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勿忘草(ワスレナグサ)特集!花言葉や開花時期など勿忘草の魅力とは?

淡い色合いと小さな花が可憐な雰囲気の勿忘草。派手さはないですが、群生していると思わず息をのむような美しさがあります。ここでは、勿忘草の花言葉の由来や、開花時期・育て方などの基礎知識に加えて、勿忘草を取り入れた寄せ植えや庭づくりについてもご紹介していきます。
2020年8月27日
atsugon
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勿忘草の名前の由来は?

ワスレナグサの学名は、「myosotis alpestris(ミオソティス・アルペストリス)」。 属名のミオソティス(myosotis)は、ギリシャ語の「mys(ハツカネズミ)」と「ous(耳)」が語源で、ワスレナグサの細い葉の形がハツカネズミの耳に似ていることに由来するといわれています。 ドイツ語では「Vergissmeinnicht(フェアギスマインニヒト)」、英名では「forget-me-not(フォゲットミーノット)」と書き、どちらも直訳すると「私を忘れないで」となります。 これは、ワスレナグサの花言葉のひとつでもあります。 1905(明治38)年に、植物学者の川上滝弥が「勿忘草(忘れな草)」と日本語に訳し、以来、日本ではこの名前で呼ばれるようになりました。 とてもロマンチックな日本語名ですね! ちなみに、中国語では「勿忘我草(ウーワンウォツァオ)」と呼ぶそうです。

勿忘草の花言葉は?

愛や友情にまつわる言葉が多い

ワスレナグサの花言葉には、「私を忘れないで」のほかにも、「真実の愛」「真実の恋」「真の友情」「思い出」などの言葉があります。 スイスでは、若者がズポンのポケットにワスレナグサを入れて歩いていると、若い女性に気に入られるという言い伝えがあるそうです。 また、フランスでは、ワスレナグサは友情のシンボルとして扱われているとか。 花の名前と花言葉が一致しているというのは、非常に珍しい例だそうです。 どうしてそのような言葉が花言葉になったのか、その由来については次の項で詳しく書いていきますね。

勿忘草にまつわる2つのエピソード

ドイツの悲恋物語が花言葉の由来?

ワスレナグサには、花言葉にまつわる2つのエピソードがあります。 ひとつは、古くからドイツに伝わる「ドナウ川の伝説」といわれている悲しいお話です。 騎士のルドルフと恋人のベルタがドナウ川のほとりを散歩していると、川岸に咲く青い可憐な花を見つけました。ルドルフは、ベルタにその花を贈ろうとして水辺に近づき、花を摘みましたが、誤って足を滑らせて川に落ちてしまいます。 川の流れに飲みこまれてしまったルドルフは、力を振りしぼってその花を岸へ放り投げて、こう叫びました。 「Vergiss-mein-nicht!」(ぼくを忘れないで!) それが、ルドルフの最期の言葉になりました。 ベルタは、ルドルフの墓にその花=ワスレナグサを供えて祈り、彼の言葉通り、ルドルフを忘れないようにワスレナグサを生涯髪に飾り続けたそうです。 ルドルフの最期の言葉が、そのまま花の名前になっているということですね。

アダムに「名前を付けて欲しい」と言った小さな花

もうひとつは、アダムとイブでおなじみの「旧約聖書」にまつわるお話。 エデンの園に住んでいたアダムは、楽園に咲く花々にひとつひとつ名前を付けていました。 アダムがすべての花に名前を付け終わったと思った時、足元から小さな声が聞こえてきました。 「アダム様、私はどのような名前を頂けるのでしょうか?」 アダムが声のする方を見ると、小さな美しい花がひっそりと咲いていました。 アダムは、「こんなに美しい花に名前を付け忘れていたなんて!」と驚いて花に謝り、今度は絶対に忘れないようにということで、勿忘草=ワスレナグサと名付けたということです。 同じ名前にまつわるお話でも、由来が違っているのは興味深いですね。

勿忘草の花色の種類は?

青のほかに、ピンク、白などの種類もある

ワスレナグサの花色には青、ピンク、白などの種類がありますが、最も一般的なのは青色でしょう。 青といっても明るい青に少し紫が混じったような、独特の淡い色合いが特徴的ですね。 「勿忘草色」という日本の伝統色もこの淡い青~紫の色を指し、和装小物などに使われています。 白はあまり見かけませんが、園芸用に改良した品種のなかに見られます。 つぼみの時はピンク色をしていても、花が咲くと青色になっていくという現象もよく見られます。

勿忘草の花や葉の特徴は?

花の付き方は「サソリ状花序」に分類される


ワスレナグサの花の大きさは5mmから10mmぐらいで、ひとつの花弁が5つに広がったような形で咲きます。 花びらは5枚あるように見えますが、中央でつながっている合弁花です。 花の中心部分は黄色または白色をしていて、白い筋のような模様が中心部から外側に向けて入っています。 花の付き方は、まず花軸の先端に花が咲き、その下から茎が出て花を付け、次は反対側に茎が伸びて花が咲く…というように互い違いにつぼみを増やして花をつける「サソリ状花序」という種類に属します。 花の付いた様子が、サソリの尾の形に似ていることからこう呼ばれているのだそうです。 葉は、茎から互い違いに伸びていて、柔らかい灰白色の軟毛が生えています。 小さな花に対して、葉の色ははっきりとしていて、存在感があります。

勿忘草の花が咲く時期は?

暖地では3~5月、冷涼地では4~6月頃の時期に咲く

ワスレナグサは、秋に種まきや植え付けをすると、春の3~5月頃に咲きます。 暑さに弱いので、高温多湿な梅雨や夏の時期を乗り越えることができず、枯れてしまいます。 そのため、日本では一年草として扱われています。 日本でも冷涼な地域で育ったものや野生化している品種などでは夏越ししているものもあります。

勿忘草の育て方で注意するポイントは?

ワスレナグサは、ひと昔前までは雑草のような扱いで、わざわざ園芸店で種や苗を買う人も多くはありませんでした。 野生化したワスレナグサの群生が見られることからも分かるように、土や気象条件が合えばどんどん増えていく繁殖力の強い植物でもあります。 それでも、きれいな花勢を保って長く楽しむためには、育て方にちょっとしたコツが必要です。

育て方のポイントその1「暑さ」と「蒸れ」に注意!

ワスレナグサは暑さに弱く、関東以西の地域では梅雨を越えるといつの間にか枯れてなくなってしまいます。 そのため、花が咲いた後は、種をとり、抜いてしまった方がよいでしょう。 どうしても夏越しさせたい場合は、風通しのよい涼しい場所に移動して水やりは控えめにし、様子を見ます。 また、苗が成長して株間が混んでくると、病気になったり害虫がつきやすくなるので、こまめに剪定して風通しを良くしてあげましょう。

育て方のポイントその2 「水はけ」「水もち」どちらも良い土を好む 

ワスレナグサは、比較的水を好む植物ですが、プランターなどで水はけが悪いと根腐れしてしまいます。 そのため、根が十分に育つことのできるように余裕を持って植え付けし、土の表面が乾いてから水やりするようにしましょう。 種まきや植え付けの際は、花用の培養土を使うと簡単です。 自分で調合する場合は、赤玉土6・腐葉土4ぐらいの水はけのよい土に緩やかな効き目のある肥料を元肥として混ぜ込んでおくとよいでしょう。

育て方のポイントその3 日当たりが良く、やや湿り気のある場所がベスト

ワスレナグサの成長には、ほかの多くの植物と同じように十分な日当たりが必要です。 しかし、乾燥しているよりは、水辺のようなやや湿り気のある環境を好みます。 地植えの場合は、極端に雨が降らない時期が続いている時以外は水やりは必要ありませんが、鉢植えの場合は、水切れを起こさないように管理して下さい。 冬場の苗が小さい時期に水分が不足すると、春以降大きく育たないことがあるので注意が必要です。

勿忘草は鉢植えと地植え、どちらの育て方が向いている?

ワスレナグサは、種まきでも苗からでも育てることができますが、移植を嫌うので、ポットから鉢植えや地植えにする場合は、葉が4~5枚ごろまでの時期に植え替えるのが望ましいです。 苗を植え付ける場合は、株間25cmぐらいに少し余裕をもって植え付けましょう。 寄せ植えを作る場合は、なるべくワスレナグサの鉢植えにほかの植物を移すようにします。 地植えや大きなプランターの場合は、ワスレナグサだけの単植でもきれいです。 鉢植えよりも地植えの方が根を深く張り、株も大きく育つので、花を長い時期楽しみたいなら地植えの方がおすすめです。

勿忘草の増やし方は?

種まきからの増やし方が一般的


ワスレナグサは種で増やします。 種は数百円で買えるので、種まきの時期さえ逃さなければ、発芽した苗を越冬させて増やして育てることができます。 最初から種まきで苗を増やす自信がない人は、まずは早春に園芸店に並ぶ鉢植えを買って苗からの栽培にチャレンジしてみましょう。 花が咲くまでは害虫や気象条件に気を付けて大事に育てます。 春先に花が咲いたら、花が終わった後に実ができます。 これを指で揉むようにしてこすると種が採れます。 この種を保存しておいて、気温が20℃以下になった10月以降にまいてみましょう。 大量に雪が降る地域では、春に種をまいた方がよく育つ場合もあります。

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出典:Amazon
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秋まき(暖地)、春まき(冷涼地)どちらにも対応できます。

こぼれ種での増やし方は?

わざわざ種まきをせず、こぼれ種の発芽をねらった増やし方もあります。 その場合は、花が咲いた後に花がらを摘まず、枯れるまでそのままにしておきます。 増やしたい場所に、別の場所で採取した種をぱらぱらとまいてみるのもいいかもしれません。

勿忘草は切り花でも楽しめる?

ワスレナグサは、50cmくらいの高性種が生花店に切り花で置いてあることもありますが、花がパラパラと落ちやすいので長持ちさせたいブーケなどにはあまり向いていません。 由来する花言葉の多彩さや、咲く時期が春先の卒業シーズンなどと重なることもあり、ワスレナグサを贈り物にしたいというニーズもあるようですが、生花よりは鉢植えの方がおすすめです。 庭に植えたワスレナグサを切り花にして室内に飾りたい時は、水揚げがスムーズにできるようにこまめに茎を切り、毎日水を替えてあげるとよいでしょう。

勿忘草との混植に向いている花は?

ワスレナグサは、主役というよりもほかの花を引き立てる美しさがあるので、インパクトのある大ぶりの花との寄せ植えに向いています。 また、あえてワスレナグサと同じように小ぶりで多数の花弁を付ける種類の花と合わせるのも効果的です。 花壇の場合は、手前側と奥側で草丈の差をつけたり、円形の鉢植えでは中央と周辺部の花で高さの差をつけたりすると、立体的で見栄えがします。 花色は、同系色でまとめても、反対色でコントラストをつけてもOKです。 以下に、ほかの花と混植した例を画像で集めてみました。 春は花の種類が豊富なので、色々な花と組み合わせた鉢植えを作って楽しんでみて下さいね。

キンギョソウ、ナデシコ、ノースポールとの混植

鮮やかなキンギョソウのピンクや黄色の中に、ワスレナグサの青色が効いています。

チューリップやビオラとの混植

白色、緑色、水色だけでまとめてすっきりとした印象の花壇です。

下の花壇も花色を3色でまとめています。 白色と青色、2種類のワスレナグサを使っています。

サクラソウ、バーべナとの混植


色々な花色や種類の花が入り乱れたワイルドガーデンのような雰囲気の花壇です。

小菊との混植

ワスレナグサの青色と白色はよく似合います。

パンジー、ビオラ、イベリス、ムスカリとの混植

白、青、紫系統の色でまとめた同系色の花壇です。

勿忘草を採り入れた庭作りのコツは?

ナチュラルガーデンにぴったり!

ワスレナグサは、群生することで美しさが際立つので、ある程度まとめて植え付けた方がよいでしょう。 花壇の中央などよりも、花壇の隅や道端などに植えるとフォーカルポイントになります。 「ターシャの庭」などでおなじみのガーデナー、ターシャ・テューダーの庭にも、ワスレナグサが好んで植えられていたそうです。 ターシャが住んでいたアメリカ・バーモント州は冷涼な気候なので、ワスレナグサも多年草として繁殖していたのかも知れません。

大きくなると草丈が50cmぐらいになるので、通路などに植えるのもおすすめです。 ナチュラルガーデン風の庭に向いています。 一度種まきすると、翌年以降はこぼれ種で自然に増えていくこともあります。

勿忘草(ワスレナグサ)特集! まとめ

ワスレナグサの花言葉やそれに由来する2つのお話、種まき、育て方などについて詳しくなって頂けたでしょうか? 歌や映画の題材などにもよく取り上げられているワスレナグサは、目立たないようでいて、どこか人の心をひきつけるものがありますね。 実際に栽培して、その魅力を存分に味わってみて下さい。