生薬として知られるセンブリの花言葉を解説
花言葉と一緒に効能もご紹介
日本の三大薬草の1つとして知られるセンブリは、生薬としての姿はご存じでも、花を見たことがない方もいらっしゃるのではないでしょうか?とても苦い薬草だと有名ですが、そんな苦さとは裏腹に、センブリは秋にとても清楚な花を咲かせます。
今回はセンブリの花言葉の解説です。センブリの花言葉は花の見た目より、薬草としての効果に由来する素敵な花言葉が魅力!花言葉と一緒にセンブリの効能や健康茶として人気の高いセンブリのお茶もご紹介します。
センブリの花言葉
「安らぎ」
センブリの花言葉「安らぎ」の由来は、センブリを煎じて飲むと不調が和らぐことからついた花言葉だといわれます。
由来はセンブリの薬草として効能にちなんだものです。しかし秋に山野に出かけ、ほかの植物に紛れて花を咲かせているセンブリの清楚な花を見かけると、その花の見た目にほっと安らいだ気持ちを感じます。
「弱い者を助ける愛」「義侠(ぎきょう)の愛」
センブリには「弱い者を助ける愛」「義侠(ぎきょう)の愛」という花言葉でもイメージされています。これらの言葉も薬草・生薬としてのセンブリの効能からイメージした花言葉です。
義侠(ぎきょう)とは、「正義を重んじて弱いものを助ける」という意味です。センブリの薬草としての効能は民間薬として古くから胃腸病の妙薬として知られていました。そんなことにちなんで「義侠(ぎきょう)の愛」という言葉でイメージされているのでしょう。
「はつらつとした美しさ」
あまり知られていませんが、センブリは密かに「はつらつとした美しさ」という花言葉でもイメージされています。
花言葉の由来は残念ながらその根拠はわかりません。ただセンブリを煎じて飲むと不調が回復して元気に美しさを取り戻せるということにちなんだ言葉ではないかといわれる説があります。こんな花言葉があるからというわけではありませんが、近年、センブリはその効能に美肌効果があるとも期待されています。
センブリの特徴
リンドウ科センブリ属の越年草
ドクダミ、ゲンノショウコと並び、日本の三大生薬の1つとして知られるセンブリは、リンドウ科センブリ属の薬草です。秋に発芽し、冬を越して春になって開花、結実、そして枯死するので‘’冬を越す‘’越年草(二年草ともいう)となります。学名はSwertia japonicaです。
原産地は日本、朝鮮半島、中国で、日本では山野に自生していますが、素人はなかなか見つけられないといわれています。
センブリの名称の由来
センブリは漢字で「千振」と書きます。その由来は「千回振だしても(煎じても)まだ苦い」ということからつけられたそうです。その苦さは昔から有名でセンブリの大きな特徴となります。
民間薬として大昔から利用され、今でも生薬としてその名をあげるセンブリは「最も苦い生薬」だとされているのです。「良薬は口に苦し」という言葉がありますが、この言葉はセンブリにぴったりの言葉だといわれています。
センブリの生薬名は「当薬(とうやく)」
生薬として利用されているセンブリの生薬名は「当薬(とうやく)」と呼びます。この呼び名は「当(まさ)」に「薬(くすり)」という字で表現されているのです。センブリは「まさに薬としての効能をもつ植物である」という意味から付いた名称となります。
ドクダミやゲンノショウコと共に日本の三大民間薬として知られるセンブリ。別名では「イシャダオシ(医者倒し)」「クスリクサ(薬草)」「ニガクサ(苦草)」などと呼ばれています。
センブリに花の開花時期
センブリの花の開花時期は9月~11月です。秋に白い清楚な花咲かせます。花びらが5裂のものが一般的です。ただたまに4裂や6裂のものもあります。そのほか花びらには紫色の筋が入っているのが特徴です。
草丈は20cm~40cmくらいあり、葉っぱはスイセンの葉を細くしたような形をしています。センブリ属の種類は世界におよそ80種ほどあり、その種類には紫色の花を咲かすものやピンクの花を咲かせる種類もあるそうです。
センブリの効能について
苦味健胃薬として利用
センブリは日本の三大民間薬の1つですが、薬草の中でも1番苦味があります。日本では古くからセンブリを主に苦味健胃薬として利用してきました。
その効能は消化不良、食欲不振、胃痛、腹痛、下痢などに効果があるとされています。また軟膏としても効果があり、水虫や皮膚炎を患っている個所に塗って使ってきました。ちなみに大昔はノミやシラミの殺虫剤としても使用していたようです。近年は美肌や発毛にも効果があるといわれ化粧品の成分にも使われています。
開花の時期に全草を刈って煎じる
先にも解説したように千回振りだしてもまだ苦みのあるセンブリを煎じて飲むときは、開花の時期に全草を刈って乾燥させて用います。センブリの薬用部分は花にも茎にも葉にもあるのです。
開花している時期に花も茎も葉も刈ってしまい、それを乾燥させてそれを煎じるか粉末にして服用します。センブリは生薬としてその効果を活用しますが、漢方薬としては使いません。また民間薬として昔から利用されてきたセンブリには副作用はないとされています。
生薬と漢方薬の違い
生薬とはセンブリのように植物の葉、茎、花、そして根、または鉱物や動物の1部分で薬効のある個所を煎じたり、切ったり、乾燥させてその薬用効果を利用するもの。一方漢方とは、2種類以上の生薬を組み合わせて薬として服用するもののことです。
センブリは生薬であり、昔から庶民の間で言い伝えられてきた民間薬としてその薬用効果に期待された植物です。
センブリのお茶は本当に苦い
自分で淹れる場合の入れ方
「苦いお茶」といわれながらも健康茶として注目されているセンブリ茶。乾燥したセンブリの茶葉が手に入ったらぜひ自分で煎じてみましょう。漢方薬を置いているお店でもセンブリの茶葉を購入することができます。
淹れ方は1杯分につき水300mlに対して茶葉約0.8g(大さじ山盛り1杯)が目安です。小鍋に水と茶葉を入れて弱火にかけて煮詰めていきます。水が半量(150mlくらい)になるまで煮詰めてください。詰まったら茶こしで越して頂きます。
センブリのお茶の口コミ
上記の方法で頂くほか、ネットなどでもセンブリ茶のティーパックを購入することができます。センブリ茶を飲んだ方にその感想を聞くと、やはり皆さん「本気で苦い!」とおっしゃいます。
ただ「苦いけど後引きが早い」とか「苦みを打ち消すのに唾液の分泌が促されて食欲が出てくる」などという口コミがあがっています。ただしセンブリ茶は生薬の1つに数えられているので多量に飲むとお腹を壊してしまう場合があるので分量をわきまえて飲むようにしてください。
センブリの花言葉を知り効能にもあやかろう
千回振りだしても苦いなどと聞くと、なかなかセンブリ茶には手が伸びませんが、「安らぎ」とか「義侠の愛」という花言葉を思いながら頂くと、体が癒されるのではないでしょうか。
センブリの花は山野ではなかなか見つけにくいそうですが、咲いている姿を見つけたら、花言葉を思い出してその清楚な姿をご観賞ください。
花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らしーの」では、花言葉について他にもまとめています。自然の中で色とりどりに咲く花には、その姿にふさわしい花言葉がつけられています。
花言葉を知ると、誰かに花を贈るときや自宅に飾るときの花選びの楽しさも増すことでしょう。花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてください。

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