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「禅」を世界に広めた鈴木大拙!その哲学を鈴木大拙館で体感しよう!

禅は今や海外でも親しまれており、ビジネスのなどでも取り入れられています。この禅を海外に広めた第一人者が鈴木大拙です。石川県金沢市には鈴木大拙館というミュージアムがあり、鈴木大拙の思想・哲学を体感できます。鈴木大拙館をより楽しむための情報を紹介します。
2020年8月27日
すがや
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鈴木大拙館は金沢のおすすめスポット

鈴木大拙について、知り、学び、考えることができる

石川県金沢市には様々な観光スポットがあります。その中でも今回紹介したいのは鈴木大拙館です。鈴木大拙館は独自の建築様式で鈴木大拙について知り、学び、考えることができると好評の観光スポットです。

禅を海外に広めた第一人者

鈴木大拙は金沢市生まれの仏教哲学者です。鈴木大拙は20冊を超える英文の本を執筆し、日本の仏教とりわけ禅の文化を海外に向けて発信し、数多くの言葉や名言を残しました。日本の禅の文化を海外に広めた第一人者のひとりとして鈴木大拙は知られています。

鈴木大拙の人生や哲学を紹介

鈴木大拙館をより楽しむためにまずは鈴木大拙について紹介します。彼の生涯や、縁のある人物、名言・言葉を知ることで、鈴木大拙館を何倍も満喫できるでしょう。

鈴木大拙の生涯1:禅の道を学ぶ

1870年、誕生

鈴木大拙は1870年に石川県金沢市で生まれました。なお大拙という名前は仏教の信者としての名前であり、本名は鈴木貞太郎と言います。21歳までの時期を石川県で過ごしたようです。この頃から成績は優秀だったようで、現在の金沢大学に入学しています。

大拙という名前を受ける

1891年21歳の時に帝国大学、現在の東京大学に入学します。この頃から本格的に仏教の道に入ったようです。鈴木大拙同様に海外に禅を広めた人物としても知られている釈宗演などと活動を共にしています。また、大拙という名前を受け、同様に禅の研究をしていたビアトリス・アールスキン・レーン(後の妻)と出会ったのもこの時期と言われています。

鈴木大拙の生涯2:禅を海外に広める

1897年渡米

1897年27歳の時に、鈴木大拙はアメリカに渡ります。オープン・コート出版社で編集員として11年間滞在します。東洋関係の書籍を編集・出版すると同時に、自身も日本の文献の英訳や、英文の本の執筆をします。禅文化および日本の仏教文化をアメリカに広めます。

渡米時期の2つの大きな仕事

この当時の鈴木大拙の大きな仕事として「大乗起信論」という大乗仏教の論書を英訳したことです。この英訳が当時のアメリカの学会の注目を集めたと言われています。また自身の著作としては「大乗仏教概論」があり、この著作は初めて西洋に大乗仏教を紹介した名著と評されています。

鈴木大拙の生涯3:晩年も精力的に活動

1909年帰国

1909年39歳で帰国した鈴木大拙は、翌年の1910年より学習院大学の教授になります。さらに翌年の1911年にはビアトリス・アールスキン・レーンと結婚します。その後1921年51歳のときに現在の大谷大学の教授となりその職を89歳まで全うします。

鎌倉に仏教研究の拠点を設立

晩年、鈴木大拙は鎌倉で生活しました。1945年75歳のときに仏教研究の拠点として鎌倉に松ヶ岡文庫を設立。1958年88歳からは松ヶ岡文庫を住まいとして研究生活を送りました。1956年享年95歳で鈴木大拙は多くの言葉を残しその生涯を終えます。

鈴木大拙の功績

鈴木大拙の功績を紹介

鈴木大拙はその生涯において、日本の仏教文化とりわけ禅を海外に広めたほかいくつもの功績を残しています。その功績を紹介します。

生涯で執筆した本は約100冊

先に紹介した英訳の「大乗起信論」、英文で執筆した「大乗仏教概論」のほか、60歳のときに代表作のひとつである「日本的霊性」を著し、85歳のときに鈴木大拙選集において朝日文化賞を受賞しています。日本語・英語を合わせると生涯に発表した著作は約100冊にものぼります。鈴木大拙のまさに人生を賭した活動によって、日本の仏教文化は広く知られることになりました。


執筆以外でも精力的に活動

鈴木大拙は本の執筆活動だけでなく、精力的にさまざまな場所に赴いた人でもありました。66歳のときには日本代表として世界宗教大会に参加しています。また、海外での講演も積極的に行い、79歳のときに文化勲章を受賞しています。

松ヶ岡文庫の設立

約30年の時を経て設立された松ヶ岡文庫

鈴木大拙の生涯の中でも触れた松ヶ岡文庫の設立も鈴木大拙の大きな仕事のひとつです。松ヶ岡文庫が設立されたのは鈴木大拙の人生の晩年に分類される時期になりますが、その構想がはじまったのは鈴木大拙が48歳のときのものだと言われています。構想が実現するまでには約30年の時を必要としました。

約七万冊の貴重な専門図書を所蔵

松ヶ岡文庫設立に至る発端は鈴木大拙の師である釈宗演の遺言です。鈴木大拙は釈宗演の仏教研究の一拠点の設立という遺言を受けて、設立にあたりました。松ヶ岡文庫は現在では、国内外を問わず約七万冊の貴重な専門図書が所蔵されています。

松ヶ岡文庫の現在の活動

現在の松ヶ岡文庫は鈴木大拙が暮らしていた宅内の公開はしていないものの、講座や展示会などの活動を展開しています。松ヶ岡文庫で開催される講座は一般でも参加可能です。仏教の世界を深く知りたいという方にはこちらへの参加もおすすめです。

鈴木大拙のゆかりの深い人物

人生の基盤を作った金沢での3つの出会い

鈴木大拙は同郷の金沢において、彼の人生の基盤を作ったとも言っても過言ではない人物たちと出会っています。鈴木大拙とゆかりの深い人物を知ることで、より深く鈴木大拙を知ることができるでしょう。また、彼らを知ることでより充実した金沢観光もできます。

ゆかりの深い人物1:西田幾多郎

日本を代表する哲学者である西田幾多郎と鈴木大拙は親交がありました。西田幾太郎は鈴木大拙と同じ1870年に石川県で生まれています。二人は第四高等中学校予科、現在の金沢大学の同級生であり、若いから親交があったようです。日本を代表する哲学者が同じ年に同じ県で生まれているというのは非常に運命的ですね。

ゆかりの深い人物2:藤岡作太郎

国文学者として知られる藤岡作太郎も鈴木大拙とゆかりの深い人物です。藤岡作太郎が著した国文学全史平安朝篇は今もなお読み継がれています。藤岡作太郎も西田幾多郎と同様に第四高等中学校予科時代の友人です。鈴木大拙(貞太郎)、西田幾多郎、藤岡作太郎の3名は彼らの地元の地名から取り、「加賀の三太郎」とも称されました。

ゆかりの深い人物3:安宅彌吉

安宅彌吉は貿易商として成功を収めた人物として知られています。安宅彌吉も金沢の生まれの人物で、学生時代に鈴木大拙と出会い、資金援助を約束しました。安宅彌吉はその約束を生涯において守り、出版活動や松ヶ岡文庫建設を金銭面で支えました。

鈴木大拙の名言・言葉

鈴木大拙の名言・言葉を紹介

鈴木大拙の残した言葉からも彼の人となりや哲学・思想を知ることができます。鈴木大拙の禅についての名言、仕事と長寿についての名言を紹介します。

鈴木大拙の名言・言葉1:禅について

鈴木大拙の禅を説明した言葉として「われわれは知性に生きるのではなく、意志に生きるのだ」という名言があります。後述する禅を愛したスティーブ・ジョブズも「今日が人生最後の日だったとしたら、今日の予定をやりたいと思うだろうかと問いかける」という言葉を残しています。意志を重要に捉える禅についての名言です。

鈴木大拙の名言・言葉2:長寿について

鈴木大拙は長寿の人としても知られています。彼は晩年も精力的に活動し、海外にも積極的に出かけました。鈴木大拙は「仕事こそ人生なり」が口癖だったと言われています。いつまでも大好きな仕事に熱中して長生きする、これからの時代により重要になりそうな長寿に関する名言ですね。

スティーブ・ジョブズを通じて禅を知る

禅とは何か

ここまで鈴木大拙の人となりを紹介してきました。では、彼が広めた禅とはどういったものなのでしょうか。禅を生活の中に取り入れていたとされるスティーブ・ジョブズの禅との関係を紹介しつつ、禅の素晴らしさを説明します。


無心の心からアップル製品が生まれる?

スティーブ・ジョブズはアップル社の創立者として知られています。ジョブズは19歳のときにインドで仏教に出会い、以降生活の中に禅を取り入れていました。アップルの洗練されたデザインの商品は、ジョブズの禅を通じ無心で見つめたところから生まれてきたのではないかと言われています。

無心とは何か

禅を表す言葉として無心があります。無心とは虚無や空虚ということではなく、固定観念を持たずにありのままに物事や自分を捉えられるようになるこういった境地です。ジョブスの生み出した数々のシンプルでありながら奥深いデザインの商品に無心の境地を垣間見ることができるかもしれません。

需要が増す無心の境地

禅は海外で「ZEN」と称されるようになり、多くの大企業などでも取り入れられています。またマインドフルネスという宗教性を取り除いた思考方法も流行し、今や禅が日本に逆輸入されるようになっています。情報過多の時代において、禅による無心の境地はまずます需要が増しそうです。

鈴木大拙館を満喫しよう

鈴木大拙館の魅力を紹介

鈴木大拙の人となりと禅について説明したところで、いよいよ鈴木大拙館を紹介します。鈴木大拙館は決して大きな建物ではありません。しかし、その建築様式は鈴木大拙の思想・哲学、禅の無心の境地を感じられるように設計されています。鈴木大拙館の魅力を紹介します。

谷口吉生さんが設計

鈴木大拙館は、建築家として第一線で活躍している谷口吉生さんが設計・建築しています。谷口吉生さんは鈴木大拙館の他に京都国立博物館やニューヨーク近代美術館、東京都葛西臨海水族園の設計・建築も手がけています。建築ファンの間でも鈴木大拙館は注目の建築物です。

鈴木大拙館で哲学・思想に触れる

3つの棟と3つの庭で構成

鈴木大拙館は「玄関棟」「展示棟」「思索空間棟」という3つの棟と、「玄関の庭」「水鏡の庭」「露地の庭」という3つの庭で構成されています。各棟は回廊で結ばれており、順序どおりにまわること、鈴木大拙の思想・哲学、禅の無心の境地に触れることができます。

鈴木大拙の哲学に寄り添う

鈴木大拙館の特徴のひとつとして展示物の展示方法があります。一般的な博物館や美術館では、展示物にタイトルや説明がつけられています。しかし、鈴木大拙館の多くの展示物はそういったプレートをつけずに展示されています。これは鈴木大拙の思想や哲学を先入観なく触れてほしいという考えによるそうです。

自由な空間で思索にふける

哲学に思いを馳せ、無心の境地を感じる

水鏡の庭の水辺にまるで浮かぶかのように佇む建物が思索空間棟です。この空間には展示物もなく、畳と椅子が置いてあるだけになります。この空間でどのように過ごすかは、訪れた人に委ねられているというわけです。名建築で静かな時を過ごしながら、鈴木大拙の哲学に思いを馳せたり、禅の無心の境地を感じるなど、自由に過ごしましょう。

名建築に酔いしれる

この他にも鈴木大拙館は随所に鈴木大拙の思想・哲学を感じられる名建築となっています。玄関棟と展示棟をつなぐ内部回廊は、穏やかな光で誰もを哲学の世界へといざないます。また、金沢の象徴する景観を想像したという庭は、鈴木大拙の哲学を作ったバックボーンへと触れることができるでしょう。名建築で鈴木大拙の世界に存分に浸りましょう。

鈴木大拙館周辺のおすすめ観光スポット

鈴木大拙館には観光スポットが目白押し

鈴木大拙館だけでも十分に楽しむことができますが、鈴木大拙館の周辺には金沢に来たら訪れておきたい観光スポットが点在しています。そのいくつかを厳選して紹介します。

周辺おすすめスポット1:金沢ふるさと偉人館

金沢ふるさと偉人館では、近代日本を支えた金沢の偉人たちを展示を通して深く知ることができます。鈴木大拙はもちろん、ゆかりの深い藤岡作太郎、西田幾多郎、安宅彌吉も常設展で紹介されています。鈴木大拙の周辺の人物まで知るには格好の場所になります。

周辺おすすめスポット2:兼六園

兼六園も鈴木大拙館と一緒にまわりたい場所です。兼六園は日本三名園のひとつに数えられており、加賀藩の藩主が愛し、長い年月をかけて形作ってきた四季折々の風景を楽しむことができます。広大な土地の中で自然の息吹を随所に感じられます。


周辺おすすめスポット3:金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館も鈴木大拙館から近いおすすめの観光スポットです。金沢市民にも非常に親しまれてており、地元でも愛されているスポットです。無料エリアもあり、また充実している評判です。お金を払わなくての楽しむことができますよ。

鈴木大拙館館と一緒に訪れたい西田幾多郎記念哲学館

唯一の哲学ミュージアム

西田幾多郎記念館は鈴木大拙館からは、少し距離がありますが同じ石川県内にあり、ぜひ一緒に訪れてほしい記念館です。数あるミュージアムの中で哲学という名称のついてある場所は、西田幾多郎記念哲学館だけとも言われています。

鈴木大拙館との入館相互優待もあり

西田幾多郎は鈴木大拙とゆかりの深い人物として紹介したように彼らは同郷で同じ年に生まれ、生涯を続けて親交がありました。西田幾多郎記念哲学館を訪れることで西田幾多郎の哲学はもちろんのこと、鈴木大拙の思想・哲学をさらに深く知れることは間違いないでしょう。鈴木大拙館との入館相互優待もあります。

鈴木大拙館とその他の紹介したスポットのまとめ

金沢観光に出かけよう!

鈴木大拙の生涯や名言・言葉を通じて、鈴木大拙館の魅力に迫りました。その他にも金沢には一緒に訪れたい建築や名所が満載です。鈴木大拙館をはじめ、紹介したスポットの情報を紹介します。

鈴木大拙館の基本情報

開館時間:午時9時30分から17時※入館は16時30分まで 休館日:毎週月曜日※月曜日が休日の場合はその直後の平日※12月29日から1月3日 入館料:一般300円 住所:石川県金沢市本多町3丁目4番20号 電話番号:076-221-8011

松ヶ岡文庫の基本情報

住所:神奈川県鎌倉市山の内1375 電話番号:0467-22-6557

金沢ふるさと偉人館の基本情報

開館時間:午時9時30分から17時※入館は16時30分まで 休館日:年末年始 入館料:一般300円 住所:石川県金沢市下本多町6-18-4 電話番号:076-220-2474

兼六園の基本情報

開園時間:3月1日~10月15日7時から18時・10月16日~2月末日8時から17時 休園日:年中無休(時雨亭除く) 入園料:大人(18歳以上)310円 住所:石川県金沢市兼六町1 電話番号:076-234-3800(石川県金沢城・兼六園管理事務所)

金沢21世紀美術館の基本情報

開館時間:展覧会ゾーン、10時から18時(金・土曜日は20時まで)・交流ゾーン、9時から22時 休館日:展覧会ゾーン、月曜日(休日の場合は直後の平日)及び年末年始・交流ゾーン、年末年始 入館料:交流ゾーンは無料。展覧会ゾーンへの入場は有料 住所:石川県金沢市広坂1-2-1 電話番号:076-220-2800 (代表)

西田幾多郎記念哲学館の基本情報

開館時間:9時から21時(入館は20時30分まで) 休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日から1月3日)、展示品の入替及びメンテナンス期間 入館料:一般300円 住所:石川県かほく市内日角井1 電話番号:076-283-6600