シナノユキマスを詳しく解説!
ウグイのような見た目していますがサケの仲間で、長野県の特産魚でありながら海外から来た魚、それが「シナノユキマス」です。シナノユキマスは白身魚で食べても美味しく、また釣りも楽しめる魚として知られています。
今回はそんなシナノユキマスについてご紹介いたします。どの国から来て、どのような場所に生息しているのか?どう料理すると美味しいのかを詳しく解説いたしますので、ぜひシナノユキマスの魅力に触れてみて下さい。
シナノユキマスとはどんな魚?
信濃雪鱒はコレゴヌス
名前に「信濃」と付いていますので、元々長野県に生息していた魚であるかのように思ってしまいますが、実はチェコスロバキアに生息するサケ科の魚で、学名では「コレゴヌス」と呼ばれています。シナノユキマス(信濃雪鱒)という名前は標準和名として、後から付けられました。
見た目はかなり違いますが、サケ科の魚ですのでサーモンに近いということになります。ですがどこか愛嬌のある顔をしていて、サケ科には見えないかもしれません。
海外ではホワイトフィッシュ
サケ科の魚ではありますが、見た目がウグイに似ているとよく言われています。海外では全体的に灰色~銀白色をしているためホワイトフィッシュと呼ばれており、呼び名の通り身も白くて綺麗です。
ちなみに産卵期になると、メスもオスも色が金白色に変わるのも特徴。鱗も隆起して、雄はざらついた触り心地に変わります。
長野県で養殖されている魚
元々は1975年に、養殖目的で20万粒の卵が長野県の水産試験場へともって来られ、1980年に世界初の完全養殖に成功しました。
元々寒い国・地域で生息している魚なのですが、長野県の気温・水温などにマッチして養殖に成功したのです。また、元々はロシア語名の「ペリヤジ」と呼ばれていましたが、後に長野県の特産魚として「シナノユキマス」と名付けられました。
全国でも養殖されている
最初は長野県の水産試験場にて養殖されていましたが、その養殖技術・方法と共に全国の水産試験場へと稚魚が送られました。現在は北海道や福島、愛媛、山形、秋田などでも養殖されています。
各生産地で名前が変わるのも特徴で、北海道では「キタノユキマス」、愛媛県では「ヒメノユキマス」へと変わります。
釣りでも楽しめる!
元々は養殖されていた魚ですが、1987年からは長野県内の湖に放流され、増殖放流種苗として利用されています。釣ってみたい方は「立岩湖、柳久保池、青木湖」などに行ってみて下さい。
ワカサギ釣りのように冬の穴釣りで楽しめるのですが、サイズ感もある魚ですので、一度釣れるとはまってしまう方も沢山います。
シナノユキマスのその他の特徴
どんな味の魚?
シナノユキマスはもちろん食べられます。サケ科の魚ではありますが、こちらは綺麗な白身が特徴。淡泊な味で、生臭さも特になく、いろいろな食べ方で楽しめる魚と言えるでしょう。
お刺身でも美味しくいただけますし、から揚げやムニエルにもおすすめ。湖の近隣では飲食店でも出されていますので、料理や釣りが苦手な方も、ぜひお店に行って味わってみて下さい。
どんな生態?
シナノユキマスは寒い地域からやってきた魚ですので、やはり低水温を好みます。日中は深めの場所を泳いで、夜間になると表層へ上がってきます。水温が低いと元気がなくなる魚も多いですが、シナノユキマスは10度以下でも元気です。
産卵時期は秋から冬。湖岸近くに行って、小石の間に産卵します。一度の産卵で3万粒前後も出産しますので、養殖に向いている魚と言えるでしょう。
3年かけて40㎝まで成長!
秋から冬時期に卵を産みますが、養殖ではその卵を孵化瓶に入れて孵化させます。孵化した孵化稚魚はプランクトンなどを与えて稚魚に育て、流水池に移して成魚にまで育てるのです。1年で100g、2年で200~400g、3年で500~800g前後ほどに成長しますが、最大で全長約40㎝、1㎏ほどの個体になります。
40㎝は、成人男性の手を広げた大きさが約20㎝ほどありますので、手2枚分ほどです。しっかり育てれば、中々の大きさの魚になってくれます。
いくらで買える?
シナノユキマスは通販で販売しているお店もあります。お店によってもちろん値段は違いますが、1キロあたり2000~3000円、送料別で販売しているお店が多い様子です。遠方の方で食べてみたい方は、ネットショップもチェックしてみて下さい。
シナノユキマスを釣るなら?
シナノユキマスは、冬にワカサギ釣りをしていて釣れてしまうことがよくあります。ワカサギ釣り仕掛けで狙ってもよいでしょう。単体で狙うならサビキ釣り。淡水でサビキは珍しいのですが、海のサビキ釣りと同様に仕掛ければ釣れます。
口が小さい魚ですので、小さめの針を使うのがコツ。あまり仕掛けを動かさずに待ちましょう。
美味しい食べ方・調理法
食べ頃・旬の時期はいつ?
シナノユキマスの旬の時期は春から夏とされていますが、秋冬は旬ではないので美味しくないということはありません。いつ食べても美味しくいただけますが、一応の旬の時期としては暖かい時期と覚えておきましょう。
調理法1:刺身
新鮮で旬なシナノユキマスを手に入れたなら、お刺身で食べるのがおすすめ。実はシナノユキマスは鮮度が落ちやすい魚ですので、刺身で食べられるならぜひ食べておきましょう。淡泊な白身で、上品な甘みのある味です。
調理法2:ムニエル
白身魚と言えばムニエルです。シナノユキマスは熱を通すと少し身が締まりますが、中火でゆっくり熱を通せば問題ありません。また、ムニエルはフライパンを熱してからではなく、冷たいフライパンの状態で魚と油を入れてしまって大丈夫です。オリーブオイルで焼いて、最後にバターを加えるとよいでしょう。
調理法3:から揚げ
から揚げも定番料理の一つです。から揚げはほどんどの魚で可能ですが、主役はやはり白身魚。淡泊で柔らかい身が適しており、シナノユキマスもおすすめです。身の水気を拭きとってから衣をつけて、180~190度ほどの油で揚げましょう。
調理法4:塩焼き
刺身と同じくらいシンプルな食べ方、それが「魚の塩焼き」です。シンプルに塩を振ってじっくり焼くだけで美味しくいただけますが、「立て塩」というやり方もおすすめ。
塩分濃度3%くらいの塩水を作って切り身をつけるだけですが、このやり方だと塩味が満遍なく染み込みますので失敗しません。また、浸透圧により余計な水分やいらない成分なども抜けます。カップ1杯の水に小さじ1杯の塩を入れて作ってみて下さい。
様々な方法でシナノユキマスを楽しもう!
釣りで狙える美味しい魚
今回は長野県の特産魚「シナノユキマス」について詳しく解説させて頂きました。元々は海外の魚でしたが、完全養殖にしており、現在は日本の湖にて釣りも楽しめる魚として知られています。
ワカサギ釣りやサビキ釣りで釣れますので、釣りが好きな方はぜひ狙ってみて下さい。釣りをされていない方も、シナノユキマスを使った料理を出されているお店が長野県にありますので、食べてみたい方はチェックしてみましょう。
シナノユキマスが気になる方はこちらもチェック!
今回はシナノユキマスについて詳しくご紹介させて頂きましたが、暮らしーのでは他にも魚に関する記事が多数あります。さまざまな魚について知りたい方は、ぜひ下記記事も見てみて下さい。
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