観葉植物の葉焼けについて解説
室内や庭で観葉植物をガーデニングする際、葉っぱの部分が変色していることがあります。このような状態を園芸で葉焼けと呼び、観葉植物にとっては大敵のひとつとなっています。
葉焼けとは、一体どのような症状が表れ変色をするのでしょうか。葉焼けになってしまったときの治療方法、くわえて葉焼けにならないための防止策を解説します。また、観葉植物をガーデニングするうえでの重要な園芸用語も紹介しましょう。
葉焼けの症状とは
葉焼けの症状とは、葉っぱが変色を引き起こし最後には枯れてしまうことです。日ごろのガーデニング時に観察をおこなっていると、健康な葉っぱとは明らかな違いが分かります。
葉焼け症状の葉っぱがどのような変色となるのか解説していきます。葉焼けの症状とは一体どのようなものなのか。事前に知っておくと健康な葉っぱか、それとも葉焼けなのかが判断でき適切なガーデニング処置を施せます。
葉っぱの黄色化とは
葉っぱの部分が黄色く変色していた場合、葉焼けの可能性があります。このような症状を葉っぱの黄色化と呼び、葉焼けの典型的な状態です。葉っぱが黄色化すると緑で健康な葉っぱとの違いがすぐに識別できます。
葉緑素が形成されないと起こる症状で、植物に必要な光合成ができません。黄色化した葉っぱは触ると柔らかく、引っ張ると伸びるのが特徴です。
葉っぱの褐色化とは
葉っぱの部分が茶色く変色していたら、葉焼けを疑いましょう。茶色く変色している症状は葉っぱの褐色化と呼び葉焼けの特徴です。葉っぱの一部分から始まり、次第に葉っぱ全体へ変色が進んでいきます。
褐色化した葉っぱは水分がなく枯れていて、光合成もおこなっていません。細菌性の葉っぱとは異なり、病気ではないため緑色の健康な葉っぱには広がりませんが、そのままにしておくと最後には落葉します。
葉焼けの原因と理由とは
葉焼けの症状を引き起こす原因は3つあります。光と水、くわえて湿度です。この3要素が観葉植物の葉焼けの引き金になっています。この3要素は植物の成長にとっても必要なものです。
しかし、上手く管理をしておかないと葉焼けの原因をつくってしまうのです。葉焼けを引き起こしてしまう原因をひとつづつ挙げ、その理由を解説していきましょう。葉焼けを引き起こすメカニズムを知ることができ、ガーデニングの知識がより深まる内容となっています。
真夏の直射日光
葉焼けの原因の一つが直射日光です。植物は光合成をおこなう上で光が不可欠ですが、真夏の直射日光は特に大きな問題となります。真夏の直射日光は日差しが非常に強く、葉の水分を奪ってしまうからです。
葉の水分を奪われると葉の組織が破壊され、葉焼けを引き起こしてしまいます。特に真夏の午前11時から午後4時までの時間帯は、西日が非常に強く危険です。
置き場のローテーション
ガーデニングするときに観葉植物の置き場所を変えるのも重要です。直射日光が当たってしまう場所は避けてください。しかし、植物の光合成ために日光は必要なため、置き場のローテーションが必要となるわけです。
屋内と屋外で環境は異なりますが、置き場所をローテーションすることによって直射日光を避けることが可能です。観葉植物はいわゆる木陰を好む種類が多いため、適度な日光のあたる環境が適しています。
水分不足
葉焼けの原因のひとつが水不足です。水が不足すると葉っぱ全体に水分が届かず、葉焼けを引き起こしてしまうからです。水は植物の成長に必要な光合成でも使用するため、重要な役割を担っています。
植物は約80パーセントが水分です。葉焼けを起こさないためには、植物が水を要求しているかどうかを判断する必要があります。そのためには葉っぱの観察の前に、土の状態を確認してください。土が白くなっていたら水不足となっている証拠となります。
エアコンに注意
水分不足を誘発させる原因がエアコンにもあります。観葉植物は屋内に置いている場合が多く、人間の生活とも密着に関わっているからです。生活する上でエアコンを稼働させる機会も多いのですが注意が必要となります。
エアコンを使用すると空気の流れが自然ではないため、植物の葉から水分が極端に奪われてしまいます。そのため、土は湿っているのに葉焼けが起こる可能性があるのです。エアコンの近くには置かず、霧吹きで葉に水を与える葉水をし蒸発を抑えてください。
湿度
湿度も葉焼けのを引き起こす原因です。湿度が上がり過ぎると観葉植物は蒸れてしまい水分が蒸発します。真夏は夜も湿度が高い場合があり、そのため葉やけを引き起こす原因となってしまうのです。
通常、植物は日中は日光から光を浴び、二酸化炭素と水で光合成をおこないます。夜間はその活動をおこないません。しかし、熱帯夜が続く湿度の高い真夏となると夜間も呼吸をおこなってしまい、大事な養分を消費し葉焼けを引き起こします。
適した湿度
観葉植物を育てるのに適した湿度は約60パーセント前後です。ガーデニングする際には湿度にも気を配る必要性があります。高すぎても低すぎても観葉植物の育成に大きな影響を与えます。
観葉植物はたくさんの種類がありますが、多くは高温多湿を好みます。しかし原産地によっては多少の差が生じるため、湿度の管理が必要となるのです。葉焼けを起こさないようにするためには、ご自身の観葉植物の原産地を知っておくことも大事になります。
葉焼けの治療方法
葉焼けの治療方法を解説します。観葉植物が葉焼けを起こしてしまった場合、どのような対応をすればよいでしょうか。正しい方法を知ることによって観葉植物のダメージを最小限に抑えることが可能となります。
また、葉焼けの治療に使用する園芸用品についても理由を踏まえ解説していきましょう。日常の代用品で賄うことも可能ですが、植物にとって一番大事なことを考えると専用の園芸用品を使用する方がよいことが分かります。
葉っぱ部分を取り除く
葉焼けの治療方法は、葉やけを起こした葉っぱを取り除くのが最良となります。理由は一度葉焼けを起こしてしまった葉っぱは元通りに戻らないからです。放置しておくと葉焼けが進行しいずれは枯れてしまいます。そうような症状になる前に葉っぱ部分を取り除いてください。
葉っぱを取り除く時は、園芸用のはさみを使用しましょう。切れ味があり植物の細胞がつぶれないためです。日常で使用する工作用のはさみは紙より厚いと切れ味が落ちてしまいます。
一部が変色しているとき
葉焼けが葉っぱの一部分であれば、その分だけを取り除きます。緑色の健康な葉っぱは光合成をおこなってエネルギーを生産しているからです。変色している部分のみを取り除くようにしましょう。
一部分を取り除く場合は、健康な葉っぱの形状を観察し可能な限り同じ形にします。理由は見た目をよくするためと観葉植物へのダメージを最小限に抑えるためです。変色した分を真っ直ぐに取り除くと細胞の損傷が小さくなり、植物の治癒が早まります。
全体が変色しているとき
葉っぱの大部分が葉焼けで変色している場合は、葉っぱ全体を取り除いてください。目安として、全体の3分の2以上が変色している葉っぱは全体を取り除くようにしましょう。
葉っぱ全体を取り除く時は、葉っぱの茎部分の付け根をしっかり摘まんでから取り除いてください。但し、2枚以上の葉っぱを取り除く場合には日を空けておこないます。理由は一度に多くの葉っぱを取り除くと、植物に大きなストレスを与えてしまうからです。
葉焼けの防止策
葉焼けの防止策について解説していきまましょう。葉焼けを防止するためには4つの具体的な方法があり、これらの防止策を施すと観葉植物が葉焼けになる可能性が小さくなります。
どれかひとつが欠けてもいけません。4つ全てが重要事項となります。観葉植物が葉焼けにならないようにしっかりと対策をしていきましょう。
風通し
葉焼けの防止策には風通しがポイントになります。理由は気温が高くなると空気中の温度が高くなり、湿気が熱を帯びてしまうからです。特に真夏は観葉植物の葉が蒸れてしまい葉焼けを起こすきっかけとなります。
真夏の直射日光を避けるには、屋内にある移動可能な観葉植物はカーテン越しに設置しましょう。コンテナを利用した屋外であれば、コンテナの間隔を開けると風通しが良くなります。地植えの場合は、下葉や雑草を取り除いて風が通るよう工夫しましょう。
鉢にひと工夫
鉢植えを二回り大きな鉢に入れて二重にする方法です。鉢と鉢の間に軽石や土をいれておくと、温度を下げる効果があります。気化熱の原理を利用した方法で、葉っぱと土の乾燥を抑え葉焼けの防止となるのです。
プラスチックの鉢にアルミホイルを巻く方法を紹介します。アルミホイルが日光の光を反射し、鉢内部の温度上昇を抑えてくれるのです。鉢のまわりに打ち水もおこなうと、気化熱効果がより高まります。
水やり
水やりは葉焼け防止策のひとつです。水やりをおこなう時間帯を把握しましょう。特に真夏の水やりには注意が必要となります。水やり次第では葉焼けを起こしてしまう可能性があるからです。
真夏の水やりは早朝もしくは、日が落ちた夕方におこなってください。理由は気温が上がった日中に水やりをおこなうと、水分が蒸発し高い湿気によって葉っぱが蒸れてしまうからです。結果、葉っぱを痛めてしまい葉焼けを起こしてしまいます。
水の量
観葉植物にとって水は大切ですが、水の量も重要なポイントです。量が多くても少なくても葉焼けの症状を引き起こす原因となります。そのため適正な水の量を与える必要があるのです。
適正な水の量を与えているか調べるには、鉢から一時的に引き抜き土と根を調べてください。土がボロボロ落ちる場合には水が不足しています。土から水が滴り落ちたり、根にカビが生えていた場合は、水を与えすぎの証拠です。
肥料
葉焼けの防止策として肥料も重要です。観葉植物の成長に応じて追い肥をおこなってください。追い肥をおこなうことにより、葉っぱに栄養がいきわたり葉焼け防止になります。
特に真夏の場合には、肥料の三要素である窒素、リン、カリウムの中で窒素とカリウムの多い肥料を追い肥をしてください。理由は、耐暑性を高める効果が期待できるからです。また、夏前に追い肥を事前におこなっておくと、よりよい葉焼けの防止策となります。
日よけ
日よけは葉焼け防止策になります。屋内であれば遮光ネット、屋外であればトレリスや寒冷紗がおすすめです。観葉植物の置き場所や大きさによって使い分けができます。
加えて、コンテナであればコンテナスタンド、鉢植えであればポットフィートに乗せると、地面からの照り返しを和らげてくれる効果があります。真夏は地面からの照り返しが特に厳しいです。植物への熱を妨げ葉焼けを防止しましょう。
常緑樹を利用する
葉焼けの防止策として、常緑樹を利用する方法があります。常緑樹は日差しに強い種類があるため、常緑樹がつくりだす木陰の下に観葉植物を置き、照り付ける日差しから守る方法です。
小さい観葉植物であれば、常緑樹の枝に吊るして日差しから守ることも可能です。直射日光ではないでの光合成もしっかりおこないます。ガーデニングの際の豆知識として活用してください。
葉焼けの便利用品
園芸用のはさみは、ガーデニングをおこなうときに便利な園芸用品のひとつです。園芸用のはさみは用途によってタイプが異なります。今回は葉焼けの葉っぱを取り除くときに、使い勝手のよいものを紹介していきましょう。
用途に合った園芸用のはさみを使用しないと、観葉植物を傷付けてしまう可能性があります。手に不必要な力が入ってしまったりするためです。そのため適切なものを使用するようにしましょう。
剪定ばさみ
葉焼けの葉っぱを取り除くときには、剪定ばさみをおすすめします。理由は、てこの原理で刃が開いてくれるため、手のひらへの負担が少なく葉っぱを取る作業が楽になるからです。
剪定ばさみとは左右の刃の形状が異なっている園芸用はさみの総称です。グリップ部分にスプリングが施されており、握るだけで葉っぱを切ることができます。製造メーカーによっては右利き用と左利き用に分かれてあるので、利き手にあったものを選んでください。
はさみは消毒する
剪定ばさみを使用するとき、作業前と作業後に消毒用アルコールで拭いてください。理由は、健康な葉っぱへの病気拡散を防ぐためです。葉焼けは細菌による病気ではないため、他の葉っぱに拡散することはありません。
しかし、以前使用したときの状況が分からない場合があります。病気に侵された葉っぱを除去したときに、消毒をしないまま放置したはさみの可能性があるからです。そのため必ず消毒をおこなってから使用しましょう。
葉焼けは観葉植物の大敵!
観葉植物にとって葉焼けは大敵です。理由は葉焼けが起きてしまうと光合成ができなくなり、最後には枯れてしまうからです。大事に育ててきた観葉植物がそのような姿にならないよう、手入れをおこない葉焼けを防止しましょう。
観葉植物はたった1鉢あるだけで庭や部屋の雰囲気が変化します。インテリアにも使用でき、大きさによって置き場所の発想も自由自在。ガーデニングとはイメージに合わせた空間づくりを可能にするものなのです。
観葉植物のガーデニングが気になる方はこちらをチェック!
観葉植物は葉焼け以外にもたくさんのトラブルがあります。関連記事には観葉植物のガーデニング関連の情報が掲載されていますので、役立ててみてください。

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