加水分解とは?大切なスニーカーの劣化やひび割れを防ぐ保管&防止方法!

加水分解とは?大切なスニーカーの劣化やひび割れを防ぐ保管&防止方法!

お気に入りのスニーカーが未使用または数回しか履いていないのにボロボロになっていた、という苦い思いをしたことがある方もおられるでしょう。その現象の原因となる加水分解とその防止、スニーカーから加水分解を遠ざける保管の仕方をひも解きます。

記事の目次

  1. 1.加水分解とは
  2. 2.スニーカーの各部位
  3. 3.スニーカーに使われている素材
  4. 4.スニーカーに加水分解が起こるとどうなる?
  5. 5.スニーカーの加水分解しやすい部分と原因
  6. 6.スニーカーの加水分解の防止方法は?
  7. 7.加水分解から守る適切な保管方法は?
  8. 8.湿度の低い環境を作る方法
  9. 9.加水分解が起こったスニーカーは修理できる?
  10. 10.スニーカーの寿命は?
  11. 11.加水分解した靴で起こる弊害
  12. 12.長く使うために日々気を付けたいこと
  13. 13.まとめ

加水分解とは

加水分解の仕組み

靴が劣化するのに加水分解がどう関係するのか、という疑問の前にそもそも加水分解とは何かということを下記引用しましたが、要するに水気があることによって分解される化学反応、ということです。しかし意識しなくとも生活上どこにでも湿気は存在します。では、水気によって劣化しやすい物質とは何でしょうか?

加水分解(かすいぶんかい、hydrolysis)とは、反応物に水が反応し、分解生成物が得られる反応のことである。このとき水分子 (H2O) は、生成物の上で H(プロトン成分)と OH(水酸化物成分)とに分割して取り込まれる。反応形式に従った分類により、加水分解にはいろいろな種類の反応が含まれる。

加水分解を起こしやすい素材

加水分解はウレタンゴムやポリウレタン樹脂の部分が劣化し、ひび割れボロボロになったり、ベトベトになったりと、所有者泣かせの化学反応です。どちらの素材も水気とは無縁に思えますが水に弱い性質のゴムもあり、ウレタンゴムもその1つです。ウレタンは防水性を付加するためにバックや腕時計のバンドにも使われています。

スニーカーの各部位

スニーカーとは

スニーカーの多くが靴底をゴム素材、アッパーを布地か皮革で作られたスポーツシューズのことです。単一の素材のみならず、多種多様な素材を多く使っていることも特徴です。靴底を柔らかいゴム素材にすることによって摩擦強度の高さと耐摩耗性に優れた靴となっています。現在はファッションとして好まれています。

1、アッパー

端的に言うとスニーカーの靴底から上の部分のことです。デザインの面でも真っ先に目につく部分とも言えますが、足の負担を軽減し保護するという機能面でも重要なパーツです。アッパーにも大きく6つにわけた素材が使われており、使用目的に応じた素材が使われたスニーカーを選ぶことをおすすめします。

2、ソール

靴底全体をまとめてソールと呼びます。アウトソール、ミッドソール、インソールで構成されており、いずれも足を保護し、負担を軽減するなどといった重要な役割を果たします。もちろん目的として何に重きを置くかによっては、各々の性能は上下します。例えば安全性かデザインか、はたまた軽さを重視したランニング用かです。

2-1、ミッドソール

アウトソールの上部分、インソールとの間のことを言います。意識しやすいのはインソールかアウトソールです。しかしミッドソールにも重要な役割があります。直接足が触れるインソールとは違ったクッション性が求められ、快適な歩行の実現のために、スニーカーのどの部位よりも力を入れて製作されている縁の下の力持ちです。

2-2、アウトソール

アウトソールは接地する部分になり、クッション性、安定性、耐滑性などの非常に重要な役割を負っています。酷使する部分ですので、使われる素材にはすり減りにくい耐摩耗性、耐水性のあるものが選ばれ、中でもゴム製のものが多いです。スニーカーを履く目的によって上記の機能の他、大きさや厚さ、柔軟さ重さは変わります。

スニーカーに使われている素材

アッパーの素材

スニーカーのアッパーには、スムースレザー、シンセティックレザー、キャンバス、エナメルまたはパテントレザー、スウェード、メッシュの6つが使われてます。この記事でご紹介したい素材はシンセティックレザーとエナメルのウレタン樹脂が含まれた2種類になりますので、この2点は後ほどご説明します。

ミッドソールの素材

ポリウレタン素材やEVA素材などが使われています。スニーカーに、よりクッション性を求めたものであればポリウレタン樹脂などになりますが、EVA素材は軽さや加水分解による劣化が遅い利点があります。EVAソールの改良は日々進んでいるので、加水分解しにくいうえにクッション性も良し、なソールもいずれは出回るかもしれません。

アウトソールの素材

スニーカーのアウトソールには代表的な素材として、革底、合成底、スポンジ底、ウレタン底、ラバーソールなどがあります。スニーカーは基本的には軽く、摩耗しにくいものが選ばれるので、合成底やウレタンゴム底が好まれます。加水分解しやすいものもありますので後述します。

スニーカーに加水分解が起こるとどうなる?

1、スニーカーの見た目が悪くなる

加水分解が進行した部分は徐々にひび割れ、崩れ落ちていくので、スニーカーの見た目は悪くなります。使われている素材によってはそれが「味」となるものもありますが、加水分解が進行しきったものは見るも無残な惨状になりますので、スニーカーを履いていくのを諦めなければならないこともあります。

2、靴として機能しなくなる

写真のように、加水分解によってスニーカーのソール部分が剥がれることが多々あります。こうなってしまうともはや靴として機能しなくなります。加水分解によってひび割れ、ボロボロにされたソールには、本来の役割である衝撃の吸収と足の保護が失われていますから、足への負担は大きくなります。

スニーカーの加水分解しやすい部分と原因

スニーカーのどのパーツにも加水分解の劣化はおきます。しかしそれらの中で特に加水分解による被害が大きくかつ進行が早いのが下記3つのパーツです。どの部位が劣化に弱いかだけでも知っておくと、長持ちできるように水気を避けようと、日常的に意識できるのではないでしょうか。

アッパー

アッパー素材のうち、シンセティックレザーとエナメルには一部ウレタン樹脂が使われ、加水分解しやすい素材ゆえに劣化が早いです。ウレタン樹脂自体が水を弾き、汚れにくく加工しやすい、様々なシーンで使えるという柔軟さを持った利点もありますが、スニーカーの顔ともいえる部分がひび割れてしまうのはつらいです。

ミッドソール

ミッドソールに使われる素材にはウレタン樹脂などの素材も含まれているので加水分解の対象になります。これがEVAソールであれば加水分解による劣化はウレタン系に比べて早くないと言われています。靴を構成するパーツのうち非常に重要なものですから、ここに加水分解が進行してしまうと履き心地はつらくなります。

アウトソール

加水分解の項でも述べたように、ウレタン系の素材は加水分解が起こりやすく、劣化が早いといったデメリットがあります。特にアウトソールにはウレタンゴムやポリウレタン樹脂が使われていることが多いです。ウレタン系は耐摩耗性や緩衝材としてのメリットも大きいのですが、加水分解による経年劣化がネックでもあります。

スニーカーの加水分解の防止方法は?

1、水気を避ける

空気に存在する水分はもちろんのこと、日本は比較的湿度の高い国ですので、湿気は避けられません。下駄箱は風通しが悪いことから意外と湿度が高いので、乾燥材や除湿剤を入れておいたり、風通しの良い所に置くことが加水分解の防止の第一歩です。

2、定期的に手入れをする

汚れも機能面において大敵です。スニーカーのパーツや素材ごとに応じた靴用のブラシ、洗剤、消しゴムなどで汚れを落とし、濡れたままにはせずに乾かしきります。防水スプレーをかけることも防止効果として有効です。レザー系であれば保湿剤を使うことで撥水性や汚れにくさが付加され、劣化防止となります。

3、履かないよりも履く

スニーカーをコレクションし、観賞用として飾る方や、特別な日のためにとっておく方もいるかと思います。残念なことにそれがスニーカーの加水分解を促す要因となっています。履くことでウレタンゴムなどの素材の風通しが良くなって水気の溜まる量が減り、防止効果が得られます。靴箱の肥やしにせずに履く方が長持ちします。

4、二足以上をローテーションして履く

1足を履きつぶすことも、加水分解を含めた劣化を早めます。人間は足から多量の湿気を排出しているので、必然的に靴に湿気が溜まります。その湿気が抜けきらずに履き続けていると加水分解を早めることになります。スニーカーをローテーションすることで加水分解の進行を防止し、1足を長く使うことができます。

加水分解から守る適切な保管方法は?

1、湿度の低い環境を作る

口を酸っぱくして述べますが、加水分解を防ぐにあたって湿気は大敵です。スニーカーを湿度にさらさないために、湿度の低い環境を作ることが肝要です。汚れを落とし、十分に乾燥させた後、乾燥材や除湿剤などを入れた密閉袋などに詰めることによって、スニーカーを湿度から保護することができます。詳しくは後述します。

2、風通しが良い場所に置く

上記のように湿度の低い環境を作って保存しても、湿気を完全に取り除くことはできません。水とはいえ相手は目に見えないので、どうしても詰めは甘くなります。そしてその保管した場所自体に湿気が多ければ、長期間の保管はできません。湿度の高い下駄箱などではなく、湿度の低い風通しのよい場所に置いておく必要があります。

3、シューキーパーを使う

シューキーパーはスニーカーの型崩れを防ぐほか、木製などでは除湿効果があるものもあります。形が崩れると見た目も悪いうえに、そこから樹脂部分が加水分解によってひび割れが早く起こることもあります。履かない期間が1週間以上であったり、または長期間保存をする際にはぜひ使用し、劣化を防止しましょう。

湿度の低い環境を作る方法

保管に適したアイテム

上記4つのアイテムと購入時にスニーカーが入っていた箱が有効です。なぜ箱かというと、スニーカーが箱のサイズがあわなければ何かしらの歪みが生じるからです。乾燥剤や除湿剤を入れた密閉袋にシューキーパーを装着したスニーカーを入れ、購入時と同じように箱になおすのが長期保管をするうえで現状では最適であり一般的です。

保存に適した場所

湿度は水である以上その重さから下へ行く傾向があります。長期保管するならば風通しの良い場所が一番ですが、それ以外ならできるだけ上に保管しておくのが有効です。もちろん下駄箱やクローゼットなど空気が滞る場所はおすすめしません。置くとすれば、日ごとまめに空気を入れ替えることである程度の効果が期待できます。

加水分解が起こったスニーカーは修理できる?

スニーカーの種類や劣化状態のいかんによっては自分で修理できる場合もありますが、靴の修理を請け負うプロにを任せるのが間違いがなく安心です。劣化具合によってはスニーカーを買いなおした方が得くらいの修理代になることもあります。それでも、手放しづらいスニーカーであればプロに修理してもらうのも一考です。

自力での修理であるならば、一時的に接着剤でなおす人もいるようですが、本格的な修理をする場合はそれなりの修理道具一式そろえることも肝要です。ただし思ったより繊細な作業となりますので、自力なら失敗覚悟で臨まれた方が良いでしょう。

スニーカーの寿命は?

スニーカーの寿命は保存状態で変わる

環境次第ですが、早ければ5年ほど長ければ10年で寿命がきます。ひび割れなどが目立つウレタン樹脂から先に劣化しますから、スニーカーの寿命はウレタン樹脂の寿命とも言えます。重要な点は、加水分解の始まりが使用し始めてから、ではなく作られてからである点です。もちろん修理をすればこの限りではありません。

中古品は買って大丈夫か

加水分解はスニーカーが作られてから始まっています。加水分解はその進行を遅らせることはできても完全になくすことはできません。中古品であれば、作られてから何年経っているか、どれだけの間どんな環境に置かれていたのか、ということがわかりません。

加水分解した靴で起こる弊害

ソールがひび割れ始めたら内部の構造も徐々に壊れていきますので、役割である衝撃の吸収がなくなっていきます。歪みが生じて知らぬ間に、バランスを取る面で足に負担をかけ続けることになります。はがれかけたソールで躓いて転ぶ可能性も上がりますので、ひび割れが見つかった時点で諦めるか、修理かの2択になります。

上の写真のようにここまで完全に分離してしまうと、小石を踏んだだけでも痛そうです。アッパーの痛み具合が少ないとなおさら勿体なく思ってしまいますが、大切なのは、身体が資本ですから諦めることも肝心です。

長く使うために日々気を付けたいこと

1つ目は、水が大敵であるため、とことん湿気を避けて保管、濡れたらしっかり乾かす。2つ目にスニーカーをローテーションして履く。3つ目に日々のお手入れ。大きく3つにわけましたが、いずれにしても使用しているスニーカーの種類、素材などを把握した管理をすることが重要になってきます。

まとめ

スニーカーの加水分解の防止&保管について述べてきましたが、意識していないと忘れてしまいがちです。消耗品とはいえ、愛用かつ長期的に使うならば日ごとにお手入れして、スニーカーを労わってあげましょう。この記事を読んで加水分解からスニーカーの守り方を少しでもわかっていただけたら幸いです。

kashuyu10386
ライター

kashuyu10386

自転車関連をメインに、情報量の多い記事作りを意識しています。パーツやおすすめの自転車の解説を、読者目線でわかりやすく・疑問に答えられるような内容に仕上がるよう努めています。その記事で、自転車に興味を持った方がますます自転車を好きになっていただけたら嬉しいです。


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