検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

半日陰を好む、クリスマスローズの育て方講座。季節別の管理場所&水やりの方法も解説

クリスマスローズの育て方は難しいわけではありません。ただ、鉢植えや地植えなど、植え方で注意するべき管理方法があるほか、季節に応じた水やりや肥料の施しなどがあるなど、工夫が必要です。今回は、植え付けや剪定など、クリスマスローズの育て方についてご紹介します。
2021年10月22日
水木誠人
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

この記事で紹介しているアイテム

冬の花クリスマスローズの育て方をご紹介

Photo byMabelAmber

クリスマスローズは、クリスマスの季節に美しい姿を見せてくれる可憐な花です。元来、クリスマスローズの花は、クリスマスの時期に開花するヘレボルス・ニゲルという種類の花を指しますが、日本ではキンポウゲ科ヘレボルス属に属するさまざまな種類の花も「クリスマスローズ」の名で呼んでいます。

今回は花姿もいろいろあり、花色も豊富なクリスマスローズの育て方についてご紹介します。クリスマスの季節に向けてぜひ育ててみたいという方はぜひ本稿の育て方を参考にしてみてください。

クリスマスローズのヘレボルス属とは

Photo bysusannp4

クリスマスローズの名称で親しまれているヘレボルス属の花には毒性があることで知られています。この属名のヘレボルスの語が、「殺す」や「食べ物」が語源とされていることからもうかがい知ることが可能です。

クリスマスローズに含まれる毒にはヘレブリンと呼ばれる毒などが含まれています。これは心臓の収縮に影響を与えるため、口にすると非常に危険です。子どもやペットが誤飲しないように注意することも育て方の重要なポイントとなります。

クリスマスローズならではの特徴

Photo byJillWellington

クリスマスローズには実にさまざまなバリエーションがあります。花姿の違いとして大きいのが、有茎種と無茎種の違いです。有茎種は茎が伸びて葉がつき、花は茎の頂部に咲きます。無茎種は、葉と花が別の茎から生えてくる種類です。両者の違いは、育て方に大きな違いをもたらすものではありません。ただ、剪定の際、注意するポイントが異なりますので気を付けたいです。

クリスマスローズの種類とは

クリスマスローズの育て方で大切なのが、種類の違いを知っておくことです。いくつもの花姿がありますが、日本で購入しやすいクリスマスローズの種類を知っておくと、苗を選ぶ際に役立ちますし、その後の育て方のポイントも押さえやすくなります。

クリスマスローズ・ニゲル【これぞ本当のクリスマスローズ】

Photo bymanfredrichter

クリスマスローズ・ニゲルは、有茎種の多年草で、白い花をつけることで知られています。このクリスマスローズが、日本でクリスマスローズの語源になった種類です。12月ごろから開花する個体もありますが、多くは1月に入ってから開花します。ぼみを覆う苞葉(ほうよう)がなく、八重咲きなどの園芸品種があるのも特徴です。

クリスマスローズ・フェチダス【独特な花姿が印象的】

Photo byNennieinszweidrei

クリスマスローズ・フェチダスは、ヨーロッパが原産の種類で、有茎種の花です。花の形が印象的で、黄緑色の直径1.5cmほどの小さな風鈴のような形をしています。高温多湿に弱いため、寒冷地で育てるのがおすすめです。園芸品種もいろいろあり、茎や葉に模様が入る種類のものや葉の色が黄色い種類のものなどがあります。

クリスマスローズ・アーグチフォリウス【黄緑色の花が魅力】

Photo by wallygrom

クリスマスローズ・アゥグチフォリウスは、地中海に浮かぶコルシカ島に自生する種類で、黄緑色の花を咲かせる有茎種のクリスマスローズです。花をたくさんつけるため、美しい花姿を楽しめるほか、大きく切り込みのあるギザギザした葉が印象的で、花が咲かない時期も葉姿を存分に満喫できます。草丈は1m以上になるものもある種類です。

クリスマスローズ・チベタヌス【中国で自生する種類】

こちらのクリスマスローズは、中国の四川省に自生する無茎種のクリスマスローズです。夏場に落葉して休眠するため、幻の花と称されています。柔らかい葉は特徴的で、ギザギザした形です。花は直径3cmほどの淡いピンク色となります。このクリスマスローズは、冷涼で水分が多い場所に自生するため、夏の猛暑時の育て方がポイントです。

クリスマスローズ・アトロルーベンス【赤紫色の花がすてき】


Photo by sunoochi

こちらのクリスマスローズは、ヨーロッパのスロベニア一帯に自生するクリスマスローズです。花の色が非常に印象的で、赤紫色かかった緑色の花色となります。花の大きさは直径3cmほど、草丈は40cmほどの無茎種ですが、葉が枯れるのが早いのが特徴です。高温多湿に弱いため、日本で育てる際は夏の育て方に注意が必要となります。

クリスマスローズ・オリエンタリス【交配親として使われる】

Photo bySonja-Kalee

クリスマスローズ・オリエンタリスは、園芸品種を交配させる際の親として使われることで有名です。このクリスマスローズから生まれた交配種は、オリエンタル・ハイブリッドと呼ばれ、人気の高い種類となります。原産はギリシアやトルコで、無茎種です。草丈は40cmほど、花色はいろいろあるため、楽しく栽培することができます。

クリスマスローズの育て方【置き場所や日常の管理】

①日陰で管理するのが鉄則

Photo by houroumono

クリスマスローズは、夏の強い直射日光が苦手です。このため、基本的には日陰や半日陰で管理するようにします。地植えの場合、秋から春までは明るく、夏に半日陰となる場所を見つけて植え付けるようにしましょう。鉢植えの場合、季節に応じて移動させるようにすると元気よく育ちます。

②夏の管理は水やりがポイント

Photo bysuju-foto

クリスマスローズは、日当たりを好みますが、直射日光は苦手です。明るめの日陰で管理するのが育て方のポイントで、鉢植えの場合は日陰に移動させ、地植えの場合は日陰となる場所で管理するように心がけます。

水やりは、地植えのクリスマスローズでは、真夏の猛暑のときなど、雨が降らずに乾燥しているとき以外は水やりの必要がありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらしっかりと水やりを行いますが、高温多湿が続く場合はなるべく乾燥気味に育てないと根腐れを起こしてしまいます。

③水はけのよい土を使った育て方を

クリスマスローズ土

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon

クリスマスローズの育て方で大切なのは、水はけのよい土を選ぶことです。ご自身で用土を準備する場合、赤玉土を少し多めに腐葉土を混ぜた土などではじめてみましょう。市販の用土の中には、クリスマスローズに特化した土もあります。失敗したくないという方やはじめてクリスマスローズを育てるという方は、市販の用土を使ってみるのもおすすめです。

クリスマスローズの育て方【季節ごとのポイント】

クリスマスローズは1月~3月に開化期を迎えます。このため、冬の開花に向けた季節ごとの作業のポイントを押さえることが大切です。本稿では春から冬にかけて、季節ごとに必要な作業のポイントをご紹介します。

 

春に気をつけたい管理や作業の4つのポイント

①花がら摘みで見栄えのいい育て方を

Photo byCouleur

クリスマスローズは種類によって1月~4月ごろまで開花の時期を迎えます。花が終わったら、花姿が汚くなる前に花がら摘みを行うのが、春の育て方のポイントです。ただし、種を採種したい場合は、種が熟すのを待つ必要があります。花がら摘みはその後に行いましょう。花がら摘みの方法は、茎を根元から切り取ってしまう方法で行います。

②花後の植え替えは育て方の重要ポイント

Photo bymanfredrichter

鉢植えの場合、クリスマスローズの植え替えは秋にも行うことができますが、花が終わった3月ごろも適期となります。春に植え替えを行う場合は、根を傷めないように注意して行うのが育て方のポイントです。

クリスマスローズは根が育ちやすいため、ふた周りほど大きな鉢に植え替えるようにしましょう。土を交換したら、あまり深く植えず、浅めに植えるのも育て方のポイントとなります。なお、植え替え後は、日当たりや風通しのよい場所で管理しましょう。

③開花株を植え付けるタイミングも


Photo byNennieinszweidrei

春になると、クリスマスローズの開花株が出回ります。この時期に鉢植えの株を庭に植え付けるのも適期です。ただし、庭に植え付ける際、直射日光が当たらない場所に植え付ける必要があります。また、うまく根付いたら大きく株が生長していくため、株間を取って植え付けるのも育て方のポイントとなります。植え付けが終わったら水をたっぷりと与えましょう。

④追肥で効率のいい育て方を

クリスマスローズ肥料

出典:楽天
出典:Amazon
出典:楽天
Photo by misooden

クリスマスローズの開花時期が終わったら肥料を施します。緩効性の肥料を与えましょう。ただし、春の肥料はお礼肥となりますので、肥料の与え過ぎには注意が必要です。夏になって気温が上がったころに肥料を与えると、クリスマスローズは肥料やけを起こすこともあります。

夏に気をつけたい管理や作業の2つのポイント

①育て方の大切なポイントは種まき

Photo byCouleur

クリスマスローズの育て方では5月~6月ごろも種まきが可能です。花後にできた種を採種し、鉢植えで植えます。種が乾燥しないように気を付けることが大切です。乾燥してしまうと発芽しにくくなるからです。専用の用土が市販されていますので、利用するのもよいでしょう。

発芽するまでは雨風が当たらない日陰で管理します。冬になり、雪が降るエリアでは土が凍りつくようなときは室内に取り入れますが、基本的には寒い場所で管理するようにしましょう。

②休眠期の過ごし方で育て方に差が

Photo by coloredby

クリスマスローズの休眠期は夏です。気温が上がってきたら休眠期に入るため、肥料などを控え、水やりは必要な程度に行います。休眠期には葉が落ちてきますが心配ありません。虫などが発生しやすい時期でもありますので、休眠期には苗の様子をしっかりと管理して、秋以降の生長を待ちましょう。

秋に気をつけたい管理や作業の3つのポイント

①肥料を施すことで株の育て方に差がつく

クリスマスローズ肥料

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon

秋のクリスマスローズの育て方では、株が生育する前に緩効性の肥料を施すことが大切です。鉢植えも地植えも、花つきがよくなるように10月ごろに肥料を与えるようにしましょう。

鉢植えの場合、株の様子を見て、肥料を追肥していきます。元気がない場合などは液肥を与えるのも育て方のポイントです。市販の肥料には、クリスマスローズに特化した製品もありますのでチェックしてみましょう。

②秋の種まきでは時期をまちがえないように

Photo bysusannp4

花後に採取した種は湿度を保たせて保管し、9月終わりから10月中ごろまでに種まきすることができます。初心者の方は専用の土を使い、鉢に入れた土を湿らせてから15粒程度の種をまくようにしましょう。軽く土をのせ、しっかりと水をやり、日の当たらない場所で発芽するまで管理します。芽を出しはじめたら、植え替えを行いましょう。

なお、種まきの時期が遅れると、発芽に影響を与えます。なるべく10月中ごろまでに種まきを終わらせるようにしましょう。

③植え替えや植え付けは育て方の重要ポイント

Photo by coloredby

クリスマスローズの苗が出回る時期はちょうど10月ごろからです。この時期に購入した苗を植え付けるのも秋の育て方のひとつとなります。地植えの場合、夏場に日陰となる場所に植え付けるようにしましょう。

鉢植えの場合、購入した株の根についた土を落とし、少し大きめの鉢に植え付けます。植え替えの際、古い土を取り除き、傷んだ根を切り落としてから植え替えましょう。植える際、深く植えると芽が隠れてしまうため、浅めに植えるのも育て方のポイントです。

冬に気をつけたい管理や作業の2つのポイント


①開花前の剪定は冬の育て方の大切なポイント

Photo bystux

クリスマスローズの育て方で注意したいのが剪定です。剪定の適期は冬で、開花の前に行うようにしましょう。有茎種のクリスマスローズの剪定では傷んでいる葉などを切り落とします。無茎種のクリスマスローズの剪定では、古い葉を根元から切り落とし、風通しをよくし、花がしっかりと育つように促すのが育て方のポイントです。

②開花時期は花を存分に楽しむ

Photo byCouleur

冬は念願の開花時期です。十分に花を楽しみましょう。クリスマスローズは寒さに強いため、室内で管理する必要はありませんが、霜に当たると弱りますので気を付けます。地植えのクリスマスローズは地域によって防寒対策も必要です。鉢植えのクリスマスローズは、最適な日当たりで管理しましょう。日陰から半日陰の場所に移動させるのも育て方のポイントです。

クリスマスローズの育て方【注意するべき作業】

①寒冷地での株分けは春に行う

Photo by coloredby

クリスマスローズの育て方の中で、株を若返らせるために行うのが株分けです。この作業は、基本的には秋に行いますが、北海道などの寒い地域では、3月~4月ごろの春に行います。株分けの方法は、古い土を落とし、硬くなった根を切り分けるという方法です。株分けの後はしばらくの間、風が当たらない場所で管理しましょう。水やりも控えめにします。

②株分けは秋に行う作業のひとつ

Photo by coloredby

クリスマスローズの株分けは、何年も育ててきた株で行うことが可能です。古い土を落とし、硬くなった根を切り分け、殺虫剤などで切り口を保護してから植え替えるようにしましょう。株分けの後、用土が凍らないように防寒対策を行うようにするのも育て方のポイントです。

なお、株分けの時期は、北海道などの寒い地域では3月~4月ごろが適期となります。育て方のタイミングを間違えないようにしましょう。

クリスマスローズと季節を楽しもう

Photo byOldiefan

今回は、クリスマスローズの育て方を季節別にご紹介しました。それぞれの季節で注意するべき育て方のポイントがいくつもあります。冬にかわいい花姿を楽しむためにも、ぜひ育て方のポイントを押さえながらしっかりと管理していきましょう。また、さまざまな種類のクリスマスローズの育て方にも挑戦して、彩り豊かなガーデニングを楽しみたいです。

クリスマスローズの育て方が気になる方はこちらもチェック!

今回はクリスマスローズの育て方についてご紹介しましたが、もっと細かい育て方が知りたいという方、種類別の育て方などが気になるという方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。育て方がわかるとガーデニングが楽しくなり、人気の種類や種類別の育て方の詳細をさらに深めることで、理想のガーデンスペースを実現することができるはずです。