検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

イサキの生態や基本情報まとめ【魚図鑑】

イサキは温帯の海域の外洋に面した岩礁域に生息する、非常に美味しい磯魚の代表種です。新潟県、宮城県から南に生息する比較的温水を好む傾向がある魚です。引き味の良いイサキは釣りでも人気の魚で、各所でボート釣りなどで良いターゲットとして大変人気で、親しまれています。
2020年8月27日
adanokinawa83
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

イサキの分類

スズキ目、スズキ亜目、イサキ科、イサキ属、イサキ

スズキ亜目イサキ科にイサキ属に属します。イサキ科は17属で構成されていて本種のイサキはイサキ属に属します。 イサキ科はイサキなどの沿岸付近や汽水域に生息する魚種が多く、有名な物はイサキをはじめ、コショウダイ、コロダイ、シマイサキがいます。

イサキの外国名

Chicken grunt

英名でChicken gruntと言います。gruntは豚などがグーグー鳴く事を指します。イサキ科の魚は釣り上げた時グーグー鳴きますので、命名されたのでしょう。chiickenは鶏ですが、背ビレが棘状で鶏の冠の様なので名付けられたといわれます。

イサキの学名

Parapristipoma trilineatum

学名はラテン語でParapristipoma trilineatumと言います。Parapristipomaは他のイサキ属で表記されイサキ属を指します。 trilineatumは3本線の事です。幼魚は3本線が綺麗に入ってますのでそう呼ばれた様です。

イサキの名前の由来

標準和名 イサキ 漢字名 伊佐木 鶏魚

イサキの名前の由来は諸説あり、磯(イサ)の魚(キ)でイサキと変節して呼ばれた説や、幼魚のイサキに斑(まだら)があり、「斑紋・魚→イサキ」となった説など。 また、背面の縞模様が成魚と共に5つに分かれる事が「五裂き→イサキ」となった説もあります。 上述の漢字名の伊佐木は五裂の当て字という説もあります。鶏魚は背ビレの棘が鶏の冠に似ているに当てた名称と言います。

イサキの地方名

日本各地での呼び名

日本各地で広く漁獲があり、過去には鮮度の問題でその地域での消費のみだったイサキには、呼び名が地方で全く異なりますのでご紹介します。 東京「イサキ、イサギ」 東北地方「オクセイゴ」 神奈川県「クッカ、クロブタ」 静岡県「コシタメ」 九州地方「イッサキ、ハンサコ、ジンキ」と全く統一性が無く面白いです。 幼魚は黄色い3本線が入る事から「ウリンボ、ウリボウ、イノッコ」と各地で呼ばれこちらはイノシシの子供と似た色や模様なので統一性があります。

イサキの分布

温帯から亜熱帯域

日本では宮城県-新潟県から南の温帯、亜熱帯域に生息し、日本の南限では屋久島までの生息が確認されています。 日本の南西諸島での確認は無く、サンゴ域の適性が伺え、この海域ではコショウダイ、コトヒキなどの近縁種が多くみられます。 海外では朝鮮半島から東シナ海大陸側沿岸の広東省まで広く分布し、台湾での漁獲もあります。

イサキの生息域

名の由来の通り磯に多い魚

外洋に面した潮通しの良い沿岸に多く生息します。波静かな内海での確認は無く、典型的な荒磯の水深50m以内の浅い海に生息し、海藻の多い岩礁帯で生息します。 回遊はせず、藻場付近で昼は身を潜め、夜間に群れで浮上し、表層近くで捕食活動を行います。

イサキの形態・食性

イサキの形態

全長は40㎝程になり、1kgを超えます。体形は側偏しており若干細長い紡錘形です。幼魚は明るい茶色と銀色のストライプが側面に入り、カラーリングがイノシシの子供と似ているので、ウリボウ等と呼ばれます。 成長と共にこの縞模様は消えて、瀬背面はあずき色、顔面とエラにオリーブ色の発色が出て美しい魚です。 江の島や伊豆東海岸沿岸ではマダイの様な体高の特大のイサキがいて釣り人の間では有名です。江の島イサキなどと呼ばれ別物のように人気で、この様な穴場は全国各地にもある様です。


イサキの食性

昼は50m付近の海底で身を潜めていますが、夜行性で夜になると群れで表層に出て積、極的に餌を取ります。 肉食性で小魚、甲殻類、多毛類などの小動物を捕食し生息します。

イサキの生育環境

イサキの生育状況

生育場所は外洋の藻が多い岩礁帯です。この地域は小魚や小動物がひしめき合う環境で、イサキは多種多様の餌を捕食し成長します。 稚魚は内湾の港や藻場で群生して過ごし、大きくなるにつれて荒磯へ移り住みます。成長は1年で13㎝程、2年で20㎝程、3年で25㎝、4年で30㎝で成熟します。

イサキの産卵

産卵は6月から9月に浅瀬の藻場で行います。 卵を放卵、放精するため、藻の多い波静かな浅場で行われます。卵は海中を漂い藻場で孵化し、プランクトンを得ながら、内湾で成長していきます。 この為、6月から9月の暑い時期に磯場に大型のイサキを狙い、釣り人が賑わいます。

イサキの性質

イサキは夜行性の臆病な性格の群雄性の魚です。ですが獰猛なフィッシュイーターの一面もあり、夏場の磯に回遊したイワシの群れなどを追い立てて積極的に捕食します。 この性質を利用し、夏場のナブラ(小魚の群れ)に付いたイサキを狙って効率的にルアーフィッシングの人気が出ています。

イサキの釣り情報

この場は魚種図鑑なので、釣りの情報は概要をご紹介します。専門的な情報はリンク、動画を添付しますのでそちらを御参照下さい。

イサキの釣りのシーズン

沖釣りなどのボートや釣り船での釣りは周年行われています。外洋に面した磯場や堤防での釣りは産卵時期と重なる6月から10月までです。 この時期は荒磯だけでなく、磯場の周りの漁港でもイサキが狙え安全に釣行可能ですが、安定した釣果を狙うのであれば外洋に面した磯か防波堤という事になり、情報が大事になります。

イサキの狙える場所

東伊豆の稲取港の様な、外洋に面した急深の漁港の先端や外洋側が、理想的な防波堤でのポイントです。 磯場やゴロタ石(大石)の浜でも海底が砂浜で無い場所なら狙い目です。メジナや青物が廻って来るような外洋の釣り場がイサキが居着くポイントです。

イサキを釣るタックル(餌釣り)

一般的な磯竿の5m前後の竿を使用します。リールは磯用の2500番位を合わせ、ラインはナイロンで3号を使用します。

イサキを釣る仕掛け

道糸に円錐の移動式ウキを通し、ウキ止めを上下にセットしタナの調整をします。ハリスはナイロンの2号で2.5m取り付け真ん中にガン玉を付け餌を漂わせます。 ハリは伊勢尼、グレの5~8号を食いに合せ調整し使用します。 エサは基本的にオキアミを使用し、撒き餌と同調させ、集魚しながらヒットを待ちます。食いの反応が悪い時は青イソメやイカの切り身なども使用し調整します。

イサキのルアー釣り

ルアー釣りのタックルはシーバスロッドの9.6ftのミディアムライトからミディアムクラスで2500番から3000番のソルトルアーのリールを選択します。ラインは軽いルアーをキャストするのでPEの1号を選び、リーダーはナイロンの4号以上を使用します。 ルアーはシンキングタイプのミノーやバイブレーション、メタルジグを使用し、カウントダウンで中層やボトム付近を探ります。基本的にはステディリトリーブ(ただ巻き)で結構ですが、フォールを交えて誘うと効果があります。


イサキ釣りの動画

イサキの磯の餌釣りの動画

高知県の須崎での渡船での磯釣りです。メジナ狙いの釣行ですが50㎝サイズのイサキを釣り上げています。沖磯には予想の付かない大物がいる事を証明しています。 この様に場所によって大きな、別物の様な立派なイサキが点在する事も面白いと感じます。

イサキのルアー釣り

長崎県の沖磯でのルアーでフィッシングです。メタルジグ10gでのジャーキング(しゃくり)を数回入れフォール時でガッツリとイサキが食ってきます。見ていても楽しく、美味しそうなイサキを釣っています。 イサキがメタルジグをひったくるのが解る動画になっています。これを見ると簡単に釣れる気になり、行きたくなります。 ベイトのキビナゴを魚が吐き出し、ベイトも参考になっていて動画としては貴重です。

船で、沖のイサキの釣りの動画

船の沖釣りでのイサキ釣りの動画です。五目釣りの予定でしたがイサキの群れに当たり、最大で1.8kgの大物が上がっています。

イサキの味・選び方

イサキの旬

イサキの美味しい旬は何と言っても夏です。産卵前の脂がのった成魚や若い縞模様の個体もスーパーに並びます。 大きな個体は勿論、小さな縞模様のウリボウも、新鮮な物はタイに負けない刺身と言われ美味です。

イサキの見た目

イサキの目は「イサキの活き腐れ」と言われて、活きのいい魚でも目が濁っているように見えるので、目の他で判断しましょう。 全体を見渡し、鱗やひれに艶があり、お腹が張ったものを選びましょう。体高があり体に厚みがあり艶があり、顔やひれに黄色い発色が鮮やかに出ている物は、お買い得です。

切り身の色

透明感がある切り身を選びます。白身の部分は透明感があり、赤身の血合いの部分は綺麗な赤やピンク色が、はっきりわかるものを選びます。 表面に艶と輝きがあるものを選び、逆に白身に透明感が無く、赤身の部分が黒ずんでいて艶が無い物は避けましょう。

イサキの味 栄養

イサキの味

イサキの味は、刺身においてマダイに負けない上品で身の締まった味といわれ、1kgを超える脂ののったイサキは高級魚として市場で取り扱われます。 荒磯でもまれた身の締まったイサキは刺身では歯ごたえが良く、塩焼きでも身崩れせずしっかりと美味しさを感じ取れます。 白子は知る人ぞ知る、究極の美味と一部の愛好者の間でささやかれる絶品です。

栄養素

イサキのカロリーは127kcal/100gとサバの約2/3でサンマの約1/3で低カロリーの白身魚です。 ですが白身魚としては脂が多く、美味しさの源となっているとともに、脂には沢山の栄養素が詰まっています。 DHA、IPAなどの脂肪酸が多く、ビタミンもA,D,Eが豊富で 美味しく低カロリーなので量を気にする事無く摂取出来ます。

効能

効能も多く期待できます。脂肪酸の成分DHA、IPAは動脈硬化の進行を阻み、生活習慣病予防に役立つ効果があります。 ビタミンA,D,Eは体の発育や成長や再生が促進され、美容効果も期待できます。 白身自体が良質のたんぱく質なので、獣肉とのバランスで、イサキを多く取り入れれば、コレステロールを下げ様々な生活習慣病の予防効果が期待できます。

イサキの寄生虫

イサキに限らずですが

磯魚や底魚の内臓に寄生するフィロメトラが見つかります。これは卵巣などに寄生するミミズの様な線虫で人体には影響がありませんが、気持ちの悪い寄生虫です。 青物魚に比較すると寄生虫が少ない魚と言われますが、「アニサキス」は注意が必要です。タイやイサキはほぼいないともいわれますが、最近増えているので油断は禁物です。 この寄生虫はやはり線虫ですが、魚の内臓に取り付き、魚の死後に内臓を食い破って筋肉組織に移動します。 気付かず刺身を食べると人間の胃袋や腸で生息し、胃壁などを食い破り、非常に激痛を伴い病院へ行く羽目になります。 捌いている時に目視可能ですので、刺身を薄造りで気を付けてさばくか、生食を諦めて火を通す料理でしたら、死滅し安全です。


イサキの料理

イサキのお刺身

イサキの鱗、頭を落とし、お腹を開いて内臓を取り除き、よく洗い流します。尾の背中側から中骨に沿って包丁を入れ、滑らせるように身を離していきます。取り出した身のお腹の部分の腹骨の部分は、骨が多いので取り除き、また身の小骨もここで取り除きましょう。3枚卸しの完成です。 お刺身で食べる場合はここで尾の方から包丁を入れ、身を上にして包丁で皮を引いて皮を取ります。皮を炙るタタキを作る場合は皮は残し、バーナーで炙り、冷やして絞め刺身にします。 刺身は弾力の非常に強い身なので薄く取るサク造りでさばきます。5㎜~1㎝位の薄さで切っていきます。お皿に並べ、薬味と調味料を用意し完成です。

イサキの塩焼き

大ぶりの成魚は刺身と同じ様に3枚卸しにした片身かさらに半分にして使います。刺身のように皮は取らずに残しましょう。小ぶりのものは頭付きで焼き上げます。水洗いをして、振り塩にて1時間以上置きます。炭火などでじっくり焼き上げたら完成です。 香ばしくパリッとした脂の乗りの良い皮と、身の味が堪りません。

イサキのポワレ

3枚に卸したイサキの皮を残し、塩コショウし、片栗粉と小麦粉をまぶします。フライパンでオリーブオイルを熱し、野菜類(角切りしたトマト。玉ねぎ、ズッキーニ、インゲン)を炒めます。 野菜類は一旦取り出し、イサキを皮面から投入し、オリーブオイルを足して焼き上げ、焼き目が付いたら裏返します。更に焼き上げ白ワインを加え、アルコールを飛ばしイサキを取り上げます。 再度野菜類をフライパンに戻し、塩コショウ、バターで味を調えます。火を止めて更に野菜類とソースを移し、イサキを載せて完成です。 イサキの風味がソースに調和し、さわやかなポワレが出来ます。

イサキの開き干し

イサキの頭を残し、腹から裂いて開きます。開いたイサキにまんべんなく塩をなでる様に擦り付けます。 天日で一昼夜干します。カラスなどに盗られないように、本気の対策が必要です。皮面から焼き焦げない様に注意し、軽く焼きあがったら内側を焼いて完成です。 塩とイサキの調和で、脂の美味しさが一番解る、シンプルですがおすすめの調理法です。

イサキのその他の雑学

イサキの価格

現在、流通が発達しインターネットショッピングで色々な魚が手に入り、価格も調べる事が出来ます。アンコウやハタ等の珍しい魚もインターネットで調べて購入する事が出来ます。そんな中イサキの鮮魚の販売価格を調べたのでご紹介します。 山口産 800g/1匹 天然イサキ 3960円(税込み) 大分産 1000g/1匹 天然イサキ  9000円 (税込み) として販売しています。kgあたり4300円~8300円と高級魚として扱っており、とりわけ大きい物は値段が跳ね上がるものと判断出来ます。大きなイサキを釣った時はとても価値があるものとして、お得な事をお伝え致します。

Yahoo!ショッピング - イサキ 山口産 他 約800g/1尾 築地直送 伊佐木 鮮魚【イサキ800g】|Okawari
旬のイサキを築地よりお届け!脂のノリよく刺身が美味!:isaki800g:イサキ 山口産 他 約800g/1尾 築地直送 伊佐木 鮮魚【イサキ800g】 - 通販 - Yahoo!ショッピング
出典: https://store.shopping.yahoo.co.jp/okawariinc/isaki800g.html?sc_e=slga_pla

イサキの逸話

「鍛冶屋殺し」という恐ろしい名前の逸話があります。その昔、和歌山の鍛冶屋がイサキの骨を喉に刺さらせ亡くなりました。硬い物を扱う鍛冶屋と掛けた逸話で皮肉な言い伝えですが、それほど骨が固く鋭く、また美味しい魚です。ですので、今でも骨を詰まらせて手術をする患者がいると言いますので、ご注意を。

イサキまとめ

磯の知る人ぞ知る高級魚

イサキは古くから日本の各地で漁獲されその地域で親しまれてきました。その証拠に、各地で独自の地方名があり、脂がのったイサキは「イサキの活き腐れ」との言葉が残る程、痛みが速く、また美味しかった事から珍重された事が伺えます。 磯や沖の根によっては50㎝で2kg近くに成長するイサキは超高級魚と言っても過言ではない程、脂がのって美味しい魚ですので、独自の「地方名」や「イサキの活き腐れ」等の言葉が残り、慌てて大事に持ち帰っていき、時にはその美味しさに慌て骨を詰まらせる事が想像出来ます。過去の私達先人の姿とイサキの関係が偲べ、何か微笑ましい気持ちになります。