フィカスティネケについて
観葉植物として有名な、ゴムの木の仲間のフィカスティネケ。まるで迷彩柄の斑入りの葉っぱが魅力的です。初心者の方でも育て方は簡単で、丈夫で室内でも育てやすいので、インテリアプランツとしても人気があります。まずはフィカスティネケがどんな植物なのかご紹介していきますので、参考にしてみてください。
フィカスティネケの基本情報
和名 | インドゴムノキ |
別名 | ゴムの木・アッサムゴム |
学名 | Ficus elastica “Tineke” |
科名 | クワ科 |
属名 | イチジク属 |
園芸分類 | 観葉植物 |
草丈 | 30~40m(自生地) |
花言葉 | 永久の幸せ |
原産地 | インド・インドシナ半島 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
耐陰性 | やや強い |
大きさ
フィカスティネケの原種であるインドゴムノキは、現地では直径2m、高さ40mにもなります。ですが日本で鉢植えにして育てると、さすがにそこまで大きくなりません。成長しても2~3mほどでしょう。
流通している多くは30cmほどの小さなものから、150cmほどの存在感があるサイズまでさまざまです。いろいろな樹形のものもありますし、置く場所に合わせた大きさで、気に入った樹形のフィカスティネケを購入しましょう。
インドゴムノキの斑入り種
フィカスティネケは、観葉植物として流通するインドゴムノキの斑入り種です。中心付近は緑色ですが、縁周りは薄い緑色、クリーム色、白色が入り混じり、迷彩柄のような模様をしています。
また株によっては赤みがかるものもありますし、自分のお気に入りの1株を探せるのも魅力の1つです。2つと同じものはないので、気に入った株を見つけた場合は、迷わず手に入れることをおすすめします。
耐暑性や耐寒性
フィカスティネケは熱帯地方原産の観葉植物ですので、耐暑性が強いです。日本の暑い真夏の時期でも問題なく成長してくれますが、反対に耐寒性はあまり強くありません。冬場でも温室などで加温する必要はないですが、室内で育てるようにしましょう。寒すぎる環境は、フィカスティネケが枯れてしまう原因となります。
変わった花
フィカスティネケの花は、多くの方がイメージする花とは違った花です。フィカスティネケの花は実の中に咲き、この花は「隠頭花序」と呼ばれます。この実は枝の付け根辺りに成り、黄緑色で、大きさは1.5cmほどです。
実の中で咲いた花はそのまま受粉し、種子ができます。フィカスティネケはなかなか実を付けることもないですが、もしも実が成ったら、ぜひ観察してみてください。
フィカスティネケの植え付け
使用する鉢
フィカスティネケの鉢はそれほどこだわらなくても大丈夫です。飾る室内の雰囲気に合わせて好みのものを選びましょう。育成に重きを置く場合は、スリット鉢がおすすめです。根の生育がよく、根腐れがおこりにくいメリットがあります。鉢の大きさはその後の成長を考えて、元の鉢よりもワンサイズ上のものを用意しましょう。
用土選び
フィカスティネケを室内で管理する場合、水はけがよい用土を使用しましょう。水はけが悪い用土を使用すると、風通しが劣る室内では根腐れを起こしやすくなります。初心者の方は市販の観葉植物用の用土を使うと手軽に栽培を始められておすすめです。ただし、安価すぎる商品は品質が悪く、不純物も多く入っているので避けましょう。
自分で配合する場合
自分で用土を配合する場合は、赤玉土:腐葉土を7:3程度に混ぜたものを基本にしましょう。栽培環境や育て方のスタイルに合わせて、排水性を高める場合は軽石や日向土、保水性を高める場合はバーミキュライトやピートモスを混ぜて調整してみてください。
フィカスティネケはもともとが丈夫な植物なので神経質になる必要はないですが、細かな調整をすると管理もしやすいですし、成長もよくなります。
植え替え時期
フィカスティネケを植え替えをする時期は、暖かい時期が適しています。5~6月頃の暖かくなりはじめた時期が特におすすめです。春の早い時期は急に寒さが戻る日があり管理が難く、残暑の残る秋でも十分に根付く前に寒くなる可能性があるのでできれば避けましょう。
寒い時期に購入した場合、無理に植え替えをするのは避けてください。鉢の中が窮屈そうであれば、根鉢を崩さずに一回り大きな鉢に植える、鉢増しをしましょう。
フィカスティネケの日ごろの管理方法
置き場所
フィカスティネケを室内で管理するときは、南向きの部屋の日当たりのよい場所が適しています。フィカスティネケは耐陰性が比較的強いですが、長期間日当たりが悪い場所で管理すると、細くて軟弱な株になりやすいです。
インテリアとして置き場所にこだわりがあり、日当たりが悪い場所に置く場合は、1週間に1回程度、窓際に移動して日光を当ててください。
夏は屋外管理も可能
フィカスティネケは室内で管理する観葉植物のイメージが強いかもしれません。しかし屋外で育てると葉が茂り、枝も太くなってがっちりと育ちます。室内管理した株と一味違った株になるので、初夏から秋は屋外で管理するのもおすすめです。
屋外で管理する場合は、葉焼けを防ぐために、真夏の直射日光は避けてください。初夏と秋は直射日光下で、真夏は遮光ネットを掛けるか、半日陰になる軒下などで管理するのがおすすめです。
水やり
フィカスティネケは葉が大きく、水の蒸散も多いので定期的な水やりが必要です。目安としては、用土の表面が乾燥したら、鉢底からたくさん水が流れるくらいたっぷりと水やりをしましょう。チョロチョロと少量の水やりを繰り返すとのはおすすめできません。
水やり後は受け皿にあふれた水は捨ててください。常に湿った状態では、根腐れや病気を引き起こす原因となってしまいます。
葉水も与えよう
フィカスティネケに水やりをするとともに、葉っぱに霧吹きで水をかける葉水もおすすめします。水やりと違い、用土を濡らすわけではないので、2、3日に1回おこなっても大丈夫です。室内で管理すると、葉の表面に埃が溜まり、光合成しづらくなりますが、葉水を与えることによって埃を流して成長を促す効果も期待できますよ。
冬場の水やり
耐寒性のないフィカスティネケは冬になると生育が鈍化します。吸い上げる水の量も減るので、水やりのし過ぎには注意が必要です。1週間に1回程度、用土が軽く湿る程度に水やりをし、2日に1回程度葉水を与えましょう。
特に暖房が付いた部屋は乾燥しやすいので、葉水を与えるのが大切です。葉水に使う水は、冷たすぎるものはよくないので、気を付けてください。
フィカスティネケのメンテナンス作業
肥料
春から秋の暖かい時期には、肥料を月に1回程度、粒状の緩効性肥料を与えましょう。粒状肥料の代わりに、液体肥料を半月に1回程度与えても大丈夫です。肥料を与えることで、しっかりとした葉が生えて、見栄えのよいフィカスティネケに育ちます。
室内管理の場合、有機質が多い肥料を与えると、匂いやカビのもとになるので注意してください。また、冬場に生育が鈍くなるので、肥料は与えないようにしましょう。
剪定
フィカスティネケが成長と共に枝葉が茂ったり、樹形が崩れたりしたら剪定をしましょう。時期は春から夏が適し、寒い時期は避けるようにしてください。枝葉をすっきりさせる場合は、重なって生えているような枝を剪定します。樹形を整える場合は、好きな場所で剪定しお好みの樹形に整えてください。
ただし残った枝に葉っぱが1枚もないと、その後の成長がうまくできない場合があるので、必ず1~2枚の葉っぱを残しましょう。
剪定時の注意点
フィカスティネケを剪定すると、切り口から白い樹液が出てきます。この樹液は、人によっては肌に付くとかぶれることがあるので、剪定をするときは手袋をしましょう。万が一肌についてしまった場合は、すぐにぬるま湯で洗い流してください。
また、肌以外でも樹液が付いた場所の材質によっては、取れにくい場合があるので、エプロンを使用したり、床に新聞紙を敷いたりすると、より安心です。
増やし方
フィカスティネケは挿し木で増やせます。剪定した枝があれば、水を入れた容器に挿して、半日~1日水を吸わせます。その後に、湿らせた市販の挿し木用の用土や、清潔な鹿沼土に挿してしばらく乾燥させないように管理してください。
半月~1か月ほどすると発根するので、通常の用土に植え替えて育てましょう。小さなフィカスティネケは可愛らしいので、チャンスがあればぜひ挿し木してみてください。
フィカスティネケの病害虫対策
フィカスティネケに発生しやすい害虫
フィカスティネケには、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニが発生しやすいです。アブラムシとカイガラムシは多湿で風通しの悪い環境で、ハダニは乾燥した環境で発生します。特に室内で育てる場合は、風通しが悪くなりやすいので注意が必要です。
予防と対策
植え替え時に用土に浸透移行性の殺虫剤を混ぜると、害虫発生を予防できます。風多しのよい場所で管理するのはもちろん、枝が茂ってきたら定期的に剪定すると効果的です。また、定期的に葉水を与えることによって、葉の表面に付いているハダニを流せます。
万が一発生した場合は、少量であればピンセットなどで捕殺してください。大量に発生した場合は、市販の殺虫剤をかけて対策をしましょう。
フィカスティネケに発生しやすい病気
フィカスティネケに発生しやすい病気として、すす病や炭疽病、斑点病などです。すす病は、アブラムシやカイガラムシの糞が原因で菌が増えて発生します。炭疽病や斑点病は、高温多湿な環境で育てると、菌やカビが発生し、病気に繋がります。真夏の室内は高温多湿になりやすいので注意しましょう。
病気対策
すす病予防として、アブラムシやカイガラムシを発生させないようにしましょう。よく観察し、早めに対策して大量発生させないようにするのがポイントです。炭疽病や斑点病を防ぐためには、風通しのよい場所で管理し、定期的に剪定しましょう。1日に何度も葉水を与えるのもよくありません。
炭疽病や斑点病になった葉は回復しないので、見つけ次第取り除いてください。株全体に広がると回復できなくなるので、早期発見が大切です。
フィカスティネケを育ててみよう
迷彩柄が特徴のフィカスティネケは、育て方のコツをつかめば、初心者の方でも育てやすいです。さまざまなサイズや樹形の中から、置き場所に合わせたお気に入りの株を選んでおけば、それだけでお洒落な空間に生まれ変わりますよ。オフィスなどのシンボルツリーとしてもおすすめです。今回ご紹介した育て方を参考に、ぜひフィカスティネケを育ててみてくださいね。
フィカスティネケが気になる方はこちらもチェック
当サイトでは「迷彩柄が特徴「フィカスティネケ」の育て方を解説!ポイントは季節に合わせた水やり!」以外にも、さまざまな人気の観葉植物の育て方や増やし方などについてご紹介しています。ぜひその他の記事もあわせてチェックしてみてくださいね。

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出典:photo-ac.com