「多年草」とは
多年草なら、手間いらず!
多年草とは、「一度植えれば、毎年咲いてくれる」植物のこと。一年きりで枯れてしまわないので、育て方が悪くなければ、毎年開花時期に庭やベランダを彩ってくれます。「植物を育てるのに興味はあるけど、できるだけほったらかしで管理したい」「毎年新しい花を植えるのは面倒」という方に、もってこいなんですよ! また、「宿根草」や「一年草」なんて言葉も、植物について調べている方ならよく耳にするのではないでしょうか。たまーに「二年草」なんて植物もありますよね。多年草との違いや、それぞれの代表的なおすすめの植物をご紹介します!初心者さんでも簡単に育てられるものばかりを厳選していますよ!
多年草を育てるメリット
「放置」できるのが多年草!
せっかくお花を植えても、一年だけで枯れてしまうのって、なんだか勿体ないですし、植え替えも手間ですよね。多年草がズボラさんにおすすめな理由は、なんといっても「放置」で毎年花を咲かせてくれるからなんです!
水やりが面倒!? 地植えなら大丈夫!
「多年草でも、水やりは必要なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、地面に直接植える「地植え」なら、ほぼ雨水だけで育ってくれるんですよ。だから「一年間なにも手を加えない」なんてこともできちゃいます! もちろん、終わってしまった花を摘みとったり、混み合ってきたら植え替えたりしてあげたほうが、多年草の育ちは良くなります。開花期間も長くなりますし、見栄えがするのも確か。ですが丈夫な種類なら、本当~に何もしなくても、けっこう育ってくれるんですよ。
正しい場所選びが肝心!
多年草で植えっぱなしのガーデニングを楽しむときは、その植物に合った場所を選んで植えることが非常に重要です。好む日当たり、好む土壌を最初にきちんと把握してあげることは、お手入れしなくても丈夫にすくすくと育ってくれること、植え替え・株の更新の手間を省くことにつながります。
多年草でも、永久に育つわけではない
丈夫な多年草でも、永久に育つわけではないと思っておきましょう。たとえば、雪が降ったり、肥料が不足してきたりという理由で、年々弱っていくことが考えられます。防寒対策をする、追肥をする、といった手入れで株を長持ちさせることは可能ですが、「多年草のはずなのに、今年は花を咲かせなかった……」ということもあります。
宿根草とは
多年草との違いって?
宿根草も、多年草と同じく毎年花を咲かせる植物です。宿根草は多年草の中に含まれるひとつの部類であり、宿根草のこともまとめて「多年草」と呼ぶことができます。では両者を呼び分けるときの違いは何なのかというと、宿根草は開花が終わると地上部が枯れてしまうという点です。根だけが残り、また来年になると芽を出します。宿根草の代表種は、人気のチューリップやスイセン、アイリスなどです。
一年草とは
その名の通り、一年しか育てられず、苦手な気候の時期(おもに寒い時期)になると完全に枯れてしまうのが「一年草」です。原産地では多年草でも、日本の気候に合わないため、日本では一年草扱いされるような植物もいくつかあります。ちょっと植え替えが面倒、苗のお金が毎年かかってしまう、といったデメリットはありますが、種が採取しやすいヒマワリや、こぼれダネ(種が地面に落ちて、また来年も高確率で芽を出す。ただし元の株より数は減りがち)で増えるビオラやカモミールなら比較的育てやすいです。
二年草とは
ちなみに二年間もち、それ以降は枯れてしまう「二年草」というものもあります。料理によく添えられるパセリはこの二年草です。最初の年は、枯れずに一年中育ちますが、だんだん株が弱ってきます。二年草は比較的数が少ない種類です。
初心者さんでも大丈夫!育てやすい多年草
おすすめの多年草を紹介
多年草と宿根草、一年草、二年草との違い、大まかにご理解頂けましたか? それでは、おすすめの多年草を紹介していきます!日なた向きの植物から、日当たりが悪くても育つ植物まで、さまざまなスペースで育てられるものを集めました。初心者さんでも育てやすい、丈夫で優秀な人気の植物ばかりです!また、常緑(冬になっても地上部が枯れない。つまり宿根草は除いています)のものだけに絞っているので、一年中緑のあるお庭が楽しめますよ。また、後半では宿根草、一年草、二年草の代表種についても少し触れています。
育てやすい多年草1.クリスマスローズ
色とりどりの花が咲く、冬の風物詩
園芸雑誌で特集を組まれることも少なくない、多年草の代表種です。12月頃から咲き始めます。 「ローズ」という名を冠していますが、見た目はバラとちょっと違い、中心部に黄色い花芯が見られます。バラというより、どちらかというと椿に似ているお花です。半日陰でも育てられますよ。赤や白などの多彩なカラーバリエーションを持つ、冬の人気者です。
育てやすい多年草2.ナデシコ
ピンクのかわいい花が咲く
「大和撫子」の言葉で知られる、日本人になじみ深いお花です。ピンク色の花びらが愛らしく、秋の七草のひとつにも数えられます。 いちど植え付ければ、ほとんど手がかからないお花です。数年後には群生するように広がってくれることも。実はバラエティー豊富で、ナデシコの仲間は300種類以上あるんですよ!ヨーロッパ風のロックガーデンとの相性も良好なので、レンガで作った花壇や、かわいい鉢植えに仕立てて育ててみましょう。
育てやすい多年草3.アイビー
簡単に育てられる、つる性のグリーン
お花ばかりが多年草ではありません。つる性のアイビーは、かなり丈夫で日陰OKな、非常に育てやすい多年草です。花壇の縁や、ハンギングプランターに植えれば、下へと垂れ下がるように育つ姿が楽しめます。建物の壁面を覆うのにもよく使われていますよ。ちなみに室内でも育てられます。寒さ・暑さにも強く、とにかく手がかかりません。1度は育てて、その丈夫さをぜひ実感してみてください!
育てやすい多年草4.マーガレット
有名な多年草
ガーデニングになじみのない方でもおそらくご存じなのではないでしょうか。マーガレットは洋風の雰囲気が強い多年草です。日本で栽培が始まったのは、明治時代。背が高くなるので、花壇や鉢植えでは一番奥に植えて、手前には背の低い花を添えましょう。 開花の時期は4月~6月頃です。夏の多湿には弱いので、川砂を少し混ぜて、水はけのよい土を作ってあげましょう。
育てやすい多年草5.ローズマリー
一年中収穫できるハーブ
ハーブの代表種、ローズマリーも多年草です。低木にあたります。ローズマリーは木立性のものやほふく性のものがあるので、あまり背を高くしたくないなら、ほふく性のものを選んで植えましょう。木立性のものだと、買ったときは小さくても、数年後には管理できない大きさに……なんてこともあるので、よく品種を調べてから長い目で育てるのがポイントです。日当たりはちょっと悪くても育ちますが、できれば明るくて蒸れにくいところに植えてください。 一年中収穫が楽しめるので、肉料理に混ぜてみたり、ハーブティーにしてみたりして、思う存分ハーブ生活を満喫してください。あまり味が得意でない人は、香り付けや飾りに使うのがおすすめです。非常に香りが良く、剪定や収穫中も楽しい気分にさせてくれるような存在です。
育てやすい多年草6.ミント
増えやすく超簡単
誰もが知っていると言っても過言ではない、ミント。繁殖力に優れた多年草です。雑草化することもあるので、他の繁殖力が弱い植物の近くには植えないようにしましょう。小さいですが白っぽい花が咲くハーブです。育てやすさは抜群で、初心者さんでも簡単に栽培できます。 種類によって異なるのですが、冬になると地上部が枯れてしまう宿根草扱いのものもあります。一年中庭を彩りたいなら、耐寒性に優れた品種がおすすめです。
育てやすい多年草7.スターチス
ドライフラワーにできる多年草
簡単にドライフラワーが作れる植物で5本の指に入るくらい、乾燥しても花色があざやかに残るのがスターチスです。切り花ではメインの花に添えるようにして使われることが多く、花持ちが抜群に良い多年草です。風通しの良い日なたで育てましょう。開花は初夏~秋です。
育てやすい多年草8.ヤブラン
日陰で咲く多年草
木の根元や家の陰など、他の植物が育ちにくい日陰のスペースってありますよね。そんな場所で活躍するのが、ヤブランです!耐陰性に優れ、放置でよく育つ非常に丈夫な多年草です。日なたで育てたほうがよく咲くのですが、基本的に日なたにはあまり植えられません。日陰スペースを彩るために植えられるのが一般的です。 開花時期は8月~10月ごろです。花の見た目はラベンダーに似ており、代表的な紫色の他に、白い花が咲く品種もあります。葉に白い斑が入っているものもキレイですよ。葉の部分は一年中枯れず、花だけでなく葉も楽しめる優秀な植物です。ちなみに「リリオペ」と呼ばれることもあります。
一年草の代表種
ビオラ、パンジー
冬になると、公共施設や道端の花壇でしょっちゅう見かけるのがビオラとパンジーです。多くのお花が寒さで開花しない中、元気に育ってくれます。冬のガーデニングの代表種です。品種やカラーバリエーションが豊富で、根強い支持を集める一年草です。非常に育てやすく、日当たりの良いところに植えさえすれば大丈夫。ちなみに、ざっくり言うと大きい方がパンジー、小ぶりなほうがビオラです。開花時期を長くするためには、しおれた花をどんどん摘んであげるのがコツですよ。
その他の代表種
スイートピーやデイジー、バジルも人気の一年草です。一年草には見栄えの良いものが多いので、一年きりしか咲かなくても、購入して行かれる方は多くいらっしゃいます。
宿根草の代表種
ルドベキア
野生化しているものも見られるほど、丈夫で、繁殖力が旺盛です。「広がりすぎて困ってしまった」なんてこともあるほど。植えるときは、育ちすぎて他の植物を駆逐してしまわないよう気をつけてあげましょう。黄色くて小さなヒマワリのような外見は、お庭に彩りを与えてくれます。開花時期は夏です。夏は花が少なく、庭木の緑ばかりが目立ってしまいがちな時期なので、ぜひルドベキアのような夏に咲く多年草を活用してみてください。
その他の代表種
宿根草は球根植物に多いです。アイリスやチューリップ、スイセンはすべて球根で増える代表的な宿根草になります。
毎年咲く多年草で、手間いらずなガーデニング!
簡単&丈夫な多年草で、緑いっぱいの庭づくり!
毎年花を咲かせ、地上部も枯れない多年草。「手間をかけずに、でもずっと緑いっぱいなお庭をキープしたい!」という要望に応えてくれる存在です。ズボラな方、忙しい方、体力的に毎日の庭作業が難しい方でも、多年草なら大丈夫。簡単&丈夫な多年草で、一年中緑とお花があるお庭を作っちゃいましょう!