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カペリンとは?気になるししゃもとの見分け方や違いを解説!味はどうなの?

キュウリウオ科の庶民の魚といえば「子持ちししゃも」ですが、実はこれほとんどが「カペリン」というししゃもとは別の魚なんです。圧倒的な漁獲量の違いから今ではカペリンがししゃもとして流通しています。今回は両者の違いや、カペリンの美味しい食べ方などをリポートします。
更新: 2021年9月22日
kuma10
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カペリンてどんな魚?

極北の海域に棲むカペリンは、日本の一部の地区で水揚げされる「ししゃも」に姿が似ていることから「子持ちししゃも」という名前でデビューして以来、ししゃもとして日本の食卓を賑わせてきました。

抱卵すると浅瀬に近付くため、そこを捕獲し流通させるのですが、そのため子持ち以外の雄カペリンはほとんどが飼料用にされています。

カペリンと本ししゃも

ししゃもといえば

日本で「ししゃも」といえば画像のような魚を思い浮かべると思います。スーパーなどでパックに詰められ安くて美味しい魚の代表のような顔をしていますね。これが「カペリン(またはキャペリン)」です。

半生乾燥の文化干しが一般的ですが、そのほとんどが「抱卵」している「子持ちししゃも」です。旬の時期に大量に捕獲し周年食べられます。

文化干しの「文化」って?

よく「鯖の文化干し」や「カレイの文化干し」という文字をスーパーで見かけると思いますが、「文化」にあまり意味はありません。「天日干し」に対する「機械干し」と思っていただければそれで良いと思います。旬の時期に獲って大量に加工できるので文化干しは発達しました。

本ししゃもとは?

北海道の太平洋岸の一部の地域でしか水揚げされない「本ししゃも」は、北海道でも「清流」と呼ばれる美しい河川にのみ遡上し卵を産みます。日高の沙流川や胆振地方の鵡川、釧路地方の茶路川などが有名ですね。

飢饉で食べるものが無い時に神様が柳の葉(スス)から魚(ハム)を創り出して村人に与えたことから「ししゃも」になったと云われています。

両者の見分け方

体色と体型

カペリンが青系で黒光りしているのに対して本ししゃもは銀白色に輝いています。もともと同じ種族(キュウリウオ科)なのですが、その様相は猫とライオンほども違います。

もちろん猫は猫なりに良いところはありますが、猫に対して「うちのライオンが」とは言わないでしょう。ゴツくて銀色なのが本ししゃもと覚えておきましょう。

旬の違い

はっきり言って市場に出回っている「ししゃも」と呼ばれているものはほとんどが「カペリン」です。ですから姿形などからの見分け方はあまり意味がありません。見分け方の決定的な違いは「旬」にあります。

カペリンが通年(冷凍も含めて)食べられるのに対して本ししゃもは10月からの1か月半しか出回りません。本ししゃもを手に入れるなら時期を覚えておきましょう。

旬の本ししゃも

旬の本ししゃもが生で手に入ったら余計な調理はせずに生で食べてみて下さい。北海道の産地などでは寿司ネタとして調理されます。しっとりとした白身に上品な脂がのり、特にオスの本ししゃもには独特のうま味があり食べた人をうならせます。これはほとんどが加工品で入って来るカペリンでは味わえません。

カペリン料理とレシピ1「焼き」


フライパン焼き推奨

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カペリンの一番オーソドックスな食べ方が「焼き」です。ご家庭でも居酒屋でも口にすることは多いでしょう。焼きのコツはフライパンを使うこと。

魚焼きのレシピを作る時に普通は「炭火の強火の遠火」などとよく書きますが、身の柔らかいカペリンはテフロン加工のフライパンで「弱火でじっくり」が調理のコツです。試してみて下さいね。

直火焼きの裏ワザを一つ

もちろん直火焼きでもきれいに焼くことは可能ですが、カペリンは抱卵していると極端に腹皮が薄い魚です。焼き網に皮がへばりついてしまいひっくり返した時にせっかくの卵が落ちてしまう事もあります。

旬の時期に大量に加工されるカペリンはほとんどが「子持ち」です。焼きは慎重にしましょう。裏ワザは焼き網にお酢を塗る事。くっつきが軽減されますよ。

さっぱりとした食べ方

卵をたっぷりと持ったカペリンは焼くと薄皮が焦げてとても香ばしくなります。これにさっとレモンを絞っていただくとカペリンの脂臭さが抜けてとても美味しくいただけます。また、普通の塩焼きの魚のように大根おろしと一緒に食べるのもさっぱりして美味しい食べ方です。

本ししゃもはオスが美味い

焼き魚料理の紹介ついでに本ししゃもの焼き物も画像で紹介しておきますね。生の本ししゃもも抱卵したメスは当然美味しいのですが、実は身の美味さはオスの方が上です。

アユの塩焼きと同じように化粧塩をほどこして「遠火の強火」で焼いていきます。同じ料理でも調理の仕方を変えて美味しくいただきましょう。

見分け方の追記

画像の本ししゃもでカットレモンとの大きさの比較をしてみて下さい。カラフトししゃも(カペリン)が20㎝ほどの大きさになるのに対して本ししゃもは15㎝ほどにしかなりません。

漢字で「柳葉魚」と書くように、ちょうど柳の葉くらいの大きさ・形のものが本ししゃもです。最大のものの大きさも見分け方の一つですね。

カペリン料理とレシピ2「フライ」

カリプチが美味い!

カペリンを調理する上でご家庭であんがいされていないのが「フライ」ではないでしょうか。サッと焼いてぱくっと食べたいカペリンですから、あまり手間を掛けた料理にしたくない気持ちはわかりますが、フライはぜひやって頂きたい調理法です。これならメスだけでなくオスも美味しく食べられますよ。

フライレシピ

カペリンは皮が薄いので卵とパン粉だけで調理をすると失敗します。まずは大さじ2杯の小麦粉を卵1個とよく混ぜ合わせます。その卵液にカペリンをくぐらせてからパン粉をまぶします。パン粉にうずめるくらいでちょうど良いと思います。

あとは160~170度の油でキツネ色になるまで揚げれば出来上がりです。パンにもごはんにも合う食べ方です。

カペリン料理とレシピ3「燻製」

一味違うカペリンを

これ、本当に美味いです。好みのチップで燻(いぶ)していただく「燻製」は、自宅ではなかなか敷居の高い調理方法ですが、使わなくなったフライパンなどを利用して「温燻」や「熱燻」に挑戦してみてはいかがでしょう。一口食べれば病み付きになる事間違いなしですよ。


温燻・熱燻レシピ

使わなくなったフライパンを用意します。アルミホイルを敷きお好みのチップ(桜なら間違いありません)を一掴み乗せます。砂糖(ザラメならなお良し)を小さじ1杯振りかけます。焼き網を隙間ができるように乗せコンロに火を点けます。

煙が出てきたらカペリンを並べてフタをして5分。あっという間に燻製のできあがりです。

料理しやすいカペリン

燻製は塩漬けにした材料をよく乾かしてから燻します。実はこれが結構な手間なんです。しかし市販のカペリンならすでに燻すだけの状態で売られていますからとてもお手軽です。

ついでにコツを一つ。焼き網の隙間はアルミホイルを丸めたものを3つ作れば簡単です。火力と時間で温燻と熱燻を作り分けましょう。

冷燻ならこんなものでも

ソト(SOTO) おつまみ香房

出典:Amazon

すぐに食べないでしばらく保存し、食べる時に温めるのなら「冷燻」がおすすめです。最近はダンボールを利用した安価な「スモーカー」が売られています。燻製初心者の方の入門用にはピッタリです。チーズやゆで卵などと一緒にじっくり燻すと思わぬ贅沢オードブルが簡単にできますよ。

燻製器がもっと気になる方はこちらもチェック!

燻製を作る「スモーカー」は用途に応じたものを自作するのが一番です。「暮らし~の」のサイトの中に燻製器について詳しい記事を見付けましたので併載しておきますね。興味のある方はこちらもチェックして下さいね。

カペリン料理とレシピ4「南蛮漬け」

夏はさっぱりと

揚げた魚を漬け込む南蛮漬けは魚を美味しくいただく調理法の一つですが、カペリンの場合は「焼き」を南蛮漬けにすると美味しいですよ。焼いて並べたカペリンの上に少し酸味の強い「マリネ液」を絡めた野菜を液ごと乗せるだけ。ラップをして冷蔵庫で少し寝かせれば絶品の一品のできあがりです。

マリネ液レシピ

南蛮漬けはマリネの一種です。マリネ液を少し酸味の強いタイプで作ってカペリンに合わせましょう。
醸造酢:3、エクストラバージンオリーブオイル:2、砂糖:1、レモン汁:1、塩:ひとつまみ、胡椒:お好み。
少し多めに作っておくと何にでも使えますよ。塩は醸造酢を使う場合は「脱臭」の働きがありますので必ず入れて下さい。

カペリン料理とレシピ5「キャビア?」

こ、これは

世界三大珍味といえば「フォアグラ」「トリュフ」そして「キャビア」ですね。そのキャビア風のものがカペリンの卵で製品化されています。食べ方はまったくキャビアと同じで、何かにトッピングしていただくのが美味しい食べ方ですね。

ちなみに画像のものは100g入りで約200円ほど。本物との見分け方は、「食べればわかかる」です。

カペリンキャビアレシピ


このカペリンキャビアは本物と同じく塩がきつく、そのままですとかなり塩辛い思いをします。食べ方はいろいろですが、ごはんに乗せていただくのが一番美味しい食べ方だと感じました。

パスタに乗せてもバゲットに合わせても美味しいのですが、ししゃもの存在感は強烈です。まだあまり出回っていないようですので、業務用スーパーなどを探してみて下さい。

キャビアの事がもっと気になる方はこちらもチェック!

本来キャビアといえばチョウザメの魚卵を指します。「暮らし~の」のサイトの中にチョウザメに詳しい記事を見付けましたので併載しておきますね。興味のある方はこちらもチェックして下さいね。

カペリン料理とレシピ6「みりん干し」

加工されたものですが

これはみりん干しに加工されたカペリンです。こうなってしまうと見分け方はありませんが、おそらくオスのカペリンだと思われます。

旬の時期に大量に捕獲されるカペリンは卵をもっているメスばかりが食卓にのり、オスはほとんど出回りません。以前は「廃棄」されていたほどです。資源をムダにしない良い加工だと思います。

1品足りないときに

ししゃもみりん干し

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
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イワシより柔らかく冷めても美味しいみりん干しを見付けました。口コミも上々でリピーターが多いようです。軽く炙るだけですぐに食べられる手軽さもうれしいですね。いつものししゃもと違った食感、味を楽しむには良い商品なのではないでしょうか。

カペリンを楽しもう!

ししゃもはししゃも、カペリンはカペリン。見分け方を覚えても実際に市場に出回っている「ししゃも」はほとんどがカペリンです。そしてそれは確実にわれわれ庶民の味となっています。

であればカペリンを「うまい魚」として認識を新たにし、今回ご紹介したレシピ以外にも美味しい食べ方を見付けてカペリン料理を楽しみましょう。

ししゃもの事がもっと気になる方はこちらもチェック!

ししゃもの食べ方や焼き方の他にその生態まで詳しく紹介されている記事を見付けましたのでこちらに併載しておきますね。興味のある方はこちらもチェックして下さいね。