バイクを乗るには基礎知識があるほうがいい
バイクに乗るのであれば基礎知識を身に着けておくのがおすすめ。バイクはクルマと違って2輪で走る乗り物なため、4輪と比べて思い通りに動かすのが少し難しいです。バイクの構造を理解しておくことでより楽しく安全にバイクを楽しめるようになります。
基礎知識があることで思い通りに操作することに繋がりますので、バイクに初めて乗る前には基礎知識を学んでおきましょう。
スペック表を比較すればバイクの性能が理解できる
バイクを購入する動機として見た目やサウンドなど、知識がなくても購入する人は多くいます。しかし、購入した後で思っていたものと違うという人も少なくありません。その点、基礎知識を先に理解しておけば、スペック表を比較しただけでどういった走りが適しているか判断できるので、購入で失敗しづらくなります。
トルクと馬力の大きな違い
トルクと馬力は一緒だと思っている人が一定数いますが、全く別のものです。バイクに乗る人の中で「トルクが薄くて走りづらい」「出力があるからバイクの加速や最高速度がでる」などバイク界隈ではよく耳にします。
しかし、基礎知識がない人にとってはトルクや馬力がそもそもわからず、話が理解できないという人もいるでしょう。ここではバイクの初心者でも理解できるように、トルクと馬力の違いについて詳しく解説いたします。
トルクとはクランクシャフトを回す力
トルクとはクランクシャフトを回そうとするときにかかる力のことです。自転車でペダルを漕ぐ際に発生する力をイメージするとわかりやすいでしょう。トルクとは排気量が大きくなるほど大きくなり、気筒数によって最大トルクの値が変化します。
そのため、排気量が大きいと低い回転数でもクランクシャフトを回そうとする力が大きいため、「低速トルクが太くて走りやすい」と言われることが多いです。
トルクの単位
トルクの単位はN・m(ニュートンメートル)とkgf・mの2種類があります。kgf・mは以前日本で使われていた単位で、現在はN・mが主流です。スペック表に最大トルク〇〇N・m〇〇rpmと記載されていることがよくありますが、これは表示されたrpm(回転数)までエンジンを回すと最大のトルクを発生させられるという意味になります。
このスペック表の最大トルクを理解すれば、低速域や高速域での走り方をイメージしやすくなるでしょう。
馬力はバイクを移動するための力
一方、馬力はバイクを移動するための力のことです。馬力には定義があり、1馬力は75kgのものを1秒間に1m持ち上げる力とされています。馬力は出力やパワーのことをさしていて、馬力が高いと最高速度が上がりやすいです。
馬力を上げる方法としてはトルクを増やすか回転数を増やす方法しかありません。馬力を計算する際は、トルク×回転数をすると馬力の値を出せます。
馬力の単位
馬力の単位はkWとPSの2種類があります。kWは国際的に使用されている単位で、最近では日本国内でも使われている単位です。PSは国内で使用されていることがほとんどで、スペック表にはどちらも記載されていることもあります。
ほとんどのスペック表にはどのくらいの回転数までエンジンを回せば、最大の馬力が出せるかしっかりと明記されていますので、見る機会があれば確認してみるのもおもしろいですよ。
トルクや馬力が出しやすいエンジン形式は?
エンジンは一般的に3つの種類に分けられていて、トルクや馬力の出し方が異なります。エンジンの特性を理解しておくことで、適切な回転数でトルクを最大限に発揮することが可能です。トルクや馬力が出やすいエンジンを理解して、バイク選びの参考にしましょう。
エンジンの種類
- ロングストロークエンジン
- ショートストロークエンジン
- スクエアエンジン
ロングストロークエンジン
ロングストロークエンジンはコネクティングロッドとクランクシャフトとの軸に長さがあるので、低速トルクが出しやすいです。軸に長さを作ることで、てこの原理のようにトルクがかかりやすく、少ない回転数でも回す力を増やせます。
しかし、低回転でトルクが出しやすい分、高回転までエンジンを回すとパーツへの負荷が重く、とても危険です。そのため、ロングストロークエンジンはあまり高回転まで回らないようになっています。
ショートストロークエンジン
ショートストロークエンジンはコネクティングロッドとクランクシャフトとの長さが短いので、エンジンを回しやすく馬力が出やすいエンジンです。馬力が出やすいので最高速度を突き詰めているスポーツバイクやレース車両などによく使われているエンジンになっています。
ショートストロークエンジンは高回転で走るバイクなため、低回転でのトルクが細く、低速で走行しづらいのが難点です。
スクエアエンジン
ショートストロークとロングストロークの間に位置付けられているエンジンです。どちらのエンジン特性を持ち合わせていて、汎用性が高いのが魅力になっています。しかし、市販車で発売するにはあまりにもコストが悪く、整備性に欠けるのでレース車両で活躍していました。
現行で販売されているバイクの車両ではスクエアエンジンは使われておらず、クルマでも限られた車種でしか使われていません。
トルクや馬力を上げるための方法は?
トルクや馬力はパーツの交換や設定の変更などで向上できます。乗っているバイクをパワーアップさせたいという人が多く、カスタムパーツも豊富です。パーツの交換や設定の変更をしただけでも、体感や数値的にも出力が向上します。
トルクや馬力を上げる方法は大きく分けて3つあるので、バイクの性能を最高速度を上げたい方は実践してみましょう。
トルクや馬力を上げる方法
- マフラーの交換
- チェーンやスプロケットの交換
- 排気系のパーツ交換
マフラーの交換
マフラーを交換することで排気効率が向上し、トルクや馬力が多少上がります。取り込んだ空気が純正マフラーよりも多く排出できるので出力は上がりますが、過度に上がることはありません。
マフラーを交換すれば車体を軽量化できたり、ふけ上りがよくなったりするメリットがあります。しかし、マフラーを交換する際は、触媒ごと交換できる古エキゾーストマフラーでないと意味がないので注意しましょう。
チェーンやスプロケットの変更
バイクのチェーンやスプロケットを変更するとトルクや馬力が向上します。タイヤを動かすためのスプロケットにはいくつかの歯があり、歯数を調節すると加速や最高速を上げる事が可能です。
さらに、スプロケットやチェーンはカラーバリエーションが豊富でバイクとの色を合わせられます。また、スプロケットやチェーンは使用するたびに汚れるので、定期的にメンテナンスを行うと性能が復活しますよ。
吸気系のパーツ交換
トルクや馬力を向上させるなら吸気系のパーツ交換も有効です。バイクのエンジンは空気とガソリンを混ぜ合わせ、燃焼での爆発を利用して動いています。そのため、取り入れる空気の量を増やすことで大きな爆発を起こせて、トルクや馬力が向上する仕組みです。
バイクにはエアクリーナーという空気を吸い込むのに必要なフィルターが存在しており、エアクリーナーを社外品に交換する方法があります。
トルクを理解してバイクを楽しもう!
トルクと馬力の違いが理解できるとバイクに乗ることががさらに楽しくなります。トルクと馬力はバイクによってさまざまで、好みが人によって分かれるものです。
バイクの購入を検討をする際は、公式サイトなどでスペック表を参考にしてみると失敗しづらいですよ。また、スペック表と体感では思ったものと違うというギャップもあるので、購入する前に試乗するのもおすすめです。
バイクの基礎知識が気になる方はこちらの記事をチェック!
バイクの基礎知識を知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてください。バイクは理解すればするほど奥が深い乗り物で、クルマとは違う楽しみがあります。基礎知識が無くてもバイクには乗れますが、基礎知識を理解しておくことでバイクの楽しめる幅が広がりますよ。
バイクに長く乗っている人でも基礎知識がない人も多くいるので、改めて理解するためにも下の記事を参考にしてみてください。

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