世界一深い!クルベラ洞窟とは
クルベラ洞窟とは世界一深い洞窟です。深さが2000メートル以上にも及ぶため、洞窟の底にはまだ誰ひとり到達した人がいない、なぞに満ちた場所となります。最深何メートルなのかは誰もわかっていません。まさに「秘境」ということができるでしょう。
最初に調査が行われた時から現在までで、最深の数字は更新され続けています。 知恵を持つ人類が何十年かけても底に到達できないほどスケールの大きい、深い洞窟なのです。洞窟はいくつにも枝分かれしており、その全長はエベレストがすっぽり収まってしまうほどの長さです。
気になる深さは?
クルベラ洞窟の深さは2,197メートルと言われています。 しかし、2,197という数字は最深の深さを表すものではありません。今まで調査隊が到達した地点が、深さ2,197メートルの場所というだけで、世界一深い洞窟の底は誰も見たことがないのです。
また、深さ2,000メートルを超える洞窟は、クルベラ洞窟しか現時点で確認されていません。つまり、調査の途中段階であっても圧倒的に深い場所なのです。
近い将来調査が進めば、さらに最深の数字は更新されるでしょう。クルベラ洞窟の一番奥底を見ることができる日はいつ来るのでしょうか。
クルベラ洞窟の全長は16,058メートルといわれています。 洞窟はいくつにも枝分かれしており、その合計の長さは10,000メートルを優に超えるのです。日本一の山である富士山は3,776メートルなので、富士山の4倍を超える全長ということになります。
コーカサスにあるクルベラ洞窟。
— 救世王Arete男性間性交渉の利権解体へ (@allmangayworld) February 11, 2018
かの人々は大洪水の前に地中深く叡智を保管したらしい。 pic.twitter.com/YGIkeixKH2
現在調査済みの場所だけで全長が16,058メートル、主な洞窟部の深さが2,197メートルあります。つまり、枝分かれしている部分だけでも合計が13,861メートルということになります。どれだけ深く、長い場所なのか、人類の想像もつかない領域に達しています。
世界一の深さゆえに洞窟なのに熱い
洞窟といえばひんやりした場所というイメージがあるかもしれませんが、最深2,197メートルの洞窟となると、底に近づけば近づくほど暑くなります。それは、地球の中心の核に近づくため、100メートル進むごとに2.5度~3度も温度が上昇すると言われています。
もし地上の温度が0度で、100メートルごとに3度上がると仮定して計算すると、最深の場所2,197メートル地点では66度ということになります。あまりに単純な計算ではありますが、洞窟の熱さは想像していただけるのではないでしょうか。
クルベラ洞窟には地底湖もある!
洞窟の中に湖があるというのも、この世界一のスケールを誇るクルベラ洞窟ならではの特徴です。 湖というほど大きなものはクルベラ洞窟内に数多くあるわけではありませんが、「水たまり」のレベルのものであれば数えきれないほどあります。
調査員は泳ぐためのウエットスーツやヒレまで準備し、装着しなければならないのです。美しさには目を惹かれますが、探検する際の苦労は半端なものではありません。各所にある水たまり、降りれば降りるほど暑くなる温度、想像するだけでもいかに過酷かわかります。
調査の際には一日追うごとに調査員が見るからにやせ細っていくようです。そこまでしてでも正体をみてみたい、そう人々に思わせるのは、まさに本物の「秘境」といえるのではないでしょうか。
クルベラ洞窟の奥深くで新たな生物発見
奥深くの洞窟のみを生息地とする生物も存在しています。2014年に初めて発見された新種がこちらの生物となります。
こちらのDuvalius abyssimusという生物はオサムシという甲虫類の一種となります。 洞窟の中に生息する動物、生物は「洞穴生物」と呼ばれています。オサムシは地上に生息する肉食の甲虫といわれていますが、洞窟の中で一体何を食料にしているのかは調査の余地がありそうです。
クルベラ洞窟の調査が今後もっと底へと進めば、また新種発見にもつながるかもしれません。
クルベラ洞窟は世界のどこにあるのか
クルベラ洞窟はジョージア(旧名グルジア)にあるとは前述のとおりです。さて、ジョージア(旧名グルジア)とはどこにあるのでしょうか。
緑で示されている範囲が「中東」と呼ばれる地域です。 トルコは左上にある12ですので、中東のすぐ上にジョージアがあることが確認できます。
おおまかな場所は把握できたでしょうか。 それでは、クルベラ洞窟がジョージア(旧名グルジア)国内のどこにあるのか確認しましょう。クルベラ洞窟はロシア国境近くにあり、ジョージア(旧名グルジア)の最西端に位置するような場所にあります。
クルベラ洞窟の入り口は山
クルベラ洞窟の入り口はArbika Massifという山にあります。 こちらの山も標高2,256メートルと、なかなかの高さです。2,256メートルという地上の高地から深さ2,197メートルという洞窟の底まで、非常に大きなギャップに驚かされます。
クルベラ洞窟があるジョージアはどんな国?
ジョージアは旧ソビエト連邦から1991年に独立を果たした国です。現在はというと国内で独立の動きがあり、クルベラ洞窟がある場所も「アブハジア自治共和国」という名の自治区に統治されています。
自治領ということで、国家としてはまだ「アブハジア自治共和国」は承認されていません(ロシアからは承認済み)。 クルベラ洞窟はジョージア(旧名グルジア)にあると言われますが、ジョージアとはある種の敵対関係にあるため、実質的にはジョージア(旧名グルジア)側から入ることは不可能であり、トルコ側から入るのが一般的なようです。
1991年にソ連邦が崩壊し、その一共和国だったジョージア(グルジア)は独立するが、ペレストロイカ以後に国内で表面化してきた民族対立が紛争に発展する。ジョージアに属する自治共和国だったアブハジアには、宗教、言語など独自のアイデンティティを持つアブハズ人が居住していた。アブハジアの統合を主張するジョージアの民族主義者に反発してきた彼らは、1992年に独立を宣言し、それを端緒に両者の間で激しい戦闘が繰り広げられ、国が荒廃することになった。
クルベラ洞窟を自治区内に有しながらも「クルベラ洞窟はジョージア(旧名グルジア)にある」という情報が後を絶たない状況に、アブハズ人がどんな思いをしているのでしょうか。
日本にいては考えることの少ない「民族」の概念、そして内戦についても、クルベラ洞窟への興味から派生させてみませんか。
クルベラ洞窟調査隊の歴史
クルベラ洞窟が発見されたのは長い地球の歴史の中でほんの最近の出来事です。クルベラ洞窟について明らかになってきたのはここ30年ほどであり、調査の歴史はまだまだ浅いのです。
最初にクルベラ洞窟に目をつけたのは、ロシアの科学者であるAlexander Kruberで、1909年~1910年、この研究の発端をつくりました。クルベラ洞窟の「クルベラ」という名前は、この科学者「Kruber」からきています。
1960年代にLevan Maruashviliというジョージア(旧名グルジア)の探検家がArabika Massif山にあるいくつか複数の洞窟を研究し、その際に当時は名前もつけられていなかった(クルベラ)洞窟に、「Krubera cave(クルベラ洞窟)」とAlexander Kruber博士にちなんだ名前を与えました。
1986年に飛躍的な記録を残しました。ウクライナ人の洞窟家が1,110メートルの深さまで到達したのです。 しかし、つまりたった30年前には、クルベラ洞窟の深さは今の半分ほどしかないとされていたわけです。
ウクライナの同団体が2000年8月には最深1,200メートル、9月には最深1,410メートルと、それぞれ躍進的に記録を伸ばしました。2001年にも同団体が最深1,710メートルへと記録を塗り替え、世界一深い洞窟に認定されました。
2000年から2012年までは毎年のように記録が更新されつづけ、現在最深とされる深さ2,197メートルへと到達したのは2012年8月にさまざまな国からスペシャリストが集まり、27日もかけて行った調査でした。
クルベラ洞窟のまとめ
いかがでしたでしょうか。 クルベラ洞窟の深さなどの基本敵な情報から、クルベラ洞窟を有す「アブハジア自治共和国」の独立紛争に関してまで、調べれば調べるほどに興味深い情報が次々と出てくるのもクルベラ洞窟の魅力です。
世界最後のフロンティアともいえるクルベラ洞窟はまだまだ謎に満ちており、次に更新される情報が待ち遠しいですね。
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ジョージア(旧名グルジア)の国旗と全く別物であることがわかります。