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季節別、ニレケヤキの盆栽の育て方講座。適切な管理場所や手入れのコツも解説!

ニレケヤキの盆栽は、春先に行う剪定や植え替えで、繊細な枝を造形していきます。ニレケヤキの盆栽の四季ごとの育て方、基本の剪定から芽摘み手順、植え替えの方法を紹介!さらには施肥の手順や、害虫と病気の対策も紹介します。春夏秋冬さまざまな表情を楽しみましょう。
2021年10月2日
maa123127
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ニレケヤキは強さと華奢さを兼ね備えた木

ニレケヤキは強健!

Photo by stevepaustin

ニレケヤキは堅固な樹木として有名です。一般的にケヤキと言うと公園や街路樹などに採用されている場合が多いですが、育成が容易ということもあって盆栽仕立てにもできます。

分類分けされる盆栽の中で、雑木というジャンルにあたるニレケヤキは、四季を通していろいろな表情が見られますが、手入れは比較的簡単です。ニレケヤキの鑑賞どころ、手入れステップを確認し、四季の移り変わりを愛でましょう。

ニレケヤキの個性とは

ニレケヤキと欅は異なるの?

欅とニレケヤキは所属としては同じ木です。大きな違いは、枝や葉の形状やサイズと言えます。ニレケヤキの葉はたおやかで、一定のサイズであるのが特徴です。一方の欅は木のサイズによって葉の大きさも差異があるのですが、葉の先が鋭角であるのが目印と言えます。

また幹に関しても、ニレケヤキはより重厚な存在感があるのです。ただ、いずれの木も盆栽に仕立てることはできるので、好みに応じて選ぶのがよいでしょう。

ニレケヤキ盆栽の見どころ

ニレケヤキの盆栽の鑑賞どころは、四季によって表情を変える葉、自生樹を感じさせる幹や枝の様と言えます。ニレケヤキの盆栽は春夏の季節は薄緑の葉の瑞々しさ、秋冬の季節は葉が落ちる様や枝の侘しさが特徴です。

ニレケヤキの盆栽は、春夏秋冬四季それぞれで鑑賞どころが多くあり、手入れしていて飽きません。また、手入れをした分だけ荘厳なたたずまいを見せてくれるので、手入れしがいのある盆栽と言えるでしょう。

ニレケヤキ盆栽の育て方【仕立方法】

ニレケヤキの選び方

ニレケヤキの盆栽は手入れが容易とは言え、選ぶ苗によっては枯れる可能性もあるのです。ニレケヤキを購入する際は、幹の元に張りがあり、しわがないものを探しましょう。少し触れてみて屈強ではないニレケヤキは、根が弱いことがあります。

また、枝の節数も手入れの面白さを計るポイントです。節が多いものは手入れの練習になります。自分で枝を増やしたいという方は若めの苗を選ぶとよいでしょう。

土と苔の選び方

ニレケヤキは除水性がある土が合うと言えます。赤玉土に盆栽に使える砂を混ぜ合わせたものがおすすめです。配分としては小粒タイプの赤玉土が70%から80%、残りを桐生砂とするとよいでしょう。

苔に関しては、特別なルールはありません。園芸店で販売されている板状の苔を使うと早いです。すな苔やはい苔などが盆栽に多用されますが、それぞれ長さや見た目も違うので、お好みのものを探しましょう。

簡単仕立てステップ

ニレケヤキを盆栽にするには、土や苔の他、器や針金、ピンセットを準備しましょう。器の底穴から針金を互い違いさせ、ネットと底石を置いて下さい。そこにピンセットで根をとかしたニレケヤキを配置しましょう。

7割ほど土を入れ、針金でそっと幹・根を留めて下さい。留めた後は土を少量かぶせ、苔を表に張ったら仕立て完了です。最後に底から水がしたたる程度に散水すると、根の張りがよくなります。

ニレケヤキ盆栽の育て方【時期別手入れ】

<手入れ1>管理場所


ニレケヤキの盆栽は、毎日の手入れ場所にも注意が必要です。春夏秋冬どの時期も、太陽光が届く場所が原則と考えましょう。適量の紫外線を浴びることで、ニレケヤキの優美な樹形を維持できます。

また、太陽光と同時に風がある程度吹く場所がよいです。日本は春夏秋冬比較的多湿なので、湿気がこもってしまうと根が腐る要因となります。ニレケヤキの盆栽は、太陽光と風の通り2つが叶う場所にて手入れしましょう。

<手入れ2>灌水管理方法

ニレケヤキの盆栽は多湿が苦手ですが、一方でカラカラの状態も注意です。ニレケヤキを精察し、時期にあった散水をしてあげて下さい。春の時期は1日1回、夏の時期は日中2回から3回は水を与えましょう。

秋の時期は春と同様に1回ほどですが、冬は散水頻度が変わります。根の状態をよく保つために、3日に1回くらいに抑えるようにして下さい。

<手入れ3>春夏季節の注意点

ニレケヤキの盆栽は、春夏の時期の時期の太陽光に注意して管理します。強く張った枝や葉には陽が必須ですが、当たり過ぎると葉の色や育成が悪くなり、秋の綺麗な色づきが期待できません。

春夏の内特に夏は、園芸用のカーテンを使って、過度な太陽光に注意してあげて下さい。軒下などに避難させる方法でも構いません。ただし、風の通りを遮らないように合わせて気を付けましょう。

<手入れ4>秋冬季節の注意点

ニレケヤキの盆栽は、秋冬の冷え具合によって管理場所を変える必要があります。秋は過度に心配することはありませんが、寒さが厳しい地域で育成する場合は葉の枯れや幹、根の弱りに注意です。

本格的な冬になるまでに、発泡スチロールなどの部屋を準備しましょう。盆栽育成ではむろとも呼ばれます。極度に気温が低い日は、この部屋に入れて暖を取って下さい。もしくは玄関内に避難するのもよいでしょう。

ニレケヤキ盆栽の育て方【剪定方法】

<育て方1>剪定でできること

ニレケヤキの盆栽は剪定すると形状やサイズを保てます。剪定なく月日が過ぎると、余計な枝がどんどん突出してくるのです。また、芽を抜く剪定を行うと、ニレケヤキならではの雅やかな枝を造形できます。その他、いらない枝や葉を断ち切ることで風の通り、養分の渡りがよくなり健康的なニレケヤキとなるのです。剪定でニレケヤキの葉が過度にはびこるのを防ぎましょう。

<育て方2>剪定する時期

ニレケヤキの盆栽を剪定する時期は、基幹の剪定と芽の剪定によって時期が変動します。基幹の剪定は、葉がなく枝の様が確認しやすい3月上旬あたりがよいでしょう。多少は前後しても構いません。

一方で、芽を取って整った枝を目指す芽摘み剪定の場合は、新しい芽が吹き始める4月上旬から5月下旬あたりを目安とします。基幹の剪定は年に1度ほど、芽を摘む剪定は2週間に1度ほど様子を見て対応して下さい。

<育て方3>剪定の基幹方法

まずニレケヤキ全体の形状を注視して下さい。基本的にニレケヤキの盆栽は緩やかなカーブを描いた樹形です。この理想的な形状を大きく出た枝を元から断ち切りましょう。

また、枝を1本ずつ確認して、奥に入りこむような枝(内向枝)も断って下さい。その後、可能であれば癒合剤で保護してあげましょう。断ち切った切り口を雑菌から守り、新しい芽にも備えることができます。

<育て方4>芽を摘む剪定方法

基幹の剪定は、ある程度形状もサイズも維持できているニレケヤキに行います。一方で芽を摘む剪定は、比較的小さいニレケヤキにも必至な剪定です。方法は容易で、至るところから吹いている新しい芽を探します。

4枚ほど葉が付いている芽は、2節くらいを残して手で断ち切りましょう。この剪定を数度行うと、節が付かない枝(間伸び枝)が次第に消え、ニレケヤキの鑑賞どころでもある繊細な枝を多く付けることができます。

ニレケヤキ盆栽の育て方【肥料管理方法】


<育て方1>肥料の選び方

ニレケヤキの盆栽は一般的に葉もの盆栽と言われるタイプで、チッ素が多い肥料をあげると葉がよく生長すると言われています。ただ、この成分が多すぎると葉の色が悪くなることもあるので注意です。

ニレケヤキの盆栽にちょうどよいのは、油粕などの効きが遅めの玉状肥料です。玉状の肥料は土表面に置いて使うもので、養分が吸収され過ぎないメリットがあります。化学肥料はニレケヤキの盆栽には強すぎることもあるので注意しましょう。

<育て方2>施肥方法

ニレケヤキの盆栽の施肥は、芽が吹き始める4月から始めて、10月くらいまで1カ月に1回ほど行います。ただし、長雨が続く6月頃はお休みしましょう。この時期に施肥すると根が弱り、枯れてしまう事態になりかねません。

また、長年育成して樹形も維持できているニレケヤキの場合は、施肥の回数を少なくします。4月頃に1回、5月下旬頃に最後の1回という頻度がちょうどよいです。過度にあげてしまうと枝が生長し過ぎて繊細さがなくなります。

<育て方3>施肥時の注意事項

ニレケヤキの盆栽に肥料をあげる際は、時期や回数、肥料の中身に注意するとよいでしょう。既述通り、1カ月に1回程度を守ることで、枝の繊細さを維持しながら枝の量を多くできます。ニレケヤキらしい節の多い樹形を造りやすくなるのです。

また、肥料の中身はチッ素の他に、リンやカリウムがちょうどよく入ったものがよいでしょう。いずれかの成分が多すぎると、葉の色や枝の硬さに影響がでます。成分と用量を確認して使用するように注意して下さい。

ニレケヤキ盆栽の育て方【植替え方法】

<育て方1>植え替えする理由

ニレケヤキの盆栽は、芽の吹きと同じように根っこの生長も速めです。そのため、植え替えをせずに長年同じ器で管理していると、根が行く場所がなくなりだんだんと腐ってしまいます。根が腐ると、合わせて葉や枝も弱ってしまうのです。

また、ニレケヤキの盆栽だけではなく、盆栽は植え替えをすることでサイズや形状を保てる特性があります。根が生長すると枝も突出し、それだけ剪定なども難しくなるのです。植え替えは、管理を楽にするための必至作業と考えましょう。

<育て方2>植え替えの材料

ニレケヤキの盆栽を植え替えする場合の資材は、1から仕立てる時と変わりません。用土と苔、ピンセットやハサミを用意して下さい。その他、化粧砂を少量敷くと、風合いが変わりおすすめです。また、器の形状・サイズを変えてもよいでしょう。

一般的に盆栽を植え替える際は、現行の大きさよりも倍程度サイズアップした器に替えます。ただ、今の器を気に入っている等で変えたくない場合は、根っこを半ばほどまで断つと、木全体の大きさもコントロール可能です。

<育て方3>植え替え方法

ニレケヤキの植え替えは、2月下旬から3月下旬頃に行います。頻度に関してはニレケヤキの育成度合いで変えましょう。形状が維持されているニレケヤキは2、3年に1度ほど、枝や葉をまだ造形中という場合は年に1度は植え替えます。

植え替え時はニレケヤキの根をとかし、最も大きい根っこを短く断ちます。柔らかい大量の根は、半ばくらいの長さに揃えて断ち切りましょう。その後は、針金掛け済の器にニレケヤキを植えて固定し、苔や化粧砂を飾れば完成です。

<育て方4>植え替え後の注意事項

いくら強いニレケヤキでも、植え替えした後は疲れた状態になります。この時、過度に太陽光に当ててしまうと、根っこや葉が枯れてしまうのです。植え替えした後は風がよく通る軒下などでお世話してあげましょう。

また、通常であれば翌月くらいに施肥をしますが、2ヶ月後くらいから肥料を足して下さい。植え替えした後にすぐ通常量の肥料が入ると、いわゆる肥料やけを起こしかねません。疲れた体に脂っこいものを入れることと同じと考えましょう。

ニレケヤキ盆栽の育て方【虫・病気対策】


対策すべき虫とは

ニレケヤキの盆栽は、他の木と比較すると害虫の発生率は少なめです。とはいえ、春時期から夏頃までは、あぶら虫やかいがら虫が葉の裏表に現れることがあります。あぶら虫は極小のありのような見た目で、木の中の養分を取るのが特徴です。

一方のかいがら虫は、乳白色のような色味で、葉に限らず枝についていることもあります。あぶら虫と同じく木の樹液を取るので、ニレケヤキの葉が次々と枯れてしまうのです。また、盆栽の病気を併発させることもあります。

対策すべき病気とは

ニレケヤキの盆栽が注意したい病気は、すす病やかっぱん病などです。すす病は黒いスミのようなものが葉にくっつき、適切な光合成を妨げます。急に枯れてしまうことは少ないですが、葉にへたりがでてくるのです。

かっぱん病はこげ茶色の斑点が葉にたくさん出現します。何も対策をしないで放っておくと、病変箇所のみならず周りの葉も合わせて枯れていくのです。すす病はかいがら虫が、かっぱん病は長雨時や過度な散水による湿気が原因とされています。

具体的な対策方法

害虫・病気いずれにしても、日のあたり具合と風の通りが適切か確認しましょう。夏の時期に何か症状がでた時は、太陽光が強すぎる可能性があります。また、内側まで風が通らず湿度がこもって症状がでることもあるのです。

同時に、殺菌と殺虫の効果がある薬を利用しましょう。すでに症状がでた箇所を元通りにするのは難しいですが、それ以上の蔓延を防げます。その後は、常日頃から管理場所などに注意するようにして下さい。

まとめ

ニレケヤキの盆栽を春夏秋冬通して強く育成する方法を紹介しました。土の乾きの程度に注意して散水し、適宜剪定・植え替えをすると、順調に育ちます。ニレケヤキの最大の鑑賞どころである繊細な枝や葉をイメージし、適した季節に正しい管理をしましょう。

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