アオリイカの生態
アオリイカとは
アオリイカは日本沿岸に分布する大型のイカになります。釣りはもちろんですが食用としても大変人気があります。アオリイカの名前の由来は、ヒレの部分の色や形が馬の胴体に巻く泥除けの馬具にいていることからつけられました。また日本各地では呼び方が変わり九州地方ではミズイカ四国地方ではモイカと呼ばれています。
アオリイカの生態①
アオリイカの生態として通常、沖海に生息していますが、春から夏にかけては産卵のため海岸近くの浅場に寄ってきます。そのため春のアオリイカは大型のものが多く釣れます。アオリイカの生態は卵から約20日ほどで孵化します。夏には体長が10cm程度まで成長し、秋頃まで沿岸で小魚を捕食して成長します。このため秋頃のアオリイカは食欲旺盛でスレておらず、最も釣りやすい時期になります。冬になるとアオリイカはまた海の沖へ出て行きます。この頃は釣り船でアオリイカ釣りが楽しめます。そうして春になるとまた沿岸に行ってきて卵を産卵してその後死んでしまいます。つまりアオリイカの寿命はわずか1年なのです。
アオリイカの生態②
アオリイカの生態、寿命の次は、アオリイカが何を食べて大きくなっているかということです。アオリイカは生きた小魚を食べて大きくなっています。そのためエサ釣りの場合でも基本的には生きた魚がベスト。ルアー釣りの場合でもいかに生きた魚のように見せるかというのがポイントとなります。
アオリイカの生態③
アオリイカの生態が分かればきっと釣果にも繋がるはず。アオリイカはとても目が良いと言われています。つまり人間が思っている以上にかなり遠くからエギやエサを発見しています。そのため過度なアピールは逆に不自然になる可能性がありますので注意しましょう。
アオリイカの生態④
またアオリイカの生態として、非常に好奇心が旺盛な生き物であると言われています。そのためアオリイカ用のエギなどは、ピンクやオレンジなど派手なカラーのものが多いですね。まさにアオリイカの生態を熟知した釣り方と言えるでしょう。またアオリイカは基本的に群れで行動します。通常4~5ハイの群れで動くことが多いので、自分が釣った場所の近くで他人が同じくヒットするということも珍しくありません。同じ群れを何度も狙う場合は、できるだけアオリイカを手元にゆっくりと引きつけて釣り上げるようにしましょう。
アオリイカの釣り場別の釣り方
港湾・堤防などからの釣り方
春や秋は、港や堤防からアオリイカ釣りが楽しめます。この時の釣り方はエサ釣りからヤエン釣り、そしてエギングなど様々な釣り方で釣れるため、有名なポイントは釣り客で賑わいます。また少し沖にあるイカダや、沖堤防で狙うのも人気です。
釣り船はハズレなし!?
一年を通してアオリイカ釣りを楽しみたいなら、釣り船がベスト。船頭さんはアオリイカの釣れるポイントを熟知しているため、最も釣果が期待できる釣り方と言えるでしょう。船酔いに注意しながら、また他の釣り客の迷惑にならないよう、船頭さんにあらかじめ準備しておくものを聞いておく必要があります。定番はエギングやエサ釣りで釣る釣り方です。
ボートでアオリイカを狙う
最近ではボートでアオリイカを釣るのも人気です。ボートエギングと呼ばれ、陸っぱりから狙うタックルよりも、取り回しのしやすい1フィート短いロッドを使うのが一般的。ボートエギングをする際は、必ずライフジャケットを着用し、万が一の時は海上保安庁への連絡、海の110である局番なしの「118番」を覚えておきましょう。
磯場での釣り方
浅瀬のある磯場にもアオリイカは産卵にやってきます。磯での釣り方は、エギングやエサ釣りヤエン釣りなど、様々な釣り方でアオリイカが狙えますが、足元が不安定なため釣りの上級者向け。磯用のブーツを履いて釣りに行くのはもちろん、ライフジャケットもしっかりと着用し安全に配慮しましょう。また磯場は、満潮になると沈んでしまう場所もあります。必ず事前にチェックしてから行くようにしましょう。
アオリイカの季節別の釣り方
春のアオリイカの特徴
春のアオリイカの特徴として、大型のアオリイカが釣れるという点があります。大型のものは1.5kgを超えることも珍しくないため、必ず玉網を用意しましょう。産卵前のメスのアオリイカの場合、卵を抱えて釣れる場合があります。ちょっとかわいそうな気もしますが、この卵が大変美味。このメスのアオリイカだけを狙ってくる釣り客もいるほどです。
秋のアオリイカの特徴
秋のアオリイカは小ぶりながらも食欲と好奇心旺盛で、とにかく数が釣れる時期になります。これからアオリイカ釣りを始めようという、釣り初心者の方にもおすすめのシーズンです。春に比べるとかなり小ぶりになるため、タックルや餌もそれに合わせたサイズに調整する必要があります。
タックル別アオリイカの釣り方:エサ釣り
エサ釣りのタックルとは
初心者におすすめの釣り方は、ササミなどを使ったエサ釣りです。このタックルは、まず長さが5m前後の磯竿を準備します。リールは中型のリールで、道糸はナイロンの4号前後を巻いておきましょう。またハリスは3号を使い、先には餌を針金で巻いて取り付ける餌巻きテーラーが使いやすくおすすめです。ウキを調整する中オモリは3~4号程度、ウキは電気ウキで、浮力が3~6号を使うと良いでしょう。
アオリイカ”エサ釣り”の釣り方①
陸ッパリ、釣り船、ボートなどこなす万能型
釣り船や、ボート、港湾や磯などあらゆるポイントで使える万能型の釣り方でもあります。また餌は完全に食われてしまうことがないため、何度でも使えるのも初心者におすすめするポイント。タックルは電気ウキや中オモリ、シモリ玉などタックル作りは面倒ですが、中オモリから下部分をあらかじめ何種類か作って持っていくと、現地で調整するのにかなり便利です。
アオリイカ”エサ釣り”の釣り方②
タナあわせが肝心
このエサ釣りの釣り方のキモは何と言ってもタナ合わせ。釣り船の場合は船頭さんに聞きながらタナを調整します。陸っぱりから釣る場合は水深などにもよってタナは変化するため、このタナをいち早く見つけることが釣果につながります。ウキ下のタナの長さは、ポイントにもよりますが、まずは最初は3m程度。その後アタリのあるなしによって長さを変えるもよし、複数竿を出しておき、それぞれタナの長さを変えて釣る釣り方をする方が多いです。
アオリイカ”エサ釣り”の釣り方③
アタリを見逃すな!
夜は、電気ウキが沈むためアタリを見逃すことは少ないですが、アオリイカのアタリは、ウキがスーッと斜めに進んでいくようなアタリになります。アオリイカがきっちり針に乗るよう、ドラグを調整しながら、手元に引き寄せます。アオリイカが暴れても慌てずしっかりと手元に引き寄せ、玉網やギャフなどでしっかりと取り込みましょう。
タックル別アオリイカの釣り方:泳がせ釣り
泳がせ釣りのタックルとは
こちらもアオリイカを餌で釣る釣り方になりますが、餌は生きた小魚を使用するので、泳がせ釣りと呼ばれています。仕掛けはエサ釣りの場合とよく似ており、ウキは浮力が3~6号、ウキを調整する中オモリは生餌の大きさにもよりますが、3~4号を準備します。こちらも道糸はナイロンの4号程度、ハリスは3号をセットした仕掛けにします。竿はリールは、エサ釣りの時と全く同じで構いません。大きく異なるのは生餌の下につけたカットウ針。生餌によってきたアオリイカを、このカットウ針で引っ掛けて釣るのです。
アオリイカ”泳がせ釣り”の釣り方①
まずはサビキで小魚釣り
泳がせ釣りの場合は、まず餌である生きた小魚が必要になります。そのため仕掛け作りが終わったらサビキ釣りなどでお魚を釣っておきましょう。生きのいいお魚が必要となるので、生き餌を入れておく水バケツは必須になります。一般的に生餌は豆アジを使うことが多いです。もちろん豆アジ以外でも釣れる場合があるので積極的に試してみましょう。
アオリイカ”泳がせ釣り”の釣り方②
生餌のつけ方
生き餌の付け方は様々ありますが、ここでは最もよく使われる付け方を4種類ほどご紹介します。魚にも実は人間同様に鼻があるんですが、ここに釣り針を引っ掛けておくメリットは魚が弱りにくいので、長い時間生餌が使えることです。次に紹介する背がけは、背びれ付近にある硬い部分に釣り針をひっかけるのですが、この付け方のメリットは取れにくく丈夫なので、生餌をつけたまま遠投するのに向いています。
次に目がけは、小魚の目のふちの硬い部分に釣り針を引っ掛ける方法です。この生餌の付け方は、サイズが小さい生餌の時に効果的です。次の取り付け方は口の中から上顎に向けて釣り針をつける方法、アゴがけです。とても簡単なので初心者の人にも向いていますが、あまり口の中の奥に釣り針を差し込むと脳を傷つけてしまい、生き餌が死んでしまう可能性もあるので注意が必要です。
アオリイカ”泳がせ釣り”の釣り方③
ウキと中オモリの調整
生きている小魚を餌として使うため、 当然ウキがピクピク動いたりしてアタリかどうかが分かりづらいかもしれません。 またウキと中オモリのバランスが悪いとせっかくの生餌が弱ってしまいます。よって生餌の大きさによっては中オモリのサイズや、ウキの浮力の調整が必要です。ウキと中オモリを何種類か持っていくと良いでしょう。またウキ下もしくは中オモリ以下の仕掛けを予め、名種類か準備しておいても良いでしょう。
タックル別アオリイカの釣り方:エギング
エギングのタックルとは
エギングの仕掛けは、それまでのエサ釣りと比べると非常にシンプルです。ウキや中オモリなどの、細々とした仕掛けではなく、メインのPEラインとフロロのショックリーダーそしてエギ。竿はエギング専用でなくてもシーバスロッドでもOK。リールは中型のリールであれば問題ありません。基本的に身軽な仕掛けにすることがルアー釣りの醍醐味です。なおボートエギングの場合は、ロッド長さを1フィート短めがおすすめです。
アオリイカ”エギング”の釣り方①
オカッパリ、釣り船、ボートから磯場まで
身軽なエギング仕掛けは、釣り場を選ばずどんな場所でも使える万能型。最近ではやや短めのエギングロッドを使った、ボートエギングも盛んです。もちろん釣り船や、磯場、港や堤防からなど、ショア・オフショア問わず使える万能の仕掛けです。ただし船釣りやボートエギングの場合、中オモリを使ってタナ調整する場合があります。その為船頭さんに中オモリが必要か予め確認しておくとよいでしょう。
アオリイカ”エギング”の釣り方②
エギのサイズの選び方
エギのサイズは2.5~4号までありますが、このサイズは季節によって使い分けます。というのも先ほど説明した通り春イカと秋イカでは、かなりサイズが異なるので、春イカを釣るなら3~4号、秋イカを狙うなら2.5~3号のエギを使うのが一般的です。そのため両シーズン楽しむなら3~3.5号のエギをたくさん用意しておきましょう。
アオリイカ”エギング”の釣り方③
シャクリのタイミング
エギングのアクションのキモはシャクリと思われがちですが、実際はしっかりと寝かせる方が大切です。しゃくった後でエギがゆっくり海底に落下していく最中にアタリがあります。この時糸ふけをしっかり取っておけば、アタリを見逃すことはないでしょう。また落下中にアタリがなくてもがっかりすることはありません。落下していくエギ目掛けて、アオリイカは追いかけてきます。この時好奇心旺盛なアオリイカは、ゆっくりと品定めするのでしゃくった後、しっかりとエギを寝かせてアオリイカを油断させましょう。
タックル別アオリイカの釣り方:ヤエン釣り
ヤエン釣りのタックルとは
ヤエン釣りはエサ釣りと同じく、生きた餌を使うエサ釣りです。しかし仕掛けはエギング並みにとってもシンプルです。竿先の柔らかい磯竿を使います。仕掛けはフロロカーボンの1.5号前後を使い、必要に応じてヤエンストッパーを使います。そして餌は5cm程度の豆アジを使います。リールも中型リールで十分。これにヤエンと呼ばれるかけ針を別途用意します。仕掛けはこれで終了。とてもシンプルですね。
アオリイカ”ヤエン釣り”の釣り方①
ヤエンの釣り場は?
ヤエン釣りの対場はボートや釣り船よりは、港や堤防などで活躍する釣り方です。これはヤエンと呼ばれる専用の釣具の使い方にも関係してきます。初心者には難しい釣り方になり中級者から上級者向けの釣り方になります。なるべく足場のしっかりとした釣り場がおすすめです。
アオリイカ”ヤエン釣り”の釣り方②
生餌の鮮度とドラグ調整が成功の秘訣
ヤエン釣りの決め手は、やはり生きのいい生き餌。アジが元気に泳ぐのをアオリイカが追いかけていく、アオリイカの生態を利用した釣り方になります。リールのドラグは緩めにしておきましょう。アジがアオリイカに見つかると、勢いよく逃げていきます。この時ドラグが緩くないと、アオリイカに気づかれてしまいます。またアオリイカがアジを捕まえても、テンションがかかるとアオリイカに気づかれ、逃げられてしまいます。活きの良いエサを用意するのとドラグを緩めておくこと、これがヤエン釣りのポイントです。
アオリイカ”ヤエン釣り”の釣り方③
ライントラブルに注意
ドラグを緩めて釣るヤエン釣りはライントラブルがつきもの。しかもヤエンを投入するタイミングは、ラインが海面とおよそ45°の角度になった時です。この時ライントラブルになると手遅れになってしまいます。そこでヤエン釣りの仕掛けで使う竿はできれば、ライントラブルの少ない中通しの竿を使いましょう。この時スムーズにヤエンがアオリイカまで届き、針にアオリイカがかかると本格的なアタリがあります。この時竿を立ててアタリに合わせましょう。
レベル別アオリイカの釣り方
ここまでアオリイカの釣り方と仕掛けについて説明してきました。ここでは釣りのレベルに合わせたアオリイカの釣り方の説明や、釣り方にあった釣り場をまとめてみましょう。
釣り場別 |
初心者 |
港・堤防 | ◎ |
釣り船 | ◎ |
ボート | △ |
磯 | × |
釣り方別 |
初心者 |
エサ釣り | ◎ |
エギング | ○ |
ヤエン釣り | △ |
初心者の方が手っ取り早く釣りたいなら、気軽に行ける港や堤防、釣れるポイントに連れて行ってくれる釣り船がおすすめです。釣り方もやはり釣果の期待が高いエサ釣りがおすすめです。
アオリイカ釣り場と釣り方の関係
釣り方 |
港・堤防 |
釣り船 |
ボート |
磯 |
エサ釣り | ◎ | ◎ | △ | △ |
エギング | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
ヤエン釣り | ◎ | ◎ | △ | △ |
ここでは釣り方と釣り場の関係についてまとめてあります。上記の表を参考にしながら自分の釣り方と釣り場の相性が良いか確認してくださいね。
最後に
いかがでしたでしょうか。アオリイカの釣り方は大きく分けてエサ釣りとルアーを使うエギングの2種類に分かれます。それぞれ仕掛けが異なるので準備する釣具が変わります。そのため自分がどの釣り場で、どんな釣り方をしたいかを考えて仕掛け作り、釣具の購入を始めると無駄な出費をせずに済みます。是非あなたもここで紹介した仕掛けを参考にアオリイカを釣り上げてくださいね。
アオリイカが気になる方はコチラもチェック!
アオリイカの仕掛けや、仕掛け別の釣り方をもっと詳しく知りたい方はコチラの記事がおすすめです。
アオリイカの仕掛けとは?エギングとヤエン釣りの基礎とコツをご紹介!
アオリイカといえば釣って楽しい食べておいしいでおなじみの人気のターゲットです。しかし、普通の魚釣りとは仕掛けや釣り方が異なり、アオリイカを釣...
アオリイカ釣りの仕掛け講座!仕掛けに合わせたタックルや釣り方を徹底解説!
アオリイカの釣り方、仕掛けは、3つに分けることができます。そんなアオリイカの3つの仕掛け、釣り方について、タックルのセッティング方法、どのよ...
エギングでアオリイカ攻略!釣れる季節や時間帯など釣り方の6つのコツを解説!
エギングでアオリイカが釣れるアングラーの特徴を徹底解説!アオリイカをエギングで釣る際の基本的な釣法や釣れる時期などの基礎知識に加え、爆釣を狙...