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鮮やかな葉色が元気の印、アルテシマの簡単な育て方を解説。乾燥のみ要注意!

アルテシマはゴムの木と同じ種類です。肉厚で艶のあるアーモンド形の葉にははっきりと葉脈が見え、明るいグリーンの色とライムグリーンの縁取りのある模様が魅力的で、インテリアのアクセントとして大変人気があります。美しい葉色で丈夫なアルテシマの育て方をご紹介します。
2021年11月24日
Meigen Oka
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目次

アルテシマとは

アルテシマはクワ科フィカス属の高木で、熱帯、亜熱帯地域の東南アジアが原産の植物です。フィカス・アルテシマという種名で、アルテシマ(altissima)はラテン語で“最も上背が高い”を意味します。

アルテシマの自生地では名前の通り樹高は20~30mほどに生長させ、幹からはまるでタコの足の様な“気根”という根を多く出して不思議な樹形を見せます。

美しい葉模様

アルテシマは葉に特徴的な美しい模様があり、長さ20~25cmの先端はとがっていますが、厚みはありますが柔らかさを感じる丸みを帯びていて、アーモンド型をした葉には光沢があって1枚1枚がしっかりとした存在感を感じさせます。

葉脈がはっきり見える中心部はグリーン色で縁回りはライムグリーンになる斑入りのグラデーションが魅力です。葉の美しさもさることながら、褐色をしている幹の軟らかさを利用してさまざまな樹形に作り上げることも可能で鑑賞用として出回っています。

注意したい樹液

フィカス属のアルテシマはゴムの種類ですが、ゴムは葉などを切り取ると切り口から白っぽい樹液がしみ出てきます。これはラテックス液と呼び天然ゴムの原材料となるのですが、直接皮膚などに付くとかぶれなどの症状が出る場合があります。

特にラテックスアレルギーの症状が出やすい人は樹液に触れるとアレルギー反応を起こす恐れが生じます。また、衣類などに付くと染みになることがありますので注意が必要です。

アルテシマの魅力

アルテシマの魅力としては、熱帯性植物ですが耐陰性もあって丈夫なことから室内でも少々の明るさがあれば十分で、温度差、水やり特に乾燥に気をつけていれば管理の方法は簡単で、ビギナーの方でも育てやすい観葉植物です。

アルテシマの葉は何といっても艶がありグリーン系の斑入のグラデーション模様が美しいことと、柔らかな樹形も魅力的でありインテリアのポイントとして部屋の雰囲気にもよくマッチする観葉植物です。

アルテシマの花言葉

Photo byHans

アルテシマの花は“イチジク(無花果)”と同じで、通常の花と違って“花嚢(かのう:袋状のなかに小さい花を無数に付ける)”と呼ぶ実の様に見えるなかに花を付けます。その様子から花言葉は「永遠の幸福」と付けられています。

ちなみに、イチジクも“裕福”“実りある恋”“豊富”と幸せを意味する花言葉が付けられています。丈夫な植物で幸福を願うという花言葉からアルテシマはお祝いの贈り物に相応しいとされ、気持ちを込めるギフトとして人気があるのです。

アルテシマの仲間

アルテシマはゴムの木の種類ですがフィカス属は種類が多く800種以上生育しているとされています。生育環境は日当たりのよい場所を好み、大変丈夫な植物です。葉色や樹形もさまざまで多様な種類があります。

観葉植物として出回っているベンジャミンやガジュマルもフィカス属でゴムの木の仲間であり、果実として知られるイチジクもフィカス属なのです。アルテシマの仲間である主なフィカス属の種類を挙げてみましょう。

フィカス属(ゴム)の主な種類

フィカス・ベンジャミン

ベンジャミンゴムとも呼ばれます。葉は10cmほどの長さで卵型の楕円形をしており、光沢のあるグリーンで密に茂るのが特徴です。斑入りの葉もあり、ミニ鉢からスタンダード仕立ての大鉢まで観葉鉢として人気があります。

フィカス・マクロフィラ(ガジュマル)


ガジュマルも観葉鉢として人気があり、株元ほど太い幹となり濃い緑色の厚手の葉は重量感のある独特な樹形をしています。自生地では幹から気根という根を出して支柱根となって独特の姿が特徴です。

フィカス・ウンベラータ

大きなハート形をした葉が特徴です。ゴムの葉よりも薄く、光が当たると葉脈がはっきり見えます。葉の形から結婚などの贈り物などに人気の品種です。

フィカス ・ベリーズ

フィカス属のなかでは変異種で赤ゴムとも呼ばれていて、低温にも強く鮮やかで特徴的な赤い色の斑が入る珍しいゴムの木です。

フィカス・ティネケ

葉色が深緑に淡い緑と白い色の3色が混じり合い、また、新芽の裏側は赤黒い色をしていますので、迷彩柄の葉が鮮やかで美しく個性的です。

フィカス・バーガンディー

バーガンディーの意味は褐色に近い濃赤色のことです。葉色が赤黒い色で、新芽の頃は赤っぽい色合いですが、伸長すると黒っぽく色が変わります。別名「クロゴム」といいます。

アルテシマの管理と育て方

アルテシマの葉は大ぶりで艶があり、斑が入る葉の色のコントラストが美しく人気があります。育て方も簡単でそれほど難しくなく、置き場所も耐陰性があるのであまり光が少ない室内で管理することができます。

アルテシマは観葉植物のなかでも育てやすいのが利点です。

アルテシマの置き場所

アルテシマは元気さを保つ様に管理するにはやはり置き場所としては窓際などの明るい場所がベストです。注意したいのは真夏などの直射日光に当てると葉焼けをおこしますので、レースカーテン越しの場所に移動させましょう。

アルテシマに限らず観葉植物は日の光を好みますが、直射日光を当てない様に薄手のカーテン越しの窓際に置くのがベストです。注意したいのは、エアコンの風が直接当たらない場所がよく、冬季は室温が5℃以下にならない様に管理します。

アルテシマへの水やり

アルテシマの水やりは、生長期(4月~10月)には鉢の表面が乾燥していたらたっぷりと鉢底から水が出るほど水やりをします。その際は戸外にだして葉水とともに潅水するのがよいでしょう。葉のほこりなども落とせます。

少しずつの水やりをするのは根腐れを起こす恐れがありNGです。受け皿にも水は溜めない様にしましょう。冬季の水やりは控える様にし、時間をあけて水やりをします。冬季でも定期的に霧吹きなどで葉水はかけてあげるとよいでしょう。

アルテシマへの施肥


アルテシマへの施肥はやはり成長期に行います。定期的な施肥はアルテシマに活力を与え、葉の色合いもより美しくさせるのです。春から秋までは1ヵ月に1度固形の緩効性化成肥料を鉢の縁に数か所置肥をします。

有機質肥料は臭気があり室内では不向きです。液体肥料を与える場合は適量に稀釈して10日に1度の割合で与えます。冬季の施肥は休眠期ですので必要ありません。

アルテシマの植え替え

アルテシマの鉢植えは鉢中の根が密になり根詰まりを起こしますので、2年に1度程度に植え替えを行いましょう。アルテシマの植え替える時期は生長期の5月から6月が適期で夏までには植え替えをしてしまいます。

アルテシマを植え替える鉢は一回り大きい懸崖鉢を用意し、旧鉢から抜いた根回りの土を3分の2ほど落とし、傷んでいる根などを整理して植え替えを終えたら、落ち着くまで支柱を立てて添木をしておき水をたっぷりと与えておきます。

用土

アルテシマを植え替える際の用土は、市販されている観葉植物用の用土でもOKですが、ご自分で作る場合は、赤玉土(小)5、桐生砂2,腐葉土3の割合の混合土を用意します。鉢底には水はけをよくする様に軽石(大粒)を適量入れるために用意をしましょう。

アルテシマの手入れと剪定

アルテシマは丈夫で生育が旺盛ですので、気が付くと枝が伸びすぎていたり、葉も密に増えすぎていたりして、一部の葉には光が届かなくなり、風通しも悪くなりますので適当な時期に剪定をして手入れも行います。

アルテシマの剪定の適期は春4~5月、秋9~10月に行います。全体の樹形を確認して伸びすぎた枝や重なり合っている葉を切除します。剪定の際には樹液に触れてかぶれない様にゴム手袋をして作業をしましょう。

アルテシマの増やし方

アルテシマの増やし方は挿し木や取り木で簡単に行えます。5月から7月の期間が適期です。挿し穂は葉を1~2枚ほど付けておいて15mほどに切り取った枝を1時間ほど水に浸けて水揚げをしておきます

水揚げ後に葉を半分ほど切り、挿し穂の元をよく拭いて発根剤をつけて赤玉土(小)6、バーミュキライト4の挿し木用土に挿し込みます。半日陰で水を切らさない様に管理すると60日ほどで発根しますので鉢に移植します。

取り木の方法

取り木にしたい枝の途中の樹皮にぐるりとカッターナイフなどで切れ込みを入れて2~2,5㎝ほどに皮をはぎ取り、その場所に濡らした水ゴケを多めに巻き付け、少し水の挿し口をあけておいてビニールで覆いヒモでしばっておきます。

水ゴケが乾かない様に注意しながら霧吹きなどで水を吹きかけて常に濡らしておきましょう。60日ほどで皮をはぎ取った部分から根が出てきますので、ある程度根が伸びてきたら、根を傷めない様に水ゴケを取り除き親木から切り取って鉢に植えます。

アルテシマの病害虫

アルテシマは丈夫ですので発生する病害はあまりありませんが、葉の密になっていたり気温が高く湿気が多い時に稀に「炭そ病」が発生する場合があります。真夏の高温時など長時間締め切った室内には置かない様にしましょう。

アルテシマに発生する害虫には、ハダニやカイガラムシが見られます。知らないうちに発生している場合が多く、放っておくと見た目も煩わしくアルテシマの生長を阻害してしまいますので早めの発見が大切です。

炭疽(そ)病

炭そ病は春から秋の気温が高く梅雨時や秋の長雨の時などに発生します。アルテシマの茎や葉に最初灰褐色の斑点が生じ、徐々に黒っぽい褐色に変色して斑点も大きく円形に変わり放っておくと落葉して枯れてしまいます。

カビが主な原因で発生しますので、できるだけ剪定などで風通しをよくしてやり、置く場所も工夫しましょう。病斑を見つけたら早い段階で被害枝を切り取り、他に移らない様に廃棄します。

ハダニ

ハダニは梅雨明け頃から夏にかけて多く発生し、葉の裏に寄生して養分を吸汁して植物の生長に害を及ぼすのです。アルテシマの葉に始め白い斑点状が生じ、被害が進むと葉がカスリ状になって落葉してしまいます。

ハダニは水に弱い性質がありますので、防除するには発生時期は特に適宜葉裏などに葉水をかけてあげるとよいでしょう。葉に発生を見つけたら市販のハダニ専門の殺虫剤を噴霧しておきます。早目の発見が被害を少なくする秘訣です。


カイガラムシ

茎先や葉に無数に寄生して植物の養分を吸汁して生長を阻害してしまいますが、美観も損ねます。成虫はロウ物質で覆われた固い殻(から)を被っていて、枝に張りついていて、なかなか落とすことができません。

排泄物によってスス病を誘発させます。早期の発見が被害を少なくしますので、見つけ次第カイガラムシに殺虫効果のある薬剤を散布し、歯ブラシ状のものでこそぎ落として退治しましょう。浸透性殺虫剤を根元に撒いておくのも効果があります。

アルテシマが枯れる原因と対処法

アルテシマの樹勢に何となく元気がなく、葉が黄色く変色し始めたり丸まって下向きになっていたりしまう症状が見られることがあります。原因としては乾燥や根腐れなどさまざまな状態が考えられます。

乾燥に注意

アルテシマは適度な温度管理が必要です。生長期には日当たりや温度と湿度の管理を十分にする様にします。真夏の高温時に締め切った室内に数日置いておくと乾燥状態になり高温障害を起こします。不在時は屋外の日陰に移動させておきましょう。

エアコンを使用している部屋では乾燥しやすい状態になっています。アルテシマは高温多湿を好みますので、適宜葉水を霧吹きなどで吹きかけておき乾燥を防ぐことが必要で、特に冬季に暖房する時期はエアコンの風にも注意しましょう。

葉の状態が悪い

アルテシマの葉が黄色く変色し始めたり、落葉してしまう現象が起きることがあります。原因としては、根腐れや肥料過多、液体肥料の場合は稀釈濃度、日差しの当て方、温度管理の失敗、植え替えや剪定のタイミングの誤り、病害虫も考えられます。

基本的には生長期に合わせた管理の仕方が重要です。生長サイクルに順じた育て方が大切なポイントとなりますので、温度や湿度、光の当て具合を注意深く保つのが生長期の管理であり、休眠期での冬季は乾燥に注意して休ませてあげるのがベストです。

まとめ

育て方も簡単で葉模様が美しい魅力的なアルテシマをご紹介しました。幼木のうちなら、アルミワイヤーなどを使用して幹を自分流にアレンジして樹形を作る楽しみもありますよ。曲木はあせらずに時間をかけて作り上げるのがコツです。ぜひチャレンジしてみてください。

ゴムの木に興味のある方はこちらもチェック!

育て方も簡単なゴムの木について、もっと調べてみたい方は「暮らし~の」のWEBマガジンでもご紹介している記事がありますので、ぜひご覧ください。