ロシアンオリーブについて
オリーブとは異なるグミ科の植物
ロシアンオリーブはグミ科に属する植物で、地中海や小豆島が名産のオリーブの樹とは別物です。オリーブによく似た細長い葉っぱを持つことから、ロシアンオリーブと呼ばれています。
ロシアンオリーブは、寒さにも暑さにも強く、日本全国どこでも栽培することが出来ます。温暖な気候を好むオリーブとは対照的に、丈夫で初心者でも育てやすい植物です。
美しいシルエットとシルバーリーフが人気
ロシアンオリーブはスラリとしたシルエットが美しく、庭木としても人気があります。玄関前やお庭のシンボルツリーにすると非常に見映えがよく、エクステリアにおすすめです。また、銀色の細長い葉っぱはシルバーリーフと呼ばれ、まるで粉雪が舞ったような美しさが特徴で、観賞用の樹木としても親しまれています。
レモンイエローの甘い香りの花が咲く
ロシアンオリーブの樹は、春先になるとレモンイエローの小花を枝一面に咲かせます。ロシアンオリーブの花はちょっとスパイシーな甘い香りがするのも特徴で、かの楊貴妃が愛用していた香水の香料としても使用されていました。花は秋になると結実して小さな赤い実となり、シルバーリーフとのコントラストも見事です。
ロシアンオリーブの育て方のコツ
乾燥した気候や寒さに強い植物
ロシアンオリーブは乾燥した気候や耐寒性のある植物です。育て方のポイントは、過湿を避け、やや乾燥気味にすることでしょう。庭木として育てるなら水やりは雨水だけで十分です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から染み出るくらいたっぷりとあげて下さい。
基本的には日陰でも成長はしますが、樹形や花つきをよくするには日当たりのよい場所で育てる必要があります。肥料は少なめにし、様子をみて花つきが悪いようであればあげるようにして下さい。
成長のスピードが速く剪定が必要
ロシアンオリーブは生命力があり育てやすい植物ですが、成長のスピードが速く、毎年剪定が必要です。剪定しないとすぐに枝が混み合い、日当たりが悪くなってしまいます。
剪定時期は落葉期である冬がベストでしょう。生命力の強い植物なのでいつ枝を切っても枯れにくいですが、葉の落ちた時期であれば樹形を整えやすいからです。どこで剪定をしても脇芽が成長するので、自分好みの樹形にすることができます。
ロシアンオリーブの実はいつ収穫?
実は11月頃になったら収穫しよう
ロシアンオリーブの実は11月頃になったら収穫しましょう。春に咲いた花が咲き終わると結実し、枝いっぱいに小さな実がなります。始めは細長くすんだ色をしているので正直おいしそうにはみえませんが、秋になると徐々に黄色く色づき、形も丸く膨らんでくるでしょう。
そして秋が深まるころには成熟して深紅色になり、コロンとした可愛らしい果実になります。やや水気を含み、指で触ってみて弾力を感じるようになっていたら食べ頃です。
ロシアンオリーブの実の食べ方
ロシアンオリーブの実は生で食べると渋い
ロシアンオリーブの実は生で食べると味が渋くえぐみがあり、おいしくありません。グミ科の果実は食用にもなるので、生でも食べられないわけではないのですが、収穫したロシアンオリーブの実をそのまま食べるのはおすすめできません。ロシアンオリーブをおいしく食べるには、生ではなく調理をする必要があります。
おいしい食べ方はジャムがおすすめ!
ロシアンオリーブの実はジャムにして食べるのがおすすめです。生でそのまま食べると渋みが強いのですが、ジャムにすると渋みがなくなります。
ベリー系のジャムに似た風味となり、甘酸っぱくてとてもおいしいです。真っ赤な色が見た目も鮮やかで、お菓子のトッピングやヨーグルトに添えても見映えがします。
ロシアンオリーブジャムの作り方
実の中には種があるので、まずは種を取り除かなくてはなりません。水洗いしたロシアンオリーブの実をお湯で軽く湯がき、裏ごしをして種と実を分けます。裏ごしした実と、実の量に対して50~100%の砂糖、レモン汁を一緒に鍋に入れてください。
弱火から中火でことこと煮込み、時々かき混ぜながら灰汁が出てきたら取り除きます。しばらくしてジャムにとろみが出てきたら完成です。始めは水っぽいですが、冷めると固まってジャム状になります。
ジャムの瓶は使用前に煮沸消毒する
ジャムを入れる瓶は使用前に煮沸消毒して下さい。瓶に菌が付着していると、ジャムが腐敗しやすくなるからです。15分ほど熱湯で煮たら、乾いた布の上で乾燥させます。
煮沸消毒した瓶にジャムを入れたあとは脱気をしましょう。瓶の中から余分な空気を取り出すことで、長期保存できるようになるからです。ジャムを瓶に入れて軽く蓋を閉じたら、沸騰したお湯に入れ、弱火で煮ます。15分経ったら取り出し、蓋をしっかり閉めて逆さ向きで冷ませばOKです。
ロシアンオリーブの実は果実酒もおいしい
ロシアンオリーブの実は果実酒にしても楽しめます。ロシアンオリーブの実と、氷砂糖、ホワイトリカーを約3カ月ほど漬け込めば、おいしいリキュールの完成です。
種ごと漬け込むので、種を取り除くのが面倒な人にはこちらをおすすめします。ロシアンオリーブの赤い色が鮮やかで、夏に炭酸水と合わせてロシアンオリーブサワーにして飲むとおしゃれですね。
栄養抜群なロシアンオリーブの果実
アンチエイジング効果がある
実は、ロシアンオリーブの実は栄養価が抜群に高いスーパーフードなのです。ロシアンオリーブの実の成分には、果実の中では群を抜いてビタミンEが豊富に含まれています。
ビタミンEには抗酸化作用があり、動脈硬化やがん、老化の原因となると言われている活性酸素を除去する働きをしてくれるのです。また、血圧を下げたり、悪玉コレステロールを減少させる効果もあり、別名「若返りのビタミン」とも呼ばれています。
日焼け防止や美肌効果もある
さらにロシアンオリーブの実には、アントシアニンやβカロテン、リコピンなどが豊富に含まれています。これらの栄養素には、紫外線などの有害な光から体を保護したり、皮膚や粘膜の健康を維持したりするなど、美肌効果があると言われているのです。
特に、血流の改善や心筋梗塞、脳梗塞などの予防にもつながるリコピンは、トマトの数倍以上含まれており、ロシアンオリーブの実は栄養価の非常に高いスーパーフードと言えるでしょう。
収穫したロシアンオリーブの実を食べよう
ロシアンオリーブの樹には秋になると、真っ赤な宝石のような果実がたくさんなります。ぷちぷちした小さな実は生で食べると渋みがありますが、ジャムにして食べると甘酸っぱくてとてもおいしです。
ロシアンオリーブは枝を覆うシルバーリーフも美しく、丈夫で育て方も簡単なので庭木のシンボルツリーとしても楽しめます。お庭に植えたロシアンオリーブの樹から果実を収穫して、おいしい手作りジャムを作ってみましょう。
庭で収穫できる果樹についてはこちらもチェック!
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