キャンプするならベーコンの燻製!
キャンプに行くと、多くの人が火を起こすでしょう。バーベキューやキャンプ飯、カップラーメンのお湯など用途はさまざまですが「火を囲む」というのはキャンプの醍醐味でもあります。ゆったりとした時間が流れるキャンプシーンにおいて人気なのが「自家製ベーコンの燻製」です。
大きな塊肉がじっくりと燻製されてベーコンに変わっていくキャンプ時間は贅沢そのもの。初心者でも時間をかければおいしくできます。
燻製とは
燻製とは食品から水分を抜き、煙で微生物を殺菌し長期保存を可能にする調理方法の一つです。燻製の歴史は古く、それをたどるだけでも人々がいかに食品を長く保存させるに苦心してきたががわかるでしょう。
冷蔵庫や冷凍庫、輸送技術が発達した現在は保存が第一目的の燻製は少なくなってきたかもしれませんが、燻製食品特有の美味しさは今も多くの人を魅了しています。
キャンプで自家製ベーコンなら「温燻」
キャンプで自家製ベーコンの燻製に挑戦するなら、温燻または熱燻がおすすめ。温燻は30~80℃で火を通していきます。熱燻は高い温度帯で80~120℃です。
キャンプで自家製ベーコンを作る場合、温度調整がネックとなりやすいでしょう。熱燻は炭火を使うため焦げることも。温燻は時間はかかりますが焦げにくく火の調整も簡単です。そのためキャンプ・燻製初心者は温燻がとくにおすすめでしょう。
キャンプの燻製器が気になる方はこちらも
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キャンプでベーコン作りするにはまず塩漬け
では、キャンプで自家製ベーコンを美味しく作るレシピを順を追って説明していきましょう。ベーコン作りはキャンプに出発する前の家での下ごしらえが重要です。
家で下ごしらえした豚肉をキャンプに持っていき、キャンプサイトで燻製するといったイメージを持つとよいでしょう。
塩漬けの意味と目的
塩はどんな調理でも重要な存在です。こと食品の保存に関しては頻繁に登場する調味料といえますね。漬物や味噌にも塩は必要です。塩を食品に染み渡らせることで食品から余分な水分が抜け、微生物の活性が抑えられます。また、肉のなかに存在する微生物を殺菌する働きも同時に担っているでしょう。
ベーコンの塩漬けに必要な材料・レシピ
豚バラブロック2kgを使った自家製ベーコンの作り方を紹介します。肉に塩が入るようにフォークで穴をあちこち開けましょう。そこへ肉の重量に対して2~3%の塩を刷り込みます。初心者で多いミスが塩分濃度です。肉の重さに対し十分な塩を用意しいましょう。
本格的なベーコンのレシピでは10%ほどになることも。全体に塩を刷り込んだらキッチンペーパーとラップで包み、密閉保存バッグにいれて冷蔵庫で1週間ほど寝かせます。
ベーコンの作り方のポイント!
塩漬けにして熟成させると、浸透圧の違いによって肉から水分がどんどん染み出てきます。それを吸い取るのがキッチンペーパー。そのため、キッチンペーパーはこまめに取り換えるのが衛生的にも味の仕上がり的にもおすすめ。ベーコンから出てくる水分量が減ってきたら頻度を減らしてもよいでしょう。
1週間も寝かせないとダメ?
本格的な味わいや本物のベーコンのような長期保存可能な食品を目指すなら1週間寝かしたいところですが、キャンプ先で作ったらすぐみんなで食べてしまうのであれば1週間も寝かせなくても構いませんが3~4日は熟成させたいところ。塩分が少ないと熟成途中で腐ってしまうので注意が必要です。また、キャンプ先で大量に作って持ち帰るなら塩分はしっかり利かせておきましょう。
ソミュール液で時短の塩漬け方法・レシピ
塩漬けよりもはやく水分を抜いて味を全体に行きわたらせたいならソミュール液もおすすめです。ソミュール液とは高塩分の調味液で、そこへ砂糖やスパイス、ハーブなどを加えたもの。肉全体に味が早く行きわたるためソミュール液につけて冷蔵庫で寝かせれば1~2日で味が付きます。
おすすめソミュール液レシピ
水:500mL
マジックソルト:20g
粗塩:30g〜40g
砂糖:30g
ローリエ:1枚
クローブ:少々
ウイスキー:25g
このおすすめレシピで塩分濃度は12%です。上記の材料を鍋で煮て溶かし、冷えたところへ生肉を入れて冷蔵庫で寝かせます。
ソミュール液の塩の量が足りないと熟成途中で肉が腐るリスクがあるため塩分調節は重要です。味を早く行きわたらせたいとき、長期保存を考えていない場合はソミュール液が時短で簡単でしょう。
詳しいレシピや作り方はcookpadをチェック!
ソミュール液の作り方をマスターしておけば自家製ベーコン以外にもニジマスの燻製作りなどにも応用可能です。塩とハーブ、スパイスの香りづけが簡単にできるようになります。詳しい燻製用ソミュール液の作り方はクックパッドをご参考ください。
キャンプのベーコン作りも塩抜き・乾燥必須
肉の塊に十分に塩が行きわたり、余分な水分が出てきたら次は塩抜きの工程に移ります。塩漬けやソミュール液の塩分濃度では人には塩辛くて食べられないためおいしいベーコンと感じる塩分濃度にまで塩抜きをしましょう。塩抜きが終われば燻製に備えて肉をしっかりと乾燥させます。
塩抜きの意味と目的
塩分が食品全体にいきわたり、高塩度になると食品中の微生物を減らし、それ以上増えないようにコントロールできます。しかし、そのままでは人も食べられないため流水に1~2時間肉をさらして塩分を排出させる必要があり、それが塩抜きと呼ばれる工程です。
当然、水にさらしすぎると味が薄くなるので1時間したら肉を小さく切ってフライパンで焼き、ベーコンの塩加減をチェックするのが初心者でも簡単にできる調理のコツでしょう。
乾燥の意味と目的
塩分調整が済んだらすぐに燻製を作りたくなりますが、その1つ前の重要な工程が「乾燥」です。ここをしっかり行わないと臭いや酸味が気になる自家製ベーコンとなってしまうでしょう。乾燥をしっかりすることでベーコンの味がさらに濃縮され、温燻中の火の通りも均一になります。
乾燥の方法と目安時間
小さなベーコンであれば、キッチンペーパーに包んで風通しのよい場所で1時間~半日乾燥させます。
初心者でもわかりやすい乾燥の目安は手で表面を触っても水分を感じない程度です。乾燥をしっかりしておくことで結果的に燻製にかかる時間の節約につながります。
キャンプでベーコンを燻製するなら乾燥工程から
キャンプでベーコンを燻製するなら、塩漬け、塩抜きは家で行っていくのがおすすめです。塩抜きが完了した肉をキッチンペーパーに包んでキャンプベースまで持っていき、設営や火起こししている間に乾燥させるとスムーズでしょう。
キャンプ先で塩漬けした肉を乾燥させるときも、肉が腐らないように直射日光を避けた風通しのいい日陰を選びます。キャンプ先では虫などが気になりますが、食品乾燥用のネットを使うと簡単ですよ。
いざ燻製!キャンプでベーコンを仕上げよう
ここまで1つずつ工程を進んできたらあとはいよいよ燻製を残すのみです。順番に工程を踏んで燻製までたどりついた喜びはひとしおでしょう。材料・道具はひとつ前の工程で塩抜きし、乾燥させたブロック肉、燻製器です。燻製器に用いるものは温燻ならスモークウッド、熱燻ならスモークチップと炭火を用意しましょう。
燻製の意味と目的
燻製の意味は肉に火を通すこと、残っている水分を抜くこと、表面を煙でいぶして殺菌することの大きく3つです。キャンプで自家製ベーコンを作る場合はその日のうちに食べきってしまうことが多いでしょう。そういった場合は、食中毒を起こさないために中まで火がとっているかをしっかり確認するのが重要です。
長期保存を考えている場合は水分がしっかり抜けてベーコンの表面が煙で十分にコーティングされているかも重要になります。
燻製温度と時間の目安
温燻なら3~5時間が目安です。燻製器の下に火をつけたスモークウッドを置いてじっくり加熱していきます。
ウッドチップと炭火を下に置いた熱燻なら2時間が加熱目安。豚肉は中心温度が63℃で30分以上、または75℃で1分以上の加熱が必要です。時折温度を確認しながら60℃以上をキープしましょう。冷蔵庫などがないキャンプサイトでは、切り分けたベーコンを軽くソテーしてから食べるとより安心です。
豚の食肉を、調理等を行い直接消費者に販売する場合は、豚の食肉の中心部の温度を 63℃で 30 分間以上加熱するか、これと同等以上の殺菌効果がある方法で加熱殺菌しなければならないこと。
スモークウッドの使い方が気なる方はこちらも
スモークウッドは固形のブロックでスモークチップとは違い、線香のように長く煙を出すので、ベーコンのように大きな食品を焦がさず火を通せます。
食材や燻製方法に合わせてスモークチップと使い分けるのが自家製燻製成功のコツでしょう。キャンプでのベーコン作りに活躍するスモークウッドの簡単な使い方について解説した記事は以下からどうぞ。
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キャンプで自家製ベーコン作りの時間を楽しもう
燻製の力で飴色にかがやく自家製ベーコンのおいしさは最高なものでしょう。塩漬けや塩抜き、乾燥の工程に時間はかかりますが、作り方や材料自体はとてもシンプルです。ひとつひとつのベーコン作りの工程を楽しみながら進めていきましょう。
また、自家製ベーコンを作りにあたり、気を付けたのが食中毒です。生肉を触った手はこまめに洗い、ほかの食品や直接口にする調理器具を触らないように注意しましょう。
キャンプでOKな燻製方法が気になる方はこちらも
キャンプでいきなりベーコン作りはハードルが高いと感じる人には、キャンプ・燻製初心者でも作り方が簡単な燻製卵がおすすめですよ。
燻製作りになれてくるとよりキャンプ時間を楽しく演出してくれるでしょう。燻製に合う食材探しも楽しめます。キャンプで簡単に作れる燻製におすすめな食材やレシピについて紹介した記事もあわせてご覧ください。
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