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丈夫で色鮮やか、西洋オダマキの育て方を解説!開花期や季節別の管理の注意点も!

西洋オダマキは、高く伸びた茎の上にゴージャスな花をつけることで知られています。花の形や色も多様で、非常に人気の高い植物です。今回はそんな西洋オダマキの用土や開花時期から、種まきや植え付け、植え替えの時期をはじめとする育て方まで、一挙にご紹介します。
2021年9月15日
水木誠人
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西洋オダマキをご紹介します!

西洋オダマキは、春から夏にかけて実に美しい花を高く伸びた茎の上につけるキンポウゲ科の花です。西洋オダマキは、ヨーロッパや北米のオダマキやその交配種の花で、さまざまな種類の花姿や色が存在します。日本原産のオダマキであるミヤマオダマキよりもゴージャスな印象の花で、しかも丈夫で育てやすいため、初心者の方でも気軽にはじめることが可能です。

今回は、そんな西洋オダマキの育て方全般についてご紹介します。

西洋オダマキが分類されるキンポウゲ科の花とは?

Photo by kuromeri

西洋オダマキは、キンポウゲ科オダマキ属に分類されます。キンポウゲ科の花には実に華麗で美しい花が多くそろっていて、庭やベランダを華やかな印象にしたい方におすすめです。

たとえば、神話や伝説などにも登場する色鮮やかなアネモネの花、クリスマス時期にバラのような姿が印象的なクリスマスローズ、つる植物の女王という異名を持つクレマチスなどが挙げられます。

西洋オダマキとオダマキのちがいは?

西洋オダマキは、ヨーロッパや北米が原産の花ですが、日本原産のオダマキがミヤマオダマキです。標高の高い山や冷涼な地域に咲くミヤマオダマキは草丈20~30cmほどと小ぶりで、紫、白、まれにピンク色などの花が、4月~5月ごろに咲きます。

西洋オダマキの方が草丈も高く、花も大きめですが、ともにその姿はとても美しいというのが共通点です。
 

西洋オダマキには毒があるから要注意

Photo by Lorenzo L M.

西洋オダマキが分類されるオダマキ属の花には毒があります。美しい花には毒があるといわれる所以です。西洋オダマキの毒はプロトアネモニンという成分で、皮膚に液がつくと荒れたり炎症を起こしたりします。

西洋オダマキを触った手で何かを口にしたりすると、胃腸炎を起こす可能性もあります。西洋オダマキを扱う際、ゴム手袋などを着用し、ペットを飼っていらっしゃる方はペットの誤飲にも注意し、作業が終わったら手を洗うなどの対策が必要です。

西洋オダマキの特徴とは

西洋オダマキは毎年咲く多年草

西洋オダマキは、とても丈夫で育てやすい多年草の植物です。種がたくさんできて、こぼれ種でも増えていきます。草丈は30~50cmほどで、花色は紫、青、赤、ピンク、白、黄、オレンジなど、多岐にわたるのも特徴です。葉は根元にまとまるロゼット状で、花姿もいろいろあります。

開花時期は5月~6月ごろで、5cnほどの美しい花を咲かせます。西洋オダマキは園芸品種がいろいろあるため、花姿もいろいろです。

花のバリエーションが多い

Photo by Nick_Rowland

西洋オダマキは、品種改良されたものが多いため、花のバリエーションが豊富です。花の色は紫色を中心に、白、赤、ピンクと、色のバリエーションもいろいろで、花姿も八重咲きになる品種や、大輪の花をつける品種もあります。

苗が出回るころになると、花姿や花色の組み合わせを選ぶのに苦労します。ガーデニングスペースに合った西洋オダマキを選んで、楽しく育てましょう。

鉢植えでも地植えでも育てることが可能

西洋オダマキは、非常に育てやすい花です。春先や秋に苗が出回ります。そのまま鉢植えで育てることもできますが、庭に植え付けて地植えで育てることも可能です。西洋オダマキの開花時期は春から夏にかけて、5月~6月ごろで、花後に種ができます。

西洋オダマキは、秋から冬にかけて、地上部は枯れてしまいますが、根はそのまま冬を越え、春になるとふたたび芽を出してきます。数年は花を楽しむことができますので、ぜひ可能なガーデニングスペースで西洋オダマキを育ててみましょう。


西洋オダマキの生育環境や季節ごとの管理

春は発芽温度を確認して

Photo by Lorenzo L M.

西洋オダマキは、気温が15度以上にならないと発芽しません。このため、春先の寒い時期は芽が出ませんので温かくなるのを待ちましょう。発芽適温は15~20度といわれています。

春から梅雨がはじまることまでの間が、西洋オダマキの開花時期です。気温を確認しながら、美しい花を咲かせるようにしましょう。

夏は半日陰で管理を

Photo by candiru

鉢植えであれ地植えであれ、西洋オダマキは、真夏の強い日差しが苦手です。このため、夏の時期に西洋オダマキを育てる環境は半日陰がベストとなります。

たとえば、午前中は日が当たり、午後には日陰になるような場所です。鉢植えであれば、強い日差しを避けるように移動することができればベストですが、なかなかそううまくいかないので、明るい日陰となる場所で管理するのもおすすめとなります。

西洋オダマキには水はけのよい用土が必要

Photo byPexels

西洋オダマキの育て方では土づくりも重要です。西洋オダマキは通気性がよく、水はけのよい土を好みます。市販の用土には水はけのよい培養土などもありますので、そうした土を選んで使うのもひとつです。

ご自身で土を作る場合、赤玉土と腐葉土を混ぜたり、赤玉と鹿沼土を混ぜたりして作ります。西洋オダマキの土の渇きが速い場合、ピートモスを加えるなど、ブレンドの仕方を工夫しましょう。

西洋オダマキの土が乾いたら水やりを

Photo bysuju-foto

西洋オダマキは、乾燥すると弱ってしまいます。しかし、水をやりすぎてもNGで、加湿を嫌うため、基本的には乾燥気味に管理することが大切です。鉢植えで育てている場合は、土の表面が乾いたら水をやるを鉄則に、水やりを継続しましょう。

地植えの場合、基本的に水やりは不要ですが、真夏の猛暑時など、乾燥が続いたら水やりを行うようにします。なお、秋から冬にかけても乾燥したら水やりを続けましょう。

秋から冬は防寒対策も

西洋オダマキの花が終わり、秋になったら翌年の春に備えて種をまくなどの管理を行います。

西洋オダマキには冬の寒さには耐寒性があり、越冬しやすい植物です。しかし、根が凍ったり霜に当たったりしてしまうと、根が弱くなってしまいます。一定の寒さも必要ですが、寒い日は防寒対策も必要です。土を盛るほか、バークチップなどを使って、霜よけを行いましょう。

西洋オダマキの育て方【種まきや植え付け】

種まきの時期は春先か秋

Photo by 1970_Lincoln_Continental

西洋オダマキは、5月~6月の開花時期の後、6月~7月ごろに種ができます。この種を採種して、9月~10月の秋ごろか、翌年の2月~3月ごろに種まきをするのが通例です。

秋に植えたら、越冬して春の成長期を待ちます。種まきをすると、10日~2週間ほどで発芽しますが、種まきをしたその年には花が咲かない場合が多いです。翌年の春先の開花を待ちましょう。

株の植え付けは芽が出る直前が理想

Photo by Nick_Rowland

西洋オダマキは、芽が出る前に植え付けを行います。鉢が出回る2月~3月ごろ、9月~10月ごろに行いましょう。西洋オダマキの根には太い根があります。この根は直根性のある根で、傷つけてしまうと株が枯れてしまうこともありますので、根を傷つけないように植え付ける必要があります。

植え付けの際は、根についた土をあまり崩さないように植え付けましょう。そうすることで、根を傷つける心配もなくなります。

鉢植えの植え替えは毎年行った方がよい

Photo by Tim Green aka atoach

西洋オダマキを鉢植えで育てる場合、毎年、植え替えるようにしましょう。植え替えの適期は、2月~3月ごろ、芽が出る前が適期です。西洋オダマキは根が伸びやすいため、植え替えのときに細い根を切り整え、太い根は傷つけないように植え替えましょう。植え替え後はしっかりと水やりをします。

なお、地植えの西洋オダマキは植え替える必要はありません。ただし、西洋オダマキは、多年草とはいえ、年数を経ると苗が老化して枯れることもあります。

西洋オダマキの育て方【植え替え後の作業】

肥料は西洋オダマキの植え替え時と開花時期に

Photo by balanced.crafts

西洋オダマキは、植え替えの際と開花時期に肥料を施すと元気よく育ちます。植え替え時は、元肥として緩効性の肥料を使いましょう。

また、開花時期には、追肥として液体の肥料を施し、花を元気よく咲かせることも可能です。ただし、西洋オダマキは、基本的には肥料を必要としませんので、開花の様子を見ながら与えていきましょう。肥料の与えすぎで根が傷むこともあります。

花がら摘みで花を長く楽しくことも可能

Photo by 1970_Lincoln_Continental

西洋オダマキは、花が終わると種ができますが、種を採種するという目的がなければ、花がらを摘んでしまいましょう。苗は多くのエネルギーを費やして種を作るため、花がらを残しておくと、残った花を長く咲かせるエネルギーがなくなってしまいます。種を作らせなくすることで花が長く咲き続けることができるため、小まめに花がらを摘むという作業も大切です。

もちろん、種を採種して苗を増やそうという方は、そのまま花を残します。

種を採種したら冷蔵庫で保存する

Photo by Disgwylfa

西洋オダマキは、花が終わった6月~7月ごろから種ができはじめます。西洋オダマキの種はとても小さい黒い種で、種が入った袋が茶色くなると、種が飛び散るため、その前に採種することが大切です。

採種した種は、袋などに入れて、冷蔵庫で保管しましょう。冷蔵庫で保管したほうが種まきの際に発芽しやすいといわれています。

西洋オダマキの育て方【株分けなどで増やす】

種まきで増やす際の注意点とは

西洋オダマキは、花後に採取した種で増やすことができます。種まきの時期は2月~3月ごろ、または9月~10月ごろです。種まき後、2週間程度で芽が出てきますが、発芽適温は15~20度ほどとなっています。西洋オダマキの種は光がないと発芽しないため、土の表面にまいたら、土を多く盛らないように注意することが大切です。

なお、種をまいた翌年は、花がつかないことが多いですが、順調に育っていけば、2年目には開花します。しっかりと管理しましょう。

株分けで増やす際のポイントは

西洋オダマキは、株分けで増やすことができます。株分けの時期は、植え替えの時期と同じです。株分けの方法は、株を掘り出し、自然に分かれているところを手で分けていきます。

それぞれの芽に根が十分にあれば、ナイフなどの道具を使って切り分けることも可能です。ただし、切り分けた場合は切り口に殺菌剤などを塗った方がよいでしょう。放っておくと、切り口に菌が入ってしまうことがあります。

西洋オダマキの育て方【病気や害虫】

かかりやすい病気はうどんこ病


Photo by Plant pests and diseases

西洋オダマキは、梅雨時期や秋の雨のころに発生しやすいうどんこ病に注意が必要です。うどんこ病は、カビが繁殖することで、葉の表面が白くなる病気で、白くなった部分は光合成ができなくなるため、枯れてしまいます。発症した葉は処分しなけれなりません。

病気の予防方法としては、風通しをよくして、カビが発生しないように注意することです。置き場所や育てる環境をしっかりと見直しましょう。

気をつけたい害虫①ヨトウムシ

Photo by Judy Gallagher

ヨトウムシは蛾の幼虫です。夜に活動し、葉やつぼみを食べてしまいます。発生しやすい時期は、5月ごろと9月ごろ、春と秋です。成虫になると、たまごを産みつけるため、見つけたらすぐに駆除しましょう。葉に卵がついていたら、葉ごと切り取り取る必要があります。

気をつけたい害虫②ハダニ

Photo byErik_Karits

ハダニは、夏になると発生する害虫で、汁を吸って西洋オダマキを弱らせます。放っておくと、葉色が悪くなり、株が枯れてしまうこともあるため、注意が必要です。ハダニが寄生すると、葉の表面に白い斑点が現れたり、かすれたような傷が見られるようになります。

葉の裏側に集団で寄生するため、粘着質のテープ類を貼り付けて剥がすことができます。予防策としては、ハダニは水に弱いため、葉水をかけて被害を防ぐという方法が可能です。

気をつけたい害虫③アブラムシ

Photo byfrancok35

アブラムシは葉や茎について汁を吸い、栄養を吸い取ってしまう害虫です。ウイルスを媒介することもあるため、西洋オダマキの元気がなくなったり、茎や葉がベタベタしたりしたり、アブラムシを見つけたら、すぐに駆除しましょう。

予防策としては、アブラムシを食べるテントウムシを利用するほか、アブラムシが黄色いもの反応する性質を利用して、黄色い粘着テープなどを周囲に設置するなどが挙げられます。

西洋オダマキと美しいガーデニングを

Photo by Bernard DUPONT

西洋オダマキは、春から梅雨時期にかけて、庭やガーデニングスペースを楽しませてくれるキンポウゲ科の花です。花色や花姿もいろいろあるため、育てる楽しみに鑑賞する楽しみが加わります。その可憐な姿からは想像できないほど丈夫で、初心者でも育てやすい花です。毒があるので注意しながら、ぜひ美しい西洋オダマキを楽しみましょう。

オダマキ属の花の育て方が気になる方はこちらもチェック!

西洋オダマキやミヤマオダマキなど、オダマキ属の花に興味のある方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。育て方や管理の方法など、もっと細かいことがわかるはずです。