幻の果実ポポーとは
ポポーの実態
皆さんは「ポポー」または「ポーポー」というフルーツを聞いたことはありますか?ポポーは北米を原産とする落葉樹で、果実はアケビのような楕円形をしています。春先に赤紫色の花弁を付け、秋の9〜10月の時期に実が収穫されます。しかし、現地のスーパーで見かけることはおろか、現地の人でさえ、そのフルーツの実態を知っている人は少ないです。また、日本では明治時代に伝わったとされていますが、現在ではあまり見ることなくなりました。
ポポーの魅力
ポポーの魅力はなんと言っても、その果実の味です。とても強烈な甘さで、バナナとマンゴーを合わせたような味わいとされています。そして、トロピカルな風味とあわせ、もう一つ驚きなのがカスタードのようなクリミーな舌触りの果肉です。現地では、“インディアンバナナ(Indiana banana)”、“りんごのカスタード(Custard apple)”や、“貧乏人のバナナ(Poor man's banana)”などと呼ばれています。
育て方は初心者でも簡単
南国のようなフルーツで一見育て方や栽培の方法が難しそうに感じますが、育て方は簡単で初心者の方でも果実を実らせる栽培ができる植物です。耐寒性があるため、寒さにも強く、また病害虫のトラブルも少ないため、育て方は初心者でも簡単にできるポイントがあります。また庭木として育てるにはとてもよい果樹木なので、ぜひポポーの育て方を熟知して幻のフルーツを栽培してみましょう。
ポポーを育てる前に
栽培環境を整える
栽培して育てる前に、初心者の方に限らず、育て方に注意する点がいくつかあるのです。ポポーの成長は鉢植えで1.5m前後の高さになり、地植えの場合ですと、5〜10mの高さにもなります。育て方を把握する前に栽培準備と同時に元気にしっかりと育てるのに必要な大きなスペースを選ぶことと、植木鉢を用意することです。
2種類以上の株または種を用意する
ポポーの育て方において株を2本用意することをおすすめします。ポポーは雄雌が同株1本の木に2つ存在する植物ですが、1株だけで受粉させる育て方では実ができにくいのです。また補足すると、果実を確実につけさせるのであれば、種類別の株を2種類以上用意するとさらによいでしょう。日本では現在16種類の品種が出回っていますが、2種類以上あることで実がさらにつきやすく収穫しやすくなります。
ポポーの実を収穫できる育て方重要項目8選
ポポーの実を収穫することにおいて、果樹栽培の初心者の方でも確実に実を収穫できるようになるためには必ず育て方を知ってから、把握することがよいです。それから、やっと栽培を始められます。育て方の工程で、種まきから収穫する、もしくは食べるまでの、この栽培期間は時間をかなり費やしてる分、失敗は大きな打撃になるのです。大きな打撃を受けないためにも、1つ1つの育て方の工程をしっかりと実行していくことが、初心者でも成功できる近道となります。
ポポーの育て方①用土
ポポーを育てる場所
ポポーの育て方で重要となるのが場所選びです。1日中温かい場所で、日光が当たる場所が最適となります。しかし、設置もしくは植栽する場所で、気を付けなければいけないのが強風です。強風によって、枝に損傷を与え、その枝はそのまま永久的に捻れて育ってしまいます。風が強い日には、鉢植えの場合でしたら家の中に入れ、地植えの場合でしたら、柵や他の周りの木で苗木をカバーすることが必要がです。
ポポーが好む用土
ポポーは水はけと保水性のある用土を用意することが最も大切で、肥沃で少々粘土質な用土を好みます。このような条件が揃っていれば、育て方も楽になり、用土を最前に作る必要はないです。鉢植えでの育て方は、市販の用土を使用するのであれば、赤玉土小粒7〜8:腐葉土3〜2の割合で配合して植えます。地植えでの育て方は、30㎝ほど土を掘ってから、腐葉土を3割ほど混ぜることです。
ポポーの育て方②種まき・苗植え
種まきをするまで
土壌と用土の準備が用意できたら種まきです。種まきをする前に、種は冬越しの経験をさせるために、一度冷蔵庫に入れ擬似体験させ、湿らした水苔や新聞紙を種に包んで密閉し冷蔵庫に入れます。カビなどが発生していないか定期的に確認しつつ、3ヶ月ほど冷やし続けることです。また、種をドライな状態にしてしまうと発芽率が20%以下に下がってしまうので気をつけてください。
種まきの場合
用意した用土に種まきをしますが、種まきの時期5〜7月がよく、発芽には25〜30℃前後の暖かさが必要条件です。その時期にあうように、十分に確認して冷蔵庫の保管・管理と種まきをしましょう。時期と温度が条件に揃うと早くて種まきの2週間後、遅くて3ヶ月後に発芽です。種まきをして育成用の小さな鉢植えで育てた際は、芽の高さが15㎝前後の高さになったら植え替えます。
苗植えの場合
苗での育て方は、11〜2月の寒い時期が最適です。鉢での育て方であれば、用土を用意した7号サイズの鉢に苗は1株となります。地植えの場合は、株同士の成長に十分なスペースを確保するために、4〜8mほどのスペースを空けて植栽することです。植える際は、根についた土を落とさず、太い根に傷つかないように植え付けます。
ポポー育て方③水やり・肥料
ポポーに適した水やりの仕方
鉢植えでは、表面の用土が白くなって、ドライな状態になり次第、十分になるまでたっぷりと水を与えます。また、最初の頃は水をかなり必要とするので、こまめにチェックした育て方が必要です。地植えの場合は、極端な夏の猛暑日などの日が連日続いて、土がカラカラな状態にならなければ、基本的に水やりの必要はありません。
ポポーに必要な肥料とは
鉢植え、地植え共に、4〜8月の2ヶ月ごとに1回骨粉入り油かすなどの有機質の肥料か速効性化成肥料を与えます。また鉢植え、地植えに植え替えをした際にも肥料は必要です。肥料を与える際は、樹木の根元から数センチ離れたところに、その樹木の周りに円形上に振りかけます。ポポーは肥料に少々手間がかかりますが、しっかりとしたフルーツの実をつけさせるには、しっかりとした施肥の育て方が必要不可欠です。
ポポーの育て方④植え替え
時期と目安
2〜3年に1度植え替えをする必要があります。ある程度大きくなったら樹木の大きさと鉢の大きさのバランスが合っているかどうか要チェックです。最適な時期は、苗植えと同様に11〜2月となります。葉が落ち始める時期がポポーにとって最もストレスのかからない時期です。育て方をよくするために、水やりの際に大きさも一緒に確認しましょう。
植え替えの必要性
植え替えは、樹木を元気に大きく育てることはもちろんですが、鉢の中の根詰まりを防止するためでもあります。根は常に呼吸しているので、密閉されないように植え替えをして通気をよくしましょう。また、根についた用土は落とさず、太い根に傷がつかないよう最善の注意を払って植え替えをしてください。
ポポーの育て方⑤剪定
剪定の時期
剪定の時期は、小さいうちとと大きいうちでは異なります。幼木は、夏の終わりの8、9月に、成木は冬の始まりの12、1月に剪定です。この時期でしたらポポーの育成に影響なく剪定ができます。剪定をしないと、樹高が高くなってしまい、アンバランスで不格好な形にもなってしまうので剪定は必ず行いましょう。
剪定の方法
剪定のベストな方法として枝が混み合った箇所を中心に切り落とします。しかし、剪定をする際は、花芽に特に気をつけることです。花芽は前年に伸びた枝の根元につけるので、伸びきってしまった枝を、枝先から約3分の1程度のところで切り落として、剪定していくことがポイントとなります。また、丸形の樹形に成長する変則主幹形の木なので、枝を3本に絞り剪定していくことが大事です。
ポポーの育て方⑥挿し木・接ぎ木・根挿し
挿し木で増やす前に
種まき、挿し木、根挿し、接ぎ木のいずれの方法で数を増やせます。しかし、挿し木での育て方は一般的には難しく、成功しないとは言い切れないですが、困難が伴うのです。最初の根が着くまでに非常に時間がかかり可能性も低いとされています。もし増やすのであれば挿し木以外の方法で行うことがおすすめです。それでも、挿し木の方法で増やすのであれば、ポイントを抑えて挑戦してみましょう。
挿し木で増やす育て方
挿し木の育て方は、まず梅雨ごろの時期の温度と湿度がよく温度が27℃で湿度が75%の温室で育てることが最適な条件となります。また、発根するにも照明も必要になり、挿し木用の温室を用意して照明機材もセットすることです。冬に挿し木をする場合はヒーターも必要になるので、最初は避けるべき点となります。挿し木はなるべく梅雨入りを目安に行ってください。
接ぎ木で増や育て方
挿し木の育て方よりも一般的な方法が接ぎ木の育て方です。接ぎ木での育て方も多少の技術が必要になりますが、挿し木の育て方よりも芽が出ます。時期は3月、4月か、葉をつけるための枝伸びする8月が目安です。2年ほど経った台木から接ぎ木ができるので、早くから増やすことができます。ぜひポポーの実がたくさん収穫できるよう試してみましょう。
ポポーの育て方⑦受粉
ポポーの開花と受粉
開花時期は5月になり、赤紫色の花を咲かせるのが特徴です。花の香りは強く、釣鐘状に花を大きく咲かせます。花は1つの花の中で、雌しべと雄しべがある両性花です。雌しべが先に熟して受精機能を失うころに雄しべが熟して花粉が出てくるという特性を持っています。そのため1種類だけでの受粉は非常に受粉しにくく、実がならない場合あるので栽培が難しいです。
人工受粉させる前に
先ほどから述べているように、ポポーの栽培は、1種類だけでの育て方では実がならない可能があります。複数の種類のポポーを用意しないと受粉の成功率は低いです。2種類の株を植える育て方か、1種類の1株に2種類目の株を接ぎ木をした育て方で受粉させることが必要となります。また、実がならないと育てた甲斐がないので受粉を確実に成功できるように人工受粉を行うことがおすすめです。
ポポーを人工受粉させる
自然に受粉はできますが、美味しい果実を収穫するためにも、人工受粉をおすすめします。ポポーが開花して3〜5日ほど、雌しべの受粉機能がなくなり、次に雄しべの花粉が出てくるのです。それを採取し、雄しべが咲いた後に雌しべに受粉させます。受粉をする際は綿棒やハケなどを使って傷つけないようにしましょう。また、花粉は新聞紙に包んで冷蔵庫に保管も可能です。
ポポーの育て方⑧収穫
収穫の準備
種類によって違いますが、比較的ポポーの収穫時期は9〜10月になるので、その時期にあわした、育て方と収穫の準備をします。受粉が成功したポポーは実が集合してできますが、数あるうちに、実が元気なものを選別することが上手な摘果です。美味しいフルーツが収穫できるように、1本の枝に実が1〜2個ほどになるぐらい数を減らします。このような育て方で、果実の甘みや栄養が枝分かれせずに、上質な果実が栽培可能です。
ポポーを収穫する
いよいよ収穫の時期になったら、ポポーは熟すと自然落下します。自然に落下するのを待つか、果実がよい色づきをして、やわらかくなったものを園芸用のハサミを使って収穫が可能です。ポポーは緑色の果実が柔らかく始め追熟すると、黄色に変化し、最終的には黒く変色していきます。多少の黒さでも、問題はないので安心して食べることが可能です。
ポポーの食べ方・保存方法
育て方は簡単ですが、種まきから収穫まで、果樹栽培は時間がかかることでしょう。そのためにも、時間がかかった分だけ、少しでも長く保たせ、美味しく食べ続けられるよう、食べ方と保存のポイント抑えていきます。種には消化不良を起こす化学成分が含まれているので、食べないように気をつけてください。
ポポーの食べ方
ポポーの美味しい食べ方は、収穫したあとに、2〜3日追熟させて食べることがポイントです。ポポーは黄色くなると熟し始めている証拠なので、そのときが食べ頃になります。香りは強くて独特で、触った際に少し弾力があるものがよいです。また、外の皮に黒い斑点模様がありますが、特に中身とは関係ないので気にする必要はありません。食べ方は実を縦半分に切って、真ん中に種が1列になって並んでいるので、種を取り除き、スプーンで掻き取ります。
ポポーの保存方法
ポポーの保存性は悪いのですが、追熟したものは、密閉袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に入れることをで5日弱はもちます。しかし、香りがまだ弱く食べ頃ではないポポーでしたら、新聞紙に一つ一つ包んで、密閉袋に入れ、冷暗所に置いとくとよいでしょう。追熟もゆっくりとし始めるので、より長く保存ができます。
ポポーの食べ方と保存の工夫
食べ方を一手間加えると、保存方法を変えることが可能です。取り出した果肉をボールに入れ、ブレンダーで、またはフードプロフェッサーに入れて、ピューレ状にします。特に調味料加えることなく混ぜますが、ピューレ状にした後は、密閉袋に入れて保存もでき、そのままジャムやシャーベット、プリンなどのスイーツに料理できます。
初心者でも幻の実は収穫できる
育て方は自分次第
ポポーの育て方を紹介しましたが、ポポーは他の果樹木と比べると、非常に育て方が簡単で、栽培方法も楽な植物に分類されます。用土などの準備も手のこったことはせずに、肥料を与えケアした育て方さえすれば、元気なポポーの実が収穫可能です。上記で解説した準備と育て方をしっかりと抑えていれば、初心者に限らず、誰でもポポーは育てられます。ぜひポポーの育てて幻の果実を食べてみましょう。
他のフルーツの育て方を知りたい方
ポポーだけではなく、他のフルーツの育て方や栽培方法、収穫について知りたい方は下記のリンク記事を読んでみてください。
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