盆栽の見分け方を徹底解説します!
盆栽の違いや付け方いくつ知ってる?
盆栽の価値を見分けるためには、いくつかのポイントがあり、樹齢や美しい樹形に限らず、作者の手間も価値に含まれます。
また、盆栽の値段基準には、幹や枝など注目すべき点が多数存在しますが、初心者には「具体的にどこで見分ければよいのか?」と疑問を抱くでしょう。
当記事では、盆栽の値段の違いや付け方を徹底解説します。後半では、盆栽の魅力や仕立て方、購入場所も紹介しますので、参考にしてみてください。
盆栽の値段を見分ける5つのポイント
盆栽の値段は樹齢や手間で変わる?
盆栽の値段の見分け方は、大きく分けて5つのポイントがあります。高額な盆栽の多くは、樹齢数十年以上のものがほとんどです。
中には100年を超える盆栽も存在し、綺麗に剪定された姿はまさに「生きた芸術」と言えるでしょう。
また、盆栽のプロが見れば、作者が「美しく育てるために何度くらい植え替えをしたのか」や「どんな鉢を使っているのか」がわかるそうです。盆栽は木や鉢の価値だけでなく、作者がかけた手間も評価されます。
盆栽の値段ポイント1:樹齢
盆栽の値段の見分け方で、最も重視されるのが「樹齢」です。本来、樹木には寿命があるため、樹齢が長いほど希少価値があるとされ、何世代も生き続けた盆栽には、高い値段が付けられます。高価な盆栽は、多くが樹齢数十年以上。
樹齢が若くて高い盆栽は稀で、値段の違いのポイントと言えるでしょう。樹齢を積み重ねるためには作者の手間が欠かせません。値段の高い盆栽は、丁寧に育てられた賜物と言えます。
高額の盆栽は100年以上
高値の盆栽の中には、樹齢100年以上のものも存在します。過去には、高松の国際盆栽大会で1億円以上の値段が付いた盆栽も!樹齢は数百年と言われており、値段の高さにも納得するでしょう。
ちなみに日本には、1億円以上の値段が付いた盆栽が多数存在します。「華厳」と名付けられた盆栽は、樹齢なんと800年以上。「序之舞」は川端康成が所有していた樹齢450年の花梨きを盆栽にしたもので、希少性がうかがえます。
盆栽の値段ポイント2:形
盆栽の値段の見分け方は、形も重要性なポイントです。形は「樹形」と呼ばれ、左右への湾曲が均等。または、どちらかに偏っているなどの基準があります。
また、小さすぎたり大きすぎたりすると好まれません。共通のポイントは、「統一、安定、調和、変化」を加えた4つのポイントを基準に、盆栽の値段が付けられます。
樹齢の浅い盆栽の値段を高くしたいのであれば、樹形にこだわった手入れするのがおすすめです。
評価が高い樹形
評価が高い樹形は、前述したさまざまな基準をクリアした盆栽となります。簡単に言えば、バランスのとれた美しい樹形と言えるでしょう。
第74回国風盆栽展で3,000万円以上の値段が付いた「翔鶴」は、大きく湾曲した幹が特徴的な盆栽です。
枝や葉のバランス・調和も高い評価を獲得しています。「翔鶴」は、現在1億円以上の価値があると言われ、現代でもマニアから愛されているのです。
盆栽の値段ポイント3:手間
盆栽の値段を見分けるポイントには、作者がかけた手間も挙げられ、見えない部分にも、高い評価が付きます。
盆栽を長く美しく仕上げるためには、植え替えや仕立てなどさまざまな手間がかかり、専門家は作者の手間まで見抜き、高い値段と見分けるのです。
また、樹齢は長いほど扱いが難しくなり、必然的に樹齢100年以上の盆栽は、多くの手間がかかり、値段も高騰します。
費用も手間のひとつ
盆栽の値段を見分ける、重要なポイント「手間」。その他、手入れにかかる費用も手間のひとつとして評価されます。盆栽は生き物なので、購入後の手入れが重要です。
手入れには、ある程度の費用が必要となり、日々の水やりや管理、剪定にも費用や手間が発生します。丁寧に手入れされた盆栽が、のちに人々を魅了する「価値ある盆栽」に生長するのです。
盆栽の値段ポイント4:作者
盆栽の値付けには、作者も1つのポイントです。厳密に言うと、有名な作者は盆栽づくりに精通しているため、価値あるものを生み出しやすいとも言えるでしょう。
前述した「翔鶴」の作者である小林國雄氏は、「日本盆栽作風展」において4度も内閣総理大臣賞を受賞しています。
さらに、小林氏が生み出した盆栽には、1億円以上のものが3つも存在し、盆栽歴40年以上の作者が、時間と手間をかけているからこその値段です。
盆栽の値段ポイント5:鉢
盆栽の値段のポイントには、少なからず鉢も影響を与えます。盆栽の鉢にはさまざまな種類が存在し、値段も千差万別です。そもそも、鉢には安価なものから、骨董品と呼ばれる高級なものまであります。
また、年代が新しくても、作者によって高い値段がつく鉢もあり、盆栽にこだわるなら鉢に注目してみてはいかがでしょうか?盆栽の美しさが、さらに引き締まって見えますよ。
盆栽の値段の評価基準とは
盆栽の値段基準1:根
盆栽の値段の評価基準には、大きく4つの点が重視されます。1つ目は「根」で、張り具合がよいかという点を見ましょう。盆栽から感じる「強い生命力」の表れが、高い評価を獲得します。
根張りがよい盆栽は、根が太く盛り上がっており、バランスの取れた状態です。細い根を幾度も剪定・手入れを施すことで、太く存在感のある根に生長します。存在感のある根は、盆栽の姿に大きな影響を与えるのです。
盆栽の値段基準2:幹
盆栽の値段基準には、「幹(立ち上がり)」も重視されます。「立ち上がり」とは、根元から枝までを指し、大木のような存在感・迫力を生み出す重要なポイントです。幹は太く、くびれのない姿が好まれます。
また、「幹の肌」と呼ばれる表面・皮は、樹木の種類によって異なり、松の盆栽の肌は、樹齢・層を重ねた姿が魅力の1つです。安定感のある幹は、育て始めたころの手入れが大きく影響します。
盆栽の値段基準3:枝
盆栽の値段基準には、美しい形の「枝」もポイントです。バランスの取れた枝によって、評価の高い盆栽になります。
また、樹形の美しさを阻害する不要な「忌み枝」がない点も重要です。忌み枝は盆栽の美しさだけでなく、樹木の生長も衰えさせる厄介な存在のため、注意して見てみましょう。
盆栽の枝は、葉が落ちる冬にも、細く分かれた枝先が美しく映えます。四季を通して楽しめる魅力の1つでしょう。
盆栽の値段基準4:葉
盆栽は壮大な「幹」が主役と思われがちですが、葉も重要な値段の基準です。葉は盆栽の印象を左右する、大きな役割を担っています。葉にはそれぞれ特徴や個性があり、同じ種類の樹木でも同様です。
もみじは秋に紅葉しますし、黒松は無数の深緑色の葉が印象的。葉によって盆栽の姿が変わると言っても過言でありません。幹や根、枝とのバランスが取れた葉は、最高の盆栽を生み出すでしょう。
盆栽で最も高い値段と安い盆栽
最も高い値段の盆栽は2億円以上
最も高い値段の盆栽は、なんと時価2億円以上の「小豆島」です。「小豆島」は樹齢200年以上と言われており、2016年の伊勢志摩サミットにも出展されました。
樹種は黒松で、非常に大きな盆栽です。最高額の盆栽は規格外のため、一般の方の所有物ではありません。
しかし、個人に所有されている最高額なら、2011年「アジア太平洋盆栽水石高松大会」に出展された盆栽が挙げられます。値段は1億円、個人で購入とは驚きです。
最も安い値段の盆栽は数百円
最も安い盆栽は、数百円から購入可能です。「ミニ盆栽」と呼ばれる小さな盆栽もありますし、中国で「急速に育てられた盆栽」も存在します。
盆栽の価値は、大きく分けると「時間」と「手間」がポイントです。そのため、上記のような盆栽は、比較的安い値段で購入できるでしょう。
ただし、安価な盆栽には鉢が付いていない場合があります。「盆栽用苗木」は鉢に入っていないので、ネットショップで購入する際には注意しましょう。
盆栽の魅力と仕立て方
盆栽の魅力は「鉢に大自然を表現すること」
そもそも、なぜ盆栽は人びとを魅了するのでしょうか?盆栽の魅力は、簡単に言えば「鉢に大自然を表現すること」です。本来なら外の世界で見る大木の姿を、鉢の中に再現して鑑賞を楽しみます。
また、盆栽を育てる際、自然そのままの景観を再現するために、多くの手入れが必要です。美しく仕立てるための手間や、常に変化する姿も魅力の1つ。今や盆栽は、日本人だけでなく世界中の人から愛されています。
盆栽には独自のルールがある?
盆栽には、独自のルールがあるのをご存じでしょうか?盆栽独自のルールとは、古くからの専門家たちの知識や知恵です。鉢の上で育てる盆栽を、より美しく再現することと言えるでしょう。
さらに、盆栽の育て方を自身で見直していくことも大切です。盆栽に完成はないので、向きや樹齢、樹形などに気を配り、徐々に理解を深めていきましょう。また、よりよい盆栽に仕立てるためには、基本の樹形を覚えることも大切です。
盆栽ルール1:盆栽の樹形
盆栽独自のルールの1つは、樹形の種類を理解することです。幹が根元からまっすぐに伸びている「直幹」、幹が左右どちらかに傾いている「斜幹」などがあります。
そのほか、1つの根から2つの幹に分かれている「双幹」や、幹が曲がった「蟠幹」。「株立ち」は1株から複数の幹が出た姿で、バランスの取れた美しい最高の盆栽に仕上がります。盆栽にはさまざまな樹形が存在し、理解することでより深く楽しめるようになるでしょう。
盆栽ルール2:バランス
盆栽を楽しむためのルールには、バランスも挙げられます。どんなに秀でたポイントがあっても、全体のバランスが崩れていては最高の盆栽と言えません。
盆栽にはさまざまな種類がありますが、評価の高いものは全てバランスのとれた美しい姿をしています。特に、盆栽の初心者はバランスに注目してみるのがおすすめです。最高の盆栽を繰り返し鑑賞すれば、バランスについて理解が深まるでしょう。
盆栽ルール3:スケール感
盆栽を楽しむためには、スケール感も大切です。盆栽は自然を再現した景観が重要なので、近景・遠景に注目しましょう。
具体的に言うと、近い景観を鉢に表現するのか、または遠い景観を表すのかという点です。近景・遠景に注目すれば、徐々にスケール感のある盆栽の姿が見えてきます。鉢の上に大自然を再現できているかを意識してみてください。
盆栽はどこで買う?
盆栽の購入方法1:盆栽イベント
盆栽の購入方法は大きく3つあり、1つは盆栽イベントへ足を運ぶ方法です。盆栽イベントは、1年を通して全国で開催されています。多くが入場料無料で、買う気がなくても見て楽しめる点が魅力です。
中には即売を行っているイベントもあるため、あなたにとって「最高の盆栽」に出会えたら購入しましょう。
盆栽イベントには「盆栽好き」が集まります。情報交換ができる場でもあるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
盆栽の購入方法2:盆栽の専門店
盆栽の購入方法には、園芸店を含んだ専門店も挙げられます。専門知識を持つスタッフから、サポートしてもらえる点が魅力です。盆栽を楽しむ際には、鉢や肥料、園芸用品が必要なので、不安な場合は相談してみましょう。
また、高い値段の盆栽にこだわらない場合は、近くのホームセンターを覗いてみるのもおすすめです。お部屋のインテリアとしても楽しめるので、お気に入りの1点を探してみてください。
盆栽の購入方法3:ネットショップ
盆栽を手軽に購入したいなら、ネットショップの利用もおすすめです。最近は、盆栽専門のネットショップが数多く展開しており、誰でも気軽に購入できます。ただし、一口に盆栽と言っても、種類はさまざまです。
初心者で「どの盆栽がよいのか不安」という場合は、実際にイベントや店舗に足を運ぶのがおすすめ。また、盆栽に詳しい人なら、ネットショップよりも実際に園芸・専門店に行ってみるとよいでしょう。
値段の違いを知り価値ある盆栽を見分けよう
まとめ
盆栽は、種類や樹齢、樹形などの総合的な観点から値段が決まります。高額な盆栽は長い期間、大変な手間や費用をかけて育てられたものです。盆栽の値段の見分け方ポイントは、複数あります。
もちろん、安価で手に入る盆栽でも十分楽しめるでしょう。一方、値段の違いを知れば、さらに深く盆栽を理解できます。価値ある盆栽を見分け、魅力を最大限に感じてみてください。
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