香りの花チューベローズの植え方・育て方
夜になるととてもよい香りをあたりに漂わせる、チューベローズの花。女性の魅力を引き出して、男性を虜にする花ともいわれています。花言葉もそれに由来するものが付けられています。そんな、素敵な花をご自分でも育ててみませんか。簡単な育て方から、注意する点までご紹介します。
チューベローズについて
チューベローズの基本情報
科・属：キジカクシ科チューベローズ属
原産地：メキシコ説が有力
学名/英語名：Polianthes tuberosa/Tuberose
日本での別名は「月下香」。夜来香と間違われ、同じものとして扱われこともありますが、別の花です。
チューベローズの特徴
花色は、白の他にピンク色がかったものもあります。切花として使われるものには、八重咲きのものが多いですが、一重の花の品種は香りが強いものも多く、香水の原料として使われます。背丈は1mほどもなる、縦に長いシルエットの植物です。
チューベローズの仲間の花たち
同じキジカクシ科の花には、同じように良い香りがする「ヒヤシンス」や「ムスカリ」があります。また、ちょっと意外ではありますが、花よりも葉を楽しむ植物である「ドラセナ」もチューベローズのと同じキジカクシ科の仲間です。
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チューベローズの花言葉と由来
チューベローズの花言葉は「危険な快楽」
その他にも、アバンチュールという花言葉もあります。どちらも男女の恋愛がチラリと垣間見える意味深な言葉です。これは、チューベローズが夜に香る花であるということや、その香りが女性をより魅力的に感じさせることから付けられたものです。
花言葉の由来
この花言葉は日本で付けられたものではなく、英語の「dangerous pleasure」を訳したものです。海外では、母親が娘に対して「夜はチューベローズの咲いているそばに行ってはいけない」と教育するそうです。この花の香りには、男性にアピールする成分があるからだそうです。これが、この花言葉の由来のひとつとなっています。
チューベローズの誕生花
チューベローズの誕生花は6月16日/9月2日
チューベローズの開花時期は6月から10月。誕生花もその6月16日と9月2日に決められています。この日が自分のお誕生日だという方は、チューベローズの香水を使ったり、自分のイメージフラワーとして小物に刺繍して持ち歩くのも良いでしょう。また、お友達やご家族がこの日が誕生日だという方は、しあわせを祈ってチューベローズの花をプレゼントするのもよいですね。
誕生花の由来や意味
花言葉の意味や由来は何となく納得できるけど、誕生花は何？どうやって活用したらいいのかわからない。そんなお悩みを耳にすることもあります。誕生花は日本だけではなく、全世界の国々でそれぞれ考えられ、決められています。(外国の考えが日本に定着したものもあります)基本的には、その季節に咲く花で、その由来や意味は以下のような神に対する、ロマンチックな考え方に基づいて決められたといわれています。
ギリシア・ローマの人々は「花や木々は神秘的な力を秘めており、神からのメッセージをその身に宿す」とも信じていた
チューベローズの育て方①土・水やり
チューベローズの土つくり
花用の培養土が使えますが、大きな花を咲かせるために、少しだけ腐葉土を混ぜて養分を足してあげるようにします。鉢植え用の土は、赤玉土に腐葉土を混ぜたものを使います。水はけをよくするために、赤玉土を多めに(7割程度)にします。
夏場の水やり
水切れを起こすと一気にシュンとしてしまうので、植え付けてから球根を休ませるまで、水やりは欠かせません。特に、夏場は水分不足になってしまう場合も多いので、朝だけの水やりでは心配です。夕方にも水をあげるようにします。
チューベローズの育て方②植え方
植え方時期は5月中旬以降
春植えの球根として売られているものの中には、時期に早いうちに並べられるものも少なくありません。特に、人気のある品種、珍しい色の花が咲くもの、高い球根であるほど、その傾向が高くなります。見かけて気に入ったものを、買ってすぐに植えようとすると、発芽温度が足りなくてそのまま発芽せずに枯れてしまうこともあります。植え方注意は「発芽温度」です。まだ寒さが残る春先には植えず、しっかり暖かくなってから植えるようにしましょう。
日当たり
植え方で気をつけたいことの2つ目は、植える場所です。これは日当たりに関係することなのですが、日照時間不足は開花に大きく影響がでます。せっかく植えた球根が花をつけずに終わってしまうことがないよう、日当たりは良すぎるくらいに良い場所に植えましょう。
鉢植えの植え方・庭植えの植え方
庭植えにする場合は、先の日当たりも考慮して10センチから15センチは株間を開けて植え付けるようにします。鉢植えにする場合は、6号鉢に3つ程度を目安とします。それぞれ球根の上に5センチほど土がかかるような深さに植えます。
チューベローズの育て方③増やし方
球根を太らせよう
球根植物なので、花が終わったら球根を育てるために、液肥を与えます。時期的には秋ころまで。10日の一度くらいの頻度で肥料をあげると、球根に養分を蓄え、次の花の準備ができます。
球根の扱い方
葉がすっかり枯れてしまったら、それ以降は球根に養分を蓄えませんので、掘り上げて暖かい室内で管理します。または、鉢に一切水をあたえず、乾かして来春まで休ませるという方法もあります。子株(新しい球根)ができても、翌年に花が付くことはありませんが、そのまま育てることにより、大きな球根となり花をつけるようになります。掘り上げたときに、分球して春にまた植え付けます。
チューベローズは永続球根
球根の中には、1年でその全てを使い切って、あとに小さな球根を残すタイプと、分球するけれど親となる球根も何年かかけて大きく育っていくものの2通りがあります。この花は、後者です。なので、毎年掘り上げて球根を分ける必要はありません。掘り上げの目安は2～3年に1度。子どもの球根が大きくなって花をつけるくらいまで育った頃に、掘り上げて分けて植え付け直してあげましょう。
チューベローズの育て方④注意点
チューベローズの病害虫
あたたかくなってくると「アブラムシ」の被害心配されます。病気も害虫の心配もあまりないチューベローズにとって、アブラムシたけは注意すべき害虫です。見つけたら、早めの駆除をしましょう。指などで落としてつぶす、根が浸透させてアブラムシのように汁を吸う害虫を絶滅させる薬剤が駆除にはおすすめです。
その他注意点
毎年春に球根を買って育てるか、前年の球根を翌年も使うか、さらに、たくさんの株を増やすため分球するか。自分がどんな方針で育てるのか決めておきましょう。球根のためには、花のために使う栄養は大きすぎます。早々に葉を残して花を切花にして、生け花、水挿しで花が終わるまでの間楽しみます。球根は毎年買い換えるのであれば、そのまま鉢で、庭植えとして長く楽しみます。中途半端にするのが一番よくありません。
チューベローズの活用法・香りを楽しむ
チューベローズの香りでリラックス
お香 チューベローズ香 スティック
手軽に甘い香りを楽しみたいなら、お香はいかがでしょうか。甘いフルーツの香りが混じった、フローラル系の香りです。花の時期でなくても、いつでもチューベローズの香りが楽しめます。
清楚で魅力的なフレグランス
シャネルの中では一番好きな香り。女性らしい香りではあるものの、そよ風みたいな爽やかさもある
銀幕のセクシー大スターも愛したシャネルの香水。その中でも女性に「シャネルの中で一番好きな香り」といわせているのが、このガブリエルです。イランイランやオレンジ、ジャスミン、チューベローズと白い4種類の花を集めた香水です。エレガントでハイセンス、気合を入れたい日につけたい香水との口コミが多数集まっています。
チューベローズの活用法・切花で楽しむ
チューベローズを切花で
切花としての流通はあまり多くはありませんが、生花のブーケやコサージュとして使用される頻度はかなり高い花です。まず、香りが良いということ、女性の魅力を引き出す花(花言葉の章を参照)であること、やわらかな白い花であることなどが人気の理由です。この場合は、花ひとつひとつを分解して仕立てていきます。八重の品種ならこのひとつの花でもかなり存在感のあるアレンジができます。
背の高いチューベローズは切花で使える花
花屋でチューベローズの切花を見つけたら、早速それを使ってお花を生けていきましょう。背が高い花姿をしているので、後方に配置するとグッとまとまりのよいアレンジになります。やはり、ここでも同じく白い花でまとめるのがおすすめ。その他にも薄い紫、ピンクなど淡い色合いの花との相性がよくおすすめです。
【おまけ】チューベローズの人気品種
チューベローズ・パール
八重咲きのとてもゴージャスな花をたくさん付ける品種です。白い花が多いといっても八重、一重、真っ白なもの、ピングが少し入ったものなど実はたくさんの種類があります。あまり流通している数が多くないので、白色系やピンク系などでまとめられてしまうことも多いです。珍しい球根を見つけたら、早めにゲットしておくのがおすすめ。
チューベローズ・ピンクサファイア
左側はさきほどのパールですが、右のピンク色の花がピンクサファイアです。どちらも宝石の名前が付けられていて素敵ですね。並べてみると、花びらの形やカールの様子が違って、どちらも欲しくて迷ってしまいそうです。
チューベローズ・スーパーゴールド
珍しい黄色い花がつく品種です。他の花と比べると、黄色は香りは少し弱め。花びらは一重ですが、花色の珍しさだけでも育ててみる価値はあるチューベローズの種類となっています。
チューベローズ・センセイション
一重のピンク色の花がつきますが、チューベローズの球根の中では比較的流通が多く、見かけることもあるのがこの種類です。香りは白花種に比べると弱めですが、それでも夜になると思わずずっと嗅いでいたくなってしまうくらい良い香りがします。まとまって咲く花姿もかわいらしいですね。
まとめ
長い時期楽しめるチューベローズの花
夜に特によい香りを放つ花、チューベローズには、女性の魅力を引き出す力があり、セクシーな意味をもつ花言葉がつけられています。育て方も、水やりと日当たりに注意するくらいで難しい技術は必要ありません。病気や虫の被害もほとんどなく、育てやすい植物といえるでしょう。切花としてフラワーアレンジにも多く使われます。魅力的な女性にプレゼントする花として、好きな男性を部屋に招く時にそっと飾っておく花として選んでみてはいかがでしょうか。
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