多肉植物とは?
多肉植物の茎や葉は、内部の柔組織(じゅうそしき)に水分を貯蔵することが可能であり、その結果としてぽってりと肉厚なかわいらしいシルエットになりました。砂漠や海岸のような乾燥した地域に適応し、水を蓄えられるようになったと考えられています。
元々品種が多く、原種は1万5千以上あるといわれておりますが、近年のボタニカルブームでどんどんと品種が生み出されている状態です。
サボテンも多肉植物の一種
サボテンも品種としては多肉植物の一種なのですが、サボテン科は種類が豊富なので、「サボテン」と「多肉植物」として区別していることが多いです。どちらも日当たりがよく乾燥した環境を好みますが、水やりのタイミングなどが違う場合もあるので注意しましょう。
寄せ植えに必要な道具を準備をしましょう
多肉植物の寄せ植えを作る準備として、必要な道具を揃えましょう!いざ寄せ植えをする、というときに足りないものがあると作業を中断させられ満足したものが完成しない可能性があります。事前に寄せ植えの準備をしっかりしてからがおすすめです。
必要な道具一覧
鉢 | 水捌け用の穴があるもの |
土 | 多肉植物用の培養土 |
鉢底用ネット | 三角コーナー用ネットで代用可 |
鉢底石(軽石) | ヤシガラなどで代用可 |
スコップ | 小さめのもの |
ピンセット | 先が細く清潔なもの |
ハサミ | 清潔なもの |
最低限必要なものは以上です。多肉植物の寄せ植えでは、小さな苗もあったりしますので、スプーンや割り箸などの細かい作業のしやすいものがあると、さらに効率よく寄せ植えが可能になります。
鉢の選び方のコツ
鉢は、なるべく水捌け用の穴があるものを選びましょう。多肉植物は、乾燥した環境を好みます。水捌け用の穴がないと根腐れの恐れがあるので、排水性や通気性のしっかりしたものがおすすめです。
材質は、素焼きや木製のものが理想で、プラスチックやブリキはおしゃれなものが多いですが排水性や通気性が劣ります。空き缶などから自作する場合は、底に穴を開けるのもよいでしょう。
土の選び方のコツ
多肉植物は乾燥した環境を好みますが、適度な保水性は必要です。通気性、排水性がよく、小粒で大きさの均等な土を準備しましょう。おすすめは多肉植物用に作られた培養土ですが、ご自身で配合することも可能です。以下に割合を載せます。
赤玉土(小粒) | 40% |
鹿沼土(小粒) | 30% |
腐葉土 | 30% |
多肉植物の寄せ植えの基本的な作り方
では、寄せ植えの作り方についてご説明します。バランスよく寄せ植えしていくコツや、初心者でも簡単に寄せ植えできるよう基本的な方法をまとめました。まずは基本の作り方を習得して、寄せ植えのイメージを膨らませてみてください。
1.鉢を準備する
まずは寄せ植え用の鉢の準備をします。サイズはお好みのもので大丈夫です。鉢の底に鉢底用ネットを敷き、その上に鉢底石(軽石)を入れます。鉢底石は鉢底から1/5を目安に入れましょう。
初心者の方には底に穴のある種類の鉢をおすすめします。ココットや空き瓶のような穴のないものでも寄せ植えは可能ですが、排水性が悪いため、根腐れしないように注意が必要です。
2.メインの多肉植物から植えていく
多肉植物用の培養土(もしくはご自分で配合された土)を鉢の1/3くらいまで入れます。続いてメインの多肉植物を決めましょう。さまざまな種類の多肉植物をただ寄せ集めるよりも、メインを決めて先に植えるほうがバランスが良くなります。
いきなり植えるのではなく、1度すべてを配置してみてバランスをみるのもセンスよく作るコツです。ある程度場所が決まったら、メインの多肉植物を手で支え、土を入れていきます。
3.隙間を埋めるように植えていく
メインの多肉植物の隙間を埋めるように土を馴染ませます。この時、スプーンや割り箸があると、細かい作業がしやすいです。馴染んだら、今度は小さめの多肉植物をメインの隙間に植えていきましょう。
ピンセットを使い、丁寧に植えていきます。多肉植物の種類によっては、優しく扱わないと葉が簡単に取れてしまう品種もあるので、ピンセットで土に軽く穴を開けてから、そこに植えるようにするのがポイントです。
4.水やりをする
多肉植物の寄せ植えへの水やりですが、寄せ植えをしてすぐに水やりをするのは控えましょう!多肉植物は、乾燥する時に根を伸ばすような性質をもっています。期間としては1〜2週間後に水やりをするのがおすすめです。
その後の水やりは、土の表面が乾いたら底の穴から水が出てくるくらいに水をたっぷりと与えます。底に穴のない鉢の場合は、たっぷり水を与えた後、鉢を斜めに傾けてしっかり水切りをしましょう。
必見!センスのよい寄せ植えの作り方
センスの良い寄せ植えの作り方をご紹介します。なんとなくのイメージだけで寄せ植えするのではなく、こちらでおすすめの方法を意識するだけで、初心者でも簡単におしゃれな寄せ植えになりますので、是非参考にしてみてください。
主役の多肉植物をひとつに絞る
初心者の方にとって、どの多肉植物も可愛くメインを選びきれないこともあります。しかし、慣れないうちはバランスを取りづらいので、ひとつ大きなメインを用意し、その周りを小ぶりの多肉植物で埋めるように組み合わせていくのがコツです。
高低差のある多肉植物を選ぶ
バランスのよい作り方のコツは、高低差のある多肉植物を組み合わせるということです。メインに高さのある多肉植物を選び、背の低い多肉植物を周りに組み合わせることでまとまりがでて、簡単におしゃれな雰囲気が出せます。
多肉植物の色味を合わせる
多肉植物は品種が多いので、ついさまざまな色のものを選んでしまいがちですが、同じ色味で組み合わせるほうが簡単に一体感がでます。違う色味のものを組み合わせるときはワンポイント程度に抑えましょう。
装飾になるような品種を混ぜる
グリーンネックレスのように枝垂れて育つような品種を組み合わせることで、アクセントをつけておしゃれにする作り方もあります。特別な装飾品なしでも簡単にセンスアップできる方法です。
他にも、背の高い品種、背が低い品種など本当に多肉植物はさまざまな種類がありますので、お気に入りの組み合わせをみつけましょう。
寄せ植えするときの注意点
あまり手がかからず、雑貨のような感覚で楽しめるイメージのある多肉植物ですが、寄せ植えを作るときに気をつけておきたいことがあります。頑張って完成させた寄せ植えがなるべく長持ちするよう、ここからは注意点についての簡単なまとめです。
多肉植物の生育型を合わせる
多肉植物の種類は、その原産地によって3つの生育型に分けることができます。春秋が生育期の春秋型、夏が生育期の夏型、冬が生育期の冬型の3つです。
生育型により管理場所、水のやり方、温度管理などが違ってくるので、寄せ植えで組み合わせるときは同じ種類の生育型同士で組み合わせるよう注意しましょう。
春秋型
おもな春秋型の多肉植物として、アドロミスクス、エケベリア、セダム、ハオルチア、パキフィツムなどがあります。多肉植物の種類としては、春秋型がもっとも多く、手元にある多肉植物の種類が分からない場合は春秋型の育て方をしておくと失敗が少ないです。
春秋型の管理方法
管理場所 | 春と秋:日当たりのよい日なた 夏:風通しのよい半日陰 冬:日当たりのよい室内 |
水やり | 春と秋には土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。夏は1~2週間に1回、冬は2~4週間に1回が目安です。 |
温度 | 5℃以下にならないようにします。 |
夏型
主な夏型の多肉植物として、アガベ、カランコエ、クラッスラ、サボテン、ユーフォルビアなどがあります。夏型は春から夏にかけて開花をするものが多く、比較的暑さに強い品種です。
夏型の管理方法
管理場所 | 1年を通して日なたを好みます。 春から秋:風通しのよい日なた 冬:日当たりのよい室内 |
水やり | 春から秋は土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。10月頃から水やりを減らし、冬場は断水です。 |
温度 | 5℃以下にならないようにします。 |
冬型
冬型の多肉植物として、アエオニウム、クラッスラ、コノフィツム、フォーカリア、リトープスなどがあります。夏は休眠期に入るので水やりは基本的にしません。冬型は秋に開花をするものが多く、夏の蒸し暑さに弱いです。
冬型の管理方法
管理場所 | 冬:日当たりのよい室内 春から夏:風通しのよい半日陰 |
水やり | 冬は土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。春から夏は乾燥気味もしくは断水です。 |
温度 | 5℃以下20℃以上にならないようにします。 |
さまざまな寄せ植えのアレンジをご紹介!
では、実際にどのようなアレンジをされているか、いくつかご紹介します。初心者でも簡単にチャレンジできるようなものばかりです。なかなかセンスのよい寄せ植えのイメージができない方は、参考にしてみてください。
かわいらしいモチーフ付きの鉢
もっとも簡単なアレンジとして、かわいらしいモチーフ付きの鉢を選ぶ、という方法があります。同じ種類の多肉植物で寄せ植えをしても、モチーフがついているだけで簡単にセンスアップできるのでおすすめです。
ジョウロを鉢の代わりにする
こちらは鉢ではなくジョウロに寄せ植えをしています。鉢ではないので根腐れに注意は必要ですが、空き缶やブリキの質感は、多肉植物特有の雰囲気がとても活きますし、おしゃれでセンスを感じる寄せ植えをつくるコツのひとつです。
横長のプランターに寄せ植え
箱庭風の横長のプランターに寄せ植えをすると、多肉植物の溢れる感じが可愛く表現できます。青果の並ぶ市場のような賑やかな可愛さになります。端から端までさまざまな種類を並べても比較的まとまりやすいのは、横長のプランターならではです。
ドーナツ型でリース風にする
鉢のかたちをドーナツ型にすることで、寄せ植えをするだけでリースになります。丸い鉢の寄せ植えのように高さを出すのではなく、むしろ平らになるよう並べていく方が仕上がりがきれいになりやすいです。
クリスマスリースなどを多肉植物で作ると、おしゃれで個性的な寄せ植えを楽しめます。鉢の種類を変えるとまったく雰囲気の違った寄せ植えになりますので、植え替えなども楽しみましょう。
お気に入りの小物をアクセントにする
気軽に挑戦できるのは、お好みのピックやミニサイズのドールを寄せ植えのところどころに装飾するアレンジ方法です。難しいアレンジはできなくても、これなら誰でも気軽に始められます。
作り方のコツとしては、小物に統一感を持たせると、自然に寄せ植えに馴染ませることが可能です。ハロウィンやこどもの日など、イベントに合わせて小物を準備するのもおすすめのアレンジ方法になります。
箱庭風にアレンジする
箱庭風寄せ植えの作り方は、ミニチュアの家などを置くことで、鉢の中に小さな庭を作るという方法です。敢えて家具などの生活感を出すことで、まるで小人の住む世界のような、夢のあるとても魅力的な寄せ植えになります。
夏型、冬型は開花も活用しましょう
多肉植物は、種類によっては開花するものもあります。今まさに開花している、というときに目印となる小物を置いてあげることは、その時しか楽しめないアレンジです!日々の変化を楽しみながら寄せ植えをするのも、おしゃれに組み合わせるコツになります。
いろんな色を散りばめてみる
まるでブーケのような素敵な寄せ植えの作り方をご紹介します。こちらの寄せ植えは、小さめのカラフルな多肉植物をバランスよく散りばめることで作成可能です。
最初は小さめの鉢を使って、バランスよく寄せ植えする練習をしてもよいでしょう。いきなり大きな作品にとりかかるのではなく、まずは基本の寄せ植えが楽に作れるようになってからをおすすめします。
2段の鉢で世界観を演出する
寄せ植えの作り方は基本同じですが、ひとつの鉢が2段になっており、さらにボリュームがでて可愛らしくおすすめの寄せ植えです。多肉植物の高低差だけでなく、鉢自体に高低差があるので、アレンジの幅が広がります。
伸びてきたら仕立て直しをしましょう!
最初は綺麗に敷き詰めて寄せ植えをしていても、成長とともに伸びてバランスが悪くなってくることがあります。そのときには植え替えをして、新しい組み合わせを作ったり、アレンジをして楽しみましょう。
とれた葉っぱは捨てないで!
取れてしまった葉っぱは、「葉挿し」といって土の上に寝かせておくだけで、新しい芽や根がでてくることがあります。葉の付け根からでてくる小さな芽はとっても可愛いですし、そこからまた増やしていけますので、ぜひ捨てずに試してみてください。
見た目もさまざま!多肉植物を楽しんで!
多肉植物は、種類もとても豊富なので、アレンジはいくらでも可能です。かたちや色もさまざまですので、どれを組みあわせて寄せ植えにしようか…と見ているだけでもあっというまに時間が経ってしまいます。
多肉植物の寄せ植えは、楽しみ方無限大です!おしゃれでセンスのよい多肉植物の寄せ植えのコツを掴んで、多肉植物ライフをぜひ楽しんでみてください!
多肉植物が気になる方はこちらもチェック!
多肉植物の種類が豊富すぎて何を選んでいいか迷ってしまう方はまず人気の種類から始めてみるとよいでしょう。元気に育てる方法や、植え替えのコツを集めてみました。参考にしてみてください。

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