農業資材で大活躍の防虫ネットとは
栽培時に防虫ネットを使用する目的
防虫ネットとは、細かい網状で、害虫の侵入を防ぐ農業資材のこと。アーチにしたり、植物に被せたりして虫除け効果を発揮します。
防虫ネットの材質はさまざまで、農薬を使用することなく防虫対策ができるため、主に路地栽培の畑で使用します。防虫ネットの透光率を確認し、栽培品種に合わせて材料を購入しましょう。
どんな植物に使用できる?
防虫ネットはレモンや、野菜、草花など植物全般に使用できます。また、路地栽培の畑や庭だけでなく、ベランダで植物を育てている場合も使用できる優れものです。
網目の細かさや、材質、ネットのサイズはさまざま。特大ネットは大きいレモンの木に使用したり、大型のハウスに使用したりします。高さのない野菜には幅の短いネットを利用するなど、植物の高さと用途に合った材料を選んでください。
園芸用防虫ネットの材質・色展開が豊富な理由
日本ワイドクロス サンサンネットe-レッド園芸用
園芸用品店では、色展開も多くさまざまな種類のネットを取り揃えています。例えば、赤色のネットは「アザミウマ類」の害虫対策のために利用するようです。
アザミウマは2mm程の害虫で、網を通り抜けることも。しかし、赤色の材質には寄ってこないため、赤の防虫ネットを利用することで害虫対策になります。また、虫は反射するものを嫌うため、銀色のアルミ糸が入っている防虫ネットがほとんどです。
防虫ネットの材質について
園芸用品店で販売しているネットには、いくつか種類があります。見た目がよく似ているため、利用方法も似ていると思われがちです。「防虫ネット」「寒冷紗」「不織布」のあたりが似ていますね。
しかし、それぞれ効果が違います。防虫ネットは虫除け対策として使用し、寒冷紗は寒さ対策と虫除け対策のために使用。また、不織布は鳥対策や乾燥を防ぐ効果、同じく虫除け対策で使用します。
種類で迷う場合の注意点
夏場に不織布を利用すると土の温度が上がりすぎてしまい、対策どころか植物を枯らしてしまいます。夏場は、風通しのある材質の虫除けネットを利用しましょう。ベランダでの栽培時も同様です。
また、秋から冬にかけては寒冷紗や不織布を使用するなど、目的に合わせてネットの材質を選ぶことが必要になります。
特大サイズは農業資材店で購入
防虫ネット0.8mm目合い 大きい 大型
大きい畝で栽培している場合は、大型のネットが必要になるため、農業資材店や園芸用品店で購入しましょう。また、目合いと言って網目の大きさを選びたい場合や、材質にこだわりたい場合も専門店での購入をおすすめします。
また、防虫ネットを設置する際に使用する支柱の高さにも種類があるため、園芸用品を扱う専門店で購入したほうがよいでしょう。
大型ハウスで使用!特大の防虫ネットが欲しいときは?
大型ネットは夏場のハウス栽培で使用します。夏場にハウスの換気をする際、虫が入ってこないよう大型ネットを設置。大型のハウス全体に防虫ネットをかけたい場合は、特大サイズの防虫ネットが必要になります。
大きいものは園芸用品店で販売していないことも多くありますね。代わりにインターネットで購入することがでできるため、探してみてはいかがでしょうか。
防虫ネットの選び方
防虫ネットを取り付ける支柱の高さ
家庭菜園の畑で防虫ネットを使用する場合は、園芸用品店で支柱を購入する必要があります。支柱の高さはさまざまですが、高さ60cmくらいがよいでしょう。野菜が大きい背丈になった際にネット内に収まるものを選びます。
また、棒状のものよりアーチ型になっているものを利用し、トンネル栽培をおこなう方が比較的簡単に設置することができるよう。また、レモンなどの木で利用する際は、木の高さに合わせて支柱の高さを選びましょう。
防虫ネットのサイズの選び方
家庭菜園で使用する防虫ネットのサイズは大型から、小型までさまざまです。園芸用品店で大型の防虫ネットを購入し、栽培場所のサイズに合わせて切って調節することもできるよう。
防虫ネットはトンネルの骨組みに被せた後、土に埋めるため、ゆとりを持たせて大きいサイズのものを購入することもあります。また、あまりにも大きいネットを購入してしまうと、一人で設置することが困難になるため、作業人数に合ったものを選びましょう。
防虫ネットの網目の選び方
防虫ネットのパッケージに記載されている目合いをチェックします。数値が小さいほど虫除け効果があるようです。しかし、目合いが小さすぎると通気性が悪くなってしまうことから、0.6以上の目合いのものを購入することをおすすめします。
目合いが大きいと、ネットの隙間から虫が侵入してくるため、防虫ネットの目合い1mm以下のほうがよいでしょう。防虫したい虫のサイズに合わせて、購入してください。プランター栽培も同様です。
庭で使用する大型防虫ネットの張り方
家庭菜園で防虫ネットを使用するタイミング
植物を栽培していて、害虫被害にあいやすいタイミングは、苗が小さい時期です。大きいサイズにならない葉は柔らかいため、害虫が集まってしまいます。春先、畑やプランターに種をまいた後すぐに、防虫ネットを設置。
「まだ芽が出てないから大丈夫」と思っていても、土に卵を生みつけられる可能性があるため、できるだけ早く設置しましょう。そうすることで、芽が出てからも害虫被害にあうことなく育てることができます。
レモンの木で防虫ネットを使用するタイミング
レモンなどの柑橘は、剪定が終わる春先を目処に防虫ネットを被せてください。気温が上がるとアブラムシの被害が多く発生するためです。レモンやみかんの新芽の時期に、害虫被害が深刻になるため、注意が必要になります。剪定を始めるころには、園芸用品店でネットの購入をしておきましょう。
家庭菜園の防虫ネットの張り方
まず初めに、土に支柱を設置するための深さ15cm程の穴を開けます。穴を開けることができたら、支柱を差し込んでください。雨や風でトンネルが吹き飛んでしまわないよう、深く差し込むとよいでしょう。
次に、防虫ネットを支柱に被せ、ネットの下部に土を寄せてください。害虫はあらゆる隙間から刺入してくるため、できる限り隙間を無くします。トンボを用意している場合は、防虫ネットに穴をあけ、土に固定してください。
防虫ネットを外すタイミング
防虫ネットを外すタイミングは、レモンや葉物野菜の場合は収穫が終わってからになります。白菜やキャベツなど、葉物野菜が成長しすぎた場合は、ネットに当たって傷がつくこともあるため、防虫ネットを外しましょう。ネットを外してからは、こまめに野菜に虫が付着していないか確認する必要があります。
また、大型ネットを外した際、ネットに土がついていると来年の使用ができないため、綺麗に汚れを落とし、よく乾かしてください。
支柱を利用しない防虫ネットの設置方法
支柱を立てることが面倒な場合もありますよね。発芽していない場合は、庭の畑に直接防虫ネットを設置する方法があります。この場合は、畝に合わせたサイズを購入し、畑の上から被せ、土で固定してください。苗がある程度大きくなってから、防虫ネットを取り外します。
防虫ネットが破れてしまったら
ネットの材質に関係なく、誤って破ってしまうこともあるようです。その場合は、ホチキスで破れた箇所を留めるとよいでしょう。大きい穴の場合はホチキスの利用は難しいため、小さな破れのみ利用できます。
また、何度もネットを使用しているとほつれてしまうことも。余っているネットがある場合は、縫い付けるとよいでしょう。
レモンの防虫ネット使用方法
レモンで防虫ネットを利用する理由は、虫除けと、虫の卵を産みつけられないようにするためです。虫が集まると、高さのあるレモンの木でも、葉を幼虫に食べられるなどの被害にあってしまいます。
プランターで栽培している場合は、レモンの木の上から防虫ネット被せることで、害虫対策ができるでしょう。しかし、隙間が空いていると害虫被害にあってしまうため、ネットの張り方に注意して設置してください。高さがある木の場合は踏み台に乗って作業を行います。
レモン栽培で気をつけること
レモン栽培では虫除け以外に、風避けや、鳥避けをする必要があります。畑の周りに高さのある棒を設置し、防風ネットを設置することがおすすめです。防風ネットを利用すると、風の影響を減らし、葉っぱや木に傷がつくことを防いでくれます。
また、レモンの傷口からよく侵入する「斑点細菌病」の対策のためにも、風避けネットの利用はおすすめです。また、レモンの皮を食べる場合は、農薬を使用するわけにもいかないため、ネットでの対策が有効でしょう。
ベランダで使用する防虫ネットの張り方
必要な園芸用資材
グリーンパル 菜園プランター用
最近ではベランダで小さく家庭菜園をする人も増えてきました。ベランダで防虫ネットを設置したい場合には、プランターに防虫ネットを取り付ける方法があります。プランター型の防虫ネットが農業資材店で販売されているため、購入してはいかがでしょうか。
インターネットにも簡単虫除けセットという資材があります。支柱と虫除けネットが一緒になっているため、簡単に設置することができるようです。
100円ショップで購入できる防虫ネット
100円ショップにて防虫ネットを購入することもできます。大型のネットを購入する必要がないベランダ栽培の場合は、100円ショップの材料で済ましてしまいましょう。ダイソーが販売する、「銀糸入りの防虫ネット」は、農業資材店でのものと変わりなく、光を通す素材でできているため、コスパよく使用できます。
また、洗濯ネットの底を切り、防虫ネットとして使用している人もいるようです。その場合は網目の細かいものを使用しましょう。
100円ショップの防虫ネットの張り方
特大サイズでなければ、張り方はとても簡単。材料は、100円ショップの防虫ネットと、支柱の代わりにハンガーや針金です。まず、アーチになるようハンガーを伸ばし、高さをプランターに合わせて作りましょう。
その後、防虫ネットをアーチに沿って被せていきます。防虫ネットのサイズが大きい場合は、ハサミで切ったり、ホチキスや紐で縛ったりしながらネットをかけてください。身近にある材料で気軽に設置できますね。
栽培時に注意する防虫ネットの使い方
水やり方法
防虫ネットを設置した後の水やりは、ネット越しにおこなってください。ほとんどの防虫ネットは網の間から水が通り抜けるため、普段の水やりと同様におこないます。大型のハウスでネットを利用している場合は、ネットの中に入って水やりをする場合もあるようです。
春から夏にかけての防虫ネットの使用方法
春から夏にかけては、夏野菜や、秋に向けて小松菜やレタスなどの葉物野菜で防虫ネットを利用します。特に4月頃のキャベツには害虫がつきやすいため、防虫ネットを隙間が発生しないよう、正しい張り方で設置するとよいでしょう。防虫ネットを設置しているとはいえ、野菜が大きく育つまでは毎日害虫がいないか確認したほうがよさそうです。
秋から冬にかけての防虫ネットの使用方法
秋頃の畑では、大根やカブなどの根菜類に防虫ネットを使用します。ある程度大きくなったら防虫ネットを取り外しましょう。また、冬場に防寒対策として利用する場合には、防虫ネットではなく「寒冷紗」「不織布」の利用をおすすめします。
どちらも材質に防虫と、トンネル内の空気を冷やさない効果があるため、秋から冬にかけ利用するようです。寒さで野菜が傷んでしまうことを防いで植物を育てることができますよ。
まとめ
防虫ネットの使用で、害虫対策の農薬の使用量も大幅に減りそうですね。家庭菜園の畑のサイズ、対策したい害虫のサイズに合わせた、ネットを選ぶことが大切です。また、防虫ネットの張り方が間違っていると対策になりません。
正しい張り方で防虫ネットを使用し、虫除け対策をおこないましょう。害虫に負けない、大きい立派な野菜を育ててください!
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