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【連載】秋の七草のハギの花言葉!ハギの種類や名所もご紹介

中秋の名月が見られる季節が訪れると、しなやかな枝に紅紫色の花をいっぱい咲かせるハギの花も見ごろを迎えます。今回は秋の七草の1つに数えられているハギの花の花言葉の解説です。花言葉とともに古くから日本の人に親しまれてきたハギの名所もご紹介します。
2021年9月29日
ティンカー・ベル
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秋の七草のハギ(萩)の花言葉とは

花言葉と一緒にハギの名所もご紹介

Photo by Thomas Shahan 3

しなやかな枝に上品な小さな花を咲かせるハギは、独特な野趣を感じ、ほかの花にはない優美な趣があります。ハギの花言葉はそんな見た目の印象から付いた花言葉のほかに、日本の逸話が由来した花言葉もあるのです。

ここでは秋の七草の1つとして数えられているハギの花言葉を解説します。古くから日本でも親しまれているハギは各地に名所がありますので、花言葉と一緒にご紹介しましょう。

ハギ(萩)の花言葉

「優美」「風雅」

ハギには「優美」「風雅」という花言葉があります。秋の七草の筆頭にあげられるハギは、地名や人名、また日本最古の歌集である「万葉集」などでもたくさん登場している花で、古くから日本で親しまれてきました。

「優美」とはしなやかな枝を伸ばし蝶形の小さな花を咲かせる姿から、そして「風雅」とは平安時代、清楚な姿が貴族からとても愛されており宮廷貴族の庭園に好んで植えられていたことでついた言葉だという説があります。

「内気な愛情」

ハギは「内気な愛情」という花言葉でもイメージされています。ハギは「万葉集」に登場する花の中でも最も多い花で、秋草の代表とされています。

「万葉集」の中には、愛する人に見せるためにハギを育て始めるという歌も多いことから、このような花言葉が付いたのではともいわれます。

ハギ(萩)にまつわる逸話が由来する花言葉1

「親孝行」

ハギにまつわる日本の逸話から、ハギは「親孝行」と花言葉でもイメージされています。日本の昔話に「姥捨て山」という話があったことはどこかで耳にしたことがあることと思います。

食料不足を解消しようと老人を山の中に捨てたという風習が昔の日本にあった頃の話です。

1人の若者がハギの木の上と下を見分けた!

ある集落でお寺を建てるために村の大木であったハギの木を切ったのだと。切ってしまった後、どちらが根の方か先なのかわからなくなり、困った役人はそれを見分けた者に褒美をくれるというのです。

1人の若者がその木を川に入れ、沈んだ方が根の側で、浮いた方が天に向かって伸びる方だ見分けたのでした。

捨老の制を廃止にしたハギの木


若者は「これは親が教えてくれたこと。だから褒美は親を捨てなくてもよいことにしてくれ」と頼のみ捨老の制は廃止になったのだとか。「親孝行」とい話の由来となるハギの木にまつわる逸話です。

ちなみにこの逸話は岩手県遠野市に伝わるハギの木にまつわる昔話です。

ハギ(萩)にまつわる逸話が由来する花言葉2

「残酷」

Photo by houroumono

独特な野趣が美しいハギですが「残酷」という花言葉も持ちあわせています。あまり知られていないハギのこの花言葉の由来も、日本の古い時代の逸話にまつわる言葉です。

その逸話とは平安時代の女流歌人であった小野小町にまつわる逸話の1つです。小野小町は3人兄妹の末っ子で、後妻の子供でした。

小野小町にまつわる逸話

後妻、つまり小野小町の母親は、夫が留守の間に前妻の子供であった2人の子供をハギの枝をかけた池を渡らせ溺死させたのでした。

夫が帰宅すると2人の子がいないと子を探していると、1匹の白い鳥が飛んできて「ハギの橋を渡ってザンブラコ」と鳴いたのです。「もしや!?」と思い妻に白状させましたが、もう2人の子は戻ってきません。そして妻とは離縁し末っ子の小野小町を大切に育てたのだと。そんな逸話から付いた花言葉です。

ハギ(萩)の特徴

マメ科ハギ属の落葉木

ハギはマメ科ハギ属の落葉木で、学名はLespedeza thunbergiiと表記します。いろいろ種類はありますが花の形はどの種類もマメ科ならではの蝶形をしている1cm~1.5cmくらいの小さな趣のある花です。

原産地は日本、東アジアです。和名は毎年新しい芽が生えることを意味する「生え芽(はえぎ)」という語が転じたといわれ、秋という季節を象徴する植物だと意味で「秋」という字に草冠が使われています。
 

開花の季節は7~10月

秋に七草の1つに数えられている花ではありますが、一般的なハギの種類の開花の季節は7月の夏の時期から花を咲かせ10月頃まで見ごろを迎えます。

夏から秋に上品は紅紫や白い蝶々のような姿の花を咲かせ、人々に親しまれ愛されてきた植物です。やせた土地でもよく育ち、古くから日本各地にたくましく自生しています。

万葉集に一番多く詠まれている花

万葉集に登場する植物は約160種類もあるといわれていますが、その中で最も多く詠われているのがこのハギの花です。その理由はただ単に万葉集の歌の選者であった大伴家持(おおとものやかもち)が好きな花であったからという根拠にならぬ説が1説に紹介されています。

平安時代、ハギの花は女性の髪飾りなどに使われていたそうで、生活に身近な花だたったようです。それを裏付けるようにハギは秋の七草の先頭に詠まれています。


「ミヤギノハギ」はポピュラーな種類

ハギの花の色の種類はピンク、紅紫、淡い紫、白などがあります。ハギの種類はとても多く日本でも全国の山野で自生しています。

特に多く見られる種類は「ミヤギノハギ(宮城野萩)」で、しなやかに枝が垂れた優美な姿が特徴です。花は紅紫色。夏のころから咲き始めるので別名「夏萩」とも呼ばれています。この種類の亜種に白い花を咲かすのが「シロハギ(白萩)」です。そのほか下記にいくつかハギの種類をご紹介しましょう。

「ヤマハギ(山萩)」

ヤマハギという種類も紅紫色の花を咲かせます。万葉集で謳われているハギは、このヤマハギがほとんどであるといわれています。

樹高は2mくらいですが、大きいものは5mにいなるものもあります。葉に毛があるのが特徴で関東より西では標高500mほどの場所で自生しているものを見ることができます。

マルバハギ(丸葉萩)

マルバハギの種類は花の色が紫色をしています。ほかの種類に比べて花序が短いので、花が密集して咲いているような感じです。

ハナ蜂類が受粉者となっているため、マルバハギの周辺には蜂が多いので注意してください。開花時期はほかの種類より少し遅く、一般的には8月に入ってから花が咲きます。いろいろな種類があるハギですが、次に日本で見られるハギの名所を幾か所かご紹介していきましょう。

日本のハギの名所

東京都・神代植物園

神代植物園は、東京都調布市に鎮座する深大寺に併設している植物園です。四季折々の花が楽しめる植物園ですが、秋はハギが見ごろを迎えます。

ハギの10種類、約110本のハギの木が植えられておりハギトンネルも楽しめます。例年は9月から10月上旬の季節が見ごろです。
 

神代植物公園

  • 住所
    〒182-0017
    東京都調布市深大寺元町2-5
  • 公式サイトURL
    https://www.tokyo-park.or.jp/jindai/
  • 電話番号
    042-483-2300
  • アクセス
    京王線つつじが丘駅及び調布駅よりバス中央線及び井の頭線吉祥寺駅よりバス
  • 駐車場
    あり
  • 送迎
    なし
  • 営業時間
    9:30~17:00(最終入園時間16:00)
  • 定休日
    月曜日と年末年始

神奈川県・宝戒寺(ほうかいじ)

神奈川県鎌倉市には由緒ある古いお寺が数多くありますが、宝戒寺もその1つです。境内では参拝のほか、四季折々見ごろを迎える花見客で賑わいます。

秋はもちろん萩が見どころであるこの寺は、鎌倉では「萩寺」などと呼ばれ、萩祭りも行われているのです。門前の参道も境内も萩でいっぱい!特にシラハギがなんと600本も植樹されています。病魔退散、財宝富貴などのご利益のあるので参拝と一緒にハギの観賞もおすすめです。

 

宝戒寺(ほうかいじ)

  • 住所
    〒248-0006
    神奈川県鎌倉市小町3-5-22
  • 公式サイトURL
    https://hokaiji.com/%e5%ad%a3%e7%af%80%e3%81%ae%e8%8a%b1/
  • 電話番号
    0467-22-5512
  • アクセス
    JR横須賀線鎌倉駅より徒歩13分
  • 駐車場
    なし
  • 送迎
    なし
  • 営業時間
    基本は9:00~16:30まで。季節や行事によって異なるので確認が必要
  • 定休日
    なし

福井県・瑞源寺(ずいげんじ)


萩の花咲くお寺として知られる福井県の瑞源寺は、福井市民の憩いの場として親しまれている福井県に鎮座する由緒ある古刹です。足羽山の一角に位置し、四季折々の自然に恵まれた瑞源寺もハギの名所の1つです。

例年は9月の上旬から参道はまるでハギでアーチを作ったようになります。ほとんどがシラハギでまるで粉雪が降ったような風景です。

瑞源寺(ずいげんじ)

  • 住所
    〒918-8007
    福井県福井市足羽5-10-17
  • 公式サイトURL
    https://www.zuigenji.com/home/home.htm
  • 電話番号
    0776-35-1868
  • アクセス
    JR北陸線福井駅よりバス
  • 駐車場
    あり
  • 送迎
    なし
  • 営業時間
    4~9月は8:30~17:00まで、10月と3月は16:30まで、11月と2月は16:00まで、12月と1月は15:30まで
  • 定休日
    なし

京都府・梨木神社(なしのきじんじゃ)

木梨神社は、京都の数多くの由緒ある神社やお寺の中でも「萩の宮」とよばれているハギの名所です。境内には約500本のハギが植えられ、秋の季節にはしなやかな風情を醸し出します。

毎年秋、ハギの見ごろの季節に行われる「萩祭り」では舞踊や奉納行事、お茶会も催され多くの参拝客で賑わいを見せます。ちなみに境内には「愛の木」と呼ばれるハートの形の葉の付く桂の木があり、恋愛成就にご利益のある神社でもあるそうです。 

梨木神社(なしのきじんじゃ)

  • 住所
    〒602-0844
    京都府京都市上京区染殿町680
  • 公式サイトURL
    https://www.nashinoki.jp/
  • 電話番号
    075-211-0885
  • アクセス
    JR京都駅よりバス
  • 駐車場
    あり
  • 送迎
    なし
  • 営業時間
    9:00~16:30(2021年09月23日現在以降変更の場合がある)
  • 定休日
    なし

ハギの花言葉を知って秋の七草を楽しもう

Photo by harum.koh

中秋の名月を迎える季節に見ごろを迎えるハギは、秋を象徴する秋の七草の1つです。ですから漢字表記では草冠に秋と書きます。

見た目の印象通り「優美」「風雅」という花言葉のほかにも日本の逸話にまつわる花言葉を持ち合わせるハギの花。ご紹介した名所では野趣あふれる優美なハギを観賞できることでしょう。花言葉を知って秋の季節をハギとともにお楽しみください。

秋の七草の花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェック!

当サイト「暮らしーの」では秋の七草の花言葉についてほかにもまとめています。秋の七草はどれも昔から馴染みのある花です。秋の風と共に見ごろを迎える秋の七草に数えられる花の花言葉をもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてください。