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土の中に潜む線虫(センチュウ)に注意!効果的な駆除方法、被害を防ぐ方法を紹介!

センチュウ(線虫)は極めて小さく肉眼ではなかなか見つけられないので駆除が難しく、植物などの養分をとってしまい大変な被害を及ぼします。あらゆる土壌中に潜んでいるセンチュウの生態と効果的な駆除方法、および未然に被害を防ぐ方法をご紹介します。
2021年11月25日
Meigen Oka
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目次

センチュウ(線虫)とは

線形動物門に分類上属しているセンチュウは昆虫類に次いで種類が多く、世界中で50万種を超えると推定されています。地球上のあらゆる土壌のなかや水中にも生息しているといわれている驚きの生物です。

センチュウには土壌改良にも役立つ「自活性センチュウ」と植物に寄生して害を与える「植物寄生性センチュウ」とがあります。植物寄生性センチュウは難防除害虫と呼ばれ、植物(主に野菜類)に寄生し養分を吸汁して生息し、畑の農作物などに多大な被害をもたらす問題害虫です。

センチュウが寄生する要因

センチュウが生息できる条件は土中温度が10℃以上で、15℃以上で卵が孵化します。活動が活発化するのは従って3~10月が発生時期となります。土中には数多くのセンチュウが潜んでいますが、なかでもごく限られた種類のみが害を及ぼすのです。

施設栽培や特産地化によって農作物を連作することが連作障害を引き起こす原因ですが、センチュウが寄生する要因ともなっています。また、センチュウが潜む苗や種芋などの市場流通による伝播でも被害が広がる原因です。

センチュウの種類

センチュウの種類としては、あまりにも多く現在確認されているもので2万種といわれます。植物だけでなく動物にも寄生するセンチュウ類もいて、回虫や蟯虫(ぎょうちゅう)もその仲間です。

駆除は難しく農業作物などに被害を及ぼすセンチュウには“植物寄生性センチュウ”に分類されていて、植物などに寄生して養分を吸汁して弱らせてしまいます。野菜などへの大きな被害を与える種類をご紹介しましょう。

シストセンチュウ


被嚢線虫(ヒノウセンチュウ)と呼ばれ、100種ほどが確認されていますが、1mm弱で球形をした雌成虫が死ぬと白から褐色に体色が変わり、多くの卵が入った極小さい袋になるのが“シスト”と呼ばれます。

日本で知られているものに、ジャガイモに寄生して枯らしてしまう「ジャガイモシストセンチュウ」や大豆に寄生する「ダイズシストセンチュウ」があり、駆除も難しく増殖力も強く10年ほども土中に潜んでいます。

ネコブセンチュウ

元気がない野菜を掘り上げて根を見ると小さいコブ状のものがたくさん付いていたりすると「ネコブセンチュウ」による被害です。サツマイモや大根の細根にも寄生が見られます。

分泌物で寄生した根の部分をコブの様に肥大させて養分を吸い取り弱らせます。ただし、病害の「根こぶ病」や「根りゅう菌」でも似たような症状が起こります。

ネグサレセンチュウ

ネグサレセンチュウは1mmに満たない微小な体長で見つけにくく駆除も難しいので、野菜などの根の内部にまで入り込み寄生した部位を腐らせて変色させてしまう種類です。約20種が全国で確認されています。

冷涼な地域に多く見られ大根、人参などに被害が多い「キタネグサレセンチュウ」と、温暖な気候地域で芋類に被害がある「ミナミネグサレセンチュウ」が多く見られ、被害も発生しています。

センチュウ被害の対策

センチュウの駆除方法


センチュウを駆除するには一般的に農薬を使用するのが効果的ですが、センチュウは土中を移動することと深い所に潜んでいると農薬が届かず駆除は難しいのと同時に、人体にも有害となる物質も含んでいますので注意が必要です。

駆除対策として畑の土を掘り返して太陽の熱で消毒し駆除することも可能です。農薬の使用以外の家庭菜園などでの駆除方法を挙げてみました。

太陽光で消毒して駆除

家庭菜園などでプランターを利用している場合は、ブルーシートの上に土を広げて太陽光に1日中たっぷりと当ててセンチュウを駆除します。

米ぬかを使って駆除

玄米を精米する時にできる“米ぬか”を土に混ぜ込んでセンチュウ駆除ができます。米ぬかを土とよく混ぜ込むと発行して乳酸菌が生まれ、その乳酸菌を好む土壌改良に有益な自活性センチュウが増えます。

自活性センチュウの老廃物がアンモニアに変化するので、アンモニアに対して耐性がない植物寄生性センチュウは死滅してしまい駆除できます。

石灰窒素を使って駆除

石灰窒素は畑の土に混ぜ込むとシアナミドという物質になり殺虫殺菌効果が生まれセンチュウを駆除できます。シアナミドはその後無害化してチッソに変化して、窒素肥料として有益になるのです。

使用する時は、1㎡につき約100gの石灰窒素を畑に撒いて、よく耕して1ヶ月ほどそのまま放置しておきます。

センチュウの防除方法

センチュウの寄生を防除するには連作をしないことと土壌を消毒するのが早道ですが、家庭菜園などでは他の植物にも影響を与えかねないのと手間もかかるので不向きです。


コンパニオンプランツの利用

コンパニオンプランツとは、共栄作物とか共存作物とも呼ばれ、育てる野菜のそばに一緒に植えるだけで病害虫から防ぐよい影響を与える植物をいいます。マリーゴールドはよく知られたコンパニオンプランツです。

マリーゴールドは害虫を寄せ付けない匂いを発することと、根からはセンチュウなど土壌害虫を駆除させる成分を分泌させるので効果が期待できます。

まとめ

センチュウは長い年数土中に潜んで増殖し野菜などの作物に悪影響を及ぼします。立ち枯れていたり、萎れていたりする症状は病害とも似ていますが、センチュウに害されていることが多い場合があります。しっかりと対策をして駆除をしましょう。

野菜の害虫について詳しく知りたい方はこちらもチェック!

せっかく作った家庭菜園の野菜につく害虫にはこまったものですね。「暮らし~の」のwebマガジンでも害虫からの被害を防ぐ駆除や防除対策などの記事も紹介されていますのでご覧になってください。