STゼンターリ顆粒水和剤
アオムシの被害は侮れない
家庭菜園などをしていると野菜の葉の上にアオムシが動いているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。小さな幼虫がもぐもぐと葉を食べ、蝶に変わるさまは絵本の世界のようでもありますが、現実世界では駆除しないで放置していると野菜の収穫量に多大な影響を与える存在でもあります。
アオムシとは
アオムシとはチョウやガの幼虫のうち、とげとげした毛で覆われておらず体が緑色をしている種類の総称です。そのためアオムシの種類は多岐にわたります。しかし、野菜栽培などの園芸業界において一般的に、アオムシの種類というとモンシロチョウの幼虫を指すことが多いでしょう。
大量発生する時期
モンシロチョウの幼虫であるアオムシが大量発生する時期は大きく年に2回です。モンシロチョウが卵を産み付ける時期は真夏を避けた春と秋のため、卵から孵化してアオムシの活動が活発になる5~6月頃、9月頃に被害が大きくなってきます。
野菜に与える被害
アオムシが混んで食べる野菜はハクサイ、キャベツ、カブなどアブラナ科の葉です。小さな穴だからと見逃していると食害被害はあっという間に広がり、人間が収穫する部分はほとんど食い尽くされてしまうことも。また、葉を食べない野菜であったとしても光合成に葉は必要なため、その葉を食害されてしまうとその後の成長に影響をきたします。
いびつな野菜の原因にも
ハクサイなどは先端に生長点を持ちます。この生長点をアオムシに食害されてしまうとうまく結球しなかったり、本来1株で1つのハクサイがなるところに小さなハクサイが3玉ほどついたりといびつな野菜になることも。葉の1枚や2枚と目をつぶっていると大きな被害に広がってしまうのがこの害虫の厄介なところです。
アオムシの駆除方法【初期段階】
アオムシの被害を押さえ、効率的に駆除するには生態に応じた対策を取ることが必要です。初期段階は「モンシロチョウが訪れ産卵~孵化」までとし、その時期に取るべき効果的な予防対策・駆除方法をご紹介します。
駆除方法①モンシロチョウなどを寄せ付けない
初期段階でもっとも効果的な予防対策は「防虫ネット」の使用でしょう。苗を植えるのと同時に畝やプランターに防虫ネットをかぶせます。
これだけで葉に卵を産み付けに来たモンシロチョウは物理的に不可能となり、そもそもの原因である卵が産み付けられません。卵がなければ当然アオムシは生まれず、被害は最小限に予防できるでしょう。防虫ネットを張る作業は手間ではありますがのちのちの駆除が不要になり結果的に楽になります。
木酢液も有効
木材や竹を燃やして発生した煙から作られるのが木酢液です。独特な香りがあり、これを虫は嫌うといわれています。そのため、虫を野菜に寄せ付けない効果が期待できるでしょう。
苗の植え付けとともに葉に木酢液を散布しておくとモンシロチョウが寄り付きにくくなり予防・駆除効果が高まります。卵を産み付けるのは葉の裏側なのでそちらに重点的に散布するのがよいでしょう。天然成分のため農薬でありません。
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駆除方法②葉の裏に卵がないかチェック
モンシロチョウは葉の裏に卵を産み付ける生態をもちます。そのため、モンシロチョウの産卵時期は定期的に葉の裏側をチェックしましょう。数ミリのトウモロコシのような黄色い粒があれば要注意。それがモンシロチョウの卵です。手で取り除ける数であればその段階で駆除してしまいましょう。
卵に農薬散布すれば駆除できる?
硬い殻で覆われたモンシロチョウの卵に農薬を散布してもそれほど効き目はなく駆除できないといわれています。そのため、卵の間は物理的に駆除し、取り切れなかった卵はアオムシになったときに効果がある農薬を散布すると効果的です。卵は産み付けられてから1週間で孵化するため、農薬種類に応じて散布時期を検討しましょう。
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葉の裏側にモンシロチョウの卵を見つけたら育ててみるのもよい経験になるでしょう。駆除のついでに1枚葉を切り取っておき、ケースにいれておけば孵化から幼虫、さなぎ、羽化の瞬間が観察できます。生態を知れば来年の対策にも役立つでしょう。モンシロチョウの飼い方について解説した記事はこちらからご覧ください。
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駆除方法③数匹の幼虫なら駆除する
卵の段階で多く駆除できているとアオムシの発生数は抑えられます。目視で数えられるほどのアオムシで済んでいるなら割りばしなどでつまんで駆除するのも一手です。農薬をなるべく使いたくないのであれば物理的に根気強く駆除するしかありません。
アオムシを見つけるポイントは「フン」にあり
アオムシは緑色の体をしていてうまく擬態しているため、野菜の上にいると見つけにくいものです。しかし、アオムシが大量に野菜を食べた結果、大量に出すフンの色は黄色や茶色、黒色をしています。そのため、野菜の上でもフンは見つけやすく、そしてフンがあれば周りにアオムシがいると予想できるでしょう。
アオムシの駆除方法【後期段階】
モンシロチョウの卵を見逃してしまい、畑一面大量発生してしまったようなときは物理的にすべてのアオムシを駆除するのは至難の業となってきます。
野菜への被害も大きく、収量を大きく落としてしまうことも。後期段階の定義はアオムシがどれも大きく育ってきたころとします。ここからはこの時期に効果的な駆除方法や対策をご紹介します。
駆除方法①大量発生には農薬散布
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大量発生したアオムシを駆除する方法としては、やはり農薬散布がもっとも効果的で効率的です。家庭菜園などで野菜作りを楽しんでいてなるべく強い農薬を使わず駆除したいのであれば有機認定を受けたものを検討しましょう。
STゼンターリ顆粒水和剤は散布時期に決まりがなく、収穫前日まで使えるのが魅力です。規定量を水に溶かして散布するだけ。ただし散布後から効果が表れるまで時間がかかるため、早めの散布が効果的です。
駆除方法②野菜を間引く
たくさん植わっている野菜のなかで、モンシロチョウの卵を見落としてしまったある特定の部分にだけアオムシの被害が見られるのであればその株ごと駆除するのも一手です。そうすればアオムシの被害は隣の野菜へは広がらず、最小限に抑えられるでしょう。
初期対策・早期発見がアオムシ駆除の最善策
アオムシは葉のやわらかな部分から食害を広げ、最終的には葉脈だけを残して食べつくしてしまいます。その食欲は驚くほど。せっかく育てた野菜が食べつくされてしまわないように駆除することはとても重要でしょう。また、調理の際にアオムシがあちこちから飛び出してくるのも気持ちのいいものではありませんね。
モンシロチョウの生態をよく理解して時期に合わせた最適な駆除方法を選択していきましょう。
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