スノーシューとは?
スノーシューとは昔で言うかんじき。
靴のままで歩くと埋まってしまう雪の上で、大きな板を足に括り付けて足を沈まなくさせるものだ。
昔は木や竹で作っていたそうだが(北海道に竹はない)いまはアルミ製が主。
重さも気にならない程度の重さだ。
ただ雪原を歩くだけなので、スキーやスノーボードと違い特別な技術は必要ない。
ウィンタースポーツの経験が無くても雪遊びを満喫できるのが、スノーシューの魅力だ。
いつか行こうと話していた友人の形見
今回とあるきっかけでスノーシューを手に入れた。
もったいぶっても仕方ないので書いてしまうが、古くからの友人(と言っても以前勤めていた会社の先輩)が急に亡くなり、その形見としていただいたのだ。
何年か前に見せて頂いていて「今度スキー場に行って遊ぼう」と話していたのがそれっきりになってしまったのが悔やまれる。
四十九日を前に手を合わせに行った際、図々しいとは思ったが、何か形見が欲しいと考えスノーシューをいただいた次第である。
スノーシュー持って近くのスキー場に行ってきた
亡き友人を弔うためにもスノーシューを車に積んで、さっそく近くのスキー場に行ってきた。
スキー場に繋がる道路は大きなショベルカーが何台も入って除雪をしていた。
スキー場までたどり着けるか若干不安になったが駐車場はきれいに除雪されていた。
かえって新雪があるか心配になったほどだ。
缶コーヒーを一口飲んで外に出ると頬を刺す様な寒さ。
車の温度計を見るとマイナス7℃。極端に寒くはないが、ここ数日0℃付近の気温だったので堪える。
スノーシューの履き方
スノーシューの履き方は簡単だ。
基本的にはスノーボードと同じなので初見でも装着できる。
とは言っても読者の中にはスノーボードをやったことのない人もいるだろう。
簡単に説明する。
- 甲のバンドを軽く通しておく
- かかと部分のバンドは外しておく
- 靴を入れラチェットを上下して締める(外すときはラチェットのボタンを押しながらバンドを引く)
- かかとのバンドを留める
ポイントは甲のバンドを少しキツイかなくらいまで締めること。
そのくらいの方が雪の上を歩いていてズレずにすむ。
文句なしに楽しい!おとうさん童心に返る
駐車場からスキー場併設の公園に向かう。
はじめは誰かが歩いたあとと、お子さんが乗ったであろうソリの軌跡がある。
親子の微笑ましい光景を想像しながらズンズン進むとやがて足跡は消えた。
ずいぶん背の低くなった遊具と真っ白な景色だけが広がる。
何日か前に歩いたであろう足跡は硬くなっているが、その人が歩いている時の表情を想うと自然に顔がほころぶ。
いつしか頬を刺す冷気も気にならなくなった。
向こうに見える真っ白い世界に向かい、つい足早になりつまづきそうになる。そして一人で笑う。
雪に慣れた北海道民でもこれは楽しい
はじめはあっち行ってみようと考えながら歩いていたが、そのうち【雪原】を歩くこと自体が楽しくなってきた。
「お!あっち誰も歩いてない」とドンドン奥に行きたくなる。
雪に慣れ、あわよくば雪は邪魔ものと捉える節もある道民でもこれは楽しい。
思わず童心に返り足を高く上げてドンドン進んでしまう。
一人で来たので歓声こそあげないが、顔は終始ほころんでいる。
童心に返るとはまさにこの事だろう。
パリピな写真も一応撮っておこう
身体を動かすので寒くはないが、そろそろお尻の筋肉が痛くなってきた。帰ろう。
そうだ、せっかく来たんだ、あの写真も撮っておこう。
そう、パンプレットによくある雪の上に大の字になった写真だ。
たぶんあの写真を撮るときは勢いよく雪にダイブしているのだろうが、雪の冷たさが身に染みている道民はそんなことしない。
適当なところを見つけてソーっと横になる。
冷たさに「キャハハ」となることもない。
写真を撮ったら雪が染みて来ないうちに、そそくさと立ち上がる。
今度は家族と
今回思いがけずスノーシューが手に入ったので、僕一人で体験することになった。
取材を兼ねていたが、一人でも十分楽しめた。
それでも雪原を一人で歩いているときは「妻が、息子が」思ってしまう。
正直安い買い物ではないので、家族全員分を揃えるのはたいへんだ。
息子も大きくなり親と一緒に遊ぶ年でもない。妻も段々と年を取る(お互いに)
「オヤジいつまで遊んでるんだ」というような眼で見られることもあるが、それでいい。
いつまでも若々しく元気で、ちょっと困った父親でいたいと雪にまみれながら思った。
撮影:ライター