焚き火の基本
焚き火をする場所
薪に火を点けて眺めるだけでも奥が深い体験をできるのが、焚き火の楽しさです。お子さんや初心者でも、手順を覚えれば簡単に火を起こせるでしょう。浜辺や河原の場合焚き火が可能な場所もありますが、管理している自治体ごとのルールがあります。
また、キャンプ場の場合直火禁止や焚き火台必須などの条件があるので事前に確認してください。水場が近いと万が一のときでも安心。植物の近くは避け、砂地や赤土の上を選びましょう。
焚き火をする場所について
- 腐葉土からできた黒土の場合、土が燃えることがあるので注意しましょう
必要な道具類
いつでも都合よくちょうどいいサイズの薪が使えるわけではないので、薪を小さく割るのに使う鉈や薪から焚き付け用の素材を削りだすための小回りが利くナイフがあると便利です。鉈は両刃のほうが繊維に沿って割りやすいでしょう。
また、木のささくれや熱から手元を守るため、耐熱性がある手袋も必須です。慣れるまではノズルの長いライターだと簡単に点火できます。点火後に薪を動かしたいときの火ばさみも忘れずに用意しましょう。
焚き付けがないと燃えない
ライターの火を直接近づけても、薪は燃えないです。そのため、焚き付けに火を点けて小さな炎を作りましょう。焚き付けが少ないと燃え移る前に燃え尽きて薪が燃えないので、多めに用意しておくと失敗しにくいです。
身近にもいい素材はあります。例えば、都心の公園でも拾える松の葉や松ぼっくりには松脂が含まれているので、着火材として最適です。マッチ1本でもすぐに着火して火持ちするので、燃料としても便利に役立つでしょう。
使った薪の捨て方
焚き火をしたら、最後まで燃焼させるのがマナーです。最後まで燃やすと火を熾した場所は黒から白くなり、目立たなくなります。燃え切ったら上から水をかけて完全に熱を取ることで、余熱による火災を防げるでしょう。
完全燃焼させた薪は、利用した施設や管理する自治体が指定する場所に捨てます。持ち帰り義務がある場合の捨て方は、火消し壺に入れて持ち帰りましょう。火消し壺は、ホームセンターなどで購入することができます。
薪の種類
薪は大きく分けて2種類
薪に使われる木には大きく分けて針葉樹と広葉樹の2種類があります。針葉樹は針のように細く尖った葉を持つ樹木で、広葉樹は大きく広がる葉を持つ樹木です。針葉樹は着火が簡単ですが、燃え続ける時間は短くなっています。
反対に広葉樹は燃え続ける時間は長いですが、着火はしにくいです。それぞれの薪にはメリットだけでなくデメリットもあります。焚き火を始める前にあらかじめその特徴を確認して、特徴に合わせて使いましょう。
針葉樹は焚き付けにおすすめ
杉や松、檜などの針葉樹は樹液の量が多いため、よく燃える特徴があります。着火時の火力が強めなので、焚き付けに使うのにおすすめです。温度が急上昇すると焚き火台が変形することもあるので注意しましょう。
脂が多く含まれるので煙や煤が出やすいですが、しっかりと薪を乾燥させることで改善できます。また、安く購入することが可能です。キャンプ場などで低価格で購入できる薪のほとんどは針葉樹であることが多いでしょう。
広葉樹は長時間の焚き火におすすめ
椚や欅、桜やメープルなどの広葉樹は幹の組織が密になっていて比重が高いのが特徴となっています。そのため、火つきが悪くなかなか燃えないですが、燃えはじめると火持ちがいいのがメリットです。
薪のなかでも広葉樹は割合が多く、よく長く燃えるのが針葉樹との大きな違いです。なので、焚き火だけでなく薪ストーブや暖炉など、さまざまな使い方ができるでしょう。脂や油分が少ないので煙や煤が少なく、料理にもおすすめです。
焚き火に適した薪
生木のおよそ50%は水分と言われており、きちんと乾燥していない薪は火がつきにくくて燃えてもはぜて煙が出ることがあります。そのため、焚き火に使う薪は十分に乾燥しているのが最適です。
購入するときは持ったときに軽くて断面に細かなヒビがあり、叩くと澄んだ高い音がする薪を選びましょう。また、購入後は日当たりと風通しがいい場所で保管してください。雨などで濡らしたりせず、乾燥した状態で保管しておきましょう。
薪の組み方のコツ
調理向きの平行型
太い薪を枕のように置き、それに対してほかの薪を直角に並べます。直角に並んだ木が平行に見えるので平行型と呼ばれており、バランス型と呼ばれることもあるでしょう。この組み方は、場所によって温かさが変わります。
燃焼する火元に近い枕木付近は熱く、枕木から遠のくほどに温度は低いです。そのため、火元のそばで食材を焼いて枕木から離れたところで保温しておくことができます。なので、調理向きの組み方と言えるでしょう。
ゆったりと暖を取れる星型
5本程度の薪を放射状に並べる組み方です。別名「インディアンの焚き火」とも言われており、とにかく火が消えにくいのが特徴となっています。中央で燃焼させながら、薪を少しずつ中央に寄せていくスタイルです。
あまり火の勢いはありませんが、とても火持ちがいいので上手に管理できれば前の晩に点けた火を次の日の朝も使えるでしょう。薪は節約しつつ、冷える夜でもゆっくり暖まりたいときにおすすめの組み方です。
コンパクトでも火力が高い傘型
星形に組んで中央を高くし、傘のような形にしたものです。小さなスペースでも組むことができ、それでいて火力は高めなのでミニマム高火力型とも言われます。そのため、小さい焚火台でお湯を沸かしたいときなど、ちょっとした調理におすすめです。
その代わり薪が燃え尽きてしまうのがほかの組み方より早いので、足りなくなりそうなときは早めに継ぎ足しましょう。また、コンパクトサイズの焚き火なので、BBQなどには向きません。
派手に高火力な井型
薪を「井」の字のように組み上げる、もっともベターなやり方です。上下を少しずらして薪を組んでいくのがコツ。井型は煙突のように下から上へと空気が流れる道ができるので、効率よく酸素を回すことができます。
また、上昇気流が起こりやすい形なので、さほど空気を送らなくても燃え続けてくれます。文字通り火柱が立ち登るので、炎に勢いがあるキャンプファイヤーなどを楽しむのにとても向いていると言えるでしょう。
基本を覚えて焚き火を楽しもう
今回は焚き火で使う薪について、種類ごとの特徴や組み方のコツなどをご紹介しました。針葉樹は火点きがいいので焚き付け用として、広葉樹は火持ちがいいので焚き付けた後の長時間の燃焼におすすめです。
また、初心者には火力の調節が簡単で薪の継ぎ足しが適当でも大丈夫な、平行型で薪を組むのをおすすめします。揺らめく炎にはリラックス効果があり、直火可能な場所なら焚き火台がなくても楽しめるのでぜひ試してみてください。
焚き火について気になる方はこちらもチェック!
今回は、焚き火で使う薪に焦点を当ててお話してきました。暮らし―のでは、焚き火に関する記事をほかにも多数掲載しています。焚き火について気になる方、もっと詳しく知りたい方はぜひこちらの記事もチェックしてみてください。
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出典:unsplash.com