アオリイカの捌き方
釣ってよし食べて美味い人気の対象魚
アオリイカは引きが強くゲーム性が高いのでアングラー憧れの人気対象魚です。また釣ったばかりの鮮度抜群のアオリイカを捌き調理できるのは釣り人だけの特権と言えるのではないでしょうか。
ピチピチの食感や旨さはスーパーなどで買ったものとは比較になりません。調理レシピも刺身から煮物・焼き物・炒め物とアレンジ次第さまざまで、中でも刺身の旨さは絶品です。このようにアオリイカは釣ってもよし食べても非常に美味しい甲殻類です。
捌き方は初心者でも簡単
アオリイカは包丁捌きに不安な初心者でも、下処理のちょっとしたコツさえ押さえれば意外に簡単にできます。アオリイカは魚のように中骨や腹骨がないので3枚おろしの技術の必要がなく、小骨もないので食べやすく安心です。
今回はアオリイカの捌き方を下処理の基本や注意点を徹底的に解説し、美味しい刺身の作り方や刺身のアレンジレシピなどを紹介します。ぜひ釣り人の特権であるアオリイカの刺身に挑戦して見てください。
下処理の基本手順と注意点
①胴体を開き甲と内臓を取る
さっと水洗いをしたアオリイカを表向きにまな板に乗せます。包丁は出刃包丁がベストですが、なければよく切れる使い慣れたもので構いません。まず外皮が覆っている胴体の中心に刃先が甲(透明で薄く平たな中骨)に当たるまで包丁を入れて切ります。
切り口を両手で開き甲を取り除き、甲の下にある内臓(頭とゲソ部分)をつかんではがし取ります。このとき墨袋を破らないように注意してください。もし破れたら綺麗に水洗いをしてペーパータオルで拭き取りましょう。
②胴体とエンペラの皮をむく
胴体と表皮の間に指を入れて横向きに丁寧に引っ張ると面白いように皮がむけます。途中で破れた場合にはキッチンペーパーでこすって皮をはがせば大丈夫です。
エンペラ(外側のヒラヒラした部分)も同様に皮をむきますが、一旦胴体と切り離すと簡単になります。アオリイカの皮は鮮度が落ちると破れやすくなるので、なるべく鮮度がよいうちに下処理を行いましょう。またぶつ切りにして煮物にする場合は皮むきは省いても構いません。
③薄皮と軟骨を取る
美味しい刺身にするには、さらに薄皮と軟骨を取り除きます。薄皮は表と裏の両面にあり、大型のアオリイカの場合は適当な大きさにカットします。
薄皮は切れやすいので竹串や爪楊枝で少し傷をつけ、そこから少しずつ丁寧にやりましょう。裏側も同様に行いキッチンペーパーでこすってもOKです。軟骨はそんなに固くなく刺身でも食べられるので好みでつけたままでも構いません。小型のアオリイカは薄皮も薄いのでペーパーでこする程度で大丈夫です。
④内臓とゲソの処理
最後に内臓とゲソの処理をすれば捌き方完了です。少し固めの軟骨がついているのでまず包丁で落とし、切り込みを入れてから目玉と口、内臓を取り除きます。このとき墨袋を破らないように注意してください。
ゲソは適当にカットして軽く茹でてわさび醤油で召し上がっても煮物にしても簡単に美味しいおつまみになります。またかき揚げなどさまざまに使えるので重宝します。
刺身の旨味をアップさせる方法
①冷蔵庫で寝かせる(熟成)
下処理で捌き終えた身をいよいよ刺身にするのですが、ここで慌ててはいけません!旨味をアップさせる方法があります。刺身の旨味には主に食感と味があり、コリコリした食感を味わうのならできるだけ鮮度がよいうちがベストですが、実際は1〜2日冷蔵庫で寝かせてからの方が甘みが出て旨味がアップします。
これは他の魚や肉類でも同じでたんぱく質のアミノ酸は低温で適度の時間寝かせると旨味成分が増す(熟成する)のです。好みでチョイスしてください。
寝かせ方
アオリイカを捌き下処理をしたのち、身をジプロックやサランラップで包み水分が飛ばないようにして冷蔵庫で寝かせます。甘みが出て旨味がアップするには1kgを超える大物は約3日、1kg以下では1〜2日と言われています。
もちろん捌き方が適切に下処理されていることが最低条件です。内臓や不純物がついていると逆に旨味を増すどころか腐敗の原因にもなるので清潔には注意してください。
②繊維を切るように縦にカット
刺身の旨味は、歯に当たらないことと切り口の断面のキレイさで左右されます。アオリイカの繊維は横に走っているので、歯に当たらないようにするには縦にカットします。身が大きい場合はまず横にいくつかに切り分けてから縦に包丁を入れるようにしましょう。
断面をキレイに滑らかにするには、包丁の刃渡りを最大限に利用し引切りがベストです。刺身包丁(柳葉)がベストですが、ない場合はできるだけ刃渡りが長いよく切れる包丁を使いましょう。切れない包丁でノコギリ引きはNGです。
③盛り付けは刺身の味を決める最後の調理
アオリイカの刺身の旨味は、下処理の捌き方にカットの仕方、そして最後の盛り付けで決まります。どんなに捌き方やカットが上手でも盛り付けが食欲をそそるように美しくなければ旨味が半減してしまいます。そのくらい盛り付けは最後を締めくくる大切な調理です。
大根のツマに大葉の緑や穂じそ、スダチやワサビなどの添え物などの彩のバランスが目を楽しませます。刺身は捌き方とカットの技術に盛り付けの見た目の3つが揃って初めて旨味が完成します。
刺身のアレンジ調理方法3種
刺身の最後の調理・盛り付けをビジュアル的に華やかにする基本的なお造りのアレンジレシピを3種紹介します。これらを参考にしてアオリイカの刺身盛り合わせで食卓を豊かで楽しくしてください。
①糸造り
糸造りは糸のようにできるだけ細くカットする調理法で、口の中に放り込んだだけでアオリイカの甘みと風味が感じられる食べやすい基本的なレシピです。まず身が厚いアオリイカを最初に薄く削ぎ切りでスライスします。
その削ぎ切りにした身をまな板の上に少し重なるくらいに並べ、端から細く切り分けていけば糸造りになります。醤油やワサビの絡みもよく非常に食べやすいのでぜひトライして見てください。
②鹿の子(松かさ)湯霜造り
アオリイカを適当な大きさにカットした身に隠し包丁の切込みを入れてサッと湯通しをして冷水で冷やす調理法です。このことにより刺身の表面が少し白っぽく風情や食感も変化し甘みも増します。
隠し包丁の入れ方を身に対して直角に入れ、もう一方を対角に斜めに入れるると鹿の模様に似ているので鹿の子と言い、身に対し両側から斜めに隠し包丁を入れ湯通しすると松かさのようになります。これらを湯霜(湯引き)造りと言い見た目も食感も変わるので盛り付けのバラエティーが膨らむこと間違いありません。
③鳴戸巻き
刺身の盛り付けで最もインパクトがあるのがあるのが鳴門巻きです。鳴門の渦潮をイメージしたお造りで、まず巻きやすいように8cm幅に切り分け身厚の3分の1程度まで幅5〜6mm間隔で切れ込みを入れます。
これを裏返し同じ大きさにカットした海苔を乗せ端からきっちりと巻き込みます。これをラップなどで包み10分ほど冷蔵庫で寝かした後小口切りにカットすれば鳴門巻きの完成です。これら①②③の3種と大葉やツマ・スダチを添えてお皿に盛り付ければ、華やかなアオリイカのお刺身盛り合わせができます。
アオリイカを捌き刺身を堪能しよう!
アオリイカを釣って自分で捌き調理し、スーパーで買ったものとは比較にならない抜群の鮮度と旨味を味わえるのはまさに釣り人の特権です。ここまでアオリイカの捌き方の基本と注意点、美味しい刺身の作り方やレシピを紹介してきました。これらを参考にしてイカの王様と言われるアオリイカの美味を堪能してください。
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出典:unsplash.com