はじめに
カンボジアの治安と旅行の注意点について解説します。カンボジアはアンコールワットの存在で世界中から観光客が来ますが、ポルポト派などによる内戦が続き、90年代になってようやく平和になった経緯があることから、東南アジアの中でも治安が悪いのではと気になる国ですが、経済復興が続き年々良い方向になっています。そこで2018年現在のカンボジアの治安情勢や日本人が旅行する際の注意点を紹介、主要観光地についても軽く触れていきます。
カンボジアの概要・行き方
カンボジアの概要
カンボジアは東南アジア・インドシナ半島の西寄り、ベトナムとタイとラオスに挟まれた国です。国王がいる立憲君主制で、人口は1500万人程度(2013年)です。通貨はカンボジア・リエルですが、ローカルな市場も含めて米ドルも流通しています。中世のクメール王朝の時代に全盛期を迎えアンコールワットなどを建国しましたが、以降は王政を細々と維持しつつ大国の侵略や内戦を経験し、1992年ようやく平和になりました。
カンボジアの行き方
カンボジアへの行き方ですが、2016年に成田からカンボジアの首都プノンペンまでの直行便が毎日1便就航し、旅行には非常に便利になりました。しかしアンコール遺跡のあるシェムリアップや、日本の他の都市からの場合は経由便を利用することになります。定番はベトナムのホーチミン又はタイのバンコク経由となります。またベトナム・タイ及びラオスからは陸路でカンボジアに入国することも可能です。尚カンボジアはビザが必要です。
カンボジア現在の治安情勢① 気候
日本とカンボジアの時差は2時間なので、時差ボケは気にする必要はありませんが、熱帯モンスーン地域に属している関係で、雨季と乾季に分かれます。どちらが良いかとなれば、双方とも良い面と悪い面があり、トンレサップ湖のクルージングなら水のある乾季の途中くらいまでがベストですし、遺跡見学重視なら気温が落ち着く雨季となります。ただ雨季は足場が悪ので、一概には言えません。
カンボジア現在の治安情勢② ひったくり
カンボジアのひったくりの危険情報
カンボジアに限ったことではありませんが、観光客を狙うひったくりやスリはいます。特にカンボジアは復興しつつあるとはいえ、長い内戦で貧困層もまだまだいるので、旅行者とみると「金を持っている」とばかりに狙ってきます。カンボジア国内で外出するときには貴重品に関しては最新の注意を怠らないようにしましょう。
カンボジアで日本人が注意すること
とにかく「海外」という意識を持つことが重要です。カンボジアに限らず、海外でスマホなどを何の警戒心も持たずに操作していると、あっという間にやられることもあり得ます。とにかく隙を見せないことが大事で、相手も隙がある油断している観光客を狙いますので、こちらがしっかりしていれば運悪いようなターゲットにされることはなく、良い雰囲気で観光できます。
カンボジア現在の治安情勢③ ボッタくり
カンボジアのボッタくりの危険情報
これもカンボジアに限ったことではありませんが、ボッタくりというのは、本来の価格以上の金額を請求することです。地元の人よりも情報能力の低い観光客だと、金を持っていると思い込み、悪い心が働きわざと高値を吹っかけてきます。また釣銭をごまかすこともありますので、釣銭は必ず確認し、違っていればそのそぶりをしてください。多くの場合はそれで残り分を払ってくれます。
カンボジアで日本人が注意すること
一番良い方法はあらかじめ物価や情報を把握しておくことです。そうすればこれは適正価格かどうかが見えてきますので、金額が違えば「高い」といって値下げ交渉もできますし、相手がその気がないとなれば買わないと去ろうとすると慌てて金額を下げてくることもあります。また釣銭については、個人商店とかに高額紙幣を出さないことも重要です。悪い気持ちがなくとも単純に釣り銭がなくて誤魔化す可能性もあり得るからです。
カンボジア現在の治安情勢④ 話しかける人
カンボジアで話しかける人の危険情報
これもカンボジアに限らずですが、観光客に片言の日本語で話しかけてくる輩は要注意で危険です。親しく話しかけて案内すると称して、高額の宝石店やギャンブル場に連れて行き、店と組んで高い買い物をさせたり、仕組まれたギャンブルで大負けを誘引しようとします。場所も、解りづらい所に連れて行くので、断ったり引き返すこともできなくするのです。
カンボジアで日本人が注意すること
一番良い方法は、「相手にしない」に尽きます。特に若い女性の場合は、上記とは別の目的で近づく「ナンパ師」の可能性もあります。しつこく話しかけてきたり、前をふさぐように来るならば間違いなく悪い「危険人物」です。その人が存在しないかのように無視して歩きつづけばそのうち諦めて別のターゲットを探します。
カンボジア現在の治安情勢⑤ トゥクトゥク
カンボジアでのトゥクトゥクの危険情報
トゥクトゥクというのはオート三輪のタクシーで正式名称はサムローと呼ばれるものです。カンボジアのほかタイなどでも活躍しています。カンボジアのものは進行方向の前にも席があり4人くらい乗れます。トゥクトゥクは交渉制で金額が決まりますので、油断をしていると、本来の金額よりはるかに高い金額請求するような悪い輩もいます。
カンボジアで日本人が注意すること
カンボジアのトゥクトゥクの相場をある程度事前に把握するようにしましょう。条件などにより多少の差は仕方がありませんが、明らかに違う金額だとすぐに解ります。断れば再交渉に応じる場合もあります。またカンボジアのトゥクトゥクは街中に数多くあるので、それに乗る必要もありません。慎重に交渉して日本では味わえないオープンなトゥクトゥクの走りを体験しましょう。
カンボジア現在の治安情勢⑥ 麻薬
カンボジアでの麻薬の危険情報
主に安宿街での話になりますが、ゲストハウスによっては、大麻などの麻薬の売人がいて、驚くほど気軽に手に入れることができます。欧米人旅行者の中には、それを目的でカンボジアなどの安宿街に来るような悪い輩もいます。しかしカンボジアでも麻薬は違法なので手を出してはいけません。カンボジアなどの海外でテンションが上がるのはわかりますが、これは日本と同じでダメです。
カンボジアで日本人が注意すること
一番良いのは相手にしないことです。こちらが全く興味を示さなければ、別のターゲットを探しに行くだけです。カンボジアで見つかると「知らなかった」ではすまされず、刑務所行きになる場合が多いのです。(悪質なら2・30年)またそういう人と一緒にいると悪いことに同犯扱いされますので、そういう場所には近づかないことが肝要です。
カンボジア現在の治安情勢⑦ 感染症
カンボジア感染症の危険情報
カンボジアでは短期旅行者に対して予防接種の義務はありませんが、蚊や野良犬などがいて、常に感染症のリスクはあります。また水で体を壊すこともあり、それに関しては、販売している水だけを飲むことで抑えられます。良いのは日本からは蚊よけのスプレーなどは必須です。万一、夜間外に出ざるを得ない時には懐中電灯を持ちましょう。野良犬に遭遇しても目にライトを照らせば相手は怯みます。
カンボジアで日本人が注意すること
カンボジア渡航でどうしても気になるなら予防接種をすることになりますが、それでも完全に防げないのが実情です。狂犬病を持っている可能性のある野良犬には近づかないことと、あらゆる病気を媒介する蚊よけ対策をするしかありません。現地では蚊取り線香なども売られています。一説にはパクチーなどのハーブ類を食べると蚊に刺されにくいとも言われますが、一つの説にすぎません。
カンボジア現在の治安情勢⑧ 国境
カンボジア国境の危険情報
空路でカンボジアに入出国する場合は問題ありませんが、陸路でカンボジア国境を越える時の場合です。国境という理由だけで基本的に大きな治安上の問題点は特にありません。ただ多くの人が集まりやすいので、手続きに時間がかかる場合があります。ただ日本では味わえない陸路国境はなかなかの醍醐味があります。出国後から入国までの中立地帯には免税品店やカジノなどもあります。
カンボジアで日本人が注意すること
特に初心者の人などが、気になるなら空路での国境越えの方が早くて安心です。ある程度旅慣れれば陸路の国境越えに挑戦してみてください。ちなみにカンボジア国境では観光地のプレアビヒア寺院が隣国のタイとの間で紛争状態があり、実際に軍事衝突もありましたが、2018年現在では軍隊も撤退し平和的な観光地となっています。
カンボジア現在の治安情勢⑨ 地雷
カンボジア独自で気になるのが、地雷です。これは内戦で多くの地雷が巻かれ、それに巻き込まれたカンボジアの人たちのニュースなどがあり余計に不安になりますが、アンコール遺跡をはじめ観光客が普通に観光する場所においては全く心配はありません。地雷がある場所には地雷の危険が表示されていますので、そこは避けましょう。
カンボジア現在の治安情勢⑩ プノンペン
カンボジア・プノンペン観光旅行の危険情報
カンボジアの首都プノンペンは、イオンとか日本のスーパーなども完成し、昼間のにぎやかなところは治安概ね良いので、普通に街歩きは可能です。(海外としての注意は必要)ただ、夜になると、照明がない通りも多く、やや暗い路地などは危険で治安も悪いので、夜の移動にはトゥクトゥクなどつかうほうが安心で無難です。
カンボジアで日本人が注意すること
バスターミナルなど人が多く集まるところでは特に注意しましょう。スリなどがいますので、そういう場所に行ってもすばやく人が少ないところに退避するのが肝要です。またホテルなども安宿がありますが、貴重品などを狙うような従業員がいる所もあるので、ネットの仲介業者を利用して安心できるところを選ぶ方が無難です。
カンボジア・プノンペンの見どころ
参考までにプノンペンでの観光の見どころは、ポルポト派が大量虐殺したという「キリングフィールド」「独立記念塔」「セントラルマーケット」など結構いろいろありますが、おすすめは王宮とシルバーパコダです。現在の王族の建物の一部が公開され、カンボジアで一番格式のある寺院とセットで見られます。また近くには国立博物館があり、アンコールの遺跡やお宝が見られます。
カンボジア現在の治安情勢⑪ シェムリアップ
カンボジア・シェムリアップ観光旅行の危険情報
アンコール遺跡見学の拠点であるシェムリアップは、世界中から観光客が集まり、パブストリートと呼ばれるエリアは夜も眠らない街です。プノンペンと比べると夜も比較的安全で、最低限の注意を怠らなければ治安は良い方です。周囲には大型の高級ホテルが並び、その中には本格的なクメール料理が学べる料理教室を行っているところもあります。
カンボジアで日本人が注意すること
特に注意が必要なことはありませんが、観光客が多くパブストリートでは酔っ払いがいることもあるので、そういうトラブルに巻き込まれないように注意する必要はあります。ちなみにアンコール遺跡のガイドは許可を受けて、決められた制服を着用している者しか案内できないようになっているので安心です。
カンボジア・シェムリアップでの見どころ
見どころはずばり「アンコール遺跡」で、早朝のアンコールワットの幻想的な姿をはじめ、遺跡に細かい著効首の数々、巨大な蛇の様な樹木が遺跡を破壊する様を見られる「タプローム」、そして巨大な顔がならぶ「バイヨン」が主な見どころです。ほかにも、ベンメリアなど離れた所にも遺跡が点在し、何日あっても足りないくらいの見どころがあります。ただ日中は暑いので、体調管理だけは注意してください。
カンボジア現在の治安情勢⑫ トンレサップ
カンボジア・トンレサップ観光旅行の危険情報
カンボジアには、トンレサップという大きな湖があり、そこから大河メコンに向かってトンレサップ川が流れており、プノンペンで合流します。プノンペンからシェムリアップまでの移動にこの川と湖を走行するクルーズ船があります。以前は、こういうクルーズに賊がでて身ぐるみが剥がされるという事もあったようですが、現在はそのようなこともなく快適に移動できます。
カンボジアのトンレサップで日本人が注意すること
注意する点としては、6時間の移動中に天井に上がって川や湖の風景を楽むことができますが、長時間の日中の移動になりますので、熱中症対策は欠かせないところです。また容赦ない速度で航行しますので、途中の移動などにも注意が必要です。また乾季の終盤になると水量が少なくなり航行しませんので、クルーズを利用する際には情報収集が欠かせません。
カンボジア現在の治安情勢⑬ その他の地域
カンボジアは、この他にもビーチリゾートが楽しめる「シアヌークビル」やシェムリアップ郊外にある「コ・ケー遺跡群」シアヌークビルの手前にあり、フランス人の避暑地として開発された「ボーコー国立公園」など見どころは豊富にあります。いずれにしても特に治安が悪いわけではなく良い方です。海外での最低限の注意を払えば問題なく楽しめるでしょう。
カンボジア現在の治安情勢⑭ ネット環境
最後に、これもカンボジアだけの話ではありませんが、現地でネットが使えるようにする事は治安の意味においても重要です。現地で最新情報が入手できるのは大変ありがたいですし、地図などで位置情報も確認できたり、行きたい店が営業しているかどうかなどもあらかじめわかります。SIMを交換するか、wifiルーターをレンタルするなどして、ネット環境は確保しておきたいところです。
まとめ
日本人がカンボジアを旅行するときの治安・注意点について、内戦やポルポト派の虐殺など少し怖い印象があるカンボジアですが、90年代に平和になり経済も復興し、アンコール遺跡を中心に多くの観光客でにぎわい、比較的治安の良い国になっています。女性が一人でも渡航できます。発見時には「宇宙人が作った」とフランス人が勘違いした程のアンコール遺跡はぜひとも見に行きましょう。この記事が参考になれば幸いです。
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