ししゃもとは
ししゃもはスーパーなどで安く購入出来て、香ばしく焼いたししゃもは、頭からかぶりついて丸ごと美味しい、子供も安心して食べられるお魚ですよね。おつまみにも、おかずにもなるみんな大好きなお魚です。 しかし、良く見るスーパーのししゃもは、ほとんどが輸入されたししゃもです。 美味しいのは間違いないのですが、国内では、北海道でだけ獲れる「本ししゃも」があります。今回はそんなししゃも含め、美味しい焼き方などを紹介していきます。
流通しているししゃもの種類
本ししゃも
ししゃもはキュウリウオ目キュウリウオ科属の魚で、北海道の太平洋沿岸の一部でしか獲れない魚なのです。 鮭と同じ回遊魚で、10月~11月の晩秋に産卵のため川を溯上します。大きいほど味が良いとされています。 漁獲量も限られているため、「本ししゃも」として高級魚とされています。北海道ではお寿司も食べられています。産地ならではですね。
和名/由来
和名は「柳葉魚」と書きます。アイヌでは柳の葉を「シュシュハム」と呼びます。柳を「susu/シュシュ] 葉を「ham/ハム」と呼び、それが転じてししゃもと呼ばれているようです。 またアイヌでは、神様が柳の葉を川に投げ入れ、その葉は一面の魚と変わり、大飢饉を救ったという伝説があるそうですよ。
北海道沖でしか獲れない理由は?
なぜ北海道沖でしか獲れないのかはまだ解明されていないそうです。そのため、漁獲量は少なく、一般に出回っている「ししゃも」はキュウリウオや輸入品のカラフトシシャモが「ししゃも」として流通しています。
キュウリウオ
その名の通り、目を閉じて匂いを嗅いだら、きゅうりとしか思えない魚です。産卵時期は4月~6月で川に遡上します。 春の産卵期の雌は溢れんばかりに卵を抱え、フライ、天ぷら、塩焼などとても美味しい魚ですが、時間が経つと味が落ちるとされ、安く販売されているようです。
カラフトシシャモ
カラフトシシャモは「カペリン」とも呼ばれ、、ノルウェー、アイスランド、カナダから年間約3万トンが加工された状態で輸入されています。流通しているほとんどの子持ちししゃもはこちらの「カラフトシシャモ」となるようです。 カラフトシシャモは春から初夏に浅海域で産卵し、河川に遡上しないお魚です。
アイスランドでは貨幣のデザインになるほど親しまれているそうです。 本ししゃもと思って食べていた!という方もいらっしゃると思いますが、それはさておき、カラフトシシャモはお財布に優しい美味しいお魚ですよね。
ししゃもの栄養
ししゃもは丸ごと全部食べられる事から、 ・成長に欠かせないカルシウム ・血液サラサラ効果のDHA(ドコサヘキサエン酸) ・アレルギー症状を和らげる働きのEPA(エイコサペンタエン酸) などを多く含み、魚の栄養素を余すことなく取り入れられるお魚です。 さらに雌の卵には女性に嬉しいコラーゲンも豊富に含まれています。
美味しいししゃもの選び方
国産の「本ししゃも」の旬は10月~11月で、生の場合は色艶が良く、全体にハリがあって目が澄んでいる物を選びましょう。 干物の場合は、程よく乾燥していて、子持ちは卵がたっぷり入ってお腹の皮が裂けていないもの、水分が出ていたり、ヌメリが無いものを選びましょう。
本ししゃもとカラフトししゃもの見分け方
国産と輸入の見分け方は、本来は形状も違いますが干物の場合見分けるのも難しいかもしれません。 大きさは本ししゃもの方が大きいし、値段も違います。輸入のししゃもはほとんどが卵を抱えた雌ですが、本ししゃもは雄の方が美味しいとされ、雄の干物も販売されています。 味や香りの違いを比べてみるのも楽しそうですね。
ししゃもの上手な焼き方
失敗しない焼き方を覚えましょう
ししゃもを美味しく焼く方法は、調理器具によって、その特性を生かしながらの焼き方がありますよね。 冷凍の場合は、解凍せずにそのまま焼きましょう。解凍すると旨味も溶け出してしまう場合があるからです。 凍ったししゃもは少し火を弱めてじっくり焼いてくださいね。焼き時間も少し長くかかります。まずは片面をしっかり焼きましょう。お腹が柔らかいのは火が通っていない状態です。 ではししゃもの美味しい焼き方を紹介していきましょう。
ししゃもの美味しい焼き方レシピ/ホットプレート
焼き方その①ホットプレート(クッキングシートを使いましょう)
ししゃもを美味しく焼くのにホットプレートがおすすめです。 温度が一定のホットプレートは、焼き色も均一できれいに焼けます。焼き時間は温度設定にもよりますが、180度~200度くらいで、全体的に固くなり、両面美味しそうに焼き色が付いたら大丈夫です。
焼く時のポイント
焼く時のポイントは、クッキングシートを敷く事。アルミホイルよりクッキングシートはくっつかないので、ししゃもの皮がはがれてしまうことも無く、美味しく焼けますよ。 凍った状態から焼くときは、ひっくり返すまで蓋をして焼くと火が通りやすいです。その際は焼き時間は少し長くなります。片面が焼き色が付いたら、蓋をはずして焼きましょう。
ししゃもの美味しい焼き方レシピ/フライパン
焼き方その②フライパン
フライパンでししゃもを焼く時もクッキングシートがあると便利ですが、無い時に上手に焼くコツは、 ・フライパンをよく熱する。 ・一度火を止めて油をフライパン全体にうすくなじませる。 ・フライパンにししゃもを並べ弱めの中火でじっくり焼く。 ・反対側はさっと焼きましょう。
フライパンで焼くときは触るのをガマン!
この時、触らずに少しガマンしましょう。片面をじっくり焼きます。ひっくり返す時は、フライ返しも使って優しく返しましょう。焼き時間はししゃもの大きさにもよります。 ししゃものお腹が柔らかいうちに触ってしまうと形が崩れてしまいます。全体に火が通ると形が崩れずにひっくり返せます。 焼きすぎても水分がなくなってパサついてしまいます。盛り付ける時に上になる左側をじっくり焼いて美味しそうな焼き目を付けましょう。 フライパンで焼く時に、霧吹きでお酒をほんの少し、シュッと全体に振りかけて焼き上げるとふっくらして美味しいですよ。
ししゃもの美味しい焼き方レシピ/オーブン
焼き方その③オーブン
オーブンでししゃもを焼く場合もクッキングシートがおススメです。 オーブンを230度に設定して、温めておきます。本数にもよりますが、焼き時間は12~15分程焼きましょう。
オーブンで焼く前のポイント
オーブンで焼く前に、お酒をほんの少し霧吹きで吹きかけておくと風味よく仕上がりますよ。 オーブンの性能も素晴らしくなっていますよね。最新のオーブンは焼き時間も違うと思いますので試してみてくださいね。
ししゃもの美味しい焼き方レシピ/トースター
焼き方その④トースター(アルミホイルの使い方)
ししゃもをオーブンやトースターで焼く場合もクッキングシートがあれば便利ですが、アルミホイルしかない。なんて時もありますよね。クッキングシートの代用でアルミホイルを使う場合は、一度、クシャクシャにしてから広げると、くっつきにくくなります。 ・まずは、トースターにアルミホイルを敷いてしっかり温めておきましょう。 ・アルミホイルの上にししゃもがくっつかない程度に間隔をあけて並べます。その際はアルミホイルの上にやさしく乗せてください。押し付けてしまうとくっついてしまいます。アルミホイルとの接地面を凸凹にしてそっと乗せて焼きましょう。
トースターで焼き色が付き過ぎそうな時は
トースターによって、焼き加減は色々だと思いますが、トーストが焼けるのと同じ感覚ですね。焼き時間は3分位で焼き色がつくはずです。 ひっくり返してさらに3分程焼けば大丈夫と思いますが、それでも柔らかい時は全体的に焼き色が付くようにもう少し焼きましょう。 トースターで焦げ目が付きすぎて焼き加減が心配なときは、アルミホイルを上からかぶせて加熱しましょう。 クッキングシートがある場合は、トースターで焼くときもクッキングシートの方がおススメです。
ししゃもの美味しい焼き方レシピ/グリル
焼き方その⑤グリル
グリルでししゃもを焼くポイントは、グリルをしっかり温めて置く事。グリルはくっつきにくい方ですが、心配なときは刷毛で油を塗っておくと完璧です。一気に皮をパリッと焼けるのがグリルの良さです。 フライパンとはまた違った焼きあがりになりますよね。グリルの焼き時間はそれぞれなので弱火~弱めの中火で確認しながら焼きましょう。
炭火で焼くコツ
炭火で焼く時も、焼き網を十分加熱しておいて、油をなじませてから焼くとくっつきにくいですよ。本ししゃもを炭火で焼くのは格別でしょうね。 輸入ししゃもは焼く時に崩れやすいお魚です。まずは片面をしっかり焼くと形が安定しますので崩さずひっくり返すことが出来ます。じっくり焦らず焼いてくださいね。 この後はそんな型崩れの心配無しのレシピを紹介していきます。
ししゃものレシピ動画5選を紹介
ししゃもは天ぷらにしてもから揚げにしても美味しいですが、もうひと手間加えて、いつものししゃもを雰囲気をかえたご馳走メニューにしちゃう動画を紹介します。 是非作ってみて下さいね。
ししゃもの南蛮漬け
こちらはししゃもの南蛮漬けです。甘酸っぱいコクのあるタレに漬け込んだししゃもは、酢の効果でさらに骨も柔らかく野菜もたっぷり食べられますよね。おススメです。
ししゃものチリソース
こちらはししゃものチリソースです。晩御飯のメニューにいかがですか?食べて見るまでししゃもだって事は内緒にしちゃうのも楽しいですよね。豪華な一品になりますね。美味しそうです。お弁当のおかずにも良いですね。
ししゃもときのこたっぷり和風パエリア
ししゃもがパエリアに!パエリアはロブスターやムール貝がなきゃ作れないなんて決まりはありません。調理次第でこんなにも豪華になるのですね。お試しください。
揚げ焼ししゃものサルサオープンサンド
ししゃものオープンサンドです。お洒落なメニューですよね!白ワインが合いそうです。オリーブオイルで揚げるとまた風味が違うでしょうね。
ししゃもの磯辺揚げと、にんじんの天ぷら
こちらは王道の和風レシピです。いつのも天ぷらに青のりが加わると、磯の香りがさらにプラスされて美味しいですよね。少し衣をアレンジするだけでも、また違った美味しさを発見出来ますよ。
まとめ
普段良く目にしているししゃもは、ほとんどが輸入されている「カラフトシシャモ」ということですが、お財布に優しくて美味しい事は誰もが認めている事ですよね。「カラフトシシャモ」に罪は無いと思います。 でも、日本には、日本の北海道だけでしか獲れない「本ししゃも」があります。本当の「ししゃも」と呼ばれる北海道のししゃもを見つけたら、その美味しさを味わってみてくださいね。