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極楽浄土に咲く花、蓮(はす)の花言葉をご紹介。名前の由来や英語での呼び方も!

蓮(はす)は仏教では極楽浄土に咲く神聖な花で、インド原産で清々しく美しい姿をしています。蓮にはさまざまな花言葉があり、明るい意味もあれば少し怖いイメージもあるのです。蓮の花言葉の意味や名前の由来、混同しやすい蓮と睡蓮の違いや英語の呼び方などを紹介します。
2021年9月26日
eiji0601
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目次

蓮(はす)とは?

蓮は仏教で神聖な花

出典:photo-ac.com

蓮(はす)は池や沼の泥水の中で育ち、不浄な泥水の中から汚れのない清浄な美しい花を咲かせる姿が、仏の智慧(ちえ=悟り)と汚れのない慈悲を表し、神聖な花として崇められています。

そのため仏教の儀式では蓮の花(華)が使われ、仏像は蓮座(れんざ)という蓮の葉を模した台座の上に鎮座しているのです。また大乗仏教の経典「法華経」の正しい名前は「妙法蓮華経」と言い、蓮華(=蓮の花)の文字が使われています。

蓮の特徴

出典:photo-ac.com

蓮はインド原産の多年生の水生植物で、池や沼の泥で育ち土中の地下茎(根)から茎をのばし水面に葉を出します。葉は円形で中央に葉柄がつき撥水性があって水は水玉になり転げおち葉にたまらないのが特徴です。この撥水性をロータス(蓮の英語名=Lotus)効果またはハス効果と言います。

7月〜8月時期に白またはピンク色の花を咲かせますが、早朝に開花し昼には閉じてしまい、4〜5日で枯れ落ちる短命なのが特徴です。

地下茎と蓮の実は食用になる

出典:photo-ac.com

蓮の地下茎はレンコン(蓮根)と呼ばれ、和食でよく利用される食品になります。輪切りにすると穴が空いていて、先がよく見通せることから縁起物として正月のおせち料理に使われる食品です。

また花が落ちた後に実る「蓮の実」も緑色のどんぐり状で、でんぷん質を豊富に含み甘納豆や汁粉に利用され、多少渋みがありますが甘みがあり生食もできます。ロート状の格好が面白く生食できたので、昔は子供のおやつにもなった食品です。

蓮の名前の語源

出典:photo-ac.com

蓮のことを日本では昔「はちす」と呼んでいました。これは蓮の花托(花びらや雄しべ・雌しべがつく部分=花床)が蜂の巣に似ていたことに由来してつけられた名前で、いつしか「はちす」が「はす」に転化したと伝えられています。

また「蓮」という漢字は蓮が連なって実をつける花(植物)ということから、「連」の上に「艸(くさかんむり)」をのせて成り立つ会意・形成文字です。

蓮の英語名

出典:pixabay.com

蓮と睡蓮は植物学的には異なる科に属していますが、蓮と睡蓮を総称して英語では「Lotus(ロータス)」と言い、睡蓮は「Water lilly(水のユリ)」と表現します。

蓮と睡蓮は見た目がよく似ていて混同されやすいのですが、違いや見分け方は後ほど紹介するので、ここでは英語名のLotus(ロータス)は蓮と睡蓮の総称、Water lilly(水のユリ)は睡蓮を指す言葉と認識しておいてください。
 

英語名Lotus(ロータス)の語源

英語名Lotus(ロータス)はギリシャ語由来ですが、元の語源を辿ると、エジプトに自生する蓮とは真逆に夜に咲く睡蓮の1種で「Nymphaea lotus (ヨザキスイレン)」または「Egyptian Blue Water Lily(エジプトスイレン)」を指しています。

語源からいえばロータスは睡蓮を指す言葉ですが、いつしか蓮にも使われるようになり蓮と睡蓮の総称になったのです。

蓮のポジティブな花言葉4つ

蓮の花は宗教的で神聖なイメージを持ち、清らかで美しいので花言葉もさまざまです。ただ仏教の影響が強い日本(東洋)と西洋では多少ニュアンスが違います。蓮の花言葉の中で明るくポジティブなイメージを持つものを4つ選んで、意味と由来を紹介します。


①清らかな心

出典:photo-ac.com

蓮は真水に近い澄んだ水より、濁った泥水の方が大きな花を咲かせると言われています。仏教では泥水は苦境や困難・不浄な心のたとえであり、そんな不浄の泥水に紛れても、美しく真っすぐに立ち上がる蓮の花は、まさに花言葉「清らかな心」のままです。

また蓮の実は悟りの象徴と考えられています。苦境の中でも花言葉のように清らかな心を持ち続け乗り越えることにより「悟り」という実に近づくことができるのが花言葉の由縁です。

②神聖

蓮の花言葉の「神聖」は、蓮の花が美しく清らかなことも由来の一つです。また、生まれたばかりのお釈迦様が歩いた足跡にそって蓮の花が咲いたという伝説や、蓮の上で「天上天下唯我独尊」と第一声を発したことから花言葉になったとも言われています。

古代エジプトでも蓮は神聖な花と考えられていて、王族の墓に飾る風習があり墓から出土した装飾品のモチーフにも蓮が使われていたほどです。

③沈着

出典:pixabay.com

「沈着」という花言葉は中国のことわざに由来しています。古代中国では学識や人格に優れ、品位や徳のある人を敬って「君子」と言い、蓮の花は俗人には染まらない「君子の花」と呼ばれていました。花言葉の沈着は「君子危うきに近寄らず」のことわざにあるように、冷静沈着な行動をとり思慮深い君子を表している花言葉です。

④雄弁

蓮の花言葉に「雄弁」があるのを不思議に思う方が多いのではないでしょうか。実はこの花言葉はエジプト神話に登場する雄弁なオシリス王に由来しています。

蓮の花は日の出とともに開花し夕方には閉じてしまう性質から、古代エジプトの太陽神(最高神)の神聖な象徴(化身)と崇められていました。雄弁なオシリス王の死去の際に蓮の花が飾られたことが「雄弁」の花言葉が生まれた由来です。

蓮の花言葉には深い意味がある

出典:unsplash.com

古代エジプトの遺跡に描かれた壁画や装飾品、花束や香水にもロータス(睡蓮)をモチーフにしたものがたくさん出土しており、雄弁なオシリス王の神話とあいまって花言葉になったと考えられます。

花言葉「雄弁」の英語表現は「eloquence」、「清らかな心」は「purity of heart」が一般的です。このように蓮の花言葉には、宗教や歴史、風習や伝説などが複雑に絡み合い、深い意味があるのです。

蓮のネガティブな花言葉3つ

さまざまな花言葉がある蓮の花には、ちょっぴり怖いネガティブな花言葉があります。それには日本と西洋の宗教や文化の違いを超えた共通する部分も多いのです。ネガティブな花言葉の中より3つを選んで意味と背景や由来を紹介します。

①離れゆく愛

出典:pixabay.com

愛が離れていくなんて、なんとはかない花言葉なのでしょう。この花言葉は夏の短い時期にしか咲かず、しかも数日で散ってしまう蓮の花のはかなさを表現する花言葉です。

恋や愛は一瞬で熱烈に燃え上がりますが、ちょとしたきっかけや、言葉や会話のすれ違いであっという間に冷めてしまいます。まさに蓮の花の習性と似ているのが花言葉の由来です。これは日本や西洋を問わず、共通する感情(花言葉)ではないでしょうか。

②救ってください「救済」

この花言葉は、仏教的なお釈迦様の「人生は苦行で、困難なしに人は悟ることができない」という教えに沿った花言葉ですが、仏教だけでなくキリスト教もマホメット教もすべての宗教は人々の心の救済のためにあります。

蓮の花の神聖で清楚な美しさは、極楽浄土や神のおそばに行きたい「救ってください(救済)」という気持ちを代弁しているかのようなので、花言葉になっているのです。

③休養(休息)


この花言葉は、ポジティブとネガティブの両方の意味を持っている花言葉です。蓮の花は早朝に開花し午後になると次第にしぼみ夕方には閉じて休息し、翌日の朝にはまた復活して開花します。

この休養をとり翌日の活力を蓄えるというのがポジティブな花言葉の意味です。しかし1日の半分しか開花せず、休養を取らなければ翌日花を咲かせることができず、しかも4〜5日で散ってしまうという短命はネガティブな花言葉になります。

ネガティブな花言葉の西洋表現

花言葉「離れゆく愛」を英語では「estranged love(疎遠になった愛・遠ざかる愛)」、フランス語では「amour aliéné(愛を失う・疎遠な愛)」、オランダ語では「vreemde liefde(他人行儀な愛)」と表現します。

花言葉を日本語に直訳すると微妙にニュアンスが違いますが、それは国による歴史や文化の違いが花言葉に現れるからで、蓮の花の印象や感じ方も微妙に違うのかもしれません。

蓮と睡蓮の違い

蓮(はす)と睡蓮(スイレン)は同じ漢字の「蓮」を使い、どちらも水生植物で見た目も花の形も非常に良く似ていて混同されやすいのですが、実は蓮はハス科、睡蓮はスイレン科に属し植物学的には違う植物です。この違いは前述の花言葉の意味にも影響しています。蓮と睡蓮の違いと見分け方を解析してみましょう。

花の色と咲き方

出典:unsplash.com

蓮の花の色は、白にクリーム色とピンクの3色だけで、睡蓮にはこの3色に加え紫や青色の花があります。蓮のピンクが濃かったりすると紫と勘違いしたり、開花時期や花の形が似ているため混同してしまうのです。

また蓮の花は水面より高いところで開花しますが、睡蓮は水面近くで咲くところが違います。気をつけて見ればその違いはすぐわかるので、池や沼で咲いているところがあれば注意して見てください。

葉の形状と性質

出典:pixabay.com

蓮の葉の形は円形で、睡蓮の葉には切れ込みがあります。蓮の葉は撥水性がありますが睡蓮にはありません。コロコロと水滴がこぼれ落ちるのが蓮です。また日本や東洋には蓮の品種が多いのですが、西洋に分布しているのは睡蓮がほとんどになります。

フランスの印象派の画家クロード・モネの有名な連作は蓮ではなく「睡蓮」です。モネは日本の美学に憧れがあり日本的なイメージがある睡蓮を好んで描いたと言われています。

蓮と睡蓮にまつわるもの5つ

蓮と睡蓮にまつわるものは、生活や文化の中に溶け込んでいて気づかずに利用しているものがあります。日本や東洋では仏教の影響や、西洋ではギリシャ神話に基づくものが多いようです。蓮と睡蓮にまつわるものを5つ紹介します。

①中華料理で使うレンゲ(スプーン)

ラーメンや中華料理の汁物をすするときに、何気なしに使っているレンゲですが、正式には「チリレンゲ(散蓮華)」と言います。蓮の花(蓮華=レンゲ)から散って落ちたひとひらの花びらに似ていることから「散蓮華(チリレンゲ)」と呼ばれているのです。

普段気軽に使っているレンゲが、蓮の花に由来しているとは驚かれる方が多いのではないでしょうか。といってもビビる必要は全くありません。お釈迦様もきっと喜んでいます。

②お供えの敷物と台座

法事などの際に仏壇にお供えする菓子などの供物の敷物に、昔は蓮の葉がよく使われたものです。また位牌や仏像の台座は蓮の葉をデフォルメした形になっています。これは仏教では蓮が花言葉のように神聖なものとされている証しです。

現在は蓮の葉が手に入りにくいので、蓮の絵が描かれた敷紙で代用されます。仏教では極楽浄土に行けるようにと願いを込めて、浄土へのパスポートのように仏事では蓮が使われるのです。

③蓮を国花とする国

出典:unsplash.com

蓮を国花とする国はインド、マカオ、ベトナムでいずれも仏教が盛んな地域です。花言葉にあるように神聖で清らかな心を大切にする仏教の教えが浸透している人々が多いので蓮の花が国花になっています。

日本は意外に宗教に対してフリーで、幼少期は神道でお宮参りや七五三を祝い、結婚式はキリスト教の教会で、死んだときは仏教の葬式とまちまちで特定の宗教がありません。そのため日本の国花はサクラと菊になっています。


④黒い蓮(睡蓮)

少し怖い話ですが、西洋の伝説で黒い蓮には恍惚感と毒を併せ持つ麻薬のような作用があると伝えられています。実際には存在しないのですが、この伝説がネガティブな花言葉の起因になっているのかも知れません。

ギリシャ神話でオデュッセウスは漂着した島で食べたロートスの実(黒い蓮)に魅せられ、それはすべての苦痛を忘れさせる美味しさで、一度食べるとロートスの実を食べることしか考えられなくなるまさに魔性の蓮です。

もしも黒い蓮があったなら

これは仮の話ですが、もしも黒い蓮が実在するならば、それは蓮の花言葉の真逆です。ありえない想定外のことが起こるのも現実ですが、その困難や苦境、誘惑に立ち向かう心の支えになるのがポジティブな蓮の花言葉ではないでしょうか。もう一度蓮の花言葉の意味と由来を思い起こすことが大切です。

⑤誕生花

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誕生花を誰がいつ何のために決めたのかは定かではありませんが、古代のギリシャ人やローマ人は花や木々は神秘的な力で神のメッセージを宿し月日や時間にもそのパワーが及んでいると考えていました。

その発想が誕生花を生むきっかけになったと言われています。蓮の誕生花の日付は7月3日、7月8日、8月15日、9月26日の4日です。この誕生日の人が蓮の花言葉を添えて贈ってもらえればこの上ない幸せを感じるはずです。

睡蓮の誕生花

睡蓮の誕生花の日付は4月から10月と比較的長くなっています。開花の時期等が関係しているのかも知れませんが理由は定かではありません。4月27日は白い睡蓮、 5月7日と8日は黄色い睡蓮、そのほか7月は1日・7日・10日・23日・24日 、8月は5日と8日、9月はなしで、10月30日となっています。

蓮の花言葉の意味を知り花を愛でよう!

まとめ

出典:pixabay.com

蓮は池や沼の泥水から7月〜8月に清純で美しい花を咲かせます。その清々しい姿から仏教では神聖な花として、西洋では神話などに登場し古来より大切に崇められている花です。蓮の花言葉もその美しさゆえさまざまな言葉があります。ここまで紹介した花言葉の意味とその背景にある想いを胸に止め、蓮の花を愛でていただければ幸いです。
 

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