蓮とは
蓮はインド原産でハス科多年草の水生植物です。花が咲く時期は7~8月で花の色は白、またはピンク色です。蓮の名称のほかに水芙蓉(スイフヨウ、ミズフヨウ)、池見草(イケミグサ)、蓮華(レンゲ)などとも呼ばれています。
蓮の名前は、花の中心の形状が蜂の巣に見えたところから名付けられた「はちす」が由来となって「はす」になりました。
蓮の花言葉
差がすごい?蓮の花言葉
蓮の花言葉を見るとかなり差があるように見えますが、そのほとんどが仏教に関係のあるものです。 それぞれの花言葉を由来とともに解説します。
明るい意味の花言葉
清らかな心
清らかな心は仏教と密接な関わりからつけられた花言葉です。仏教では泥水の中から美しい花を咲かせる姿から蓮を仏の智慧や慈悲の象徴としました。
そしてよい行いをした者は死後に極楽浄土で、蓮の花の上に生まれ変わるという思想があります。そして極楽浄土は蓮の花の形をしているとインドでは言い伝えられています。
神聖
この花言葉も仏教と関係があります。仏教では蓮はもっとも神聖な花とされています。 これは生まれたばかりのお釈迦様が歩きだしたとき、足跡から開花した蓮の花の上に立ったお釈迦様が「天上天下唯我独尊」と言ったことが関係しています。
雄弁
仏教だけでなくエジプトでも蓮の花がよくモチーフにされています。 この花言葉はエジプト神話に登場するオシリスに関係しています。話術が得意で雄弁だったオシリス王に蓮を捧げていたところからきているそうです。
沈着
古代中国では蓮は俗人に染まらない君子の花と言われています。 君子とは徳が高く品位のある人格者のことを意味し、「君子危うきに近寄らず」のことわざにも出てきます。 清らかな物として扱われ物事に動じず、冷静沈着な君子を表した花言葉です。
マイナスイメージの花言葉
離れゆく愛
これは蓮の花の生態からつけられた花言葉です。 蓮は花が夏の短い時期しか咲かないこと、咲いたとしても早朝に咲いた花は昼には閉じて4日後には散ってしまい、散る時に花びらが1枚1枚散ってゆくようすからつけられた花言葉です。
救済
お釈迦様は「人生は苦しみであり、苦しみ無しに人は悟ることができない」と教えられています。 悟りの世界とは、迷いの無い心の安定の地といった意味があり、この花言葉は仏様に向かって「わたしも貴方のように悟りの世界に連れて行ってください」と願いを込めた花言葉です。
休息
早朝に開き、午後になるにつれて少しずつ閉じてゆく蓮の花の規則正しく開花するところからこの花言葉がつけられました。
黒や紫の蓮
紫色の蓮
蓮の花は白、クリーム色、ピンクのみで紫や青の花は睡蓮の花です。蓮の濃いピンクの花が紫に見えてしまったり、花の形や生えている場所、開花の時期が似ているため混同されてしまいました。
エジプトではロータスは蓮ではなく睡蓮を意味します。エジプトにおける歴史は古く、太陽が昇ると開花して夕方には閉じる習性や、放射線状に花開くことから古代エジプトの最高神である太陽神の象徴となりました。
古代エジプト遺跡の壁画や彫刻にはたくさんのロータスが描かれ、ロータスをモチーフにした装飾品、花束、香水なども発見されています。
黒い蓮
西洋の伝説では、黒い蓮には毒や眠りをもたらす作用があるとされています。しかし自然界には黒い蓮はありません。 では黒い蓮の話は何が元になったかというと、古代ギリシアの詩人ホメロスによるオデュッセイアに描かれた話だと考えられています。
物語にしか存在しない幻の花
オデュッセウスがギリシアに帰る途中、漂着した島に住むロートパゴイという人々が食べていたロートスの実という実が出てきます。
ロートスの実はおとても美味しく、世のすべての苦痛を忘れ、その実を食べること以外は考えられなくなるというもので、この話に出てくるロートスの実から蓮の実に蠱惑的なイメージがついてしまったのです。
今は存在しない黒い蓮ですが、黒い蓮に魅了された人が今後品種改良によって黒い蓮を誕生させるかもしれません。
睡蓮と蓮の違い
混同されやすい蓮と睡蓮ですが特徴を知れば簡単に見分けることができます。 ここでは睡蓮の特徴を説明します。
睡蓮の葉は蓮と違って水面より高く出る葉は無く、形は円形から広楕円形で、葉の縁に深い切れ込みがあります。 一般的な植物は気孔が葉の裏側にありますが、睡蓮は葉の表側に気孔があります。
睡蓮の葉はハスのように葉は水を弾きません。 花は白、ピンクの他に紫、青、赤などさまざまな色があります。
睡蓮には熱帯産と温帯産の2種類があり、温帯産は温帯産はワサビのような形の根で花は水面のすぐ上に咲き、熱帯産の根はは球根形で、水面から突き出た茎の先に花をつけます。
誕生花が蓮の日
蓮が誕生花の日は7月3日、7月8日、8月15日、9月26日です。
その月日の誕生日の人に花言葉を添えて蓮の花をプレゼントするは良いのですが、蓮は仏教と深い関わりがある花ですし、誕生花の時期はちょうどお盆に当たるので誕生花として蓮を贈るときはよく考えたほうが良いでしょう。
蓮を育てる
公園の池などで見ることのできる蓮ですがなんと自宅で育てることが出来ます。 茶碗蓮という小型の蓮は栽培セットも販売されておりお庭やベランダで育てるのに最適です。
蓮の育て方①土作り
池や沼地に生える蓮は栄養豊富な粘土質の土を好みます。 お店に水生植物専用土が売っていればそれを使ってもかまいません。もしなければ田土や赤玉土7:腐葉土3の土に苦土石灰を混ぜあわせたものを使いましょう。
次にあげるような配合土がに水を加え、ホットケーキのタネより少し堅いくらいに練ってから使います。
蓮の育て方②種まき
種まきは4~5月が適期です。 蓮の種はとても硬く、そのままでは芽が出ないので種に傷をつける下処理をしてからまきます。
種の凹んでいる部分をヤスリでなどで白い部分が見えるまで削り、水に浸けて発芽させます。
発芽したら鉢に入れた土へ横向きに置いて2cmほど土を被せたら、水を入れた睡蓮鉢などの容器に鉢を沈め、日当たりのよい暖かい場所に置いておきます。
蓮の育て方③水やり
水はたまっている水を捨てるのではなく蒸発した分だけ継ぎ足していきます。なぜなら水温を高くするためと水中のバクテリアを増やすためです。
水を全て入れ替えてしまうと水温が下がり、バクテリアや有機物を分解する微生物が大量に失われるため水が腐りやすくなってしまうからです。
蓮の育て方④植え替え
蓮は根が張るので、1~2年に1回、3〜4月に植え替えをします。 鉢をひっくり返し、株を取り出して根についた土を水で洗って取り除いてから新しい土に植えます。このとき、新芽や塊茎は傷つけないように丁寧にあつかい、素早く植え替え乾燥しないようにします。
蓮でビオトープを作る
蓮と一緒にメダカや金魚を育てると見た目にも涼しげなだけでなく、害虫のボウフラの幼虫をたべてくれるのでとても便利です。メダカや金魚など生き物を一緒に育てる時には化学肥料などは使わないようにします。
まとめ
今回の蓮の花言葉は差が凄い?その意味や由来を解説!はいかがだったでしょうか?一見すると差がある花言葉でも意味や由来を知れば納得することができます。 これからの季節暑い夏に咲く涼しげな花の見頃を迎える蓮、ぜひ見に行きたいですね。
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