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種からはじめる、サボテンの育て方講座。 種まきの方法や時期別の管理のコツも解説!

サボテンは鉢植えの苗を園芸店やホームセンターで購入される方が多いのですが、実は種から育てることができます。サボテンは、種から育てるとその成長過程が見られワクワク感と愛着がわき、実に楽しいのでおすすめ。サボテンの種まきから管理のコツなど育て方を詳しく紹介します。
2021年10月12日
eiji0601
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目次

サボテンは種から育てられる?

サボテンは中南米原産の植物

出典:unsplash.com

サボテンはメキシコなどの中南米の砂漠などの乾燥地帯を原産とする、トゲがある変わった形をした観葉植物で、俗称で多肉植物と呼ばれています。サイズも大小あり、形状も丸型や柱状とさまざまで、約2000種が生息している植物です。

中南米の乾燥地帯原産のサボテンは、園芸店やホームセンターで鉢植えの苗を購入するのが一般的ですが、はたして種から育てることが本当にできるのでしょうか。

サボテンは管理さえすれば種から育てられる

サボテンは奇妙な形をしているとはいえ、植物なので種から育ちます。日本でも水分量や温度、日照量をしっかりと管理さえすれば種から育てることが可能です。つまり中南米の乾燥地帯と同じ環境を作ってあげることが育てるコツになります。

またサボテンは不思議な格好をしていて、小さいサイズのものはどことなく可愛らしい魅力がある観葉植物です。サボテンの種まきの方法から水やりや植え替えなどの育て方を詳しく解説します。

サボテンを種から育てる魅力

サボテンを種から育てる魅力は、サボテンの成長過程を目で見ることができることです。種から初めて可愛い芽が出た瞬間や、次第に成長する期待と自分で育てたという達成感が味わえ愛着がわいてきます。

サボテンの種はネットの通販で鉢植えよりもずっと安く購入でき、しかも種類が豊富なので好みのサボテンを選べるのもメリットです。鉢の種類や土・色のアレンジで、自分だけのオリジナルサボテンを育てる楽しみもあります。

サボテンの種まきの方法

サボテンの種は細菌に弱く腐りやすいです。サボテンの原産地は中南米の乾燥地帯で、乾燥している環境では細菌が繁殖しにくいのが特徴になります。乾燥地帯で生まれたサボテンの種は細菌から身を守る必要が少なく、結果として細菌に対する抵抗力が弱くなっているのです。

日本のように湿気が多い場所で種をまく場合は、腐らせないために土や種を消毒するなどの準備が大切になります。準備から種まき方法まで詳しく解説します。

①土の準備

出典:unsplash.com

細菌は熱で死滅するので、サボテンの種をまく土を事前に熱湯消毒します。準備するものは熱に強く土を入れても余裕がある大きめの容器(熱湯がたまる水受けとセットになっているザルや網)に茶こしと熱湯です。

土の消毒の仕方は、まず土を少しづつ茶こし等で微塵(細かな汚れ)をふるい落とし、準備した容器にためます。土が一杯にたまったら流水でさらに細かい汚れを洗い流し、落ちる水が透明になればOKです。

熱湯に浸けて土を消毒する

土の入った容器を水留め容器にすっぽり入れ、そこに熱湯をヒタヒタになるまで入れて5分おきます。5分経ったら熱湯を捨てもう一度同じことを繰り返すことにより、土の中の雑菌をかなり減らすことができるのです。

この行程を省くと細菌に弱いサボテンの種が発芽しなかったり、発芽しても根腐れを起こし枯れてしまうことがあります。面倒でも熱湯消毒をすることをおすすめします。

②種の消毒

サボテンの種は収穫してすぐなら問題ありませんが、湿気が多い日本の風土では種のまわりにカビや病原体がついている可能性があるので、それを洗い落としてやる必要があります。サボテンの種はゴマ粒大で非常に小さいので熱湯消毒では種そのものが死んでしまうのでNGです。水またはぬるま湯でまわりの汚れを洗い流してやります。

サボテンの種の洗い方


サボテンの種をふきんやガーゼ、濡れても破れない丈夫なキッチンペーパーで包み、水またはぬるま湯で注意深くもみ洗いします。種が非常に小さいので流れ出さないように注意してください。または浅いお皿に種と水を入れ、指先で水の中をコロコロと転がして洗う方法もあります。

薄めたキッチンハイターに浸けたり、アルコールスプレーで消毒する方法もありますが、繊細な種を傷つける可能性があるので、あまりおすすめできません。

③サボテンの種のまき方

土と種の消毒が終わったら、いよいよサボテンの種まきです。先ほど土の消毒で使った容器をそのまま使っても良いのですが、見た目が気になるなら新たに好みの水受けのある容器や鉢に土を移します。

土の温度は20℃以上が適温で、種はなるべくくっつかないように表面にバラバラとまき、土を被せないのがコツです。サボテンは基本的に湿気を嫌いますが、種まきの時期だけは温度と湿度が必要になります。

④種まきから発芽までの管理

出典:photo-ac.com

種まきの直後は細菌の繁殖を抑えるため殺菌剤の溶液を霧吹きに入れ噴霧し、あとは発芽するまで温度と湿度の管理が大切で、温度は20℃以下にしないように注意します。

また乾燥しないように毎日朝夕に霧吹きで水やりをし、空気穴を開けたラップで覆うか、プラ板を割り箸等を挟んで通気を確保して乗せましょう。容器の下の水受けは常に綺麗な水がある状態にしておきます。ただし水のやり過ぎてジメジメした状態は厳禁です。

おき場所と時期

種まきから発芽するまで、日中はやんわりと陽が当たる暖かい場所におき、夜は室内の冷え過ぎないところに移動します。サボテンの発芽には20℃以上の温度が必要なので、種まきの時期は春または秋がベストです。

夏や梅雨の時期は湿度が高すぎ、冬は気温が低すぎるので避けましょう。サボテンの種が健康で、温度と湿度や光の条件が揃えば、3日〜1週間で発芽しますが、品種によっては1ヶ月以上かかることもあります。

発芽するまでの注意

出典:photo-ac.com

1週間経っても発芽しないからといって諦めないことが肝心です。1ヶ月以上かかることもあるので、その間は毎日霧吹きの水やりと腰水(受け皿の水)の取り替えと、温度と日照の管理を根気よく行えば必ず報われます。

待つ時間が長ければ長いほど可愛らしい発芽が出てきたときの感動はひとしおです。また、種がいっぺんに発芽するとは限りません。少しづつ次第に増えていく発芽を毎日ワクワクと待つのは非常に楽しいものです。

サボテンの種の発芽後の管理

発芽してから数日間の管理

人間の赤ちゃんの成長に個体差があるように、サボテンの種一つ一つにも成長速度に違いがあります。そのため、まいた種がいっぺんに発芽することはまずありません。芽が生え揃うまでは発芽前と同じように腰水と朝夕の霧吹きの水やりを続けます。

新芽が生え揃ったなら置き場所を日当たりのよい場所に移し、霧吹きの水やりは1日1回に減らし、蓋にしていたラップやプラ板も隙間を広げ外気に慣らすようにしましょう。

発芽した新芽の扱い方

サボテンが乾燥を好み湿気を嫌うのは、ふっくらした丸みを帯びた体内に水を貯めているからです。発芽したばかりの新芽はほっそりとしていて、水を貯められる形状には成長していません。そのためしばらくは霧吹きの水やりや腰水が必要です。

霧吹きのポイントは新芽に大きな水滴がとどまらないようにします。水滴がついていると蒸れて腐る可能性があるので、綿棒などでそっと吸い取ってあげましょう。

新芽が自立しない場合


発芽した新芽は種の皮を脱ぎ落とし、自然に下に根を伸ばし自立しますが、中には皮がついたままで横に寝ているままの場合があります。

2〜3日ようすを見てから、それでも自立しないようなら爪楊枝などで根元の土をつついて起こしてあげ、皮がついているものは新芽の頭部を撫でるように落としてあげましょう。それでも自立しない新芽や発芽しない種は、くち落ちてカビや正常な新芽の根腐れの原因になるので取り除きます。

発芽後から1ヶ月間の管理

発芽から10日から2週間ほどすると、サボテンの品種別の個性が現れ始めると言われています。購入した種の品種にあった環境にしてやることが大切です。種のパッケージに表示されているサボテンの品種をよくチェックしてその特性に合わせましょう。

葉や茎の色合いが濃くなりしっかりと自立してくれば順調に成長している証拠です。約1ヶ月が目安となり次の行程の植え替えの準備にかかります。

サボテンの植え替え方法

植え替えの時期

植え替えの時期はサボテンの品種や成長環境によってまちまちで、早いものでは発芽から数日から10日、遅いものでは1ヶ月以上かかるかかる場合があります。葉や茎が色濃くなり根腐れを起こさずしっかり自立しているのが植え替え時期の目安です。

しかし多少遅れてもさほど問題にはならないので慌てることはありません。ただ器の中の新芽が混み合ってきて、中が蒸れるようなら植え替えをしてあげましょう。

植え替えの土

植え替え用の土は、多少有機質を含んだ撥水性のよい土(種蒔き用土やサボ用土)で細かめの土が根付きがよいのでおすすめです。幼苗は種ほどデリケートではありませんが、まだ細菌に弱いので鉢や器や用土は清潔なもの、できれば熱湯消毒をして使用します。

サボテンは適度な乾燥を好むので、鉢の下には底石を詰め水はけを良くすることがポイントです。鉢の大きさはサボテンが成長した際の品種のサイズを考慮して選びます。

植え替え時の注意

サボテンの新苗の根はヒゲのように細く垂直に1本伸びています。掘り起こすときは苗から少し離れた場所にスプーンや楊枝を差し込み、土ごとそっと持ち上げ、軽く揺すって土を落としますが、多少土がついたままでも構いません。

植え替え用の土に指や割り箸などで軽くくぼみを作り、その中に苗の根がまっすぐになるように優しく入れ土をかぶせます。多少斜めになっても問題ありませんが、深植えにならないように注意しましょう。

植え付け密度と水やり

植え付ける密度と間隔はせめぎ合うほどでなく、割合みっしりと植え付けます。苗が育ったらせめぎ合うくらいが発育がよいと言われています。また水やりや小清水は継続しますが、植え替えをしたばかりの幼苗は自立が安定していないので、霧吹きで強く水を吹きかけると水圧で倒れることがあるので注意してください。

植え替え後の管理

植え替え後10日間ぐらいは明るい日陰で管理するのがベストです。それ以降の日照は品種の特性に合わせます。苗の頭にサボテン特有のトゲが生え揃い始めれば、外界の敵や刺激から守る準備ができた証拠です。

ラップやプラ板は完全に外し通気をよくします。霧吹きの回数は減らしますが、腰水は浅めで継続するのが安全です。また植え替え後は成長がゆっくりになり逆に縮む場合もあるので心配しないでじっくりと見守りましょう。

サボテンの四季別の管理

サボテンは植え替え後には成長がゆっくりになり、品種や環境により成長するまでに1年から3〜4年かかる場合があります。その間に何度も日本特有の四季を越さなければなりません。中南米の乾燥地帯原産の一定した亜熱帯の気候に慣れているサボテンの、四季による気候変化がはっきりしている日本での管理方法を紹介します。

四季別の日照管理


出典:pixabay.com

日本の夏は直射日光が強く湿度が高いのが特徴です。いかに亜熱帯育ちのサボテンといえども、強い直射日光には弱く日焼けを起こしてしまいます。紙などをかけ半日陰を作ってあげましょう。

ジメジメした梅雨の時期が非常に厄介です。雨が降っていない日には、できるだけ日光に当て風通しがよい場所で通気を確保します。寒い冬はたっぷり日に当てることが大切です。昼は日当たりのよい窓辺に、夜は暖かい場所に移動しましょう。

サボテンの品種による日照管理

一般的にサボテンは日当たりと乾燥が好きですが、中には月下美人や孔雀サボテンなどの森林性の品種は半日陰を好みます。森林は直射日光が当たらず湿度も高い場所です。言い換えれば森林性のサボテンは、日本の気候風土にマッチし室内でも育てやすいので月下美人や孔雀サボテンは人気が高い観葉植物といえます。

四季による水やり

出典:unsplash.com

サボテンは水やりがあまり必要ない植物と言われていますが、それは葉や茎に水を蓄えているからです。水を蓄えるためにはやはり水分の補給が必要になります。サボテンは活動期に水分を溜め込み乾燥期に備える性質があるのです。

ですから春から秋(4月〜9月)の活動期には葉水(霧吹き)による適度な水やりが必要になります。それは寒く乾燥している日本の冬に備えるためなのです。

梅雨と冬場は水やりを控える

梅雨の時期は湿気が高く、サボテン体内の水分が発散されず飽和状態になるので水やりはできるだけ控えましょう。また冬場は乾燥期なので、サボテンが春から秋の活動期に蓄えた水分でしのぐ時期なので基本的に水やりはしません。

冬は鉢植えの表面の土がカラカラに乾いたときのみ、午前中に少量の霧吹きをします。多めの霧吹きをしたり夜に水やりをすると、葉に残った水が寒さで凍りサボテンを痛めてしまうので注意しましょう。

サボテンを種から育てて楽しもう!

出典:pixabay.com

サボテンは中南米の乾燥地域原産の特殊な形をした植物ですが、管理のコツさえつかめば種から栽培することが可能です。種から栽培すれば成長過程が見られ、トゲのある可愛らしい発芽の瞬間など例え用のない満足感が味わえます。ここまでの記事を参考にしてサボテンを種から育てて大いに楽しんでください。

サボテンの品種や育て方が気になる方はこちらをチェック!

当サイトではサボテンに関する記事をたくさん掲載しております。サボテンの種類が知りたい方や、育て方に興味がある方はぜひ参考にしてください。