅かしか生き残らない
沢山の卵を産みますが、大きな成体になれるのは一握りです。孵化する前の卵は、他の生き物にとって貴重な食料であり、そのほとんどが食べられてしまいます。魚であったり、ウミガメや鳥などが食べていますね。卵を食べて、渡り鳥が遠くまで移動したりしていますので、生態系にとって非常に必要なものと言えます。
カブトガニの種類
種類①カブトガニ
瀬戸内海といえばカブトガニ。 #宮島水族館 pic.twitter.com/uvzbS8KNN5
— ナム (@Namkabuan) February 25, 2018
こちらが日本に生息している種類で、全4種の中で最も大きく成長します。メスで大体60㎝、オスで50㎝ほどになります。日本に生息する他、台湾や中国、フィリピンなどにもいます。見た目が美しいのがポイントです。
種類②アメリカカブトガニ
こちらはトゲトゲしい見た目が特徴のアメリカカブトガニ。大きさはメスで40㎝、オスで30㎝程になります。アメリカの東岸に沢山生息しているので、時期になるとよく見かけられるでしょう。尾が短めなのも特徴です。
種類③ミナミカブトガニ
こちらはベンガル湾やボルネオ島、スマトラ島などに生息する種類で、メスは45㎝、オスは35㎝程になります。本種より少し小さいですが、早めに成体になるのが特徴です。
種類④マルオカブトガニ
マルオカブトガニ♪
— ? ᴛᴏᴍᴀʜᴀᴡᴋ ? (@Q_DESAFIO_Q) August 21, 2015
友人が学校で飼育を
開始しました:ok_hand: pic.twitter.com/8hxOarZxOT
こちらもベンガル湾やボルネオ島にいる種類で、サイズは一番小さく、オスメス共に30㎝程になります。詳しくは後述しますが、こちらが販売されていることがよくあり、上のツイートのように飼育することが出来ます。
カブトガニはクモに近い生き物
カブトガニはカニでは無い
名前にカニと入っているのでカニの仲間かと思ってしまいますが、実は違います。カニとは全く別の生き物で、クモやサソリに近い生き物なのです。クモは陸上の生き物であり、糸を出したりするので、足の多さ以外は似ていない感じがしますよね。
三葉虫からカブトガニとクモ・サソリへ
祖先は画像の三葉虫とされています。この三葉虫が進化していき、カブトガニとウミサソリに分かれ、カブトガニはそのままの姿でとどまり、ウミサソリはクモやサソリへと変わっていったとされているのです。クモに近しいということは科学的に事実とされているので、豆知識として覚えておきましょう!クモに近いことを知らない方がいたら、是非教えてあげて下さいね。
カブトガニとカブトエビとの違い
カブトエビも生きた化石
カブトエビとの違いが気になる方も多いのではないでしょうか?カブトエビも同じく生きた化石であり、6~7月頃になると田んぼで見かけますよね。カブトエビが田んぼにいると雑草が生えにくくなるとされており、田んぼの草取り虫と呼ばれることがあります。カブトガニは非常に大きいですが、カブトエビは大きなオタマジャクシくらいのサイズしかありません。
カブトエビはクモに近くない
カブトガニはクモに近いのですが、カブトエビはクモよりもエビに近い生き物で、一番近いのがミジンコとされています。また、寿命が一ヶ月ほどしかないので、その生態も大きく違いますね。カブトエビは気軽に育てることができ、夏頃になるとカブトエビの飼育セットがよく販売されていますので、気になる方は飼育してみて下さい。
カブトガニの血が注目されている
カブトガニの血が青い理由
【豆知識】
— ただ豆【ただただ豆知識をつぶやくbot】 (@tadatadamame) February 23, 2019
カブトガニの血は細菌汚染の確認のために使われており、その血は…青い…pic.twitter.com/VWQOMsGrFM
血が青色なのはご存知でしょうか?私たち人間の血は赤色なので、青色の血には驚きますよね。この血は元々青色ではなく乳白色なのですが、酸化して青く変わります。人間の血は鉄が入っていますが、カブトガニの血は銅を含んでいるのも特徴です。
カブトガニの血液が医療を支える
カブトガニの血
— とーるん (@gljP1bdGZYEKp44) March 3, 2019
カブトガニは生きた化石と言われ何億年も前からほとんど姿を変えていない生物ですが
その血液が医療・検査業界で大変お世話になってます
エンドトキシンと言われるグラム陰性菌の細胞壁成分が由来の毒素や(1→3)β-D-グルカンと言われる真菌の細胞壁成分と反応し凝固する性質をもつ! pic.twitter.com/4WvOWgbJso
血が注目されているのは、私たち人間にとって非常に役に立つからです。この血は、菌がいるとゲル状に固める性質があるので、人間に使う液体に血を使うことで、菌がいるかを即座に調べることが出来ます。菌の検査は本来2日ほどかかるのですが、血を使うことで1時間程で終わるようになりました。また、ガンやエイズの薬になるという見方もあり、研究が進んでいます。
カブトガニの血は高額
そんな有益な血ですが、個体には限りがあり、沢山抽出する訳にはいかないので高額です。1ℓで180万円ほどとなっており、その貴重さが伝わってきますよね。血は30%ほど抜かれ、その後野生に返されるのですが、残念なことに死んでしまうことも多いのが実情です。殺すことなく採血出来るようになるといいですね。
カブトガニの目はどこ?
カブトガニは目が多い!
カブトガニ目いっぱいあるやん pic.twitter.com/FUuINhSWzR
— すーさん (@snoopygloomy518) March 1, 2019
目がどこにあるのかも気になりますよね!実は上記の画像の通り、目が沢山あります。一番目立つのが大きな複眼ではないでしょうか。目が一対しかないように見えて、色々な場所に目があるのは興味深いですよね。
目は多いけど視力は低い
カブトガニってこんなとこに目がついてるんだねぇ pic.twitter.com/MArsritppG
— kyo@アステラ画伯の宴@固ツイ見てね (@kyo47807770) March 6, 2019
目は多くても、実は視力はあまり良くありません。ですので、餌を急いで探すようなことはせずに、ゴソゴソと動きまわって、裏側に生えている沢山の足に引っかかったものを食べて暮らしています。
カブトガニの口はどこ?
カブトガニの口は、裏側の中心にある
口が裏側のどこにあるかも気になるところですよね!画像はカブトガニの裏側ですが、この裏側にいっぱい生えている足の真ん中に口があります。この口に、足で器用に餌を入れて食べるのです。この裏側の足や口の構造が苦手で、あまり見たくないと感じる方も沢山います。
カブトガニの食事風景
上の映像は、口元に餌を置いて食べている様子です。口の位置が想像していた場所では無かったという方も多いかもしれません。口が前に付いている訳では無いので、驚きますよね。上から見ている分には、少しグロテスクな裏側は見えませんので安心です。
カブトガニってどんな味?
カブトガニは食べられる?
食べられるのか、どのような味なのか気になった方も多いかもしれません。中国やタイ等の東南アジアではカブトガニの卵や肉を食べる料理があり、日本でも一部の地域で食べられていることがありました。今でも東南アジアに行けば食べられますので、味に興味がある方は行ってみましょう!マルオカブトガニは毒を持っていることがありますので、食中毒にならないよう気を付ける必要があります。
カブトガニはあまり美味しくない?
気になる味ですが、カニではなくクモの仲間ですので、口に合わない、あまり美味しくないという方が多いですね。クモを食べている訳ではありませんが、食感・味・香りが独特で苦手という方も沢山います。もちろん味覚は人それぞれな部分がありますので、見かけた際は味見してみることをオススメします。裏側を上に向けて提供されるので、味見をしたくてもちょっと怖いかもしれませんね。
カブトガニは飼育出来る種類がある
日本のカブトガニは天然記念物
概要を解説させて頂きましたが、飼育してみたくなった方も多いかもしれません。日本のカブトガニは現在、絶滅の危機にあり、天然記念物となっている為、飼育することが出来ません。勝手に天然個体を捕っていい良いとなると、本当に絶滅してしまいますよね。
海外のカブトガニは飼育可能
日本の個体は飼育してはいけませんが、海外から輸入されてきている別の種類は飼育出来ます。アメリカやマルオなど興味があるものを是非育ててみて下さい。最初は小さな個体で販売されていますが、次第に大きくなっていき、大きくなるほど愛着が湧く存在です。
カブトガニの寿命は?
カブトガニの寿命はまだ正確には分かっていない
気になる寿命ですが、実は正確な寿命はまだ分かっていません。他の生き物に比べて成長速度が遅い為、まだ研究しきれていない部分があります。また、年齢が分かりやすい部位が無い生き物でもあります。
推定の寿命
あくまで推定の寿命ではありますが、寿命は約25年ほどとされています。大体15年くらいで成体となり、そこから10年ほど生きて寿命を迎えるという形ですね。もちろん、野生個体は寿命を迎える前に天敵に襲われてしまうこともあります。飼育する際は、なるべく丁寧に育てて、寿命を伸ばしてあげたいですね。寿命を伸ばすには、適切な環境とストレスの軽減が大切です。
カブトガニの飼育方法①用意・準備
用意するもの①水槽
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50㎝くらいまで成長するものの、いきなりその大きさに成長する訳ではありませんので、最初は60㎝程度の水槽から始めると良いでしょう。販売されているのは5㎝程度のサイズですので、最初はもっと小さなケースでも構いません。最初からしっかり用意したい方は、下記記事で紹介している水槽セットを使うのもオススメです。水の蒸発を防ぐため、合わせてフタも購入しておきましょう。
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用意するもの②ヒーターとフィルター
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暖かい環境を好みますので、水温が22度を超えるようにヒーターを用意しておきましょう。ヒーターを使わず、エアコンをつけっぱなしにするという手もあります。また、水が少しずつ汚れていきますので、フィルターも必要です。上記のような安価でシンプルなフィルターを使うのがオススメです。夏時期、28度を超える時は水槽用クーラーの設置も検討して下さい。
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用意するもの③人工海水とカルキ抜き
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海水・汽水域で暮らしている生き物ですので、人工海水を使用しましょう。下記記事で紹介していますので、是非参考にしてみて下さい。サンゴ用の高級なものを使用する必要はありませんので、コストパフォーマンス重視で選んでも良いでしょう。合わせて比重計も購入して、海水の濃度に調整してあげて下さい。また、水道水の塩素を中和する為のカルキ抜きも用意しましょう。人工海水によってはカルキ抜き機能があるものもあります。
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用意するもの④底砂
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砂に潜る性質がありますので、底砂は敷いてあげましょう。サンゴ砂という弱アルカリ性になる白い砂が販売されていますので、なるべく目の細かいものを選び、3~4㎝ほど敷いてあげます。浅くて潜れないとストレスになりますので、潜れていない様子であれば足してあげましょう。
用意するもの⑤餌
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活きアサリを好みますので、まずは生のアサリを購入して与えましょう。ずっと活き餌ではコストも手間もかかりますので、徐々に、画像のクリルなどに変えていくのがオススメです。クリルを食べてくれるようになるとかなり楽になりますね。
照明は必要?
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熱帯魚などの飼育では照明を使用しますが、カブトガニは照明が無くても育てられます。しかし、太陽光が当たらない場所では、照明がないと昼夜が無くなってしまいますので、支障が出る可能性もあります。出来れば朝に照明を点け、夕方に消してあげた方が良いでしょう。
カブトガニの飼育方法②導入・管理
水槽の立ち上げ
用意が出来たら、個体を購入する前に水槽を立ち上げましょう。一通り水洗いをしてから、設置していきます。水槽に底砂を敷いて、機材をセットし、水を入れます。人工海水とカルキ抜きで水を整えたら、機材を運転状態にして準備完了です。ヒーターやフィルターがちゃんと運転しているか確認しましょう。ちなみに水の量は、カブトガニがひっくり返った時に自力で戻れる程度で大丈夫です。
カブトガニの購入
準備が整ったら個体を購入しましょう。ペットショップで販売されていることがありますので、お近くにお店がある方は行ってみて下さい。相談をしたら扱ってくれるかもしれません。もし見つからない場合は通販を利用しましょう。大体2000~3000円ほどでベビーが販売されています。
餌やり
餌の量ですが、お腹いっぱいになったらそれ以上は食べませんので、食べるだけ与えても構いません。様子を見つつ与えてみて下さい。同じ餌ばかり与えていると栄養が偏ってしまいますので、定期的に変えると良いでしょう。
水換え
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水は次第に古くなっていきますので、二週に一回ペースで水換えしてあげると良いでしょう。3分の1程交換してあげることで、水質が保たれます。汚れが酷い様子であれば、ペースを上げて下さい。新しい水の温度が大きく離れていると、水温変化がストレスになる可能性がありますので、その際はかなりゆっくり入れるか、温度を合わせてあげましょう。
カブトガニの飼育方法③その他
カブトガニは脱皮を重ねて大きくなっていくのですが、脱皮に失敗して死んでしまうケースがあります。脱皮が始まった様子なのに上手くいってない場合は、上記動画のように、人工的に脱皮をさせる方法があります。非常にデリケートな作業となりますので、慎重に行いましょう。
まとめ:カブトガニとは?
今回の「カブトガニとは?カブトエビとの違い・飼育方法・注目の血液等を解説!」はいかがでしたでしょうか?特徴や生態、裏側の様子や口の場所、何に近い生き物なのかなど、多くの方が気になっていることを沢山解説させて頂きましたが、非常に興味深い生き物でしたよね!口を見ると恐ろしい生き物のように感じるかもしれませんが、上から見ると可愛らしいので、怖く感じる方は裏側を見ないようにしましょう!
カブトガニが気になる方はこちらもチェック!
今回はカブトガニについて解説させて頂きましたが、他にも海の生き物に関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。
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