大型バイクは維持費が高い?
オートバイ初心者が少し乗り慣れて楽しさが分かってくると、大型バイクに乗りたいと思うのは当然な流れです。しかし、心配なのは大型バイクになると維持費が高くなるのではないかという不安でしょう。そこで、大型バイクと中型バイクを比較しながらかかる維持費を紹介します。なお当記事は2020年2月10日時点での情報をもとに作成しています。
大型バイクとは400cc以上のオートバイ
一般的に道路交通法でいう400cc超の「大型自動二輪車」を大型バイクと呼びます。一方、道路運送車両法では250cc超を全て「二輪の小型自動車」と呼び、税金などはこちらに準拠しています。ですので、250cc超であればどんな大型バイクでも同じ金額です。
バイク所有者にかかる税金
90cc超のバイクに必要な重量税
90cc超のオートバイには重量税が必要で、250cc超のオートバイは車検時に次の車検までの税金をまとめて納める義務があります。250cc超は年間1,900円で、新車契約時に3年分5,700円、次の車検からは2年分3,800円です。
250cc以上は排気量が大きな大型バイクでも重量税は変わりません。年間の維持費の計算に重量税も計上しておきましょう。
重量税は登録13年過ぎると高くなる
大型バイクを含めた250cc超のオートバイの重量税は、登録後13年目からは年間2,300円、18年目以上は年間2,500円と高くなり、維持費が上がります。中古車購入の際には、登録後の経過年数を確認しましょう。
バイクに必要な軽自動車税
毎年4月1日にはオートバイの持ち主に軽自動車税が課税されます。4月に管轄自治体から納税通知書が送付され、一般的に5月末日が税金の納付期限です。
250cc超のオートバイの軽自動車税は毎年6,000円で、大型バイクであっても違いはありません。年間の維持費の計算には軽自動車税も計上しておきましょう。
他の排気量のバイクと必要な税金の比較
重量税と軽自動車税を一覧表にしましたので必要な維持費の参考にしてみてください。
排気量 | 自 動 車 重 量 税 | 軽自動車税 |
90cc以下 | 課税なし | 2,000円 |
90cc超~125cc | 新規登録時のみ必要 4,900円 |
2,400円 |
125cc超~250cc | 3,600円 | |
250cc超 | 登録~12年目まで 1,900円 / 年 | 6,000円 |
登録から13~17年 2,300円 / 年 | ||
登録から18年以上 2,500円 / 年 |
大型バイクにすると維持費上昇は約5,000円/年
登録12年目までの大型バイクに乗り換える場合の税金関係の年間維持費の上昇は、125ccからで5,500円、250ccからで4,300円です。250cc以上のオートバイからの乗り換えでは維持費に違いはありません。
必ず加入しなくてはならない自賠責保険
自賠責保険加入はオートバイ所有者の義務
オートバイの持ち主には、自賠責保険への加入が義務付けられています。新規購入時や車検時に加入・更新することが多いですが、保険会社や代理店などでも加入できます。
どこの保険会社でも、保険料・補償内容の違いはなく、250cc超であれば大型バイクであっても保険料は同額です。年間維持費の計算には自賠責保険料を含めておきましょう。
自賠責保険の長期加入で維持費の削減
自賠責保険は長期契約も可能です。250cc超では37ヶ月までの契約があり、契約期間が長くなるほど年換算の保険料は安くなり維持費の削減になります。一度に支払う金額は大きいですが、支払えるようであればおすすめの支払い方法です。
異なる排気量の自賠責保険料との比較
他の排気量の自賠責保険料を含めて一覧表にしましたので、必要な維持費の参考にしてみてください。
契約月数 | 250cc超 | 年換算 | 125cc超~250cc | 125cc以下 |
12 | 7,270円 | 7,270円 | 7,540円 | 7,070円 |
13 | 7,440円 | 6,868円 | ー | ー |
24 | 9,270円 | 4,635円 | 9,770円 | 8,850円 |
25 | 9,440円 | 4,531円 | ー | ー |
36 | 11,900円 | 3,967円 | 11,960円 | 10,590円 |
37 | 11,390円 | 3,694円 | ー | ー |
※250cc以下には48ヶ月・60ヶ月の契約もあります。
大型バイクに乗り換えてもあまり変わらない
大型バイクに乗り換える際の年換算の自賠責保険料は、125ccからであれば24ヶ月契約で210円、36ヶ月で437円の上昇、250ccからであればそれぞれ-250円と-20円と安くなる計算です。このようにバイクの乗り換えによる維持費の上昇はほとんどありません。
250cc超のバイクは車検が必要
新車は3年その後は2年ごとの車検
排気量251cc超のオートバイは、新車は3年それ以降は2年ごと車検を受ける必要があります。ディーラーや販売店などで行う方法と、自分で陸運局の運輸支局に持ち込むユーザ車検があります。車検の整備費用もバイクの維持費として見込んでおくといいでしょう。
車検は法定費用を除くと15,000~45,000円
法定費用を除いた車検費用は業者に依頼すると、代行手数料・法定整備基本料金のみの15,000円程度から、整備や部品交換も含めた45,000円程度まで業者や整備内容によって違いがあります。業者からの請求額は重量税と自賠責保険料をプラスした金額になる場合が多いです。
ユーザ車検で維持費を節約
ユーザ車検は、重量税と自賠責保険料を含めて20,000円程度ででき、維持費の削減になります。しかし、車検の手続きや申請を自分で行わなければなりません。ユーザー車検を通すには、検査項目や必要な整備を知り、それを整備する技術も必要です。それらの知識と技術、そして時間があれば維持費を大きく節約できるでしょう。
加入がおすすめの任意保険
任意保険と自賠責保険の違い
任意保険と自賠責保険の大きな違いは、加入義務と補償範囲です。自賠責保険は加入義務がありますが、任意保険には加入義務はありません。しかし、任意保険は補償範囲が広く、万が一の保険として維持費は高くなりますが契約をおすすめします。
任意保険と自賠責保険の補償範囲の違い
自賠責は相手側の怪我や死亡時の保険で、オートバイや物・自分の怪我の補償はありません。補償額も十分とは言えず、超過分は自分で支払う必要があります。任意保険では自賠責を補完し、相手・自分・物など必要に応じて補償範囲を広げられます。また、示談交渉してもらえるのも大きなメリットでしょう。
大型バイクの任意保険料
保険料は対人・対物の補償額、自損事故の補償などで大きく変わる他、排気量や年齢などでも変わります。年間維持費は高額になりますが、特に大型バイクに乗る方は加入しておいた方がいいでしょう。
大型バイクで対人対物無制限で、50,000~100,000円程度の保険への加入が多いようです。等級が上がれば保険料が安くなり維持費を抑えられますので、安全運転に心掛けましょう。
維持費が大きく変わる各種整備
維持費が上がる原因になる工賃
一般的に排気量が大きくなるほど1時間当たりの工賃が高くなり、維持費が上がる原因となっています。400cc超の大型イクの工賃は125ccまでのオートバイの工賃の2倍だったりすることもあります。
必タイヤやオイルなどの消耗品の交換
消耗品の部品代も維持費が上がる原因です。バイクにはタイヤをはじめ多くの消耗品があります。特に大型バイクはタイヤやオイルなど、消耗が激しくなったり量が増えたりする部品もあり、維持費の上昇につながります。自分でできる交換は自分ですることで維持費を削減しましょう。
中型・大型バイクのタイヤ価格比較
ホンダのCBR250RRと大型バイクのCBR400R・CB1300の両輪タイヤをダンロップのSPORTMAX α-14シリーズに交換する場合のタイヤ価格を同じ店舗で調べてみました。
結果はBR250RRが約34,000円、CBR400Rが約40,000円、CB1300が約47,000円で、排気量が上がるとタイヤ価格も高くなりました。タイヤ以外のパーツも大型バイク用は高めで維持費が上がる原因になっています。
大型バイクは燃費が悪くガソリン代がかかる
大型バイクの燃費は悪くなるのが普通
大型バイクは一般的に燃費が悪くガソリン使用量が増えるために、維持費が上昇します。できるだけ燃費のいい大型バイクに乗ることが維持費の軽減になりますが、排気量・気筒数・走行の仕方によっても燃費は変わります。
年間の中型と大型バイクのガソリン代比較
カワサキの大型バイクを含めたZシリーズでガソリン代を比較してみました。燃費は実燃費に近いと言われるWMTCモード値、ガソリン代は5,000km走行した場合、ガソリン単価を160円/Lで維持費を計算しました。
排気量によるガソリン代の比較一覧
車種 | Z150PRO | Z250 | Z400 | Z650 | Z900 |
燃費 | 54.2㎞/L | 27.2㎞/L | 24.8㎞/L | 23.0㎞/L | 18.0㎞/L |
維持費 | 14,760円 | 29,412円 | 32、258円 | 34,783円 | 44,444円 |
維持費が抑えられる走り方をしましょう
もちろん車種により燃費が異なり、年間に使うガソリンの量は違います。また、実際の燃費は走り方によっても違います。大型バイクに乗り換えたら、より一層燃費のいい走り方に心掛け、維持費の軽減を図りましょう。
大型バイクで楽しいオートバイライフを
大型バイクには圧倒的なパワーがあり、高速道路での合流や追い越しも楽にできます。また、長距離や長時間の運転でも疲れにくく、快適なツーリングが楽しめるのも大型バイクの魅力です。
経済的にも精神的にも一番圧迫するのは交通事故です。事故を起こさない安全運転が維持費を安くする一番の近道になります。常に安全運転に心掛け、大型バイクで楽しいオートバイライフを過ごしましょう。
大型バイクへの乗り換えが気になる方はこちらをチェック!
「暮らしーの」では大型バイクを紹介する記事を多く掲載しています。大型バイクへの乗り換えを考えてみえる方のオートバイ選びに参考になる記事を紹介しますのでチェックしてみてください。
ツアラーバイクおすすめ12選!大型バイクの醍醐味を楽しめる人気車種をご紹介!
空力特性にすぐれたカウリングや積載性の高いケースが特徴的な大型ツアラーバイクが人気です。ツーリングに最適で走りも楽しめる人気のおすすめ大型ツ...
最新!大型バイクの人気ランキング10選!人気車種や売れ筋モデルから厳選紹介!
排気量が大きな大型バイクは憧れでもあります。これから大型バイクを購入する人にとっては高額な買い物となりますが、今回はおすすめの大型バイクの人...
初心者におすすめしたい大型バイク12選!初めての大型選びのポイントも解説!
初めての「大型バイク選び」は楽しいひと時です。昨今は、非常に多くのおすすめできる大型バイクが販売されているので、多様に楽しめることでしょう。...
出典:https://pixabay.com/ja/