火消し壺
心ゆくまで焚き火を楽しもう
私がキャンプで最も気に入っている時間は「焚き火」です。焚き火は薪を買って燃やせばよい訳ではありません。焚き火を楽しむためには、必要なギアをそろえる・知識を身に付ける必要があります。
前編では、焚き火の準備や必要な道具から着火の手順まで解説しました。後編では、焚き火の楽しみ方から後始末まで紹介します。当記事をチェックして、心ゆくまで焚き火を楽しんでみましょう!
準備編はこちらから
焚き火に必要なギアや準備するまでに知っておきたいことは、前編で解説しています。ぜひチェックしてみてください!
【焚き火完全ガイド】わかりやすい焚き火のやり方①準備編
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薪の主な組み方をチェック!
調理しやすい「並列組み」
枕木を置き、薪を並列・もしくは扇型に重ねます。簡単に組めるため、焚き火に初挑戦する人にもおすすめです。「並列組み」は、場所によって火力の強弱を容易にコントロールしやすく、枕木付近は強火・離すと弱火にできます。薪を足す場合も、上からずらして焼べていくだけなので容易です。
煙突効果を期待できる「井桁組み」
井の字型に薪を上へと組み上げる「井桁組み」は、キャンプファイヤーでもお馴染みの組み方です。火床から上に向けて空気が流れる煙突効果を期待でき、高い燃焼効率を得られます。強火力となっているため、冬場に暖を取るのにも最適です。その分、短時間で薪が燃えてしまいます。
上手に焚き火できれば楽しみが広がる!
家族で焼きマシュマロもできる
焚き火といえば、焼きマシュマロを思い浮かべるのではないでしょうか?私は甘いものを食べないので、ソロキャンプに出かけるときはやりません。しかし、妻や子どもと焚き火をする場合は必ずマシュマロを購入して持参します。
竹串に通して、遠火でじっくり回転させながらきつね色になるまで焼いてから食べると、カリッとした歯触り・トロトロ食感の両方を味わえておすすめです。
また、クラッカーやクッキー、チョコレートを準備してスモアにしてキャンプスイーツにするのもピッタリ。作り方もシンプルで、焼きマシュマロとチョコレートをクラッカーで挟めば完成です。
もちろん焚き火料理も
焚き火は、火力の調整が難しく、炭火と比較すると料理の難易度は上がります。手軽にできるのは、食材をアルミホイルに包んで、焚き火の中に入れるホイル焼きや焼き芋などがおすすめです。
焚き火を火元にして、バーベキューなどをする場合は、ロストル(鉄製の調理網)を置き、鉄板で熱を広げるようにすると均一に熱を伝えられます。
焚き火調理のデメリットとしては、焚き火で直接食材を加熱すると煤が付くことです。鉄板を使用することで、食材に煤が付くのも防ぎながら調理できます。
焚き火を上手に楽しむ方法
1:薪を焼べる
焚き火は放っておくと燃え尽きてしまいます。しかし、燃え始めに太い薪を投入しても上手く燃えてくれません。火が安定するまでは、細薪6:中薪3:太薪1くらいの比率がベストです。
火力が安定してきたら少しずつ細薪を減らして、中・太薪を増やすようにしていきましょう。火力が弱まりそうであれば、薪を細目に割って投入するなど、微調整を繰り返してみてください。
2:空気を送り込む
火力に対して薪が太かったり、空気の通り道が塞がったりすると、不完全燃焼の状態になります。その場合、空気を送り込むようにしてください。酸素が届いた分だけ、火力を高められます。
しかし、その場にある酸素が尽きると火は小さくなってしまうため、火が上がった部分に細い薪を焼べるようにしてください。
3:消火を考える
焚き火を止める2時間前から逆算して、薪を焼べる量や太さを調整しましょう。風向きや焚き火の大きさにもよりますが、上手く燃やせると薪はほとんど残りません。
燃焼している途中で消火したい場合は、組んでいる薪を一本ずつバラして、空気に触れる面積を減らすようにすると火力が下がります。
後始末の手順も知ろう
必ず消火確認
重曹
火が消えたのを確認したら、しばらくそのままにしておきましょう。焚き火台はとても高温になっているため、グローブをして持ったとしても、火傷してしまう可能性があります。
また、急いで消火したい場合に備えて、家庭用の重曹を準備しておくと焚き火を中断可能です。火が上がっている部分に重曹を振りかけることで、二酸化炭素が発生して消火します。
火消し壺があると便利!
火消し壺
火が上がらなくなったところで、火消し壺に燃え残りを入れて蓋をすれば真空状態になり、強制的に消火されるため安心です。焚き火台と同じく、燃え残りを入れた直後は、容器が熱くなりますので時間には余裕を持って片付けるようにしてください。
灰捨て場がないフィールドだった場合、火消し壺に入れたまま持ち帰り、燃えるゴミとして処理しましょう。
灰捨ては決められた場所でやろう
灰捨て場があるフィールドの場合、指定されている場所に燃え残りを捨てましょう。このときは必ず他のゴミと分別してください。自分が完全に消火していたとしても、灰捨て場で燻っている炭などがあるかもしれません。万が一、引火すると火災の原因となります。
撤収のポイント
消火して、灰を捨てたら焚き火台を洗って収納しましょう。私の場合、焚き火台を水洗いせず乾いた布で拭き上げて、収納ケースにしまいます。水洗いする場合は、水分が残らないように完全に乾かしてから収納してください。濡れたまま収納すると、焚き火台が劣化する原因となります。
ギアを全部片付けて、自分の使用したサイト周辺の木屑や焚き火したときに弾けた薪の破片を掃除してからチェックアウトするようにしましょう。
失敗した焚き火から学んだこと
斧やシースナイフを手に入れる前に、「とりあえず焚き火に挑戦してみよう!」と下調べせずにキャンプ場へ訪れました。持っていたのは焚き火台と折りたたみナイフ。「少しでも薪を削れたら、そこから着火できるだろう」と考えていましたが、燃え始めるまでに時間を必要としました。
バーベキューのときは、木炭をトーチバーナーで炙るとあっという間に火起こしが済むことから、簡単にできると考えていたのが間違いです。今ならわかりますが、薪と炭では含まれている水分量が異なるため、細薪にして表面積を増やし、燃えやすくしなければ点火できません。
失敗から気がついたことは、薪の太さのコントロールさえできれば必ず着火できます。実際に、雨の中で焚き火をしましたが、薪は水浸しの状態。薪を細くして、着火剤に点火すればいつもより時間はかかりましたが、徐々に燃え広がり安定した火力で焚き火を楽しめました。
キャンプやアウトドアを趣味にするかわからない人にとって、斧は使い所が限られてしまいますので、購入するか迷ってしまいがちです。初心者におすすめしたいのは、2,000円台から購入できて、薪割り以外にも使い道があるコンパクトなシースナイフを選んでみてはいかがでしょうか?自宅でも使えますし、他のアウトドア趣味が気になったときでも転用できます。
ポイントを知って焚き火に挑戦してみよう!
焚き火に初めて挑戦する人にも、なるべくわかりやすく焚き火を楽しむためのやり方を前後編に分けて解説しました。私の場合、「とりあえずなんとかなるだろう!」と出かけましたが、なかなか上手く行かずに頭を抱えたものです。
焚き火は最初の点火さえできれば、関門を突破したといえます。そのために必要なのは、薪を細くするための斧かナイフです。斧やシースナイフをレンタルできるキャンプ場は私の経験上、見たことがありません。
そのため、初めて焚き火に挑戦する人は、リーズナブルに購入できるシースナイフを1本購入しておくとよいでしょう。他にも、焚き火を楽しむポイントを解説しましたので、チェックしてからキャンプ場へ出かけてみてはいかがでしょうか
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冬キャンプデビューに関する連載や、ギアの使用感をキャンパー目線で記事にしています。キャンプへお出かけ前にチェックしてみてください!
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