ひめりんご(姫りんご)についてご紹介!
クリスマスシーズンになるとリースやツリーの飾りに人気のひめりんご。開花時期は甘い香りの花を咲かせ暖かい季節の到来を知らせてくれます。食用の品種は食べることも可能ですが、主にひめりんごは観賞用の果樹でガーデニング初心者でも簡単に育てることができます。
この記事では花も実も癒しの可愛さを誇るひめりんごについてご紹介しつつ、ガーデニングで楽しめるひめりんごの育て方を解説いたします。
ひめりんごの特徴とは
バラ科リンゴ属の落葉低木の果樹!
ひめりんごはバラ科ヒメリンゴ属の落葉低木の果樹で、学名はMalus prunifoliaと表記します。原産地は中央アジアや西アジア。日本でも北海道から九州まで全国で栽培されている果樹です。
別名「イヌリンゴ」とか「コリン」とも呼ばれるひめりんご。春に香りのよい白や薄いピンクの花を咲かせ、秋には食用のリンゴよりも小さな実を付けるので、その実も人気です。
ひめりんごの開花時期
ひめりんごは4月~5月、春に開花時期を迎えます。ひめりんごは白や薄いピンクの5枚の花びらを持ち、開花した花は心地よい甘い香りを放つのが特徴です。
開花時期に受粉したひめりんごは、秋に結実して小さな実がなります。品種によっては可食もできますが、そのまま食べるにはかたくてとても酸っぱいので、果樹酒やジャムなどして味わうのが一般的。お祭りの縁日などでよく見かけるりんご飴は可食できる品種の実で作った飴です。
食用となるひめりんごの品種とは
ひめりんごの食用品種は果実のリンゴの「ふじ」と「紅玉」から自然交雑された品種で、庭木や盆栽として楽しむひめりんごとは別もの。
ひめりんごの食用品種は皮に渋みがあり果肉がかたく、普通のリンゴのように美味しくありません。ジャムや飴などに加工すると、小さいながらも酸味があり濃厚で美味しく頂けます。
ひめりんごの果樹サイズは
果樹のサイズは30cm~10m
鉢植えや庭木に地植えして楽しまれるひめりんごの果樹の高さは、30cmから大きい種類では10mの高さになるものもあります。育て方に注意して上手に剪定を行えば、樹高を保ち育てることが可能です。
鉢植えのものは60cm~1mがおすすめ
鉢植えで楽しむに60cm~1mくらいに剪定しながら育てるとよいでしょう。庭木として地植えするものでも、実や花を目線で楽しむには1m~5mくらいに剪定して育てるのがおすすめ。
目隠し用にと地植えしても、ひめりんごは落葉なので冬には枝だけになってしまい目隠しの樹にはなりません。
食用のひめりんごの果樹の高さは?
ちなみに食用となる品種の果樹も鉢植えで栽培することができます。食用のひめりんごの種類でよく知られる「アルプスの乙女」。このひめりんごの果樹の高さは1mくらいです。
花の数だけ小さな実が付き、間引きながら2個にして、最終的には元気のよい実を1枝に1つ付けて収穫時期を待ちます。この品種は独自ではあまり高くならないので鉢植え可能です。
ひめりんごの結実の時期
春に咲いたひめりんごの花は、蟻や蜂などの虫によって受粉します。受粉が上手くいかないと実は大きくならず奇形になる可能性もあるため、花が咲いたら、花の中心の雌しべを筆などで撫でて人工授粉させるのもおすすめです。
10月頃に実が付く
実が付くのは10月前後。早ければ9月に実が付く場合もありますが10月が最盛期です。1つの枝の先に5個~6個の実が付きます。
2cm~3cmくらいの大きさになったら収穫時期。そのままテーブルに置いておくだけでも果物のかわいいオブジェになります。
ひめりんごの栽培の方法
接ぎ木苗から育てる
ひめりんごは接ぎ木苗を植え付けて育てるのが一般的な育て方です。3月になると園芸店やホームセンターにひめりんごの接ぎ木が出回りますので、それを購入して植え付けしましょう。
風通しと水はけのよい場所を好む
庭に地植えする場合は風通しと水はけのよい場所を選んで植え付けします。土壌の水はけをよくするために腐葉土を混ぜ込んでおくとよいでしょう。鉢で育てる場合は鉢の底には鉢底石を敷いてください。
用土は市販の果樹用培養土を利用すると便利です。鉢植えのものは真夏は日陰の風通しのよい涼しい場所に移動し管理しましょう。
育て方のコツは乾燥気味に!
日ごろの管理では水やりは控えめにし、乾燥気味に育てます。地植えのものは自然の降雨に任せておけば大丈夫。鉢植えのものは用土が乾いたら鉢の底から水が出るくらいたっぷりと水を施します。
ただし乾燥気味にとはいえ真夏は、地植えのものも鉢植えのものもほぼ毎日水やりは必要です。
肥料は開花時期と結実の時期に!
庭に地植えすときは予め土壌に腐葉土のほかに元肥となる有機肥料を施しておきましょう。鉢植えのために用意した市販の果樹用培養土にはすでに元肥が含まれているので、植え付け時に肥料の必要ありません。
植え付けた後は開花時期の4月~5月、また結実前の9月に固形の有機肥料を追肥します。
剪定は2月が適期!
剪定は樹が休眠期に入る2月が適期です。剪定の方法は、ひめりんごの花芽は肥沃な枝に付くので短い枝や栄養を蓄えた下の方の枝はそのままにして、上部の勢いのよい枝を剪定して樹形を整えます。
実はそのままにせず収穫する
10月を境に結実した実は少しだけそのまま楽しんだら収穫してしまいましょう。そうすると養分が蓄積されて翌年また実をたくさん付けます。
収穫した実をクリスマスのリースやツリーのオーナメントに使いたい場合は新聞紙に1個ずつくるんで、風通しのよい日の当たらない場所で管理します。
病害虫には注意が必要!
どんな植物を育てる時にも心配な点ですが、ひめりんごの育て方でも病害虫には注意が必要です。ひめりんごに付きやすいむしはアブラムシ、カイガラムシ、また実がなる頃はシンクイムシなどがひめりんごを攻撃してきます。
害虫は樹液を吸って果樹を弱らせる!
アブラムシは特に開花時期や実がなる時期に付き樹液を吸って樹や葉を弱らせます。ウイルス病の媒体ともなるので見つけたらすぐに駆除してください。カイガラムシも樹液を吸いその排泄物が病気を誘引。シンクイムシは実の中に入り実が育たなくなってしまいます。
予防の方法
病害虫の予防の方法ですが、まず害虫は見つけたらすぐに取り除くこと。観賞用のひめりんごであるなら市販の殺虫剤を使用するのがおすすめです。
また予め殺虫剤や殺菌剤を定期的に使用して予防するのもよい方法。葉や花や枝などが病気にかかってしまったら、病気にかかった花や葉を切除して殺菌剤を散布し拡大を防いでください。
おすすめの殺虫剤や殺菌剤について
市販されているおすすめの殺虫剤は、土の上にまき根や葉から薬剤の成分が吸収されてこれを食べた害虫を退治する「オルトラン」「マラソン剤」「スミチオン」などは家庭園芸でよく使用されているおすすめの殺虫剤です。
一方殺菌剤は炭ができるときの副産物で最近人気の「木酢液」や、葉に発生しやすい「うどんこ病」や、葉腐れを起こすモ二リア病対策にもなる「ベンレート」などが使いやすくおすすめの殺菌剤、使ってみてください。
可愛いひめりんご!育ててみませんか?
テーブルの上にちょこんと飾っておくだけでも可愛いひめりんごの実。クリスマスシーズンにはリース作りの大活躍してくれます。春には甘い香りが特徴の花を咲かせ、上手に受粉させると秋には可愛い実の収穫が楽しめます。
鉢植えでも楽しめるひめりんごの育て方は簡単。コツを覚えてひめりんごをガーデニングで楽しんでみませんか。
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出典:unsplash.com