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滋賀弁の意味や使い方一覧!へんた、ちょかってるって何?大阪弁との違いについても!

滋賀弁は滋賀県民の間で昔から使われている方言です。聞いてすぐに意味を理解できる方言もあれば、標準語とは全く異なる理解しがたい方言も存在します。本記事で取り上げるのはそんな滋賀弁の特徴や魅力です。方言の意味や使い方についてわかりやすく解説します。
2021年12月18日
iiyudana
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目次

滋賀旅行の前に方言をチェック!

Photo by Tamago Moffle

方言とは標準語といわれる言葉とは異なった形で、特定の地方や地域で話されている言葉のことです。旅行に出かけるとその先々でその土地ならではの方言に触れる機会があり、それも旅の楽しさにつながります。

旅行に出かける前にその地方や地域で話されている方言を少し学んでおくと、出会う人々との会話もきっと弾むに違いありません。今回は滋賀県の方言にスポットを当ててその魅力に迫ります。果たして現地ではどんな方言が使われているのでしょうか。

滋賀弁は正確には近江弁

滋賀県で話されている方言のことを「滋賀弁」と呼ぶ人もいますが、滋賀県がかつて近江の国と呼ばれていたため滋賀弁ではなく「近江弁」という呼び方が正確です。

彦根市や東近江市から成る湖東地域と、大津市北部や高島市から成る「湖西地域」、大津市中心部や甲賀市から成る「湖南地域」と、米原市や長浜市から成る「湖北地域」という琵琶湖を挟んだ4つの地域に分けることができ、それぞれの地域によって方言そのものやイントネーションなどが異なっています。

大阪弁とは特徴の異なる滋賀弁

滋賀弁は各地域が接する県の影響を受けながら生まれた言葉といわれています。滋賀県は近江の国の時代から多くの人々が行き交う交通の要所として栄えた場所であったため、訪れる人々によって外の文化や習慣が持ち込まれました。

しかし、大阪府は滋賀県に隣接していなかったため、大阪弁の影響を受けることはあまりありませんでした。例えば、滋賀弁では「大きい」ことを「いかい」などといいますが、この方言は大阪弁には見られない言葉の一つです。

滋賀弁の一覧表


滋賀弁には名詞や形容詞などさまざまな方言があります。こちらに滋賀弁のいくつかをピックアップして一覧表にまとめました。それぞれの方言の使い方も掲載しています。すべての方言を取り上げることはできませんがぜひ参考にしていただければ幸いです。

滋賀弁 意味 使い方
おせんどさん ご苦労様 「おせんどさんどしたなー、おーきに」(ご苦労様でした、ありがとう)
こらえて 勘弁して 「どーかこらえとくれ」(お願いだから勘弁して)
さっさる なさる、しなさる 「えろーきつい坂道やのに、おばあはさっさと上らさっさる」(かなりきつい坂道なのにおばあさんはすいすいと上りなさる)
すける 手助けする 「早う帰ってきて、台所仕事をすけとくない」(早く帰ってきて台所仕事を手伝ってください)
たい ちょうだい、ください 「美味いもん、わいにもたい」(美味しい物俺にもちょうだい)
だしかいな いいじゃないか 「だしかいな、もっとゆっくりしてかんせ」(まだいいじゃないですか、もっとゆっくりしてってください)
のーなる 無くなる 「わいの財布のーなった」(俺の財布が無くなった)
まとう 弁償する、つぐなう 「この皿を割ったもん、まとえよ!」(このお皿を割った人は弁償しろよ!)
かんば 漬物(特に大根) 「おばあが漬けやんしたかんばはしょーかろー」(おばあちゃんが漬けた大根の漬物はしょっぱいでしょう)
 
けでん がっかり 「のーなってもけでんしなはんな」(無くなってしまってもがっかりしないで)

地元で話されている滋賀弁をピックアップ!

ここからは滋賀県民の間で話されている滋賀県の方言をクローズアップしてみましょう。上記の一覧表にはない滋賀弁の中からセレクトしたのは全部で7つの方言です。標準語圏に住む人にとって意味がよくわからない方言もたくさん登場します。

それぞれの方言の標準語の意味や会話の中での使い方の例などについてわかりやすく解説しました。滋賀県を訪れる際にはぜひ本記事の内容をお役立てください。

滋賀弁①:へんた

標準語で「~しなかった」という意味の滋賀弁です。動詞の後の語尾につける否定の過去形の言葉で、標準語圏に住む人はすぐに意味がよくわからないに違いありません。例えば「忘れてて薬飲まへんた」といえば、うっかり忘れていて薬を飲むのを忘れていたという意味になりますね。

関西弁では同じ意味の場合「~へんかった」といういい方が一般的ですが、滋賀弁ではこの言葉を短縮形にしたような「へんた」という言葉を語尾につけて話します。

滋賀弁②:ちょかる

標準語で「調子に乗る」という意味の滋賀弁です。ちょかってる人とはお調子者のことで、「あんた、あまりちょけたらあかんよ」などと調子づき過ぎる人に注意を促すことがあります。

「ちょか」は軽率な人という意味も含まれているため「あんたはちょかすけ」といわれたなら注意が必要でしょう。面白いのは落ち着きのない人にもこの言葉が当てはまることで、その場合には「ちょかちょか」と2回言葉を繰り返します。

滋賀弁③:いぬ


標準語で「帰る」を意味する滋賀弁です。標準語では「いぬ」というとあのかわいい「犬」を連想してしまいますが、滋賀県では名詞ではなく全く別の動詞の意味を伝えています。

例えば「日が暮れてきたさかい、そろそろいのかー」といえば、これは夕方になってきて日が暮れてきたのでそろそろ帰ろうかという意味です。もちろん滋賀県でもかわいい動物の犬も「いぬ」といいますが、高めのイントネーションで話すことで意味を区別しています。

滋賀弁④:なんぞ

標準語で「おやつ」を意味する滋賀弁です。「なんど」などともいわれることがあり、子供たちがおやつをねだる際などに使っています。学校から帰ってきて「なんぞええもんないの?」などとお母さんに聞くと、「なんぞやったら冷蔵庫の中に入ってるで」などと返事が返ってくるでしょう。

この方言は「何ぞ」という言葉が変化したもので、「何かいいものない?」とおねだりする気持ちが表れています。家庭の中の何気ない会話です。

滋賀弁⑤:おっさん

標準語で「お坊さん」を意味する滋賀弁です。この方言も面白くて特徴的な滋賀弁の一つですね。標準語では「おっさん」というと中年のおじさんを思い浮かべるため、お坊さんのことをそう呼ぶのには抵抗を感じてしまいます。

しかし、この方言は「和尚様」という言葉から派生したもので決して失礼にはあたりません。忘れてならないのは滋賀県民がイントネーションの違いによって中年のおじさんとお坊さんを使い分けしていることです。

滋賀弁⑥:めいぼ

標準語で「麦粒腫」を意味する滋賀弁です。標準語圏に住む人は「めいぼ」と聞くと名前の一覧が載っている「名簿」を連想してしまうでしょう。滋賀弁では目にできる「ものもらい」のことを指してこの言葉を使っています。

大阪弁ではものもらいのことを「めばちこ」と表現するのが一般的で、近年では滋賀県民であっても若い世代を中心にめいぼよりもめばちこを使う人が多くなっているのが現状です。面白い方言として覚えておきましょう。
 

滋賀弁⑦:好きやねんわ


標準語で「好きです」を意味する滋賀弁です。恋愛の告白などの際に使われるロマンチックな言葉で、「好きやねんわ、私と付き合ってくれへん?」などと使います。好きなのでぜひ付き合ってほしいという意味を伝えていていることはいうまでもありません。

愛の告白にこの言葉を使う場合には女性から男性に対して使うのが一般的で、逆に男性から女性に告白する際には「好きやねんわ」ではなく「好きやで」といういい回しを使います。

滋賀弁について学ぼう!

ここまで滋賀県で話されている方言について解説してきましたがいかがでしたか?滋賀県民の間でも滋賀弁ではなく標準語を話す人が増えている現状があります。しかし、地域性を反映して生まれた温かみのある滋賀弁は外地から訪れる人にとって大変魅力的です。滋賀県にお出かけの際にはぜひ前もって地元で話されている方言をチェックしておきましょう。

滋賀弁以外の方言が気になる方はこちらもチェック!

滋賀弁以外の方言をもっと知りたいという方のためにこちらの記事を用意しました。岡山県の方言がまとめられた記事となっています。実際の日常生活の中での会話でどのように方言が使われているのかも説明されていて参考になるに違いありません。