フィッシュボーンカクタスとは
フィッシュボーンカクタス(ジグザグカクタス)は、独特のうねった葉が特徴の観葉植物です。そ見た目から人気があり、ハンギングにして飾るとお洒落なので、カフェなどのインテリアとしてもよく見かけます。今回はそんなフィッシュボーンカクタスを育てるコツについて詳しく解説していきますので、参考にしてください。
フィッシュボーンカクタスの特徴
フィッシュボーンカクタスを育てる前に、フィッシュボーンカクタスの基本的な特徴を知っておきましょう。どんな植物なのか、どんな場所に生えているのかなどを知っていると、育てていく上でとても役に立ちます。フィッシュボーンカクタスにどんな特徴があるのかチェックしていきましょう。
フィッシュボーンカクタスの基本情報
和名 | - |
別名 | ジグサグカクタス、ムカデサボテン |
学名 | Selenicereus anthonyanus |
科名 | サボテン科 |
属名 | エピフィルム属 |
園芸分類 | サボテン・観葉植物 |
草丈 | 30~40cm |
花期 | 7~8月 |
原産地 | メキシコ |
名前の由来
うねった葉の形が魚の骨に似ているので、「フィッシュボーンカクタス」と名づけられました。別名では、ジグザグカクタスやムカデサボテンなどとも呼ばれています。フィッシュボーンカクタスの仲間であるクジャクサボテン全般の観葉植物をフィッシュボーンカクタスの名で販売していることもあるので、購入時は注意してくださいね。
自生地
メキシコの山岳地帯や草原地帯の森林の中に自生しています。地面に生えることもありますが、大きな木の幹に着生していることも多いです。雨の少ない場所なので、気根と呼ばれる根を出し、空気中の水分を吸収します。
サボテンの仲間?
フィッシュボーンカクタスはサボテン科の植物です。しかし多くの方がイメージするような棘はなく、自生している場所も森林の中であまりサボテンらしくありません。そのため、一般的なサボテンと区別して「森林サボテン」と呼ばれています。また園芸店ではサボテンではなく、観葉植物として扱われることの多い植物です。
フィッシュボーンカクタスの育て方
フィッシュボーンカクタスはサボテンなのか、観葉植物なのか、育て方のイメージが湧きづらいかもしれません。サボテンを育てるように乾燥した環境で管理してしまうと枯れる可能性が高いです。どちらかと言えば観葉植物のように育てた方が上手に育てられます。フィッシュボーンカクタスを上手に育てるコツをチェックしていきましょう。
育て方①鉢
大きくなると葉っぱを垂れ下げるようにして成長するフィッシュボーンカクタスは、普通の鉢植えではなく、ハンギング用の鉢に植え替えるのがおすすめです。天井などから吊るして管理すると、ジグザグカクタスらしい本来の葉姿を楽しめます。
小さいうちは普通の鉢植えでも楽しめますが、葉っぱ大きくなり垂れてきたら、吊り鉢に植え替えるか、プランタースタンドに乗せて鉢を浮かせるのもよいでしょう。
育て方②用土
一般的なサボテンや多肉植物に比べて、フィッシュボーンカクタスはやや腐植質の用土を好みます。初心者の方は、観葉植物用やシャコバサボテン用の用土を使うのがおすすめです。
もしくは、サボテン、多肉植物用の用土に腐葉土を混ぜて使うとよいでしょう。サボテン、多肉植物用の用土をそのまま使うと、水はけがよすぎ、腐食質も足りないので、枯れる可能性があるので注意してください。
植え替えの適期
植え替えをする場合は、生育期中の春と秋が適しています。真夏は暑い日が続き、生育が緩慢になっていることが多いのでできれば避けた方がよいでしょう。また秋の終わりに植え替えをすると、十分に根が張る前に冬を迎えてしまい、枯れる可能性があるので注意してください。
育て方③置き場所
森林内に自生しているフィッシュボーンカクタスは、強すぎる光を好みません。屋外であれば半日陰になる軒下に置きましょう。屋内であれば、南向きの部屋のカーテン越しの窓際が適しています。間違っても直射日光には当てないようにしてください。森林の木漏れ日をイメージして管理するのがうまく育てるコツです。
冬の置き場所
フィッシュボーンカクタスは耐寒性が弱いので、暖かい環境で管理する必要があります。屋外で管理している場合は、秋になって涼しくなって来たら室内に移動させましょう。
南向きの部屋の窓際が適していますが、真冬の夜間の窓際は思いのほか室温が下がります。少し面倒ですが、日中は窓際に置き、夕方~朝は部屋の中心部などに移動させると安心です。
育て方④水やり
水やりの基本は、土の表面が乾いたら水をあげることです。フィッシュボーンカクタスはある程度の乾燥には耐えますが、根っこカラカラになるのはよくありません。かと言って、常に湿っている環境も苦手です。土の中が完全に乾ききる前に水を与えましょう。
真夏は昼間に水やりをすると、鉢の中が高温多湿で蒸れてしまうので、夕方の涼しい時間帯におこなうのがポイントです。
冬場の水やり
フィッシュボーンカクタスは冬場に休眠するので、あまり水を必要としません。しかし、完全に乾燥してしまうと枯れるので、適度な水やりは必要です。そこで1か月に2~3回を目安に、軽く水やりをして用土を湿らせてください。
また1週間に1回程度、霧吹きで葉水を与えるのも効果的です。水分量が多いと、明け方に凍る可能性があるので、水やりも葉水も晴れた日の暖かい時間帯におこなうようにしましょう。
育て方⑤肥料
肥料を与えるのは、春先と花が咲き終わった初夏です。観葉植物用の肥料や、粒状の緩効性肥料を与えましょう。株元に軽く埋めるようにして与えます。肥料が多すぎると花が咲きづらくなるので、商品ごとに決められた量を守ってください。
また、お店で購入して植え替えをしたときにも肥料を与えましょう。粒状肥料の代わりに液体肥料でも大丈夫です。その場合は、1か月に1回程度水やりを兼ねて与えてください。
育て方⑥剪定方法
フィッシュボーンカクタス成長すると葉が下に垂れてきます。ハンギングで吊るして管理している場合はいいですが、一般的な鉢植えの場合、垂れ下がった葉が地面についてしまいます。そこで長い葉をカットしてすっきりさせましょう。
剪定場所
剪定は節ごとにすると、その後の見た目が悪くなることもなく成長も妨げません。ちょうどよい場所に節がないのであれば、葉の中ほどで剪定しても大丈夫です。その場合は、葉の見た目が悪くなるので、場所をよく考えてから切りましょう。剪定後は順調に育つと、新たな葉が生えてきます。
フィッシュボーンカクタスの増やし方
フィッシュボーンカクタスは挿し木と株分けで増やせます。ポイントさえ押さえれば、増やすのはそれほど難しくありません。詳しい方法をご紹介しますので、チェックしてください。
挿し木
挿し木をすれば、初心者の方でも簡単に数を増やせます。ある程度の大きさの株になると、たくさんの挿し穂が取れるので一気に増やすことも可能です。大きくなりすぎて剪定した葉っぱも挿し木すれば新たな株に成長するのでどんどん増やしてみてください。
挿し木の方法
剪定する要領で、節のところを清潔なハサミでカットします。カットしたら、数日風通しのよい場所において切り口を乾燥させましょう。その後、鹿沼土を入れた鉢に植えて、軽く湿った状態で管理してください。
順調に育つと1か月ほどで新しい根が生えてきます。発根が確認できたら通常の鉢に植え替えて、しばらくは日陰で管理しましょう。いきなり強い光に当てると枯れる可能性があるので、徐々に明るい場所へと移動させます。
株分け
フィッシュボーンカクタスの2つ目の増やし方は株分けです。しかしフィッシュボーンカクタスは、あまり株元から枝分かれすることがないので、株分けできるチャンスが少ないです。株分けができれば、挿し木と違い根っこがあるので、その後の成長が早いのがメリットです。チャンスがあれば株分けしてみてください。
株分けの方法
まずはフィッシュボーンカクタスを鉢から抜きます。大まかに用土を取り除いたら清潔なハサミを使って根元付近で2つに切り分けてください。この時に両方に満遍なく根っこが残るように切り分けるのがポイントです。切り分けた切り口を乾燥させるために数日間日陰で乾かします。その後、植え替えの要領で新たな鉢に植え付けて完成です。
フィッシュボーンカクタスの病害虫対策
フィッシュボーンカクタスを育てていると、病害虫の被害に遭うこともあるかもしれません。もともと丈夫なフィッシュボーンカクタスと言えど、被害の状況によっては枯れることもあります。イザというときのために、病害虫対策についてしっかりとチェックしておきましょう。
フィッシュボーンカクタスに発生しやすい病気
フィッシュボーンカクタスは病気に比較的強いですが、根腐れ病にかかることがあります。根腐れ病は高温多湿な状況が続くと発症しやすく、名前通り根っこが腐って枯れる病気です。そのほかには、黒班病やサビ病にかかる可能性もあります。
病気対策
フィッシュボーンカクタスを病気から守るためには、風通しのよい環境で育てるのがコツです。多湿な環境は、さまざまな病原菌が好むので、病気になりやすくなってしまいます。万が一病気になってしまった場合は、市販の薬剤を散布して早めに処置をしましょう。また、他の植物から感染を防ぐために、ハサミやピンセットなどは清潔な状態で使用してください。
フィッシュボーンカクタスに発生する害虫
フィッシュボーンカクタスに発生しやすい害虫には、カイガラムシ、アブラムシ、ハダニなどが挙げられます。その中でも特にカイガラムシとハダニに注意が必要です。カイガラムシは高温で風通しの悪い環境、ハダニは高温で乾燥しすぎの環境で発生しやすいです。どちらも手遅れになると枯れるので早期発見が大切です。
害虫対策
害虫対策には適切な管理方法が重要です。まずは、風通しが悪い場所や乾燥しすぎる場所に置かないようにしましょう。カイガラムシは発生初期であれば爪楊枝などで摘まんで処理します。大量に発生した場合は殺虫剤を散布してください。ハダニは定期的に葉水をかけることで予防できます。こちらも大量発生の場合は殺虫剤を散布して対処しましょう。
フィッシュボーンカクタスを育ててみよう
フィッシュボーンカクタス(ジグザグカクタス)は、ポイントさえつかめば初心者の方でも育てるのが難しくありません。鉢植えだけでなく、ハンギングにして吊るすこともできるので、お部屋のインテリアとしてもおすすめです。うまく育てれば可愛らしいお花も咲かせるので、今回の記事を参考に、ぜひ育ててみてください。
フィッシュボーンカクタスが気になる方はこちらもチェック
当サイトではまるで「魚の骨!フィッシュボーンカクタスの育て方を徹底解説。水やりや剪定方法も!」以外にも、さまざまな観葉植物や多肉植物についてご紹介しています。ぜひその他の記事もチェックしてみてくださいね。

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出典:photo-ac.com