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オダマキ(苧環)とは?その種類や特徴、育て方までご紹介!

オダマキ(苧環)は春から秋の季節の長い間、開花します。大変多くの種類があり、バリエーションに富んだ花色や花びらの成り立ちで、ガーデンの脇役のみならず主役にもなる花、オダマキ(苧環)。育て方や種まきなどの増やし方、おすすめ品種などについてご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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オダマキ(苧環)ってどんな花?

オダマキ(苧環)は、日本とヨーロッパを原産とする多年草で、日本やヨーロッパ各地には、およそ40種類くらいのオダマキ(苧環)の自生種が存在しています。オダマキ(苧環)は、育てやすく可愛らしい花であることから、品種改良が重ねられ、多くの園芸種も存在しています。

一般的にセイヨウオダマキがメジャー

オダマキ(苧環)は、日本原産のヤマオダマキ、ミヤマオダマキとヨーロッパ原産のセイヨウオダマキの種類に分けられます。このうち、ガーデニングによく使われ、フラワーショップに並んでいる種類はセイヨウオダマキです。オダマキ(苧環)は育て方や増やし方の比較的簡単な植物。開花の季節になると鮮やかな花を次々と開花させるので、お庭のアクセントにしても素敵でしょう。

オダマキ(苧環)の花の特徴

オダマキ(苧環)が開花する季節は春から秋。ただし暑い真夏の時期には少し開花のパワーを落とし、花の数が少なくなります。品種にもよるのですが、オダマキ(苧環)の花の直径は、だいたい4センチくらいです。一見、花のように見えているのは、実は、5枚からなるガクで、その真ん中にある筒状の部分が本来の花です。オダマキ(苧環)には、白やピンク、紫、赤、オレンジなどバリエーション豊かな花色の種類があります。また、一重咲きや八重咲などの種類も多く、ガーデナーたちを楽しませてくれます。

オダマキ(苧環)の葉の特徴

オダマキ(苧環)の葉っぱは、3枚の三出複葉(さんしゅつふくよう)と呼ばれるタイプです。オダマキ(苧環)の葉っぱの色は、美しく明るい緑色で、花の可愛らしさを引き立ててくれます。またオダマキ(苧環)の葉っぱは水をはじく性質です。

オダマキ(苧環)の花言葉

オダマキ(苧環)には、花色全体の花言葉と、紫や白、赤の花色別の花言葉が存在します。いずれの花言葉も、その由来には複雑な背景があり、その物語をひも解くと面白いものです。

オダマキ(苧環)の全体の花言葉

オダマキ(苧環)の全体の花言葉は「愚か」です。オダマキ(苧環)の英名は、「columbine(コランバイン)」。これは、ヨーロッパに伝わる古い道化芝居に出てくる少女の名前です。「愚か」の花言葉は、この芝居に登場する道化(ピエロ)に由来するものです。

オダマキ(苧環)の紫色の花言葉

オダマキ(苧環)の紫色の花言葉は、「勝利への決意」です。その昔、オダマキ(苧環)は、西洋で「ライオンソウ」と言う名前をつけられていました。ライオンがオダマキ(苧環)の葉っぱを好んで食べることからつけられた名前で、人間の両手にオダマキ(苧環)の葉っぱをこすりつけると、ライオンのようなパワーがもたらされると信じられていました。この言い伝えから、オダマキ(苧環)の紫色の花言葉である「勝利への決意」という言葉が生まれました。

オダマキ(苧環)の赤色の花言葉

オダマキ(苧環)の赤色の花言葉は、「心配して震えている」です。オダマキ(苧環)の花をよく見ると、花びらの後ろに「距」と呼ばれる、ツノのようなとんがった部分があるのが分かります。赤い花色にツノ。恋人に捨てられ、顔を真っ赤にして怒りのツノをはやしている姿に例えられ、この花言葉が生まれました。

オダマキ(苧環)の白色の花言葉

オダマキ(苧環)の白色の花言葉は、「あの方が気がかり」です。この花言葉は、源義経の恋人であった、静御前が詠んだ歌に由来します。源義経と静御前は源頼朝により都を追われ九州に逃げます。2人は途中の吉野ではぐれ、静御前は、源頼朝にとらえられてしまいます。静御前は「しずやしず しづのおだまき」と古今集の和歌を詠い「静、静」と呼んでくれた義経への愛を表現します。この物語から「あの方が気がかり」という花言葉がつけられました。

オダマキ(苧環)の花名の由来

和名「オダマキ(苧環)」の由来

オダマキ(苧環)の花の形は、かつて糸を巻くときに使ったオダマキ(苧環)という道具に似ていることからつけられました。別名であるイトクリソウ(糸繰草)も同じ由来からなります。


英名「コランバイン(Columbine)」の由来

オダマキ(苧環)の英名である「コランバイン(Columbine)」。「鳩のような」という意味を持つ言葉です。これは、オダマキ(苧環)の蕾や実の形が、鳩に似ていることからつけられました。また、オダマキ(苧環)の花姿が鳩の巣に似ているという説もあります。

オダマキ(苧環)の基本データ

科名属名

キンポウゲ科オダマキ属

学名

Aquilegia flabellata

和名

苧環(オダマキ)

別名

糸繰草(イトクリソウ)

英名

columbine

原産国

日本、サハリン

オダマキ(苧環)の種類

ルビーポート

ルビーポートは、とても華やかな種類のオダマキ(苧環)です。開花の季節には、八重咲のルビー色をした花を咲かせます。大変丈夫で花つきの良い性質なので、初心者にもおすすめの品種のひとつです。

早池峰

早池峰は、その名のとおり早池峰産の品種です。なんとも言えない美しい爽やかなブルーの花色が大変美しい種類です。

ブルーバロー


目にも鮮やかな、濃いブルーの花色と八重咲の花模様は、大変に印象深いものです。庭に一株あるとハッと息をのむ美しさ。ブルーバローは、とても素敵なオダマキ(苧環)の品種のひとつです。

ブラックベリー

ブラックベリーは、タワー系のオダマキ(苧環)の代表品種のひとつで、その複雑な花模様で、人々を楽しませてくれます。シックな深い紫の花色に、花びらの端がフリルのように白く縁どられています。個性的な品種のオダマキ(苧環)をお探しの方にぜひともおすすめのひとつです。

ノラバロー

ノラバローはローズカラーとグリーン、ホワイトからなる花色で、とてもキュートな品種です。細かい八重咲の花びらも大変素敵で、ガーデンの主役になりそうなオダマキ(苧環)でしょう。

オダマキ(苧環)の育て方1・土づくりと肥料

土づくり

オダマキ(苧環)は、水はけのよい土地を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土と砂や鹿沼土を混ぜた用土を準備しましょう。また、市販されている山野草専用の土を用いるのもおすすめです。

肥料

オダマキ(苧環)を植えつける際に、元肥として緩効性の化成肥料を施しておきましょう。また、春から秋のオダマキ(苧環)の生育期・開花期には、10日に1回くらいの肥料を施すことをおすすめします。

オダマキ(苧環)の育て方2・水やりと場所

水やり

オダマキ(苧環)は水を好む植物です。鉢植えの場合、こまめにチェックして、土の表面が乾いたらしっかりと水をあげましょう。ただし過度に水を与えすぎると根腐れすることがあります。地植えの場合、特に水やりの必要はありません。

場所

オダマキ(苧環)は、日当たりのよい場所を好む植物です。ただし、夏の直射日光は苦手で、葉焼けしたり、枯れてしまうこともあります。この特質を知ることがオダマキ(苧環)の育て方のポイントです。鉢植えの場合、夏のあいだは涼しい場所や室内に移動させてあげましょう。地植えの場合、ほかの樹木の日陰になる場所に植える、遮光する、などの対策をするとよいでしょう。

オダマキ(苧環)の育て方3・植えつけと植え替え

植えつけ

オダマキ(苧環)の植えつけに適する時期は、2~3月もしくは9~10月です。オダマキ(苧環)は、直根性という性質で、1本の太い根っこを地面に垂直に生やします。その根を傷つけてしまうと枯れる原因となりますので、注意深く植えつけることが大切です。植えつける苗の根っこについた土を落とさないように植えるのがポイントです。

植え替え

オダマキ(苧環)は、根が回りやすい植物です。鉢植えの場合、だいたい1年に1回、定期的な植え替えを必要とします。オダマキ(苧環)の植え替えに適した時期は、2~3月もしくは9~10月です。これまで植えていたものより一回り大きい鉢を準備します。植え替えのポイントは、根を傷つけないことです。植え替えた株は、日当たりのよい風通しの良い場所で管理します。植え替えた株がしっかり土に定着するまで、しっかり水やりを続けましょう。

オダマキ(苧環)の育て方4・病気と害虫


病気

オダマキ(苧環)には、うどん粉病が発生しやすいです。うどん粉病の発生する時期は、5~6月もしくは9~10月の少し湿度の高いカビが好む季節です。オダマキ(苧環)の葉っぱの表面にカビが繁殖し、葉っぱの色が白っぽく変色します。発生したカビにより、光合成が妨げられ、最後には枯れてしまいます。

日当たりと風通しのよい場所が一番

日当たりのよい風通しのよい場所で管理することが、うどん粉病の防止に一番です。もしも、オダマキ(苧環)が病気にかかっているのを見つけたら、速やかに病斑部分を取り除き、株の回復を待ちます。様子を見ながら、必要に応じて薬剤を塗布しましょう。

害虫

オダマキ(苧環)には、ヨトウムシ、アブラムシ、ハダニなどの害虫が発生します。ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、夜に蕾や葉っぱを食べてしまいます。アブラムシは、口にある針を茎などに挿して植物の汁を吸ってしまいます。さらにアブラムシの排泄物は甘い香りがしてウイルスやすす病など二次的な被害ももたらします。ハダニは、葉っぱの裏に生息し、植物の栄養分を吸ってしまいます。どの虫も、春から秋の季節に発生しやすいものです。いずれの場合も、見つけ次第駆除して、必要に応じて殺虫剤を用いましょう。

オダマキ(苧環)の増やし方・種まきと株分け

オダマキ(苧環)の増やし方は、大きく2つ。種まきと株分けです。いずれも比較的簡単にできる増やし方です。オダマキ(苧環)は多年草なのですが、数年花を咲かせたあと、枯れてしまうことも多いようです。増やし方をマスターしておくと、いつまでもオダマキ(苧環)を絶やさずに育てることができます。

種まき

オダマキ(苧環)の増やし方のひとつめは、種まきです。オダマキ(苧環)の種まきに適した時期は年に2回、4~6月もしくは9~10月の、気候の良い季節です。種まき用に採種し保管しておいた種か、市販されている種を使いましょう。種まき用の土を入れた育苗ポットに種をばらまきします。土をかぶせずに、軽く手でポンポンと押しましょう。日当たりのよい風通しのよい場所で管理します。2~4週間くらいで発芽しますので、それまで水やりを続けます。発芽苗の根っこがしっかりしてきたら、好きな場所に植え替えましょう。

株分け

オダマキ(苧環)の増やし方のもうひとつは、株分けです。オダマキ(苧環)の株分けに適した時期は、2~3月。少し肌寒さの残る早春の季節です。オダマキ(苧環)の新芽が出るより前の時期に、株分けを行いましょう。オダマキ(苧環)の株分けは、植え替えと一緒に行うと便利です。株分けするオダマキ(苧環)の株を土から掘り出し、適度な大きさで分けます。清潔なハサミなどで、オダマキ(苧環)の根っこを切り、株分けしたそれぞれのものを鉢などに植え替えます。

個性的なオダマキ(苧環)を探してみよう

オダマキ(苧環)は柔らかな印象の花姿とは逆に、とても強くて育てやすい植物です。春から秋まで長い開花時期を楽しむことができるのも嬉しいところ。オダマキ(苧環)には大変多くの品種があり、なかには、一瞬オダマキ(苧環)と分からないような個性的な花姿のものも。ガーデンの雰囲気に合わせた花選びをするなど、幅広いシーンで用いることができて、とても楽しいお花です。

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